原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

9月29日(木)のつぶやき

2016-09-30 02:28:49 | つぶやき

【フクシマ見聞録】浪江町では、動物たちが何百、何千、何万と、餓死している ※8回目の紹介

2016-09-29 22:05:27 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。8回目の紹介

【フクシマ見聞録】

浪江町では、動物たちが何百、何千、何万と、餓死している

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年10月10日のツイートから

福島行-

三人、雨の中で間を持て余した。

なにしろ三人で18時から19時までの一時間を
回さねばならないのだから、困ってしまう。

「このまま立っていますか」自分が聞くと、
「そうですね、、。」左手の男性が言い、苦笑した。

苦笑したかと思うと、やはりもう一度話すことにしたようで、-

 

-自分の右手にいる関西弁の男性からハンドマイクを受け取った。

話し始める。

「えっと、話すこと思いつかないんですが、
みなさん、自分の,気持ちの中ちょっと、
探ってみてもらえませんか。

福島をこのままにしておいていいと思いますか。
今、ふつうに暮らしてますよね。-

 

-「でも、本当に”ふつうに”暮らしてる状態なんでしょうか。

原発事故がありました。浜通りでは
津波で、何百人、何千人、死にました。

そのままでいいんでしょうか。

未だに、放射能の影響で、回収されない遺体が
何十体、何百体ってあります。

なぜ回収できないんでしょうか。-

 

-「放射線量が高いんですね。

近寄れないんです。

みなさん、それを無視しますか。

江町では、打ち捨てられた動物たちが、
何百、何千、何万と、餓死しています。

みなさんのお宅でペット飼っていませんか。
今度おおきな地震があって、

福島第一原発、また、
爆発するようなことがあれば、-

 

-「同じことがもう一度繰り返されます。

その時あなたがたの家族としているペットは
どうなりますか。ペットだけの話だけではありません、

寝たきりの高齢者、どうしますか。

あなたがたが抱えていきますか
抱えて”いけ”ますか。

いま、そういう状況なんですね。-

 

-「福島第一原発、四号機、いつ崩れるか
わからないと言われています。

汚染水問題で、地盤がぐずぐずに崩れかけて、

汚染水タンクが流れ出る可能性があると
言われています。

そうなった場合に、我々は”ふつうに”
暮らしていけるでしょうか。-

 

-「いま、今日金曜日。全国で、何十、
いやもう百を超える金曜集会っていうのが開かれています。

みなさん、それ知っていますか。

原発反対のための集会が全国で開かれてます
北海道から沖縄まで。

テレビはなぜ報道しないのですか。

そしてみなさんはテレビを信用してますね。
何故ですか。-

 

-「以前にテレビで報道された、国会議事堂前の大集会、
十万人とも二十万人とも言われました。

でも、あれ一回だけで済んでると思いますか。

毎週毎週、金曜日、霞ヶ関ではあちこちで
原発反対、脱被曝、そういう運動が毎週行われています。

当事者、被害当事者である我々が
”黙っていていいんですか”」-

 

-彼の声が、ここで上ずり、かすれた。

それまで話しどおしに話してきたせいもあるが、
その変調は感情的な要因にあるように聞こえた。

愁訴-。

これから彼の言葉は、ひたすら疑問型を
連ねてゆくかたちになる。

動かぬ人間に対して。反応できぬ人間に対して。

硬直した人間に対して-。

 

-硬直した”日本人そのもの”に対して-。

郡山で発された彼の問いは、この国の
別のどこにおいても成立する問いになってゆく。

滅びゆく硬直しきったものになってしまった人間の有り様に、

彼は表向きはそうしなかったが泣きながら、
人間を思い起こさせようとするように見えた。-

 

