北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

あんたがたどこさの洗馬山…はどこ?

2020-07-23 23:57:11 | フライフィッシング

 

 掛川から友人のサトー君が来道中。

「どこかで会おうよ」と連絡すると逆に「釣りに行きましょうよ」と釣りに誘われました。

「いいねえ」 

 もう一人の釣り友達と3人で、かつて訪れた懐かしい川を再訪して、あのときに一緒に行った、今は亡き友の思い出をかみしめながら魚たちと戯れる時を過ごしました。

 心許せる友達との釣行は、釣っている時間も移動の時間も楽しくて、本当は魚に会えなくても良いのです。

     ◆


 夜も昼間の延長で札幌市内の居酒屋さんでこれまで会えなかった間の溜まりに溜まった話でお互いに盛り上がります。

 そんな話の一つ。サトー君は最近熊本市での仕事を引き受けているのだそう。

「熊本と言えば西南戦争で知られた田原坂へ行った?」
「田原坂は行きませんでしたが、童謡『あんたがたどこさ』に出てくる洗馬山へ行こうとおもいました」

「ほほー」
「そうしたら洗馬橋はあるのに洗馬山はないんです。それでその橋のところで『あんたがたどこさ』を歌いながら『洗馬山はどこだ?』なんて話をしていました。そうしたら我々の会話を聞きつけた妙齢の品の良い女性が近寄ってきて、『今お話をされていた洗馬山というのは山ではなくて実は土塁なんですよ。お話がつい聞こえたものですから』とさりげなく町の歴史を教えてくれたんです」

「へえ」
「その様が押しつけがましくなくてさりげない。(どこぞの町の観光案内スタッフの中には、『実はですねえ』と知識の押し売りを始めたりするかもしれないのになあ)と、ひとしきり感心しました」

「なるほど、その女性は熊本市の町のイメージを一気に高める観光大使だね」
「おっしゃるとおりですよ。一人一人の振る舞いは町のイメージを上げもするし下げもする。僕らは熊本市にすっかり良いイメージをもちました」

 観光ソフトも観光案内インフラも、整備するのは良いけれど結局それを生かすのは人であり、市民が皆もてなしの心を持つ町こそ観光都市の名にふさわしいということでしょう。

 面白い話です。旅は人を大きくするなあ。


 

コメント
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