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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「今年最後のクラシックレース」

2006-10-09 00:47:10 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 少し前の話で恐縮ですが、9月16日にカラ競馬場で開催された、今年最後のクラシックレースに行ってきました。

St.レジャーズで勝ったベテランジョッキー、ミック・キナーンが優勝カップを授与しているところ。
旅レースはこんなに近くで見られる。迫力満点!
 アイルランドでは、イングランドと同じように5大クラシックレースがあります。
 5月には今年の新生チャンピオンを決める2000(牡)・1000(牝)ギニーズ、6月にはダービー、7月には牝馬チャンピオンを決めるオークス。これらすべては3歳馬に限られますが、近年3歳以上の古馬も参加が認められるようになったのが9月に開催されるセント・レジャーです。

 フラットレースのシーズンのフィナーレともいうべきレースで、1マイル&6ファーロングス(2800メートル)、フラット競走馬ではなかなか長い距離を競うレースで、個人的にはクラシックレースの中でいちばん好きなレース。だってタフなんだもん。

 映画監督のジム・シェリダンの持ち馬ヴィニ・ロウが、2001年から2004年まで史上初の4連覇を遂げたのは、すごくエキサイティングでした。

 さて、今年。アイルランドのというより世界のトップ調教師エイダン・オブライエン率いるバリードイル・チームのイエイツが大本命でしたが、しばし静けさを保っていたベテラン調教師ジョン・オックス厩舎のカストリアが、牝馬にもかかわらず大健闘でセント・レジャーを制しました。何度も来日して日本の競馬ファンにも有名なジョッキー、ミック・キナーンの素晴らしい騎乗ぶりが大きかったな。馬もタフだったけど。前をいくイエイツの真後ろで、虎視耽々と追い越すタイミングをはかるキナーンの姿が双眼鏡の中に見えたとき、ぞくぞくしちゃいました。

 キナーンは、マエストロといわれる経験豊かで知性的なジョッキーです。
 悲しいかな、私にはジンクスがあって、私が賭けるとキナーンは勝たないの。しかしこの日、5/1という低いオッズ(私にしては)で私は賭けてたんだな。ちょびっと。ジンクスを破った喜びも加味されて、今年のセント・レジャーは大満足でした。

 その直後のハンディキャップレースでは、ポニーレースの頃から注目していた若手ジョッキー、ローリー・クレァリーの騎乗するニュルンベルグが大勝してくれて、ちょびっと賭けた2ユーロが、45ユーロになって返ってきて。こういう勝ち方がいちばんウレシイ。

 ローリー・クレァリーが所属するミック・ハルフォード厩舎には、去年からトップジョッキーのジョニー・マータが専属するようになり、中堅どころから一気にトップ厩舎になる勢い。その分、まだ見習いのローリーが、いい馬に騎乗できる機会も少なくなっていて、きっとずいぶんフラストレーションも高まっていたのでしょう。
 若手ジョッキーたちが活躍する様を見るのは、レース観戦の大きな楽しみです。

@追伸:ディープインパクトに関わる主観的感想。
 10月1日に行われた、ディープインパクトの出走する凱旋門賞レースをテレビで観戦しました。日本でどんな風にアナライズされているか、興味深いところです。

 フランスの馬場は、アイルランド、イングランドともまた異なりますが、えてして欧州の馬場は、グッド・グラウンド(良馬場)といっても重めです。秋になると草は夜露が乾くこともなく土をしめった状態に保たれ、こういった馬場では、体力のあるタフな馬が活躍します。しばらくレースに出ていなかったディープは、かなりKEENで抑制の効きにくい状態に見えました。欧州式では、凱旋門賞レースの数週間前に、もう1レースさせるところですが、日本からの遠征では、そうもいかなかったでしょう。

 こちらのメディアでは「どうして内側を走らせていかなかったか?」というのが大方の意見ですが「そうもいかないのよ」といいたい気分でした。日本のレース展開と欧州式の大きく異なる点です。こちらのメイン・レーストラックはとても広いので、少しでも内側を走らせていくのが鉄則です。たまには大きく外側を回っていきたがる馬もいますけど、そういう馬はものすごい体力の持ち主。

 日本のレースをあまり見ない私は、ディープのファンというわけではないですが、もしも日本で「これがディープの実力」と思われていたら、残念です。今回、初めて欧州競馬を見た方も多いはずなので、日本と欧州のレースがいかに異なるかということを感じてくれるといいなぁ。だからこそ、日本から挑戦しに来ること自体に大きな意義があると思うのです。

 世界各国どこででも勝てるほど、馬は単純でないから、ホースレーシングはすごく面白いスポーツなのだと思います。


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