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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「@混乱の春」

2020-03-16 21:22:01 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 あいかわらずスライゴーで、隠遁生活続行中。

 ほんとなら今月、東京に行くつもりだったのですが、ウィルス騒ぎのせいもあるけれど、今わざわざリスクおかして出かけるよりも、ここで「おいしい毎日2」の原稿書くほうが賢明な選択かもと思って、少し延期したところです。

 来月はここに完全引っ越しなので準備もあるし。
 アイルランドもとうとう学校が閉鎖され、100人規模の室内でのイベント、500人以上の規模の屋外イベントが禁止され、人との接触を減らすよう勧告されました。わかりやすい目安。「ライブハウスに行くな」とか、わけわかんないこと言いません、この国は。音楽が重要なのわかってるし。

 この目安、教会のミサや野外スポーツの開催を視野に入れての勧告です。この国では大事なイベントですから、中止は大きな出来事です。

 そういうタイミングで、どこぞの国が「7月にオリンピック、開催します」だって。
 あのね、おたくの国は少し安定してるのか知りませんが、こっちはこれからピークをむかえようとしているの。無神経さに「海外諸国」呆れております。 

 アイルランド政府のウィルス対策に関するコメントは「健常な人にはこわい病気ではありませんが、高齢者には深刻な事態を与える可能性が高いので、リスクをつくらない努力をしましょう。不便かもしれませんが、一時的なことです。経済の後退は取り戻せます」理想論かもしれないけど、明確だし、「両親や祖父母のことを思えば」ってところを突かれたら、誰も反論できないと思う。わたしにはとても説得力あったし、効果があるかないかは誰もわからないけれど、一緒に乗り切ろうって気持ちになれたな。

 すでに「握手だめだもんね〜」とみな半ば冗談ながらも実践しています。ここではスキンシップがふつうなので、ちょっと調子狂っちゃいますが。

 今の家にはテレビがないので、こういう報道をすべてラジオで聞くのですが、なんだか戦前の生活はこんな感じだったのでは??と、不思議な気分を味わっています。
 
 初めてアイルランドに来たとき、湾岸戦争が始まっちゃって、そのあとロンドンに行くつもりだったので、果たしてそのまま行っても大丈夫なのか、すごく不安だったことを思い出しました。当時はもちろん、今よりもっと英語が理解できず、おまけに体験したことのないサブジェクト、戦争ですから。朝食を食べながら見るテレビの映像が空を飛ぶミサイル。実にシュールな体験でした。

 ロンドンに渡ったものの、町からは潮が引くように人気がなくなっていき、開いているレストランも限られ、それも不気味なほどがらがら。同じレストランに何度も通って、主人に「よくこんなときに、ここまで来たね」と半ば呆れられ、半ば褒められたものの、当時のわたしには予定を変更して日本に帰るなんて芸当、できなかったのよ。

 東京に戻っても湾岸戦争は続いてたし、日々報道もされていたけれど、やはり遠い出来事の感じで臨場感ゼロという印象で、その落差に「世界は広いな」と実感しました。危機感って、共有できるものなのだろうか??大きな疑問が残った旅でした。

 そして今。こんな風に世界規模で同じ問題(伝染病)を抱えることって、そう度々あることではなく、すごく大事な経験をしているのじゃないかと感じています。

 どの国も自分の国内のことで手一杯で、情報の共有はしているのでしょうけど、どこまで生かされているのかな。

 今、オリンピック開催にこだわっている国があるようじゃ、まだまだだな。

 明るい話題をひとつ。
 すでにお知らせしていますが、アイルランドの吟遊詩人アンディ・アーヴァインの詩集が刊行されました。出かける機会の減った今、じっくり読むのにはぴったりです。

 友人の山口洋が素晴らしい告知をしているとこなので、詳しくはそちらを読んでみてく
ださい。出版したヒマールのことも彼が魅力たっぷりに紹介しています。
 

引用元:Never tire of the road/ROCK 'N' ROLL DIARY -山口ヒロシブログ-

3月13日 金曜日 晴れ

僕がライヴをやらせてもらっている岩国のヒマールが本を出した。

僕の音楽の師匠でもあるアンディー・アーヴァインの詩集を柴田元幸さんの訳で。

ほえ?ヒマールっていったい何屋なの?その質問はご自分で調べてくれると嬉しいです。

彼らを認知したのは、広島のソロライヴに、「つがい」で何度も来てくれ、何度も話しかけられ、何度もライヴをやってくれとオファーを受けたから。物忘れがヒドイ俺でも、いい加減「直談判」スピリットに折れた。笑。

「で、ライヴやったことあるの?」みたいなことを尋ねたら、応えは「ありません」だったと思う。要するに情熱はあるけど、ライヴに関しては素人だったってこと。

でも、それが気に入った。そういう人が俺は好き。だから、ツアーの途中に訪れて、PAに関するアドヴァイスをしたりした(実際、最初のライヴでスピーカーのチューニングをしたのは俺)。

今や、いろんなミュージシャンが訪れる場所になった。小さな町にそんな場所があるってことはとってもたいせつなことなんだよ。

そんな彼らが師匠の詩集を出すって。アンディーにも柴田さんにもきっと「直談判」したのね。素晴らしいじゃん。

今日、届いたけど、素晴らしい。アンディーの歌は英語が苦手な俺には難しい部分もあったんだ。クリスティー・ムーアの歌がアイリッシュじゃないと理解するのが難しいのと同じくらい。文学的で、心情も歴史も描かれてるし。

ぜひ、ウディー・ガスリー直系の彼の素晴らしい歌たちを、柴田さんの名訳とヒマールの「直談判」情熱で味わってくださいまし!







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