朝からの雨。「遣らずの雨」っていうのはなんとなく艶かしいのですが。雨だからといって何にもしないわけにもいきません。
「仕事をやらずの雨」っていうわけじゃ…。だいたい雨の日は憂鬱で仕事をする気もないのですが、6月も終わりだし。7月前にやっておかなくてはならないものもあるし。
そうは言っても、知恵の神「ミネルヴァ」は、やって来そうにもないし…。ましてその使者「フクロー」クンは夕方になっても飛び立ってはくれなかったんですが。
ヘーゲルの『法哲学』のテキストの冒頭の明言。「ミネルヴァの梟は夕闇とともに飛び立つ」って。ヘーゲル哲学もけっしてやさしいものではありませんが。現実の生活の前に「哲学」があるか。要するに、哲学に従って現実の生活が営まれていくのか。
現実の生活の後に「哲学」が生まれてくるのかっていう違いですね。ヘーゲルがいう「フクロー」クンは「哲学」なんです。夕方にならないと飛び立たないってことは……おわかりですね。
こうジメジメするとあちこちにカビが生えてしまうのですが。前にも書きましたが、「有斐閣の法律学全集」などはひどいもんですよ。
同じ法律学全集でもまったくカビの生えないものもあるんです。『地方自治法』とか『民法総則』などはそうですね。作者の執念っていうか怨念でしょうか。自治法はともかく民法総則などは川島先生の執念のようで。
来栖先生の『契約法』も執念の塊でしょうね。あんなに分厚くて。厚いっていえば、かつての青林書院の「現代法律学全集」などはすさまじい。だって、執筆者にはページ数関係なしって依頼したとかいう話です。何ページになってもいいって。だから、このシリーズは分厚いのが多い。
だいたい本っていうのは分厚いものを読むに限るんです。専門書でもね。厚ければ何でも書いてあるんです。薄い本は読みやすそうですが、行間を読まなくちゃいけないからかえってたいへん。
それはそうと。本のカビは拭いてやればきれいになりますが。みなさん、頭の中にだけはカビを生やさないでくださいね。そんなカビは拭いたってきれいにゃなりませんよ。たぶんね。
この時期。2~3日勉強しないとすぐにカビちゃうでしょうね。おっそろし~。カビどころかコケまで生えている人を私は知っていますよ。