-彼の声の上ずりは、
そんなところに原因があるように思えた。-


 ※次回に続く

 2016/10/3(月)22:00に投稿予定です。 


9月28日(水)のつぶやき

2016-09-29 02:26:53 | つぶやき

【フクシマ見聞録】中学生が14名、裁判を起こしている。郡山市を相手取って ※7回目の紹介

2016-09-28 22:06:54 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。7回目の紹介

【フクシマ見聞録】

中学生が14名、裁判を起こしている。郡山市を相手取って

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年10月09日のツイートから

福島行-

濡れたタイルの上で瓶が静止する。
それを見て自分は続けた。

「-すごくプライベートな話、ですね。

放射能の影響は科学的なところから考えると
なかなかむずかしいんですが、

結果として何が言えるかというと、
みなさん、好きな人、結婚したいひと、いますね。-

 

-「その人と、将来結婚できなくなるかもしれない、
そういう事態がでてくる、ということです。

好きな人と一緒になって、こどもを産んで、
それができなくなる可能性がでてくる。

そういう難しい、そういう困難さを
もたらす可能性をもつ施設が、
原子力発電所という施設です。-

 

-「そして、その原子力発電所という施設を
この国は続けようとしています。

その意味というのをよく考えて欲しいと思います。

東京にいると、
郡山市福島市いわき市の方々の家庭に

なにが起きたのかというのが、
なかなか伝わってきません。

なぜ伝わってこないかというと、-

 

-「それがすごく自分の娘に起きたことであるだとか、
自分のこどもに起きたことであるから、”話せない”んですね。

話してわかってしまうと、そういった差別の問題が
出てくる可能性がある。

昔、日本に爆弾が落ちました。

原爆、ですね。

その原爆の時も同じような事態が起こりました。-

 

-「広島の女性は被爆してるかもしれないということで、
広島県外の人と結婚するのがむずかしかった。

それでたくさんのひとがアメリカ、ヨーロッパ、
日本を離れて出て行った、

そういうことがあります。

同じことが、起きる可能性があるということです。-

 

-「もう一つみなさんに
お伝えしたいと思うことがあります。

みなさんご存知ないかもしれませんが、

郡山市の中学生が14名、

放射線の低いところで
安心して教育を受けさせる環境を
われわれに提供してくれ、

という裁判を、郡山市に対して起こしました。

3ヶ月前くらいにここに来て、-

 

-「いろんな学生さんたちに聞いたんです。

”この裁判の内容を知っているか、
君たちと同じ年齢ぐらいの学生14名が、
裁判を起こしている。郡山市を相手取って。


100人以上に聞きましたが、
誰ひとり知りませんでした。

-世の中にあふれてくる情報っていうのは、
すごく制限されています。-

 

-「ほんとうに大切なことっていうのは、
知ろうと思わないと知ることができない。

東京の人間がたくさん
原発を止めようと集まっています。

ただ、やっぱり外側でいくら叫んだとしても
難しいんですね。やっぱり、その3.11の当事者、
ひとには言えないのだけれども

”なにかおかしい”と思う方々が直接-

 

-「”これ、おかしいだろう”っていう声を上げてくれないと、
我々は、(外野から騒いでいる)、

(なんで福島の人達が声を挙げてないのに外側で騒ぐんだ)

そういうくくり方で片付けられてしまう
可能性があるんです。

それで今日、応援の意味をかねて、
ここに参りました。-

 

-「口にするのはむずかしいことはたくさんあると思いますが、
ここにいる男性の二人に、話しづらいことがあったら、

”こんなことが起きてる、でもちょっと誰にも言えないんだ、”

そういうことがあったら、ここに来て、
伝えて、あげてください。

彼らはすごく、がんばってます。-

 

-「まあ、嗤いかけられる方もいますが、
彼らはみなさんの声を代弁していると思います。

彼らに、思っていることを伝えて、
応援してあげてください、幸い”まだ”、
この国は民主主義なんです。

投票っていう行動で自分の意見を表明して、
意見を言えば、まだ変えられる可能性がある。-

 

