アイルランド生活ブログ - 生活・料理・留学の情報満載 -

アイルランド在住者(精通者)によるアイルランド生活の情報を発信中!!

松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「パンケーキ」

2006-02-27 08:22:31 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 まもなくパンケーキ・チューズデーがやってきます。今年は2月28日。
正しくはショーヴ・チューズデー(Shrove Tuesday)ですが、アイルランド人は、この日をパンケーキ・チューズデーとよびます。

アイルランド式パンケーキ。
クレープを少し厚めにしたかんじ。
北アイルランドのパンケーキ。
すこしふっくら。
 この日に家の中にあるすべての卵を使いきり、翌日から、日曜日を除く40日間のレント(lent)に入ります。そして迎えるキリスト復活の祝日イースター。満月が影響するので、毎年祝日が変わるのも興味深いですね。でも、馴染みの少ない日本人にとって覚えにくい慣習なのは、そのせいなのかも。今年のイースター・サンデーは、4月16日です。レントで我慢した分たっぷりと卵をいただく、というのは過去の話で、今は卵型のチョコレートと、ラムのもも肉のローストがメインです。

 敬虔なカソリックのアイルランド人にとって、パンケーキはキリストの教えに従う大事な意味を持つものです。ですからショーヴ・チューズデー以外、日常的にパンケーキを食べることは、ほとんどなかったと聞きます。確かに、共和国(南)側にいると、この日に食べるようなパンケーキは、あまりお目にかかりません。

 アイルランド式パンケーキは、小麦粉、卵、牛乳でつくった、うすーいもの。これが北アイルランドに行くと、小麦粉多めのふっくらとしたタイプになり、今はごく日常的に食べられます。どこのベーカリーでも必ずパンケーキを売っていて、南とはずいぶんと違うので、びっくり。今日び、南側のスーパーマーケットなどでは、袋入りになったパンケーキを売ってはいますが、これは北アイルランド風の、ふっくら系。

 ショーヴ・チューズデーに食べる、うすーいタイプのパンケーキは、色白で、もっちりした食感。くるくるっと巻いて、レモンとお砂糖をまぶしていただきます。

 北アイルランドの首都ベルファストの市場にあるカフェでも、メニューにパンケーキがありました。大きいのと小さいのが選べて、相棒のマークが「大きい方」と注文し、ごていねいに「ベーコンを添えて、メープルシロップもかけてもらおうかな」というと、ひゃーとのけぞるほど巨大なパンケーキが登場しました。ベーコンにメープルシロップが合うのは、料理番組で覚えたの。カフェのおばさんに、知らなかったわって感心されちゃいました。

 北と南、大きく異なる食べ物のひとつが、パンケーキです。和平によって、行ったり来たりが気軽にできるようになり、食べくらべがしやすくなったのは嬉しいですね。


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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.16/恐怖の保護者面談-Part 2-」

2006-02-24 02:46:23 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
■Part 1の記事はコチラから>>>
恐怖の保護者面談-Part 1-(2006/2/17)

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@St. Andrew’s College (セント・アンドリュース・カレッジ)
ダブリンの海岸線をDARTと呼ばれる電車で南下、BooterstownにあるのがSt. Andrew's。全校生徒(1-6年生)合わせて900人以上で、アイルランドのセカンダリースクールの中では大規模校。学内イベントや留学生も多く、アイルランドでインターナショナル・バカロレア(IB)・プログラムを実施している唯一の学校。

 ICTの中でも一番留学生が多いのがこの学校。学校の規模自体も大きいので、アンドリュースの面談は教科ごとではなく担任の先生と面談。一応一人当たり10分くらいのスケジュールだけど、この日の私は校内を行ったり来たり。
 
St. Andrew’s College
 「お~、次は誰の面談だ~?」「お~、XXか、あの子はnice girlだ」「後何人残ってるんだ~?」と、声をかけてくれる先生も(笑)。

 日本人の生徒に割と多い形容詞は、

・diligent : 勤勉な
・hard-working : 一生懸命な
・polite : 礼儀正しい
・pleasant : 感じのいい
・quiet : おとなしい

 といったところかな? まじめに勉強に取り組んでいる日本人留学生の姿が浮かび上がりますよね。おかげで日本人留学生の評判はとてもヨイです!

