伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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事業仕分け と マニフェスト

2012-10-15 11:38:49 | 事業仕分け 住民協議会 構想日本

(厚木市は事業仕分けのメッカ)

今朝のNHKニュースで、
厚木市の「部長マニフェスト」が取り上げられていました。

これは、厚木市長の小林つねよし氏が掲げる
市長マニフェスト」を実現するために、
市役所の各部長が「部長のチャレンジ宣言」として、
所管する事業の達成目標、進捗度などを
ホームページなどで公表しているものです。

厚木市といえば、実は各地で事業仕分けを行っている
「仕分け人」が大勢働いている市役所です。

あまり知られていませんが、
事業仕分けは、民主党が政権をとる前から、
全国の自治体でこつこつと行われていました。

政策シンクタンクの「構想日本」が、
自治体から依頼を受け、自治体職員などで構成される
ボランティアの仕分け人を派遣して実施してきました。
いまも行われています。

私は2007年に、
厚木市役所で行われた事業仕分けを見学
したことがきっかけで
構想日本の仕分け人となりました。



(事業仕分けに、市役所職員が大反発)

本日のNHKニュースでは、2007年に厚木市で
事業仕分けを行った当時、市職員が(幹部?)が大反発したと
小林市長が語っていました。

市長とすれば、事業仕分けを行えば、
行政改革が進むと考えていたところ、
職員の反発にあい、業務が進まなくなったようです。

そのため、現在の各部長が
市長のマニフェストを実現するための宣言を公表して
進捗度も公表するスタイルになったそうです。

テレビのインタビューに答えていた部長さんは、
大変だけれども、やらなければならないという強い使命感を感じる、
と答えていました。
リンク先を見ていただけば分かるように、
部長さんの顔写真入りで、何をいつまでに達成するのか書かれています。

市の主役である市民にとって、現在、市役所は何を目標にして
どんなことを行っているのか。達成度はどのくらいか、一目で分かります。
また、職員にとっても仕事の目標と位置づけ、進捗度がハッキリしていますので、
各課、各部が一丸となって取り組めるのではないでしょうか。

各部局長のマニフェストの公表制度を、
ぜひ、伊勢崎市や群馬県庁にも取り入れてほしいと思います。

小林厚木市長のマニフェストは、内容もすばらしく
昨年の「第6回マニフェスト大賞」の首長の部で優秀賞を受賞しました。
勉強させて頂きます。



(事業仕分けとは)

行政改革のツールとして、「事業仕分け」は万能ではありません。
特定の条件下で威力を発揮します。

具体的な作業は、自治体から審査を依頼された事業について
その政策目的に対して事業が効果的・効率的に成果を上げているか否かを
審査するだけのものです。

したがって、次のような制約があります。
 ・依頼されない事業は審査対象外。
 ・政策目的の良し悪しは判断しない。
 ・政策目的達成のために、もっと良い事業が他にあっても提案できない。
  (仕分け人として、可能な範囲で情報提供は行っています)
 ・個々の事業の適否は判断できるが、各事業を体系化した
  総合的な評価はできない。

事業仕分けを依頼する自治体が、何のために事業仕分けを行うのか、
疑問を感じるケースもあります。

・わずか10万円弱の事業の仕分けを依頼してくる。
 →自治体職員の準備も含めて、遠隔地から仕分け人が集まり
  時間と経費をかけて議論をするのです。もし廃止の結論となっても、
  最大10万円程度しか節約の効果が出ない事業を選ぶとは?

  本当に無駄を削ることが目的?
  仕分けしたというパフォーマンスが目的?

  このケースとは逆に、金額の多い事業から順番に選んで
  仕分け対象としている自治体もあります。

・消防車を買う事業の仕分けを依頼してくる。
 →誰が考えても必要です。

事業仕分けは、あくまで外部の第三者からの参考意見です。
当事者の自治体職員にとっては、突然やって来た仕分け人の指摘には
さぞや「違和感」があることとと思います。

しかし「違和感を得ること」こそ、
事業仕分けを行う目的の一つでもあります。

行政内部だけの予定調和の世界にどっぷりつかり自己満足するのか。
それとも、外部からの指摘に違和感を感じ、発奮して、
厚木市の「部長のチャレンジ宣言」のように、
一つの殻を破る意識改革のきっかけにするか。



(マニュフェストは出発点ではない)

今年の日本自治創造学会研究大会から
「国政の再編と地方政治の展開」 飯尾潤(政策研究大学院大学教授)

官僚は昨日の政策を元に次の政策を考えている。
今は議論の前提が変わる時代。

マニュフェストは出発点ではない。問題の終着点を示すもの
選挙にあたり、未解決の問題を取り上げて、
どのように決着させるかマニュフェストに示し、勝利したなら実行の根拠となる。
野党や住民が反対しそうな問題こそマニュフェストに取り上げるべきなのに、
耳当たりの良い項目ばかりかかげてまるで昔の選挙公約のような状態。



(自治体の自立・自存と議会の対応)

今年の日本自治創造学会研究大会のパネルディスカッションから。

宮台 真司(首都大学東京教授)

安心・安全・快適のキャッチフレーズは、国も自治体も共通。
世界で見れば日本の達成度は高い。
しかし国民の幸福度は世界で80位以下。
このキャッチフレーズは本当のニーズに合っていない。

(多田感想)ドキッとする指摘です。


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