博覧こうき

信頼のK&S行政書士受験教室

「六法」で花道を歩いても…。

2007-10-31 03:57:31 | Weblog


歌舞伎の世界には、「花道で六法を踏む」という言葉があるという…。
もちろん、歌舞伎用語ですからここでの「六法」はあの「悪魔の聖書」ではありません。

「悪魔の聖書」。弁護士でもあった詩人ハイネは、ローマ法大全をこう罵ったと…。意外に法律が苦手(?)だったのかも…。

法律的素養。日本民法にも大きな影響を与えた「ナポレオン法典」(フランス民法)。簡潔で流暢な文体だとの評判ですね。なぜそうなったのかというと、名文家ではあったが、法律的素養のないナポレオンが最初の読者。これを立法者が意識したからだと言われています。

そのナポレオン。流石に彼の辞書には不可能がなかったかのよう…。自分に都合のいいように法案を修正してしまったこともあったという。「ナポレオン修正」。意外に法律的素養があったのかも…。

その「六法」。「有斐閣 判例六法Professional 平成20年版」が堂々のデビュー。全国の法律ファンの期待を背負って…。三省堂の「模範六法」の向こうを張っての登場。なにしろ2分冊。

1冊目は「公法・刑事法・社会法・条約」。2冊目が「民事法・産業法」。かつて分冊六法がどこかの出版社から刊行されたことがありますが(まだ販売しているのかな)、意外に使いにくい。分冊なんですが、講義の際には全冊持って行かないと…。

この判例六法プロフも2冊持って歩くようだと分冊の意味があまりないですね。重いし…。「実務家向け六法の決定版」だと。実務家は力があるんですね。別の意味で…。

まあこれは許容範囲。民主主義者ですから、寛容の精神で。A5版。しかも4段組。これは…。買うのをやめました。「離せばわかる世代」としては、文字が小さすぎて見えない。

「2色刷り」もウリの一つ。条文は「黒字」。判例は「青字」。これは意外と使いにくいですね。だいいち、マーカーでチェックできない。書き込みもしにくい。

私は「要件・効果」など条文も判例の部分も「色分け」するのですが。使うカラーによっては見えない。

この六法のデザインを決めた人。六法を使ったことなんてないんでしょうね。きっと…。

それでもこの「判例六法プロフ」。前評判は上々でしたから、けっこう売れるのかも知れません。

六法で「花道」を歩いて行こうとする人たちには…。