 一方、「おとなしい」と形容されてしまうのは、英語力の問題もそうですが、日本の学校とアイルランドの学校の様子の違いもあるよう。日本の学校では、一クラス40人くらい、発言がある人は手を上げて、先生に指名されてから答えるというように教育されています。一方、アイルランドのクラスは多くても25人くらい。わからないところ、意見がある人は、授業中でもどんどん発言、質問をします。

 「授業中恥ずかしかったら、授業後でもいいから、先生にわからないところは質問して、わからないところをそのままにしないでくださいね」とある先生からアドバイスがありました。

 6年生の生徒に対しては、リービング試験に向けて、試験のスキルをつけるようにとのアドバイス。
 一教科書をまんべんなくやるより、とにかく過去問に注意深く取り組むこと。過去問はリービング試験のパターンや試験の傾向を知るのにとても効率よく勉強でき、実際の試験問題の予想にも役立ちます。それぞれのセクションの時間配分も、よく考えて慣れておくように、というアドバイスでした。

 そして“去年に引き続き”「遅刻が減れば・・・」と言われた者、約2名! 「XXは目覚まし時計が二つ要るな~」。


[1/26]
@Ashfield College 5年生 (アッシュフィールド・カレッジ)
ダブリンの南部、Templeogueという閑静な地域にある進学校。5、6年生それぞれ30人程度という小規模でアットホームな雰囲気が特徴。(トランジション・イヤー(4年生)はありません) 制服がなく私服、という珍しい学校。

 働いているご両親を配慮してか、面談は夜7:00から。
 アッシュフィールドは5、6年生、それぞれ30人くらいの小さなアットホームな学校。面談も大きな教室に、それぞれ教科の先生が机を並べて、面談するという形式。

Ashfield College
ICT図書館。日本語の文庫本・単行本から教科書や参考書、マンガ、雑誌、洋書も。過去の先輩たちの寄付です!

 この日は5年生の面談がありました。
 「ああ、XXね!」とどの先生も笑みを漏らす…。「みんな彼のことクールだと思ってて、彼と話したいと思ってるわよ!」
 いつもニコニコしていて、冗談が好きで、誰とでも分け隔てのない彼は、学校の人気者だそうだ。

 生物同様に難しいのが物理。計算など数学的な問題は余り語学のハンディがありませんが、定義や法則、実験の詳細などをよく理解する必要があります。そのためには教科書をよく読んで英語を理解する力が必要です。

 また英語の古典や詩も留学生泣かせ。今、英語のクラスではシェイクスピアの「マクベス」をやっているそう。16世紀のシェイクスピア英語は、アイリッシュの学生でも難しい。

 「日本語の訳本を大いに活用して、ストーリーの大意をつかむようにしてください」と先生からのアドバイス。これまたICT図書館にいらっしゃ~い♪

 社交的な彼のスピーキング力はぐんぐん上がっているよう。「今度クラスで、日本のことをプレゼンテーションしてほしいなぁ」と英語の先生から期待が寄せられました。自分の国の文化を英語で説明する機会は、留学生にはいっぱいあります。

 小さな学校なので、校長先生の配慮もとても細やか。面談の最後に、校長先生とお話しました。6年生で勉強している女の子も含め、とても生徒のことをよく見てくれて、生徒にもよく声をかけてくれています。留学生の立場もよく理解して、気づいたことはよく電話で連絡をしてくれます。

 面談の待ち時間に、息子さんを持つお母様とお話をしました。息子さんは学校楽しんでる?

「ええ!小さな学校だから、学校のみんなと友達ですって」 

 私服で自由な校風の明るい様子が伝わってきました。
 …終わってみれば全然恐怖じゃなかったね(笑)。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「じゃがいも」

2006-02-20 07:25:33 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 アイルランド人といえば、ジャガイモ。確かにアイルランド人は、世界でいちばんのジャガイモ好きかもと思う場面をたくさん目撃してきました。アイルランドの主食が、ジャガイモではなく小麦(パン)だと知ったときは、とても意外な気がしたものです。え、イモじゃないの? でも、国民的人気食材といったら、やっぱりジャガイモでしょう。

じゃがいもの皮のフライ。
ビールにぴったり!!
 ケルトの時代からオーツ(カラス麦)のお粥、ポリッジを主食にしてきたアイルランドに、ジャガイモが伝来したのは16世紀後半で、各地でつくられるようになるのは17世紀に入ってから。後の大飢饉を迎える19世紀には、ジャガイモが主食の状態になっていて、1日ひとりあたり3キロから6キロものジャガイモを食べていたのだそうです。にわかには信じられない量ですが、ジャガイモだけに頼る食生活になっていた時期で、そこからすべての滋養を摂るために勧められた量でした。

 アイルランドのジャガイモの特色は、なんといっても「フラワリィ(floury)」なこと。ほくほくを好むのは、日本人に似ています。この間、オランダ産のものを買うときに、お店の人にどんなタイプ? とたずねると「ワクシー(waxy)かなー」。茹でてみると確かに少し、ねっとり系でした。どちらが正しいということではなく、料理に応じて、ジャガイモの種類を使いわけます。ほくほくは、茹でるだけでもおいしいし、マッシュドポテトも、ふんわり仕上がります。どんな使い方をしても合いますが、これはワクシーな方が合うという料理もあります。たとえば、グラタンなど、薄くスライスしたジャガイモを並べてオーブン焼きにするような場合。ほくほく系は、汁っ気を含んで煮くずれることがありますから。

 アイリッシュスチュウのような煮込みは、煮くずれるくらいがいいけれど、ポトフのように、野菜の形をきれいに残して仕上げたいときはワクシーなものがいいかも。というように、ジャガイモ選びも楽しいです。できれば料理を先に決めてしまわず、どのタイプの野菜が手に入るかで、レシピを決めるのが望ましいですね。

