山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

自然農について

2013-07-08 | 農業
 一般的に自然農(自然農法)とは、①不耕起、②無農薬、③無肥料、④不除草であることとされているようです。書籍やネット情報を調べてみますと、色々な手法がありますが、私が目指すところの「自然農」は、川口由一さんが提唱されている、「耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵としない」(川口由一編【自然農への道】創森社より引用)にもっとも近いように思います。

 自然農を手探りではじめて3年近くになりますが、まだまだ分からないことが多く試行錯誤状態です。今まで、不耕起、無農薬、不除草に関しては自分なりの理解を書いてきましたし、納得できているつもりでおります。しかしながら、無肥料については、なかなか納得がいきません。

 あるブログ主からご紹介いただいたのが川口由一さんでした。早速、数冊の著作を読ませていただきました。今までの取り組みに理論的裏付けをいただき、多いなる励みとなりました。それでも、未だに無肥料に関しての疑問が氷解するには至っておりません。

 川口さんが提唱されている「持ち込まず、持ち出さない」というのは、自給自足的な自然農においては、田畑で栽培したものを動物が食し、その残滓や排泄物を田畑に還元できてはじめて循環が成立します。しかしながら、現代においては排泄物を田畑に還元するというようなことは余り行われていないでしょうし、私のところでもやっておりません。僅かに、食物の残りなどの有機物をコンポスト化して土壌に還元するようにしておりますが・・・。

 よって、完全な循環を形成させることは難しいのではないかということになります。人間が食したものは、その分だけ循環の環から外れてしまうことになります。それに見合う分の物質を補給してあげなければ、その物質が土壌から失われていくことになります。このことが長期間続けば、次第に地力が損なわれてしまい、完全な無肥料を貫くことはできないのではないかといった疑問に突き当たります。

 確かに、川口さんの実践では、草々を刈りとりその場に敷くといったやり方すので、慣行農業における草取り(根から取り除き、焼却などして圃場から排除)に比べれば、循環比率が高くなっております。また、殺虫剤などの農薬を使用しませんから、昆虫や小動物の宝庫となります。これを求めて鳥なども集まります。ですから、これらの死骸や糞などの有機物が外から持ち込まれるといったことも考えられます。これで無肥料にできることを充分に説明できるものなのでしょうか?

 また、窒素のように微生物によって、空気中の窒素が固定されるとが知られています。また、炭素も光合成によって空気中の二酸化炭素から固定することができます。植物体を構成する全ての物質が、未知の仕組みによって獲得できるというのであれば無肥料でも可能であるといえますが、現段階ではその仕組みの解明には至っておりません。

 更に、動植物には微量元素が不可欠です。これらに関しては、土壌構成物質の元である岩石中に含まれる鉱物を植物の根が出す酸の作用によって溶出させ吸収しているといった考えがあります。これはこれで説得力がありますが、これも時間の経過と共に減少していくことは明らかなことで、何時かは欠乏することとなります。もっとも、植物に必要な量は、極微量であるから土壌中に存在する量からすれば数千年のオーダーであるから全く問題ないと言えるのかも知れません。しかしながら、カルシウムやマグネシウムの欠乏を防ぐために、石灰や苦土石灰が散布されております。これは、厳密な意味では肥料には当たらないかも知れませんが・・・。

 自然農を説明する上で、この無肥料というのが一番難しいし、理解が得られないところだと思います。ですから、「農業の常識は、自然界の非常識」「農業の常識は、自然界の非常識」-その2で取り上げたような、不可思議な理屈を考え出さなければならなくなったのかも知れません。

 とにかく論より証拠である。数多くの実践例が示すとおり、立派にやっていけているではないかといった考えもあろうかと思います。しかし、これとても私にとっては、「熱交換塗料が熱を消す???(2)」と同様においそれと同調することができません。

 さはさりながら、他の農法に比べれば私の理想とするところに近いものですし、実践しながら学び考え続けて行きたいと思っております。できれば、無肥料に関しても解明の糸口でも見つけることができればと思っております。

 <参 考> 「現代農業は巨大な化学実験場か?」「耕さない農業」「雑草と共存する農業」「害虫といわれる昆虫について(農薬そして雑草と共存することについての一考察)」「自然栽培って?」「無肥料栽培について




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