北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

労働をシェアして地域を救う方法

2017-08-22 23:36:25 | Weblog

 

 今日は都市計画学会の会合の後で、一緒になったあるコンサルに努める友人と飲みに行きました。

 この組み合わせで飲みに行くという機会はこれまでになかったので面白い話題が飛び交う心地よい時間となりました。

 今日のキーワードは「労働をシェアする」というもので、人手不足をどういう形で補いながら生産性を向上させるか、という様々な事例のオンパレード。

「ニセコでは、夏にその地域で農業をしている人が冬にスキー場で働いているといいますね」と彼。
「なるほど。僕は稚内にいましたが、地元の除雪者のオペレーターの方は、夏は漁業をしているんだと言っていました。一年の中で夏と冬の労働を足して年間労働になるというのは、北海道の良い事例だと思います」と私。

「しかし最近はハウス農業での作業が通年化するところが出始めて、冬の労働力が確保できないという問題が出てきているみたいですね」
「実は地域でバランスされている現実が、産業を振興したいという思惑や政策の結果、崩されてしまうということもあるかもしれませんね」

 
        ◆  


 彼は卒業論文で、函館のイカの加工について考察したことがあるのだそう。

「函館って、イカが取れましたが、それを加工するのに好都合だったのが、地元の主婦の労働力だったんじゃないかと思いました。函館って、造船業などをはじめとして大企業が多くて、そこで働く夫についていく専業主婦層って多かったんです。そういう人たちの労働力が函館のイカの加工をずいぶん助けたんだと思うんです」


        ◆   


「地方へ行くと、役場にはもう土木系の技術者が減っていて、例えば橋梁の点検やメンテナンスなどができる人がどんどん少なくなっています。しかし地方の役場に就職してくれる技術者もあまりいないし、役場にすれば人は採用するのも大変だし、しかし技術は欲しい、という状況になっています」
「そういうことを助けるような機構があると良いかもしれませんね。例えば技術系コンサルタントで一定の受け皿を作って、そこが10市町村の橋梁の点検や補修コンサルタントを請け負う。一つの自治体からは100万円とか200万円で委託を受ければ、全部で2千万円くらいの業務量にはなって、技術者が二人雇える。
 おまけにコンサルタントの協働であれば、人事異動で若い人を常に派遣し続けられて平均年齢が上がったり高齢化するということもない。なんとなくうまくいきそうな気もしてきましたね(笑)」

 公共インフラを維持管理するような一部事務組合を、地域の自治体が集まって作ることで一定の業務ボリュームになれば、常駐できるくらいの規模にもなりそうです。

 人口が少ない地方自治体の労働をシェアして、それをサポートするようなシステムがこれからは必要になるのではないか。

 酔った勢いではいろいろと発想が浮かびます。外部の人たちとの集まりが面白いのはこういう時間ですね。

 

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