アシリアペ    「アシリアペ」とはアイヌ語で「新しい火」。住所は茨城県常陸太田市大中町3486-2

営業日等:土日の10:00~17:00 臨時営業もあり。天然酵母パンやオーガニックの食材などを取り扱う。

ブックカフェより

2019-04-28 10:23:13 | 本棚
「アイヌ文化を読み解く『ゴールデンカムイ』」(中川裕著)
 アイヌとはいかなる人々なのか? 言語・物語や信仰から食生活まで、文化のエッセンスを大人気漫画「ゴールデンカムイ」を題材に解説した、決定的入門書!(紹介文より)


「ふたつの日本 『移民国家』の建前と現実」(望月優大著)
 この国に確かに存在する「移民」という現実。止まらない人口減少の背後で、日本で暮らす外国人は増加に一途をたどっている。「日本」はどこから来て、どこに向かうのか?(紹介文より)


「シーソーモンスター」(伊坂幸太郎著)
小説2篇。バブルに浮かれる昭和の日本。一見、どこにでもある平凡な家庭の北山家だったが、ある日、嫁は姑の過去に大きな疑念を抱くようになり・・・。(「シーソーモンスター」) 舞台は2050年の日本。ある天才科学者が遺した手紙を握りしめ、彼の旧友と配達人が、見えない敵の暴走を阻止すべく奮闘する!(「スピンモンスター」)


「清貧の思想」(中野孝次著)
本日の日曜版コラム「おじさん図鑑」に出てきた本。





2018年無煙映画大賞決定

2019-04-26 16:17:37 | 映画評
  2018年無煙映画大賞について

 日本禁煙学会で無煙映画評を担当している者です。映画評を仕事としている北川れい子さんは年間500本以上観ているそうです。それらのプロの人と比べるとまだまだ少ないのですが、この映画評が少しでもタバコのない社会の実現にむけてお役に立てばとおもい、楽しみながら使命感を持って鑑賞しています。
 
 さて、2018年に鑑賞した日本語映画は72本でした。そのうち完全なタバコのでない無煙映画は28本でした。これらの無煙映画の中から各賞を選定しました。ちなみに外国語映画は62本観ましたが無煙映画は29本でした。

 日本禁煙学会無煙映画選考委員会で各賞を審査した結果、次の作品が選ばれました。
 (参考までに、映画タイトルの次に「映画.COM」の評価点数を記載します。満点は5)

 なお、舞台での発表は5月31日(金)日本医師会館において、2019年世界禁煙デー記念イベント「受動喫煙防止法制化の先を見据えて」の中で行います。

**2018年無煙映画大賞受賞作品と受賞理由**

<作品賞> 「空飛ぶタイヤ」(3.5)本木克英監督  

      「劇場版 コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」(3.5)西浦正記監督

<女優賞>  吉永小百合(よしなが さゆり) 
      「北の桜守」(3.1)滝田洋二郎監督 
 
<男優賞>  岩田剛典(いわた たかのり) 
      「去年の冬、君と別れ」(3.7)瀧本智行監督
      「パーフェクト ワールド 君といる奇跡」(3.3)柴山健次監督

<監督賞>  三上智恵監督(みかみ ちえ) 「沖縄スパイ戦史」(4.2)
      
<ファミリー賞> 「パパはわるものチャンピオン」(3.9)藤村享平監督

<話題賞> 「カメラを止めるな」(3.9)上田慎一郎監督 

<特別賞> 「三里塚のイカロス」(3.7)代島治彦監督
 
受賞理由
今回は作品賞の候補作2作品の優劣が付け難く2作品受賞といたしました。

<作品賞>「空飛ぶタイヤ」
 人気企業物作家の池井戸潤原作です。大企業が壁のように立ちふさがるにもかかわらず、それぞれの立場の人々が真相を求めてめげずに闘う姿は、タバコ会社と闘うわたしたちに共通するものがあり勇気を与えてくれます。

<作品賞>「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」
 救急救命のために献身的に働く医療関係者の姿は、子どもたちの目に憧れの大人として映ることと思います。2018年観客動員数が最も多かった作品です。

<女優賞> 吉永小百合
 120本目の出演作品です。年とともに深みを増した演技が光ります。いつかこの人にと思っていましたが、なかなか機会がなくやっと「北の桜守」が完全に無煙の作品となりました。サユリストのみなさまお待たせいたしました。

<男優賞> 岩田剛典
 「去年の冬、きみと別れ」では恋人が巻き込まれたミステリアスな事件を追うジャーナリスト役を、「パーフェクトワールド 君といる奇跡」では怪我が原因で車椅子生活となり、恋人に対して素直になりきれない屈折した思いをもつ青年役を演じ分けました。