-「その制度が”まだあるうちに”、ちゃんと、
言いたいことを行動で示す、示して欲しいと思います。
、、、ありがとうございます。」

自分は言い、マイクを関西弁の男性に返した。
雨がつよくなっていた。-


 ※次回に続く

 2016/9/29(木)22:00に投稿予定です。 


『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで> ※58回目の紹介

2016-09-28 22:02:00 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。58回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

----------------

**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

 あとがき

(前回からの続き)

 しかし、今回の原発災害において、どんな対処がなされていたのでしょうか。

「福島復興再生総局のように、組織や○○会議とかたくさん作っているが、逆効果だ。やりますイコール組織を新設する、人を配置する、それで対応済みと霞が関は思っているが、それでは決済に余計時間がかかることになる。こういう災害対応は、少数精鋭でコンパクトにやった方がよい」

 ある原発被災自治体の職員の意見です。

 たしかに会議が多かったです。復興庁や経済産業省のホームページを見るとわかりやすいです。同じような名前の会議や協議会、委員会がずらりと並んでいます。会議資料も大量です。しかし、資料の中身は実は重複しているものが多いのです。出席者も重複しています。同じ人達が、会議の名前を変えて、何度も議論しているのです。

 中には、東京と同じ会議を福島で開くこともありました。「被災地の意見を取り入れるため」という趣旨からですが、形式的な会議の場に被災自治体の首長が名を連ねても喫緊の要望が認められ、その場で決済が下りるわけではありません。意見を取り入れるのなら、被災自治体に裁量権付きの財政支援をするべきです。交付金の要件の縛りを極力なくせばよいのです。

 そうした会議に時間と人員を費やしても、現場は何も動きません。通常よりも決済を早める仕組み、たとえば、財務省を含めて省庁横断のタスクフォースのようなもの一つに権限を集約するような仕組みを検討するべきです。

 既存のスキームでやろうとしても無理なのです。原発災害だけが特殊なわけではありません。たとえば、大規模な火山の爆発が起きればまた、予想しない事態が起こり、既存のスキームにはあてはまらないことが多々出てくるのは明らかです。(略)
 

 ※『リンゴが腐るまで』著書の紹介は、今回で終わります。

次回からは、『告発!検索「裏ガネ作り」』著書の紹介を始めます。

2016/10/3(月)22:00に、1回目の紹介を投稿予定です。 

**著書の内容を一部紹介

私がこの手記を書き始めたのは、大阪拘置所の独居房の中だった。最初に入られたのは「五舎4回20号室」という自殺防止用の特別な房である。そこで私は「632番」という称呼番号で呼ばれていた。天井には裸の蛍光灯が2本とモニターがついていた。すぐ前の廊下には監視台があって、常に見張られている。だが、私は自殺するつもありなど毛頭なかった。これから検察権力との闘いが始まるのだ。そのための準備を房の中で粛々と進めていた。私はなぜ逮捕されたのか、この事件の真相は何なのかを自分なりに整理しておく必要があった。-獄中手記よりー

~憤怒の独居房325日間!これが検察の組織的な公金横領の手口だ!~

 

告発! 検察「裏ガネ作り」


9月27日(火)のつぶやき

2016-09-28 02:26:40 | つぶやき

【フクシマ見聞録】婚約は破棄され、その女性はノイローゼになった ※6回目の紹介

2016-09-27 22:03:16 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。6回目の紹介

【フクシマ見聞録】このままいけば、子供達、高齢者たちが先に死ぬことになる

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年10月07日、08日のツイートから

福島行-

最後、彼は懇願するように言った。

恥も外聞もない。恥も外聞も踏み越えて、
彼は話したのだった。一人で。

彼が渾身で言葉をぶつけた相手は、
通りすがりの人間だった。

政府や行政に対する怒りも
当然前提としてあるのだが、

それを踏まえて動かぬ郡山市の
一般の人間に挑みかかったのだった。-

 

