老人の戯言

老人の経験、知識、見識も現在に貢献するものが多いのではないか。

萎縮した日本

2006-10-31 21:31:53 | Weblog
 最近教育問題や医療事故が相次いで発生している。教育者は父兄や教育委員会などに苦情を言われたり、裁判沙汰になるのを嫌い萎縮して教育者の本分を全うしていない。
 医者も患者や家族からの苦情を恐れマニュアル以上の治療を施して救命に生甲斐を感ずるドクターがいない。これも失敗すれば告訴されたり学会から除名されたりする事が原因のようである。セカンドオピニオンを聞くことも良いがこれは一種の責任回避のためにも有効だそうである。
 これらは総て萎縮した教師や医者が増えたことに他ならない。
失敗を恐れず一縷の見込みがあれば多少のリスクを犯しても突き進む気概が見られないのは残念である。
 勿論患者やその家族とのインフォームドコンセントは必要であるし、リスクの可能性も充分事前説明が必要な事は言うまでもないが、萎縮していては救命率も向上しないし医学の進歩も期待できない。
 教育も父兄や教育庁の顔色を伺い、自分の保身を優先していては教育改革など覚束ない。
 医者や教師を攻めずに安心して仕事が出来るように環境を整えるのが先決であろう。
企業も、個人もサラリーマン化し、商売も大手コンビニやスーパーになり、仕入れはセンターの統計による売れ筋商品のみを並べるような次代では商人の管は養われず、国民全体が無気力な存在になれば、やがて日本はアジアのリーダーの地位からすべり落ちる事になるであろう。juntaro

心身障害者扶養年金制度の廃止(東京都)

2006-10-28 10:03:11 | Weblog
 28迩付け朝刊によると都は正式に心身障害者の扶養年金制度の廃止を決めた。
廃止の理由は低金利が続き財政的に行き詰まり、制度の維持が困難と判断したとある。
 なほ東京都の制度は全国的な制度に比べ給付が厚いのも一因とされている。
身障者を持つ親の最大の悩みは親の死後に取り残された自立が全く出来ない心身障害の子供の行く末ではないか。
 低金利は国が決めた銀行救済策であり、都が厳しいなら国税の投入を訴えるべき課題ではないか。
 また身障者は自分で訴えられないし、東京は日本一生活費の高い土地であるから給付水準も全国レベルより高いのは当然ではないか。
 このような決定をしてオリンピックの都への招聘をする石原知事は何を考えているのであろうか?
 こういうことが格差の拡大であり、生れてきた本人には何も責任がないのに死ね
と言うに等しい処置を認める都は糾弾されるべきである。
東京都が世界に発信する首都でこのような事がまかり通るのは許せない。

プロ野球の閉幕

2006-10-28 09:34:06 | Weblog
 日本ハムの優勝が決まって今年の日本プロ野球が閉幕した。巨人の凋落による視聴率の一桁台へのダウン、新庄選手の人気による北海道への優勝旗が始めて渡ったなど、今年の話題には事欠かない。また阪神電鉄と阪急電鉄の株主統合による今後の問題も興味深い。
 プロ野球の人気低下は単にサッカーブームの隆盛や、実力選手が米国の大リーグへの移籍のみによるものではないであろう。
 米国の監督の報酬は勝率や優勝などへの貢献より観客の動員数により来期の報酬が決まるのである。日本のようにAクラス入りや優勝させる事ではないのである。
 観客動員数を物指しにすれば、勝ちを焦って4番打者にバントさせたり敬遠することもなくなり、観客を喜ばせるようなホームランを期待させれば足を球場に運ぶ人やテレビの視聴率も上がるであろう。
 今日本の高校の選択科目の必須科目が受験本位の犠牲で削られて卒業が危ぶまれる問題が起きているが、これなども有名大学への進学率に固執するのが原因である。本来の高校教育は徳育を身につけ良識ある国際人にすべきで、地理や歴史も知らないでは世界の人々と伍してやって行けないのは戦時下の教育を受けられなかった我々が一番痛切に経験した事である。
 安部総理も成蹊学園で小学から大学まで一貫教育を受け受験勉強に煩わされずに育った結果今日があるのである。だからと云って一貫教育で受験地獄を親馬鹿で逃避せよと言って居る訳ではないが、米国のように受験は易しく卒業は難しいほうが本当に役立つ学問を身に着けることが可能であろう。juntaro
 

人間と動物の違い

2006-10-24 11:03:30 | Weblog
格差問題で連載したら多くの方から御批判を戴いた。
 動物はどんな名馬例えばデープ インパクトでも、今日は凱旋門賞で負けても自分から練習して次回に備えて訓練する事はないのである。総ては馬主、調教師や騎手次第である。
 人間は云われなくても自主的に勉強したり、スポーツの選手なら夜中にバットを振ったりして向上を目指す点が、人間も動物であるが、人間のみの特徴なのである。
 多くの方の御意見は格差は不平等と云はれるが、努力しても怠けていても同一賃金、同一待遇が良いのであろうか。
 問題は努力しても成功しない場合の再チャレンジの機会が平等に与えられ敗者も復活の可能性があると云うことではないか。
 また不幸にして沈みぱなしの場合はセイフテーネットで最低限の憲法で保障された人権の確保と生活保障ではないであろうか。
私も長生きの部類に入り多くの方々の浮沈を見てきたが、折角のチャンスを逃してしまう方が非常に多いという事、総ての不遇を他人のせいにする人がなんと多い事か。 
 成功した方は訪れたチャンスを物にして努力をした方に多いのである。学歴が無くても成功した方も沢山いいるし、学歴があっても会社や上司の不平ばかりを云って一生を過す人も多いのである。juntaro

晴の時に傘の支度を忘れるな

2006-10-22 19:17:53 | Weblog
 今日の日曜日も報道特集で、格差問題、教育問題、北朝鮮問題が主として国内の識者が出席して行われた。
 格差問題で昨年の企業の利益増加が勤労者の所得減を上回り、企業の減税が老人の増税を上回ったのでけしからんと言う森永卓郎教授の説と、いざなぎ景気を超えた今回の景気に翳りが見えて、来年は大不況の到来の可能性があるとの榊原教授の説が興味深かった。
 大不況が来ても耐え抜く筋肉質の体質にするために企業は贅肉を取り、基幹要員以外はパートにして、景気の変動に備えているので、円安や好況のときに雨の時の備えをしているのである。
 大学教授は本来近視眼的なことは言わずに将来にわたった展望を見越してこそ価値があるのに、企業はけしからんと言うのは頂けない。
 経済が国際化した今日雇用条件も海外と同等であるべきなのに、正社員をもっと増やすべきと企業に押し付ければ、不況耐久力も落ち、企業は次世代に必要な投資も出来ず、敗者になって消え去るか、条件の良い国に移転するか、何れになっても、日本の雇用はさらに悪化する事明白なのに、コメンテイターも有識者も言わないのは選挙にでも出る下心があるからかと邪推したくなる。
雇用条件や税制が同じ条件で国際競争が行われるべきであるのに、日本は賃金も
税金も世界一高いのである。社会資本の蓄積が海外先進国に及ばないためである。
 ついでに言えば国際社会に通用する日本の企業は製造業の極く一部であり、金融、サービスなど日本が指向するセグメントでは後塵を拝しているのです。juntaro