いづれのおほん時にか女御更衣あまたさぶらひける中に…。
ご存知「源氏物語」の書き出し。桐壺の更衣の巻ですね。そのうち「玉のをのこみこ」の誕生となるわけですが。
中世のわが国最高の文学作品「源氏物語」は1008年(寛弘5年)の完成と伝えられています。2008年の今年は源氏物語千年紀。
源氏物語。作者は中宮彰子に仕えた紫式部。同じ女流作家であった清少納言(中宮定子にお仕え)とはライバル同士。
紫式部日記では、清少納言をこきおろしていますね。「いとをかし」ばっかり乱発していて軽そうだこと…って。あんな人の晩年はみじめでしょう…なんて。
そのせいかどうか。式部に予知能力があったかどうかは知りませんが、少納言の晩年は不遇だったようです。
かつて塾講師だった時代。ほとんど勉強などしないお坊ちゃま相手に。文学史の講義も。大学入試には定番ですからね。(かつては行政書士試験にも出題されていましたがね。)
「紫色の敷布団」とか「モグラの葬式」などと…。はてまた「トカゲの泉は紫だけど、そばもうどんも平安ならば…」などと。講師稼業もラクじゃなかった…。
ヤっちゃんとはちがってツライ「しのぎ」はありませんが。かつての高校生相手とはちがって今じゃ「おとな」の受講生の方々。かえってたいへんですね。やっぱり講師稼業もラクじゃない。
だいいち怒れない。あの頃は勉強しない生徒には・何度教えても間違う生徒には頭をゴッツン。「○○、わかるまで立っとれ!」などと言えたんですが…。
ところでその「源氏物語千年紀」。特別限定酒が発売されています。日本橋タカシマヤで。180本限り。720mlで1501円。紫式部にちなんで紫色のボトル。
幻の酒米「渡船」(わたりぶね)で醸した…ていう。しかもラベルには石山寺所蔵の土佐光起筆による紫式部の肖像画が。
こりゃあ買わないわけにはいきません。家業そっちのけで源氏物語ばっかり読んでいた親父の供養のためにも。(危うく私の名前は「源氏」にされるとこだったとか)。ゲンゴローよりはいいですがね(これって兄貴。かわいそうなやっちゃなぁ)。
さっそく呑んでみました。口当たりはいいですね。まさに千年の時を超えて紫式部が語りかけてくるような。