-潮のぶつかり合う様を眼前で
見るような思いで自分は立っていた。

その五ヶ月前の4月22日、
東京から郡山集団疎開裁判のリーフレットを
配る一行がバスで郡山へ向かっていた。

自分もそこに参加していたのだが、
行きの車内で参加者がひとりひとり

自己紹介をする場面があり、
それぞれが何がしかのこと-

 

-を順繰りに話していた。

「飯館に行ったことがあって、、、。」

参加者のひとりの若い娘さんが言っていた。

「そこは皆さんご存知だと思いますけど、
放射線量がものすごくて。

でも、そこにおじいちゃんおばあちゃんがいて。

本当に優しい人達なんです。

そういう人達に対してどう話して-

 

-わからなくって、、、。

本当のことを外から来た人間が言うのも、
なんか傷つけてしまうような気がして、、、。

だから、郡山でもそこで生活している
人達の気持ちをなるべく
傷つけないようにしてゆきたいと思います」

そんなことを言った。
そのことは他の参加者も口にしていて、-

 

-”傷つけないようにしたい”というようなことを
言っていたのを思いだす。

しかし郡山に住み、働いていたハンドマイクの男性は、
そうした配慮を踏み越える。

現地人だからこそ、同じ現地人に挑みかかる。

そうして罵声を浴び、絶望の言葉を吐かせる。
そこにはむき出しの衝突があった。-

 

-「なにか話しますか」関西弁の男性が自分に言った。

時刻はまだ18時30だった。

たった二人で話してゆくものだから、
どうしても時間が余る。

一瞬の逡巡を感じたが、自分はマイクを受け取った。-

 

-自分は、右隣で肩からハンドマイクを

かけた男性からマイクを受け取り、話し始めた。

「郡山のみなさん、こんばんは。東京から来ました。
ええと、交番の前で放射線量を測りました。

東京の、世田谷のうちの前の7倍ありました。

そこにある、置いてある放射線の計測器より
全然高い値が出ています-

 

-夜の中で濡れる空間ができていた。

「-2012年、福島市である女性に会いました。
その女性はこんな話を、自分にしました。

-「自分の知り合いの娘さんは2011年6月に
結婚しようとしてた-。」”ジューンブライド”ですね。

しかし3月11日に地震が起きて、原発事故が起きた。-

 

-「その方は、福島県外のおうちのお婿さんと
結婚する予定だったそうです。

だけど、その3.11で放射性物質が郡山市に
降っただろうと、降った、と。

その結婚するつもりの女性も被爆しただろう、と。
福島県外のその家の方は思ったらしいです。-

 

-「それで、”健康なこどもを埋めないかも
しれない女とは結婚させることはできない”、
そう言ったそうです。

そしてその婚約は、破棄されました。

で、その女性はノイローゼになったと。

そして”自殺未遂をしたんです”、
こんな話を聞かせてくれました。」

先の方、駅ビルの光を光景に、喫煙所に人が-

 

-屯していた。
「%%%%ッ」その中から、
罵声とともに何かが投げられ、

濡れたタイルの上を勢いよく弾んで滑りながら、
自分の左手5メールほどに届いた。

段の袖にぶつかりゴツン、というような音がした。

瓶だった。

段の袖にあたった瓶は割れもせず、
無機的に転がる。エッジ-。

自分は思った。-


 ※次回に続く

 2016/9/28(水)22:00に投稿予定です。 


『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで> ※57回目の紹介

2016-09-27 22:02:38 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。57回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

----------------

**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

 あとがき

(前回からの続き)

 自分の人生を否定されたような気持になったのではないでしょうか。そのやり場のない思いは、姿を変えて東電と国に向かい、理屈ではない言動となって表れることがあるのかもしれません。

 きっと、いろんな人がいるのです。皮算用をしている人もいるのかもしれません。しかし、被災者が東電と国に抱いている憎しみと、背後から襲ってくる放射線から命からがら逃げてきた時の恐怖心は、経験者でなければ真の意味で理解することはできません。この2つが被災者の根源にあり、あらゆるすべてのことにおいて、理屈だけでは解決できない、心の闇となっているということを、覚えておくべきだと思います。