 友人の家は農家で、収穫期になると門柱に「ポテト」という看板が出ます。ふつうは20キロ単位で小売り(??)してくれるのですが、あまりに多いので半分にしてもらうのですが、こんなに安くていいのと驚く値段。20キロで、7ユーロ。アイルランドの物価って高いの? と質問されると、返答に困る理由のひとつがここにあります。

 ジャガイモは皮にたくさんの栄養がつまっているので、なるべく皮つきで食べるといいそうです。パブなどで、皮を厚めにむいてカラ揚げにしたものに、ガーリック風味のマヨネーズソースを添えたものを見つけたら、絶対お試しください!


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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.15/恐怖の保護者面談-Part 1-」

2006-02-17 01:39:04 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
 高校留学を考えているみなさん。
 ご両親の元を離れてるからって、ご両親に成績を隠しちゃえ!なんて“ハンザイ”はできませんよ~。
 各学校の成績表はICT(アイルランド留学を行う留学エージェント)のダブリンオフィスに送られてきます。
 だからみんなの成績も先生のコメントもいち早く読むのは、ダブリンオフィスで働いているこのワタシです!

 成績表はもれなくFAXで東京に直送、翻訳されて皆さんのご両親にお届けされます。

 クリスマスは学期(Term *)の節目。どこの学校も冬休み前に「クリスマス試験」と呼ばれる大きな期末試験があります。その成績が出る頃にあわせてあるのが、先生と両親による保護者面談(Parent/Teacher Meeting)。
 今回は私が行ってきた3校の保護者面談の様子をレポートします!

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[12/14]
@Drogheda Grammar School (DGS, ドロヘダ・グラマー・スクール)
ドロヘダはダブリンの北に位置し、ニューグレンジやボイン渓谷といった遺跡・観光名所の拠点となる町。ここにあるドロヘダ・グラマー・スクールは5日制の寮制高校です。(週末は地元のホストファミリーにステイします)

ドロヘダの街並み
DGS正門前
 DGSの保護者面談は学校の終わった4時過ぎ頃から。仕事帰りのお父さん、お母さんたちが学校にやってきて、子どもたちと一緒に面談に行きます― そう、ここは“三者面談”!

 ICTからは男の子と女の子の生徒が留学しているけど、ちょうどこの日、女の子は風邪でダウン、授業もお休みして寮で寝込んでいました…赤リンゴと青リンゴとビタミン豊富なフルーツジュースを持ってお見舞いに行きました。

 校内では自分たちの両親が来るのを待っている生徒が話しかけに来てくれました。この人なつこさ、わきあいあいとした雰囲気はDGSの特徴かな?
…そして一人、また一人、両親に拉致されて、恐怖の階段を上っていきます…

 渋る男の子を連れて面談へ。「ちゃんと先生紹介してね~」
 DGSの面談は、それぞれの教科の先生が、生徒一人一人の学習進度や試験の結果についてお話をしてくれます。

 二人とも今年度から入学したばかりだけど、それぞれの教科で進歩が評価されています。英語力も伸びました。授業態度や意欲もよいと二人とも誉められました。

 生物などは専門用語(Technical term *)が難しい科目の一つ。普通の英和辞書では載っていない単語もあります。問題文の英語自体は難しくなくても、単語が難しいので問題が理解できなかったりということもあるのでは? という先生のお話でした。

 日本では留学生向けの生物辞典や用語集も出ているようなので、それを利用するのも手。また、ICTのオフィスには過去の卒業生が残していった日本語の教科書や参考書もあるので、みんなに自由に閲覧・貸し出しをしています。

 「来年(5年生)になっても生物取るから頑張らなくちゃ!」と男の子。

 いろんな教科の先生との面談の順番を待っている間、アイリッシュの友達Aくんがうろうろしながら話しかけに来ます。

 「うわ~、今母さん、歴史の先生と話してるよ~…」(←逃げてきてる)

 ちなみに二人は歴史の授業がとっても嫌いらしい(笑)。 
 アイリッシュ・ヒストリーは日本人の留学生には馴染みのない分野だから、本当に難しい課目。しかも歴史は資料・文献が膨大。ある歴史的出来事のキーワード、ポイントを的確につかむこと(なぜその事件が起こったのか、なぜ歴史的に重要なのか、後にどんな影響があったか、など)が、テストでの解答でも大切…うーむ…言うは易し行うは難し。

 保護者面談は、普段、ICTの高校生が仲良くしている友達のご両親にもお会いできる機会。学外でバトミントンクラブに参加しているこの男の子は、このアイリッシュのAくんのおうちからクラブに行ったり、夕飯をご馳走になったり、Aくんのファミリーにはとても親切にしてもらっています。

 私もAくんのお母様にお会いすることができました。
 ドロヘダなのでなかなかダブリンから会いに行けないし、寮生活なので家庭の味にも飢えているハズ。留学生に対する地元のアイリッシュの家庭の温かい心遣いは本当にありがたいと思います。

