9月24日、愛知県芸術文化センター・コンサートホールにてこのコンサートが開かれた。愛知トリエンナーレの催事の一つ。吉田文さんのパイプオルガンを中心にピアノ、合唱、ソプラノ、男声朗読、コンテンポラリーダンスの共演による。
第一章 旅するもの
第二章 生きとし生けるもの
第三章 森羅万象
の三部構成になる。プログラムの巻頭の序文をそのまま記すと
「人間とは、創造をしながら時空を越えた歴史の旅を続けてきた。創造とは、それまでになかったものを探究してきた結果ではないだろうか。
人間の歴史は、祈りの歴史でも歴史でもある。時には神と呼ばれる見えないもの、その存在を証明できないもの、しかい心のどこかで響き合える存在へ、自分たちがいまここに存在している意味を、問い続けてきたのではないだろうか。
人間の創造の歴史は、祈ることより生まれたのではないだろうか。
そして、わたしたちの祈りは、これからどこへ向かうのだろうか。」
祈りの意味と大切さを人類の歴史に沿ってアボリジニの祈り、グレゴリオ聖歌、バッハのオルガン作品、マヤのシャーマンのことば~ など多彩な祈りの形態から探究する様式によってプログラムは進められて行く。
吉田先生はA5版5ページにわたる詳細な解説を記載されているが、私が知らないことが多くそれらを理解してまとめることは私には到底不可能である。
間違っているかも知れないが私なりに理解したことは「この広大な宇宙と長大な時間の流れの中で一人の人間の存在はあまりにも小さくその一生は一瞬に過ぎない。その間にできることはただひとつ祈ることだけであり、それ故祈りは大切である。」
演奏作品の中からグレゴリア聖歌のキリエとバッハがそれを基に作曲したキリエ(クラヴィア曲集第3部よりBWV669)を下の各々をクリックして聴き比べてください。
グレゴリオ聖歌キリエ
バッハ・オルガンコラール・キリエBWV669
個性が全く異なるパイプオルガンとその他によるコラボレーションには鳥肌がたつほどに感動した。このようなパフォーマンスは生まれて初めて体験した。またこのように他に類を見ない個性豊かな作品を立案・企画し、グループを一つにまとめて成功に導いた吉田先生の才能には驚愕するほかなかった。
画像はチラシとプログラムの解説。
素晴らしい演技ありがとうございました。
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