詩人の血

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

夜の罪悪

2007-09-08 22:32:42 | Weblog
夏だというのに
窓も開けられず
あの密やかな 夜風も楽しめない

相変わらず 締め切った部屋
クーラーをきかせて

嘘のような 蛍光灯の下
仮想の君に読んでもらう為
キーボードを操作する

この部屋で夜は
うしおが満ちるように 訪れている
深夜を巡り 夜が深い井戸が 開く

部屋の片隅にゆっくり
裂け目があらわになり
夜を巡り 井戸があらわになる
擦り傷のにじむ体液のように
蛍光灯に照らされて
井戸の内分泌が綺麗な色をして 始まる

横たえた体と人肌の内分泌
息を濡らし 髪を濡らし 
遊魚の胎児の夢はなに色
綺麗に透ける フラスコの底 夜の底

夜の内分泌に 酩酊の部屋
深い 罪悪と業
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筒状の各々の夜

2007-09-08 02:17:10 | Weblog
夜と静かな 闇
寝入りそうな 息をして

この夜の底を待つ
深夜の二時に訪れる
空想の扉とともに

深い 井戸の底
空ろに響く
闇に闇を重ねた
秘密の場所

この小さな部屋から
夜の底は展開して
星のない 響かぬ空間へと伸びる

天空にそそり立つ
筒状の夜
闇に闇を重ね
摩天楼の余韻

午前二時 この時に 目覚めている 個体 一人一人に
一人一つ 固有の夜の物語が
メモリーチップに書き込まれ
その夜はささやいている
林立している

深い情緒の井戸の底から
清水が湧き出て
アスファルトの都会を潤す

水鏡に
夜の底は映し出され
林立する筒状の夜

夜と各々の夜は対象形

午前二時 
眠らない夜の底に
そそり立つ筒状の各々の夜
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