■Part 2の記事はコチラから>>>
恐怖の保護者面談-Part 2-(2006/2/24)

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*英語一口メモ!
 英語で「学期」のことはTerm(ターム)。Semesterという単語もあるけど、アイルランドではTermという方が一般的なよう。例えばSpring termは春学期、クリスマスからイースター休暇(4月上旬)まで、イースターから6月初めの学年末まではSummer Term(夏学期)。
 また、Termには「用語」という意味もある。派生語でTerminologyは「専門用語」。


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Yukko’s Life In Dublin「Vol.5/フラットシェアリング withDavid」

2006-02-16 01:50:32 | Yukko’s LifeInDublin
 留学前にほんの少し、心の隅にあったハウスシェアリング(※ひとつの家やアパートを数人でシェアする賃貸形式。家賃も割るので経済的)生活でしたが、実際に経験するとは想像していませんでした。

 4月末に突然ホストファミリーから、5月末に滞在先を変えないといけないことを告げられたとき、正直頭が真っ白でした。別のホームステイ先を学校に探してもらうか、クリスマス休暇中にホームステイできない場合のことを考えて、ハウスシェアリング先を自分で探すか悩んでいました。

 もちろん滞在先を何度も変えるのは不便ですから、ハウスシェアリングをしたい気持ちの方が強かったのですが、3週間という限られた時間のなど、英会話に自信のなかった私にとって、それはそれは大変な作業だと想像していました。

約3ヶ月間住んだフラット
はりきって料理中♪
のり巻き作ってあげました!
 授業にも集中できず元気のない私に気づき、声をかけてきてくれたのは当時同じクラスメイトだったDavidでした。事情を話したところ、「なんだ、そんなこと!? 僕もシェアリング生活しようと考えてたんだよ。じゃあ一緒に住むところ探すか!」なんてあっさりと言われたのです。

 そこから一緒にインターネット上で募集している部屋を探し、2軒のフラットを下見した後、そのうちの1軒で、学校から徒歩3分のフラットに5月末から住み始めました。

 決して新しいとは言えないそのフラットに足らないものをいくつか大家さんに新しく加えてもらう必要がありました。大きな窓に付けるカーテン、リビングルームのための明るい照明などなど。聞き取りの得意なDavidは私の代わりにほとんど大家さんとの交渉を買って出てくれました。

 学校・スーパーマーケットにも近く、便利な場所ではあったのですが、問題は洗濯機がないことでした。

 初めてのシェアリング生活、しかもドイツ出身の20歳の男の子と! どうなるものかと思いましたが、彼との生活は幸運にも相性が最高でした。

 たとえば、食器洗いの作業が嫌いな彼の代わりに私はそれをすすんでやり、買い物のあとの食材をしまう作業が嫌いな私の代わりに、彼はむしろ好きだと言ってやってくれていました(笑)。

 それから料理はだんだん交代でやるようになり…と言っても、ちゃんとしたものは週末に限られてましたが、彼はお米が大好きなので、私は炊き込みご飯やお味噌汁などを作り、彼はイタリア人なのでイタリア料理や、たまにメキシカン系も作ってました。

 どちらも辛いものが大好きなところ、栄養に気を使う健康志向なところも、食べ物の好みのも似ていたので、お互いの国の文化や生活スタイルの違いには一切困ったことがありませんでした。

 スーパーマーケットとランドリーは、向かい合ってすぐそばにあったので、日曜日に買い物と洗濯に行っていました。やんちゃで子供っぽいところがある半面、女の子には重いものは持たせない! というジェントルな精神もある彼は、常に重いものを全て持ってくれました。

 彼と生活している間は勉強するにも、食事をするときも、どこかにでかけるにもいつも一緒にいたので、短い期間にも関わらず、彼は私にとって最高の存在になりました。頼もしくていつも笑わせてくれ、そして友達以上になんでも話せる、弟のような存在です。

 そして8月上旬、留学費用の関係で彼はドイツに帰らなければなりませんでした。他のルームメイトを探し、同じフラットに住み続けることも考えましたが、結局、より条件の良いシェアリングハウスに住めることになったので、彼がダブリンを去る日に引っ越すことにしました。

 日本ではまだ主流ではないハウスシェアリング生活ですが、特に国籍の違うルームメイトと暮らすことは、一人暮らしよりも数倍も楽しいのではないでしょうか。もちろんお互いの相性や習慣の違いから、良いことばかりとは言えませんが、他人と生活を分かち合うというのも、これまたたくさんの発見がありました。

 私は最高のルームメイトに出会い本当にラッキー!