 毎月10万円の精神的賠償による「賠償金漬け」の問題もそうです。いろいろな報道がありましたが複眼的な考察が足りないと思います。被災者の状況は多様です。考えてみれば、強い憎しみを抱き、絶対に許さないと決めている相手から「せめてもの罪滅ぼしに」と差し出されたお金を、人は有効に使うものでしょうか。「相手の目の前で札束を破り捨ててやりたい。それができないのなら、せめて相手が望むものに使ってやろう」。そんな風に思ったりしないでしょうか。(中略)

 今回の原発災害でいえば、当初は放射線が主な要因だったなずの問題が、時間と共に別の問題と絡まり、複雑化しました。放射線の問題を取り除いただけでは解決できなくなってしまいまいました。複雑な連立方程式になる前に、迅速に対処するスキームが災害対応には必要です。

 

 ※「あとがき」は次回に続く

2016/9/28(水)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


9月26日(月)のつぶやき

2016-09-27 02:24:20 | つぶやき

【フクシマ見聞録】このままいけば、子供達、高齢者たちが先に死ぬことになる ※5回目の紹介

2016-09-26 22:02:36 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。5回目の紹介

【フクシマ見聞録】このままいけば、子供達、高齢者たちが先に死ぬことになる

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年10月06日のツイートから

福島行-

近寄ってきた男は
絞り出すように叫ぶと去っていった。

ハンドマイクを持つ男は去ってゆく男を見送ると、

「チェルノ’の地図を出してもらっていいですか」
自分に言い発言にもどった。

「福島の放射線、放射能拡散、
チェルノブイリの四倍。

いまこれ、回してもらいました。-

 

-「これだけ、チェルノブイリ、飛散してます。
福島ではこの四倍放出されています。、、、いったい、

福島でどれだけ安全だと言えるんですか。

チェルノの四倍ですよ。
チェルノで実際に、甲状腺癌が爆発的に増えたのは
四年後五年後といわれてます。

でも当初、発見されたのは10人程度でした。」-

 

-チェルノ’での甲状腺癌発生における四年後、
という数字については、福島市のふくしま共同診療所の

医院長松江寛人医師が専門家として
発言されていたのを聞いていた。

四年後、というのはチェルノ’発生の
1986年当時のエコー技術段階に起因している、
というのだった。1986年当時、-

 

-エコーの技術的な進展は当然現在のそれとは異なっていて、
チェルノ’で甲状腺がんが発見されるようになったのは
超音波によるものではなく、触診、

手で触ってみて子供の喉の異常に
医師たちが気づいたことから始まっているはず、
というのが杉井医師の見解だった。-

 

-国立癌センターで40数年超音波に
携わってきた彼の目からすると、

当時のソビエトに
そこまで高精度の超音波機器があるとは思えず、

正確に言えば、チェルノ’のこどもの甲状腺癌発見には
超音波による初期の診察が欠けていた。

現在、福島の件で超音波により
見つけられ問題になっているような微細な-

 

-嚢胞、結節がしたがってなかば放置され、
手で触ってみてしこりとして分かるようになった段階で

チェルノ’では発見、となる。
それが四年後だというのだった。

つまり、放射能拡散事故から2年を経過した段階でも、
チェルノ’でも当然異常はあったはずで、
その数字は、前述したような理由から-

 

-データ自体がない。
だから四年後の甲状腺癌多発というのを
福島にあてはめてしまうと、すこし話が違ってくる可能性がある、
というのだった。

福島市、郡山市。被爆に対する
働きかけの交流のなさをここでも感じた。

だが、彼の発言を尊重して、そのまま書いておく。-

 

-「福島はいったい、たった二年半で
どのくらいのこどもが甲状腺癌になっていますか。

私はこの冬にも言いました。

福島の甲状腺被害はおそらくチェルノの
”100倍くらいになるだろう”と。

実際、なってきていますね。まだ気づきませんか。-

 

