一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

竜王戦第1局(1日目)、その他

2016-10-15 23:00:40 | 男性棋戦
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読売新聞では、竜王戦七番勝負の前に「七番勝負展望」が掲載される。が今年は見落としてしまった。今回挑戦者が丸山忠久九段に代わったが、七番勝負3日前の決定では慌ただしく、「丸山版」の展望は掲載されなかった。
観戦記は、挑戦者決定戦第2、3局は差し替え。まさに異例の事態で、予定の将棋が掲載されなかったという意味では、1980年の第19期十段戦七番勝負・中原誠十段VS加藤一二三九段戦の第2局の前に中原十段の御尊父が亡くなられ第2局が延期、その繋ぎとして次期予選の2局が掲載されて以来であろう。
今回の代替局は昇級者決定戦の注目局。1局目は6組・田丸昇九段VS近藤誠也四段戦が掲載されている。観戦記者は吉田祐也氏。今日のテレビ番組欄に同名の記名があったので、読売新聞の記者であろう。本局を観戦していたとは思えないがそれはともかく、田丸九段はこの将棋を負ければ引退決定。確かに注目局ではある。
20年前、丸田祐三九段と佐藤大五郎九段の引退が決まり、5組残留決定戦で二人が当たったことがあった。しかし観戦記に掲載されるはずもなく―現在では火曜日の夕刊に将棋コーナーがあるから、ここに掲載されただろう―私は残念に思ったものである。
今回はひょんなことから、田丸九段の現役最後になるかもしれない対局が掲載されたのは、タイムリーであった。

さて、七番勝負である。
この第1局は京都市「天龍寺」で行われる。1937年に阪田三吉八段VS花田長太郎八段戦が行われた由緒ある寺で、読売新聞もコラムを掲載するなど盛り上げていた。返す返すも今回の騒動は水を差した形だ。
ともあれ渡辺明竜王、丸山九段とも、今回ほどやりにくい七番勝負はないだろう。
先の騒動では、A級順位戦・渡辺竜王VS三浦弘行九段戦も疑惑の対局になっていたから、渡辺竜王だって責任の一端は感じているだろう。
対して丸山九段はタナボタ式で挑戦者が舞い込み、やや気楽な立場だ。棋界最高峰の七番勝負において、これは極めて珍しい状況である。
思えば数年前、JT杯将棋日本シリーズで、インフルエンザ疑惑の渡辺竜王の代わりに谷川浩司九段が出場したことがあった。そして優勝してしまったのだ。気楽に指せるから手が伸びる、ということはよくある。
丸山九段は竜王挑戦3回目になり、過去2回は渡辺竜王に1-4で敗れているが、今回はかなり思い切った手が指せるのではないだろうか。おもしろい七番勝負になると見る。

その第1局は、丸山九段の先手となった。先の渡辺―三浦戦とほぼ同一の進行になり、25手目に▲4五桂と跳ねた。これも三浦九段の指し手で、これは三浦九段へのリスペクトなのか、それとも先手十分の確たる裏付けを持ってのことか。
いやしかし改めて、この手が本当に成立するなら、将棋の見方が変わってしまう。
数手後、渡辺竜王は△4二角。これが改良手で、渡辺竜王もまた考えていたのだ。
以下丸山九段は飛車を切る猛攻に出る。というかこれ、私が指したら「暴走」と嗤われるレヴェルである。丸山九段は冷静なのか、アツくなっているのか。
第1日目の指し掛け図は、丸山九段が角取りに銀を打ったところ。やはり受けるところは受けなければならないようだ。
局面は後手有利。明日には決着がつくみこみである。
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