 8月以降のシェアリング生活についてはまた別の回にて☆


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「アイリッシュ・チーズ」

2006-02-13 04:00:03 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 アイルランドは酪農のさかんな国で、牛乳の品質の高さはEU圏でもトップクラスを誇ります。酪農の守護聖人でもあるセイント・ブリジッドが、丹念に魔よけを繰り返し、牛たちの世話に励んだ成果が、今のアイルランドの礎となりました。

アイルランドの
ファームハウス・チーズ
 牛乳自体がおいしいので、加工して保存するという発想があまりなかったのか、長く貧しい生活を強いられてきたために、手をかけることができなかったのか、チーズやヨーグルトなどの乳製品の歴史は、あまり長くないようです。

 牛乳は、もっぱらそのまま飲むものと、バターが重大要素。後はせいぜいバターをつくる過程でできる残り汁バターミルクや、上澄みからつくるコテージ(カッテージ)チーズくらいのものでした。アイルランド島全体が、ちょうど冷蔵庫ぐらいの温度に保たれているため、熟成の必要な発酵食品をつくるのは難しかったのでしょう。

 逆にいえば「フレッシュ」ということが、アイルランドではいつも「おいしいもの」の同意語で、フレッシュ・ミルク、フレッシュ・クリームと謳われます。

 ヨーロッパの中では、やや遅ればせにスタートしたチーズ文化ではありますが、肝心な牛乳の品質の高さで、大きく巻き返しをはかりました。チーズの欧州選手権といった感じのコンテストなどで、次々に金賞を受賞するのは、アイルランド国内に点在する、大小様々なチーズメーカーたちです。

 広く一般に親しまれているのは、やはりチェダーチーズ。かつての支配国イングランドの影響ですが、アイルランドの自然環境を考えると、頃合いのいい品種のように思えます。私自身、いちばん好きなチーズはチェダー系です。いつも常備するのは、やはりこれ。後はその日の気分で、ゴーツチーズやブルーチーズなどをワインに合わせて調達します。

 最近は、北の方の人たちが好む食べ方を真似て、チェダーチーズにレリッシュをのせていただくのが気に入っています。レリッシュは、薬味という意味合いで、ピクルスを細かく刻んだものや、チャツネなどジャムっぽいものの総称です。

 簡単な、トマト・レリッシュのつくり方をご紹介しましょう。

【材料】
トマト 500g、タマネギ(小)1個、リンゴ(小)1個、ニンニク 1片、
レーズンかサルタナ 大さじ 2、塩 小さじ 半分、三温糖 カップ半分、ヴィネガー カップ半分、ピクルス用スパイス 小さじ 1。

※ピクルス用スパイスは、唐辛子、マスタードシード、黒コショウ(粒)、ニクズク、クローブ、ドライド・ジンジャー、セロリ・シードなどをモスリンの袋に入れます。入手できないものがあっても気になさらないこと。要は香りづけと、自然な防腐剤の役目ですから。

★つくりかた
1.トマトは皮をむいてみじんぎり。
2.材料全部と、分量半分のヴィネガーで、ゆっくり煮る。
3.スパイスの袋を取り出し、砂糖を加え、残りのヴィネガーを味みしながら加えてさらに煮る。すぐに食べてしまうなら、30分くらい煮ればできあがり。

 トマトは青かったり、すっぱかったりするもので、ぜんぜんオッケー。
 干したいちじくや、デーツなどを入れたり、なんでもあり。
 チーズとサンドウィッチにするのがポピュラー。でも、これはポーク、チキンにも合いますよ。


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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.14/アイルランド青春部活動-バスケ部編」

2006-02-10 05:06:13 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
 「Andrews !!」

 ある冬の午後、St. Andrew’sの体育館にて。試合開始前に円陣を組んでAndrewsチームが気合を入れる。

 この日は女子バスケ部のシーズン最後の試合。6年生のMちゃんは日本でもバスケットボールをやっていたスポーツ少女。「今度見に来てくださーい!」と言ってくれていたので、シーズン最後、Andrewsのホームの試合の応援に行きました。

 ちなみに私も学生時代はバスケ少女!中・高とバスケ三昧の後、大学では後輩のコーチもやっていたので、久しぶりの試合の緊張感に自分までドキドキ。ドリブルシュートやスリー・メン(3人でパスしてボールを運ぶ練習)などでウォーミングアップするAndrews girlsを見て、国は違ってもやってることは同じなのね、と当たり前だけどなんだか嬉しく思ったりした。

 スポーツは言葉を超えた共通語、というか、言語のハンディが余りないから、留学生もすんなり溶け込みやすいかもしれない。

青がAndrews
赤が相手チーム
シャッターがボールについていけない…
試合後、両選手・コーチが握手を交わす
 Mちゃんの応援でICTの高校生ギャル3人組(ABCとしておこう)も駆けつけた。
 Mちゃんの背番号は7番。「おぉ~、世界の7番だ!」(注1: 最近の世界のサッカーではエースが7番をつける傾向にあるみたい?例=ベッカム) Andrewsのチーム・キャプテンも日本人の女の子。彼女は11番。「タカユキ(鈴木隆行)とヒデ(中田英寿)だ!!」(注2: サッカー日本代表の鈴木は11番、中田は7番だそうだ) この辺のテンションの高さはさすが女子高生(笑)、でも競技違うじゃん!

