アシリアペ    「アシリアペ」とはアイヌ語で「新しい火」。住所は茨城県常陸太田市大中町3486-2

営業日等:土日の10:00~17:00 臨時営業もあり。天然酵母パンやオーガニックの食材などを取り扱う。

「ブータン 山の教室」 パオ チョニン ドルジ監督 ○ ☆☆

2021-06-30 11:03:56 | 映画評


「ブータン 山の教室」 パオ チョニン ドルジ監督 ○ ☆☆

 「世界一幸福な国」と言われ国民もそれを知っているブータンの最も僻地にある村の学校を舞台に教育とは?幸福とは?を問いかける作品です。

 ミュージシャンとしてオーストラリアへ移住することに憧れているやる気のない青年教師のウゲン(シェラップ ドル)は上司から世界一僻地のルナナ村(標高4800M)の学校へ冬が来るまで赴任することを命じられます。ティンプーからバスでガサまで行きその後はヒマラヤを見ながらのほぼ1週間のトレッキングでたどり着くルナナには車はもちろん電気もありません。しかし、村までまだ2時間も歩くというところまで村人が全員でウゲンを迎えに来ていました。なんとか到着したもののあまりの「なにもなさ」にウゲンは「僕、帰ります。」と投げ出します。しかし、翌朝寝ているウゲンを「先生もう9時です。」とクラス委員のペムザムに起こされしかたなく教室へ行き子どもたちと向き合います。ノートに使う紙も貴重なため足りずそれどころか黒板もありません。ただ、子どもたちの学びたいという向学心や大人が子どもに学ばせたいという強い思いがありました。ウゲンは次第にその思いに応えようとするのでした。

 原題は「ルナナ、ヤクがいる教室」で、その名の通りヤクはミルクや肉を利用するためだけでなく糞は燃料として使うためルナナの生活では重要な役割を担っています。ヤクのノルブ(宝の意 実名はナカ)が教室で草を食んでいます。テーマ曲は「ヤクに捧げる歌」(ブータンの伝統歌)でこの曲を通じてウゲルは歌い手の女性セジュ(ケルドン ハモ グルン)と親しくなります。

 子どもたちはじめ村人は俳優ではなくルナナに住む村人なのでドキュメンタリーのようでもあります。車もなく紙も使わない生活なのに、雪が減っているという気候温暖化の影響を最も身近に受けている「幸福な国」の人々を通してもう一度自らの生き方を振り返らずにはいられなくなる作品です。(☆)
 また、監督が写真家のためか映像が大変美しくそれも見どころです。(☆)
 ところで、この作品は隣町にあるミニシアターで見ましたがコロナで座席が半数とはいえ、平日にもかかわらず満席でした。嬉しいことです。

 タバコは、なし。無煙です。国民総幸福(GNH)で有名ですが、実はブータンは日本ではあまり取り上げられませんが、禁煙(喫煙は違法)の国でもあります。


「アメリカン・ユートピア」 スパイク リー監督 米 ○ ☆☆

2021-06-26 14:03:44 | 映画評
面白かった、いい映画の紹介。


「アメリカン・ユートピア」 スパイク リー監督 米 ○ ☆☆

 アメリカグラミー賞受賞アーティスト「ディビット バーン」が2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」を原案にブロードウェイで行われた2019年のショーをスパイク・リー監督が映画化しました。

 いきなり脳の模型を手に歌い始め、人間の脳は生まれたときがもっとも神経細胞のつながりは多く、成長するに連れだんだん少なくなっていく、人との出会いこそが人間を豊かにするとかたります。そして、さまざまな楽器を身に着けたさまざまなメンバーと演奏し、踊ります。その内容はトランプ大統領時代のアメリカに対しての自分の思いを穏やかに語り歌うのです。

 1952年生まれのディビットが舞台の上を歌いながら演奏しながら動き回り印象的なダンスやマーチングバンド風の動きなどをカメラは捉えます。照明の見事なこと、音楽の豊かなこと、内容に主張があること、芸術性が高いことなどなど映画というメディアとして最高の作品です。
 客席と舞台の間に警備員がいるわけでもなく観客の中を退場する場面でも立ち上がって拍手はしていますがそれ以上のことは決してせず、観客も洗練されていました。
 コロナがなければ「ボヘミアン ラプソディ」のような「応援上映」で盛り上がることも出来たでしょう。残念!
 残念といえば、メンバーにアジア系の人がいなかったことがちょっと残念です。
 なお、ラストで、会場から宿泊施設へ移動する手段が自転車というのも「口だけじゃない。行動も見てね。」という主張がありました。

 タバコは、なし。無煙です。喫煙者があのパフォーマンスをしたら倒れますね。


「彼女は頭が悪いから」 姫野カオルコ著

2021-06-25 11:17:22 | 本棚


「彼女は頭が悪いから」 姫野カオルコ著

郊外生まれで公立育ちの女子大生・美咲と、都心生まれで国立大付属から東大に入ったつばさ。育った環境も考え方も異なる二人が出会い、恋におちた結果・・・・・東大生5人による強制わいせつ」事件となり、被害者の美咲が勘違い女として世間から誹謗中傷される。現代社会に潜む病理を浮き彫りにした傑作。第32回柴田錬三郎賞受賞。


ミニライブ報告

2021-06-20 09:07:30 | イベント情報
昨日、予定通りライブを開催。
あいにくの雨にも関わらずお越しいただきありがとうございました。
1時間弱弱でしたが楽しいひとときを過ごすことができました。


なお当店では、ライブ、展示会等店内を無料でお貸ししています。どうぞご利用ください。