古都探索日記

奈良や京都の散策日記

モーツァルトの宗教音楽 ハ短調ミサ KV427

2023-04-06 09:57:21 | 音楽
 4月5日、朝日カルチャーセンターにて受講。講師は吉田文先生。画像はテキストの1頁。

 先生はまずこの作品の背景について解説され、その後DVDを視聴。講義内容を要約。

 モーツアルトが残した70曲以上の教会音楽のうち18曲がミサ曲。16曲が1781年までにザルツブルクの大司教のための作曲された。ハ短調ミサはウィーンに移住後、自主的につくられた。演奏時間45分という制約から解かれた大規模な作品である。ウィーンでの作品は他にアヴェ・ヴェルム・コルプスとレクイエムだけ。

 1872年にモーツアルトはコンタンツェと結婚したが父親には認めてもらえず、結婚の証としてこの作品を作曲し1783年ザルツブルグでの演奏を企てたが実際に演奏されたかは不明。また演奏会場は大司教とは反目するベネディクト派のペーター教会を選んだ。これらのいきさつには父親との、又大司教との複雑かつ歪んだ人間関係がうかがえる。

 この作品は未完成で断筆されているが、その理由はヨゼフ公による教会音楽・典礼の改革により簡素化が求められたことや1783年に最初の子供が死去したことなどが考えられる。

 DVDは演奏ババリア管弦楽団&合唱団、指揮はレナード・バーンスタイン。

 全体にモーツァルトらしい美しい旋律にあふれているが、私にはグロリアのラウダムス・テの後半のソプラノ独唱が強く印象に残った。ソプラノと数種の管楽器が絡み合う様はバッハのカンタータからの影響を想わせた。

 楽しいレクチャーありがとうございました。
コメント
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