 試合開始。Andrewsはブルーのユニフォーム、相手チームは赤いユニフォーム。
 数日前に道で転んだ(!)Mちゃんは、手を傷めていて最初はベンチスタート。
 立ち上がりのAndrewsは立て続けに3ゴールを決められ、いまいちディフェンスが悪い。相手チームも決してシュート率がいいわけではないけど、ことごとくゴール下で外れたシュートを拾われて決められる。

 「Rebounds!」とベンチから声が飛ぶ。(注3: Rebound=“リバウンド”は外れたシュートを拾うこと) 
―ここでAndrews秘密兵器M投入。ABC大~喜び。

 ひいきしてるわけじゃないのよ。でもMちゃんが入ってからAndrewsの流れが変わる。Mちゃんはミニバス(注4: ミニ・バスケ。小学生のバスケチームで、ミニバス上がりの子はやたら上手くて、中学からバスケを始める大半の少女にとって憧れの存在でした)から鍛えただけあって、ドリブルも上手く、視野も広い。Mちゃんからロングパスが出て速攻が決まる。

 「今のMのアシスト?アシスト??」
 ABC狂喜乱舞♪

 試合はNBAばりの4クオーター制。1クオーターは多分10分くらい??
 不親切にも得点ボードもタイムボードもないので、勝っているのか負けているのか、残り何分なのかも全然わからない。

 もちろん日本の部活動みたいに、「ファイト~!」とか「ドンマイ!」というかけ声はありません。(あれは和製英語) 手拍子みたいなのとか♪ ニッポン、チャチャチャッ♪ 式の歌も、ナイ。割と単調に試合が進んでいく…(もちろん、タイムアウト中に後輩がドリンクを差し出したり、うちわで扇いだり、なんていうのもないです)。

 立ち上がりがよくなかったAndrews、3クオーター目くらいで盛り返し、4クオーター目に入るとベンチも盛り上がる!なんせ得点がわからないけど、競っているらしい??

 Mちゃんの3ポイント・シュートも決まる!
 相手チームの監督もエキサイト、怒りのあまりペットボトルを「Jesus(ジーサス) !」と宙に放り投げるリアクション。余りにもオーバーで、日本の鬼監督というイメージより、コミカルだった。

 タイムキーパーの笛がなって試合終了! ベンチの反応を見ると…Andrewsは勝ったみたい!!

 両チーム選手、監督が握手をしました。
 「スコアなに~??」とABCがMちゃんに上から声をかける。本人もよくわかってなかったみたい、チームメートに確認して、「34-32!!」…って1ゴール差、そりゃベンチも熱くなります。

 バスケットのシーズンはこれでオシマイ。クリスマス休暇以後は、また別のスポーツのシーズンが始まります。
アイルランドの学校のスポーツクラブは、日本の部活動みたいに、毎日厳しい練習があったり、夏休み中や一年を通して活動があるわけではありません。

 汗と涙を流して厳しい練習に耐え、トーナメントを勝ち抜いて青春する、という日本式の部活動とは違って、そのシーズンにあるスポーツにチャレンジしてみんなで楽しくスポーツしよう!というのが一般的みたい。Mちゃんも自分の得意な分野を生かして、チームメイトにもよく馴染んでいました。

 日本の運動部で真剣に取り組んでいた子にはちょっと物足りないかもしれないけど、自分の得意分野を通じて友達を作るのは、言葉にハンディのある留学生には、一つの励み、自信になるかも…!


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Yukko’s Life In Dublin「Vol.4/語学学校に行こう!-Part 2-」

2006-02-09 06:33:15 | Yukko’s LifeInDublin
 特に日本で英会話学校に通ったり、外国人の友人がいなかった私にとって、英語だけで過ごす世界に突然飛び込むことはとても勇気のいることでしたが、語学を学んだ後に得られるものはとても大きく、私の語学留学生活は充実感でいっぱいです。

自宅でのパーティにて
クラスメイトと教室にて
イタリア人Giovannaの家にて
 語学学校に通う毎日は今までの日本の生活とは違い、非日常的なものでした。クラスではたくさんの国籍の人々に当たり前のように出会い、コミュニケーションすることができるのです。

 私は、はじめのPre-intermediate(初・中級)クラスで一緒に学んでいた20歳のドイツ生まれ、ドイツ育ちのイタリア人Davidと、25歳の韓国人Angelaと仲良しになり、金曜日はパブへよく一緒に飲みに行っていました。

 また、週末はダブリンの博物館・美術館、公園、映画館に行くなどして過ごしました。バンクホリデーのある週には1泊2日の国内旅行にもでかけたこともあります。

 私たち3人が仲良くなったきっかけは「他の国の友達と積極的に付き合いたい、英語を常に使い続けていたい」という、同じ目標を持っていることでした。それらの目標は語学留学生の誰の心にもあるかのように思えますが、実際そうではないようです。同じ国同士の人々と行動しがちな他の生徒たちの中で、そんな私たちは自然と仲良くなりました。