<監督賞> 三上智恵
 沖縄が抱える独特のテーマをさまざまな切り口から観客に問題提起し続けている「不屈」の制作姿勢を評価します。「標的の島 風(かじ)かたか」(4.3)(2017年公開)、「戦場ぬ止み(いくさばぬとうどうみ)」(3.8)(2015年公開)に次ぐ沖縄3作目です。

<ファミリー賞> 「パパはわるものチャンピオン」 藤村享平監督
 かつては人気プロレスラーでしたが、怪我などの理由で悪役の覆面レスラーを仕事にしている父親と小学生の息子との誤解と和解を描いています。地味な作品ですが、子役の活躍が素晴らしく三世代の家族揃って安心して楽しめる秀作です。

<話題賞> 「カメラを止めるな」上田慎一郎監督
 たった2館の上映からクチコミで広がり最終的には200万人の動員を記録した2018年を代表する作品です。タバコを吸おうとするところで止める場面がありましたが、映画撮影現場というかつてはくわえタバコが普通だった世界を無煙で描いたことはたいへん評価できます。

<特別賞> 「三里塚のイカロス」代島治彦監督
 成田空港建設反対で国家と闘った三里塚闘争の当時と闘志たちの50年後を描いています。理不尽な権力と闘うことの意義と勇気を与えてくれる作品です。


2018年に鑑賞した無煙映画は次のとおりです。映画評は「無煙映画を探せ」をご参照ください。 

・「ウスケボーイズ」 柿崎ゆうじ監督 
・「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」 前田哲監督
・「まぶいぐみ〜ニューカレドニア引き裂かれた移民史〜」本郷義明監督 
・「人魚の眠る家」 堤幸彦監督 
・「日日是好日」 大森立嗣監督 
・「あの頃、君を追いかけた」 長谷川康夫監督 
・「パーフェクトワールド 君といる奇跡」 柴山健次監督  
・「散り椿」 木村大作監督 
・「パパはわるものチャンピオン」 藤村享平監督 
・「食べる女」 PG12 生野慈朗監督  
・「沖縄スパイ戦史」 三上智恵、大矢英代監督 
・「ペンギン・ハイウェイ」 石田祐康監督 
・「カメラを止めるな」 上田慎一郎監督 
・「未来のミライ」 細田守監督 
・「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」西浦正記監督 
・「空飛ぶタイヤ」 本木克英監督 
・「終わった人」 中田秀夫監督 
・「50回目のファーストキス」 福田雄一監督 
・「ラブ☓ドック」 鈴木おさむ監督  
・「娼年」 R18+ 三浦大輔監督  
・「ちはやふる 結び」 小泉徳宏監督 
・「曇天に笑う」 本広克行監督 
・「去年の冬、きみと別れ」 瀧本智行監督  
・「北の桜守」 滝田洋二郎監督 
・「三里塚のイカロス」 代島治彦監督 
・「辺野古ゲート前の人びと」 藤本幸久、影山あさ子監督 
・「光」 河瀨直美監督 
・「パークス」 瀬田なつき監督  

<汚れた灰皿賞(モクモク賞)>

・「来る」PG12(中島哲也監督) ・「止められるか、俺たちを」(白石和彌監督)
・「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(大根仁監督) ・「嘘を愛する女」(中江和仁監督) 
・「泣き虫しょったんの奇跡」(豊田利晃監督) 
以上を代表して、汚れた灰皿賞大賞は「止められるか、俺たちを」

*汚れた灰皿賞(モクモク賞)について
タバコの場面の多い作品は他にも「孤狼の血」(白石和彌監督)「菊とギロチン」(瀬々敬久ぜぜたかひさ監督)などがありますが、R制限を受けているので候補から外しました。

(注)選考にあたっては、ブロブ「無煙映画を探せ」(https://blog.goo.ne.jp/kaeruyama5151)を参考にしています。この映画評の目的は以下のとおりです。

1、映画に携わる俳優スタッフなどすべての関係者を能動喫煙、受動喫煙、残留タバコ煙(第3
次喫煙)などのタバコの害から守り、その害に気づいてもらうこと。
2、映画俳優の喫煙シーンがきっかけでニコチン依存症(常習的喫煙者)になってしまった映画
  ファンも多く、喫煙シーンをなくすことで観客をタバコの害から守ること。
   3、2004年に日本も批准し、現在180カ国が批准している国際条約「タバコ規制枠組み条約
    (FCTC)」第13条(注)を遵守することを促すこと。
* 以上のことから、映画を製作する人がいつまでも元気に活躍し、観客も1本でも多くの作品を
楽しむことができるよう願って評しています。
(注)<FCTC第13条>
タバコの広告・販売促進・スポンサーシップの制限または禁止をすることを謳っています。
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むあらゆる形のニューテクノロジーを用いた情報提供手段による広告・宣伝を禁止しています。