-「このままいけば、子供たち、
高齢者たちが先に死ぬことになってゆきます。

いや、高齢者は先に生まれてます。、、、

いやな言い方ですけれど、
高齢者が先に死んでしまうのは仕方がないことでしょうでも、

子供たちの葬式を挙げることになる
可能性がきわめて高い”ということをみなさん、-

 

-「分かっていますか。あなたがたは、
それでもそのままにしておきますか。

声を挙げてみませんか。

子供が生きるか死ぬかのはなしになってるんです。

まだ現実が見えませんか。

”私たちはオリンピック招致よりも安いんですか、命が。

たかだか商業主義のお祭り騒ぎのために殺されたいですか。”-

 

-「いつも言ってます、あなたたちの人生です、こど
もたちの人生です、、孫たちの人生です、それを守るのは

”おとなの役目です”。それを放棄してて、

”いいんですか”もうすこし、本気で考えてください。

冗談ごとではすまないんです。みなさん

”冗談の中で”生きているんです。

わかりますか、それが-

 

-「なぜ、今オリンピックを承知しないといけないんですか、
おかしいと思いませんか。

福島の、福島第一原発の収束作業にたかだが500億円?
たったそれだけで一体なにができますか?

阿部晋三は言いました。

2020年には汚染水問題は解決されているだろうと、
その根拠は”ありません”。-

 

-「一つわかっているのは、
安倍晋三は総理ではないということだけです。

こんな無責任なことを一国の総理大臣に
言わせていていいんですか。何度もでも云います、
あなたがたは生きているんです。

経済政策の機械や、ロボットではありません。
もう一度考えてください。お願いします。」-


 ※次回に続く

 2016/9/27(火)22:00に投稿予定です。 


『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで> ※56回目の紹介

2016-09-26 22:01:01 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。56回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

----------------

**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

 あとがき

(前回からの続き)

 米を作らなくても賠償金がもらえます。むしろ、米を作ったら賠償金がもらえず、収入は賠償金より少なくなる見込みのため、米を作らなかった場合より損をすることになります。それだったら、作らない方がいい。当然の理屈だと思っていました。

「米を作らないでもお金がもらえる。こんな都合のいい話はない」。そう思いました。

 米所の新潟県で5年間取材してきた経験から、農業者が必ずしもやりたくて農業をやっているわけではないと思っていたからです。だいたいの農業者が兼業農家でゴールデンウィークはどこにも出かけられず、一家総出で田植え。早起きして田んぼ作業をこなしてから会社や役場に出勤し、秋の収穫の時期も連休をつぶして働きます。先祖から受け継がれた田んぼだから、自分の代でつぶすわけにはいきません。でも、何かやめるきっかけがあれば。そんな節があるように感じていました。

「原発事故は、そのきっかけとして最たるものだ」。そんな風に思っていました。でも、違う理由もあるのです。

「作っても孫が食べないから」。全く思ってもみない答えでした。

 孫の笑顔が見たい。孫の成長を何よりも楽しみにしている。多くの人にとって、それは疑いのない真実だと思います。自分の作った米を食べて孫が笑顔を見せ、成長していく喜びは、きっとかけがえのないものでしょう。「田んぼ仕事は少々骨が折れるけど、頑張って孫が大きくなるまで自分が作った米を食べさせるんだ」。そんな思いで米を作り続けている人もきっといるでしょう。私はそうした人の存在に気づいていませんでした。

 原発事故で、そのささやかな生きがいがついえました。
 

 ※「あとがき」は次回に続く

2016/9/27(火)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


9月25日(日)のつぶやき

2016-09-26 02:23:06 | つぶやき

9月24日(土)のつぶやき

2016-09-25 02:26:17 | つぶやき

9月23日(金)のつぶやき

2016-09-24 02:26:42 | つぶやき

9月22日(木)のつぶやき

2016-09-23 02:27:42 | つぶやき