 留学してからはじめの2ヶ月間は英語が理解できない・自由に話せないことが大きなストレスでした。日本にいるときにできていた、簡単なことができないという悔しさを味わった時期は本当に辛かったですが、同時に英語への上達にもつながりました。

 特に仲の良い友達ができたことは何よりもありがたいことでした。いつでも会話できる相手がそばにいるからです。Davidとはお互いのホストファミリーの家が近いこともあり、放課後もよく一緒に過ごし、使える言葉を最大限に利用し、たくさん会話したものです。

学校内の設備のひとつのリスニングルームにもよく通っていました。リスニングは聞き取り能力を育てるだけではなく会話にも影響がありました。自分の英語にある程度自信を持ち、間違いを恐れず積極的に会話できるようになるには半年かかりました。

 これまで私は6月末・9月の中旬・12月中旬にクラスを変えました。通常同じクラスにい続ける場合、レベルが変わる際のテストはありませんが、自らレベルを変える為にはテストが必要です。1回目はレベルを上げる為クラスを変え、2回目はケンブリッジ検定試験コースに入り、試験後一般コースに戻りました。

 一般コースと試験コースは大きく違います。一般コースでは文法と会話中心の2クラスを受けます。会話のクラスでは一般的に会話で使われている表現を学べること、それぞれの生徒たちの国の文化や社会について話し合えることが一番の利点です。そして何より会話を楽しむことを教えてくれる場所でもあります。

 ケンブリッジ検定試験はReading(読む)、Writing(書く)、Listening(聴く)、Speaking(話す)、Use of English(文法・イディオム)の5つのテストがあります。授業もそれに基づいて行われます。3週間に一度練習テストもありました。
 
 生徒の国籍はさまざまですが、私の学校の場合、日本人が同じクラスにいる割合は低いとはいえませんでした(※1)。しかしここに来て感じたことは、英語を学ことに対する強い意思があれば、色んな国の友人を作ることも、英語を常に話し続けることも、環境ではなく、自分次第でかなえられることを学びました。

 先生は、ほとんどアイリッシュで、親切かつていねいに教えてくれます。何人かの先生とは週末にパブに飲みに行ったり、友人と開いたパーティに参加してもらったこともありました。

 昨年12月にケンブリッジ検定試験を受けた後、再び一般コースに戻り、現在はPre-advanced(初・上級)クラスにいます。語学学校は英語だけではなく、予期していないたくさんのものを得られる場所です。私にとっての語学学校生活は今までの人生で一番の宝物です。

 実際、長い期間にわたり留学できるチャンスは少ないと思いますが、短い期間でもぜひ一度は皆さんに体験してもらいたいです。国籍の壁のない世界がぎゅっとつめこまれた場所です。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ソーダファール」

2006-02-06 07:41:30 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 北アイルランド独特の伝統食に、ソーダファールがあります。
 小麦粉にバターミルクと塩を加え、重曹でふくらませたパンで、オーブンではなくグリドルという丸い鉄板で焼くパンケーキの一種です。生地を丸くまとめた後、十字の切り込みを入れるので、四つに切り分かれ、ちょっといびつな三角形をしています。

ソーダファールでつくった
ソーセージ&エッグサンド
  南(共和国側)でも売られてはいますが、北アイルランドほどポピュラーではありません。宿に泊まれば、朝食にはまず必ずファールがついてきます。じゃがいもをまぜこんだポテト・ファールがつくこともあります。ベーコン&エッグを焼いているフライパンで、ファールも一緒に焼かれることも多く、ベーコンの脂がじゅうとしみでて、おいしいの。

 カウンティ・デリーにあるディッティさんの店で、つくりたてのソーダファールを食べさせてもらうという、幸せな機会がありました。パン工房の中央に、長いテーブルのような鉄板が据えられ、高温に熱してあります。その上に生地を並べていくと、みるみる膨らんで、ファールが完成します。

 ディッティさんは、できたてのファールにさっとバターをぬってくれました。
 あつあつのファールに、バターがしみこんでいきます。もっちりした感触と、ほのかな甘みに、思わず顔がほころんでしまいます。やー、おいしい!

 できたては、こうしてすぐに食べ、2日目に少し固くなったものは、ベーコンと一緒に(あるいは、ベーコンを取り出した後に、その脂を使って)焼くのだそうです。

  ベルファストにある市場の中のカフェで、ソーダファールを使ったサンドウィッチを見つけました。メニューの中から、ソーセージとフライドエッグを選んだときは、てっきりファールに添えられてくるものと思っていたので、間にはさまれているのを見たときは正直びっくりしました。へぇー、こんな風にして食べるんだ。卵は、黄身がとろりと流れるくらいの焼き加減にしてもらい、ケチャップとほどよくまざるのが、ばっちりでした。ふつうの食パンよりも、ぐっとボリュームがあり、満足度は高いです。


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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.13/IBプログラム:創造性、活動、奉仕(CAS)」

