山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

「農業の常識は、自然界の非常識」-その2

2012-10-27 | 本と雑誌

 せっかく2,100円も出して購入した「農業の常識は、自然界の非常識」ですので、気を取り直してもう少し読み進めることにしてみました。以下同書からの引用です。

 「C.Lケルヴランの「生体による原子転換」と「自然の中の原子転換」(ともに、日本CI協会)という本を読んでみると、今までの私の疑問に対する答えの多くが書き記されていました。それまでに学んできた物質の世界が、何もかも間違った角度で教えられてきたことに気づいたのです。なぜこんな大切なことが学問として成立せず、生命の働きを化学など一方的な学問に当てはめ、自然科学の本質を歪めてしまったのでしょうか。おそらく実験室だけに閉じこもる一部の人々がエネルギー保存の法則を盾に、これらの事実を排除してしまったのでしょう。宇宙空間に広がる無限のエネルギーと、自由な原子の移動を知らなければ、何にしても正しい理解はできないだろうと思うのです。これらの原子転換は微生物やその酵素、あるいは電気や磁気、圧力、そして超音波や赤外線、紫外線でも起こります。物質を支えるスカラー波や重力子とも呼ばれる力がリズムを取り、黄金比や空間に産まれるひずみに作用しているのではないかと考えています。」 以上引用終わり。

 ここまで来て、もう限界です。とうとうスカラー波まで登場してしまいました。私は学生時代は物理学専攻でしたが、スカラー波なる言葉を聞いたことがありません。それとも最近の物理では、このような術語を使っているのでしょうか。

 また、寡聞にしてC.L.ケルヴランという人物を存じ上げておりませんが、生物学的元素転換説の提唱者とのことです。著者の高橋氏によれば同博士が常温核融合で1975年のノーベル賞候補に挙がったと紹介されております。しかし、実際に同氏が受賞したのは、1993年のイグノーベル賞であり、その受賞理由は「錬金術の熱心な崇拝者」とのことです。

 「農業の常識は、自然界の非常識」で引用した「カリウム(K=原子量39)に水素(H=原子量1)が加わるとカルシウム(Ca=原子量40)になります」という現象(?)もこの常温核融合という理論から導き出されたのでしょうか。一般的には、カリウム(K=原子量40)のβ崩壊でカルシウム(Ca=原子量40)となる現象が知られております。

 そもそも本書で原子転換理論が語られているのは、ニワトリはほとんどカルシウムを摂取しないのに卵の殻はほとんどカルシウムから出来ているのは何故かという疑問に対する説明としてです。要はニワトリの餌にはカリウム分が多く含まれており、これがニワトリの体内でカルシウムに転換したのだというのです。だからカルシウムの摂取量以上の卵の殻が出来ると。

 生体内でカリウムがカルシウムに転換できるとすれば、なぜ人はカルシウムを摂取する必要があるのでしょうか。これはニワトリだけに生ずる特別な現象なのでしょうか?

 更に、これも同書で紹介されている例ですが、煮詰めるだけで、カリウムから酸素が抜け出しナトリウムになるそうです。これは常温核分裂とでも仰るのでしょうか。であれば、この世からカリウムは殆ど存在しなくなってしまうのではないでしょうか?

 などなど突っ込みどころ満載の書籍でありました。

 しかし、チョット待てよ。人を批判する前に私は、著者が指摘しているように「生命の働きを化学など一方的な学問に当てはめ、自然科学の本質を歪めて」いるのではないか。「エネルギー保存の法則を盾に、これらの事実を排除してしまって」いるのではないか。

 私自身も科学的結論を自分の都合の良いところだけ取り上げて議論しているのではないかと常に自戒する必要があると思います。

 それにしても自然農法に関して、バイオダイナミック農法だとかEM菌を用いたものだとか、こんなにも多くの手法があるのには驚かされました。百人百姓がいれば百通りの方法がありそうです。それぞれに主張があり、実践的な裏付けや思いいれがあるのでしょう。

 これらの中で、どのような手法を取り入れて行くかが課題です。少なくとも自分自身で納得出来る手法であり、できれば科学的な裏づけがあるものが望ましいと思っております。


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