今日は、朝8時過ぎに船を出す。
船着き場を離れる直前、一本の電話が入った。
瀬渡船「くろしお」の蔵富船長からだった。
「アラが釣れたよ」
「でかいですか」
「何キロくらいやろうか」
「50キロくらいですか」
「其処までは無いよ。20キロくらいやろうか」
船で、くろしお丸まで行き、アラを見せてもらった。
見事なアラに、心からの拍手を送った。
「我々も、頑張ろう」
本日の釣りは、船からのフカセ釣り。
前日まで、仲間達から「余り調子は良くないよ」と、聞いていた。
「ボーズだったら、どうしよう」
迷いながらも、兎に角ポイントを目指す。
釣り人は二人。
かめや釣り具宮崎(神宮)店の岡本さんと、真田さん。
「船フカセは、経験浅いです。初心者と同じです」と、お二人。
目指したポイントの近くには、船が2隻、錨を入れていた。
少し離れたところに、錨を入れる。
潮が気になる。
潮行きを見ていると、フラフラと流れが安定していない。
船尾は南を向いているが、潮は、東に流れている。
船も潮に揺られて、フラフラと安定しない。
船フカセは、今回が初めての挑戦。
「どうしたもんかな…」
悩んでいると、錨を入れていた船が、移動し始めた。
「移動しましょう」と、当初、考えていたポイントに移動する。
この移動が、吉と出た。
水深の浅い岩場に、錨を入れる。
上り潮が0.7ノット前後で、北東に流れている。
竿を出して、一投目に「来た」と、真田さんの声がした。
良型のイサキが、上がってきた。
「やりました。来ましたね」と、前半の不調を吹き飛ばすような笑顔が良い。
岡本さんにも、アタリが来た。
「来たよ。来ましたよ」と、竿が大きく曲がっている。
これも、良型のイサキだ。
初めての船フカセで上げたイサキの釣果に、笑顔が輝く。
ここから、チョットした入れ食いタイムに突入した。
真田さんと、岡本さんにイサキやメジナが連発してくる。
「いきなり、ゴツンと来るアタリが良いね」
「重量感がたまりませんね」
岡本さん、真田さんの声が弾んでくる。
撒き餌の先には、何かが沸き上がっているのが確認できる。
船から、15メートルくらい先にポイントが出来ている様だ。
撒き餌をドンドン入れて、魚を興奮状態にしていきたい。
干潮の潮止まりの30分位前だが、アタリが続いている。
潮止まり直前になると、真田さんにアタリが連発。
「こんな連発、嬉しいです」
真田さんの表情が、喜々としている。
昼過ぎて、南東の風が強くなり始めた。
沖合には、白波が立ち始めていた。
錨の様子を確認すると「あれ、錨が外れている」事に気が付いた。
錨をぶら下げたまま、船が流されている。
「錨が外れています。風も出てきましたし、上がりましょうか」
初の船フカセで、楽しい好釣果に成ったと思う。
岡本さん、真田さんの笑顔が嬉しかった。