2006-02-03 04:25:39 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
 前回、インターナショナル・バカロレア(IB)・プログラムの3つの特別カリキュラムのうち、TOK(知識の理論)の授業についてご紹介しました。

 今回は、通称CAS(Creativity, Action, Service)と呼ばれるカリキュラムについて。これは、Creativity(創造性)、Action(活動)、 Service(奉仕)のそれぞれ頭文字をとったもの。これらの学問以外の分野で、自分の能力を伸ばしたり、他人と協力し合うことを学びます。
 生徒はそれぞれ、規定の時間数、これらの活動に従事します。

Creativity では、絵画制作や編み物、ビーズ細工などの美術工芸、コーラスなどの音楽、演劇やミュージカルなどの創作活動が対象です。
Action はスポーツが対象。放課後学校でバスケット・ボールやバドミントンをしたり、また、日本に帰ったときにスノーボードをした、という子もいました。
Service は、身近なところ、学校の食堂で“給食当番”をする子が多いそう。

 さて、ここで、絵が得意なSくん、自分の得意分野を活かして、独自の創作活動と奉仕活動プロジェクトを発動させました!

*    *    *    *    *    *    *    *

<SくんのCASプロジェクト>
Sくんの作品。
ヴィヴィッドな色使いが印象的。
メリオンスクエアの絵画市は毎週日曜日。
飾りきれない絵画は車の前に
 昨年のトランジッションイヤーでの自分の能力を活かしたあらゆる慈善活動を通じ、アイルランドでの美術に対する公平さ、つまり年齢や国籍にかかわらず、実力のある者は必ず評価されるということや、自分の創ったものが売れ、その利益が慈善に使われる事を、間近で感じ、深く感銘を受けました。

 幸い、今年もIBのコースで同じような活動をCASとして続けられることになり、気合が入ります。
 自分の活動内容は昨年のそれと同じで、自分で書いた絵画を売り、その利益を慈善のために使ってもらうという内容ですが、大きく違う点として、学校での催しではなく、街中で行われる絵画市などで売ろうという点です。

 いくら昨年成果を挙げたといっても売れなければ意味がありません。金額が問題ではないという意見も有りますが、利益が上がれば上がるだけ多くの人が救われます。ですから何を言われようが、売れることを最優先に考え、そのための要素として

(1)スポンサーを得る
 巨大なスポンサーのネームバリューは利益を大きく左右します。
 そこで、自分はUNICEFとCONCERNの2つの大きな慈善団体と、学校を通じてコンタクトを取り、自分の活動を説明し、理解を得てもらい、公式文書をもらいました。その文書は、その団体の名の下に、自分が誰であるか、どのような活動をしているのか、の説明と共に、利益はその団体に使われると言う証明が書かれています。

 自分はこの文書を絵画を売る際に、一緒に展示することによって、道行く人々に、慈善である事を理解してもらえて、「チャリティーなら買ってもいいかな」などと、購買心を湧かせられるのではないかと考えています。

(2)買いたくなる絵画を描く
 アイルランドなどの欧米諸国では、絵画は家具と等しく価値があり、絵を飾る習慣があるので、これらは大変需要があります。つまり人々は飾るために絵画を買い求めます。

 どのような絵画を人々は飾りたいか。ポイントはそこです。
 人によって差はあると思いますが、昨年の成果などから、花や果物、野菜などのいわゆる静物画が一番需要があると思いました。そこでそれらの静物画を中心に、動物などの単品などへ拡げようと考えています。
 更に、もう一つ確実に利益になるものとして肖像画があります。数は多くはできませんが、作例を展示して、注文をもらおうと思っています。

(3)値段
これは売れ行きを大きく左右します。市場で売るということは、オークションとは別に、目的のものを買いに行くのではなく、掘り出し物を見つけるような第一印象でほぼ決まります。更にオークションとは違い、値段を決めておかなければなりません。つまりオークション程、値は高くならないという事です。そのため値段の決定には配慮が必要になると思います。

 以上が自分の活動内容と要点です。
 現在の進行状況としては、絵画は多数完成していて、UNICEFとCONCERNからの理解と文書もいただいたので、あとは売る場所を見つけるのみですが、絵画市場というのは非常に人気があり、場所を得るのは至難の技ですが、そこで、昨年職業体験で働いた美術商さんツテを活かして、どこかに場所を得られるのではないかと思って交渉しています。

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 去年、トランジション・イヤーで経験したチャリティ活動やワーク・エクスペリエンス(職業体験)で、Sくんがいろんな刺激や自信を得たのが伝わってきます。すでにプロ意識が高いところもスバラシイ…。一つ一つのステップを確実に次につなげていくSくんには、また今度、成果をお話してもらいたいと思います!

■Sくんが体験した今までの記事はコチラから>>>
Vol.9/クリスマス直前レポート!(2005/12/23)
Vol.6/高校生体験談:ハロウィン(2005/12/2)
Vol.5/トランジションイヤー後編 体験談(Sくん)(2005/11/25)


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