百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

令和6年(皇紀2684年)、年の初めの ご挨拶

2024-01-05 19:06:35 | 日記

 昨年 安倍さん亡き後、それでも何とか希(のぞみ)を繋いでいた後継者さん連の、見掛けの志とは相容れない 性根の怪しい 実に情けない実体を目の当たりにし、失意の底に沈んだまんま迎えることとなった 新らしき年、

その初日がまさに暮れなんとする その時、不気味な揺れが 5秒?ほど。そのとき TVを付けていたのか 点けたのか 皆目 判らないのですが、能登で大きな地震 と。で 直ぐに大津波警報発令。絶叫する女子アナ(山内泉さん、素晴らしいご対応でした)・・・・

少ししたら 恐れていた火事が発生。それが どんどんドンドン 大きくなって 地獄絵の如きに。その恐るべき無残な実体が 白日に曝け出されだした 翌2日の夕方には、何と羽田で 想像だにしないエアバスの大炎上。

3日の朝、悲しさ・やるせなさに覆い尽くされながらも、今年3度目のお茶を喫もうと、、、、その折、無意識に近い感情ですが、何か 救いを求めるように掛けたいと思ったCDは、ベートーベンさんの『田園』。

ブロムシュテットさんとN響さん ルイージさんとN響さん カラヤンさんとベルリンフィルさんのも あるはずですが、最初に出てきたのは クラウス・マケラさんとロイヤル・コンセルトヘボウさんのもの。

オイラは泣けてきました。止めどなく涙が と言ったら恰好つくかもしれませんが、そこまで行かないまでも、嗚咽は自然と涌いてきました。

それで、少し楽になりました。救われた気持ちになりました。『田園』が 特に前半は、平和・平穏・のどか そのものだからです。音楽は ええなぁ、ベートーベンさんは すげぇなぁと つくづく 思い知らされました。

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 以上、前書きが長くなってしまいましたが、恒例の 年始のご挨拶を、本年 年賀状書面で以って申し上げたく存じます。

 3つ前のブログに記しておりますが、この襖絵は『大阪中之島美術館』さんで開催された『長沢芦雪展』に展示されていた 島根県『西光寺』さん蔵 松江市指定文化財の『龍図』の一方でして

こんなに長い龍を見たのは初めてでしたし、こんな穏やかなお顔の龍さんを見たのも初めて、それに 上に昇ろうとしてないのがええなぁと、オイラは いっぺんにこの龍が好きになってしまいまして、で これを是非 今年の年賀状にしたいと 温めていた、ということであります。

なお 上の年賀状写真の芦雪さんの襖絵は、本稿制作過程で 実際とはかなりかけ離れてきていますので、下に実物に近い絵姿を載せておきます。念のため。

      本写真は 産経新聞さんの当展紹介記事写真を撮影させていただいたものです。

さらに、賀状のテキスト部も読み取りにくいかと存じまして、以下 表記いたします。

 仏国巴里市紋章には【Fluctuat nec mergitur】( 日本語訳は【たゆたえども沈まず】)と刻まれているようですが、我が来し方も、(良き方に捉えますと)まさに そんなふうだったかに思えて参りますが、これからは この長澤芦雪さんの龍が如く━━【揺蕩うて沈まず】━━、” えども” でなく ”とうて” で、沈みゆくを 何とか踏み堪えながら 生きてゆけたらなぁ なんて、想っています。

 

 オイラは 龍が 何で空に浮かんでいられるのか 考えてみました。出た結論はこうです。      体内に超高性能ヘリウム製造器官を持っており、発生量を瞬時に制御することで ポテンシャルエネルギーのコントロールを図りつつ、手足の漕ぎと 体の捻りで 運動エネルギーを発生させているのであろうと。多分。

 

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 辰年に因んで、付け加えたいことがあります。オイラは 村田英雄さんの『花と竜』という歌が大好きです。歌は 村田さんご自身の作詞作曲でして、モチーフにしているのは 火野葦平さんの同名の小説だと思うのですが(オイラはその小説を読んでないので推量で書いてます)、

昨年12月 BS12で、その小説を原作とした、健さん藤純子さん主演の『昇り龍』という映画が放映されました。でそのオープニングで写された龍が、典型的な構図ながら 見事でしたので、ここに掲示しておきたく存じます。

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                  ↑ 火野葦平さんの 『花と龍』が原作であるとの記

 

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 実は もう一つ、記しておきたいことがあります。

 オイラが住まうこの地域、小字は『新田(しんでん)』といいますが、この地は、先祖墓から推察しますと 延宝7年(1679年)以前 (?) 、 福山小太郎さんという方が中心となって 開墾・整地されたようでして、その方をお祀りした『福山様』という祠が、当地入口地点から 弐参百メートル山地に分け入った処に 大小2つのお社を構えた形で備えられ、それを代々 細々ながら 護り継いできておりまして、

昨 令和5年は我が家が その持ち回り当番を担ったのであります。お役目は、新年を迎える準備の元締めを司ること。具体的に申しますと、お社の掃除・境内の清掃・参道の清掃・門柱とお社および狛犬の注連縄飾りの更新 の中心的役割を果たすことでありますが、

オイラは兎に角、自分で出来ることは精一杯やろうという意気込みで臨もうとココロに定め、稲藁は早くに、柔らかい稲種の ”あけぼの” を作っている 吉永の 須江ねーちゃんに頼んでいます。

12月に入ったら早々 参道の草刈りを済ませると同時に、登って お社の様子を伺ってみましたら、板壁は側背面とも剥がれ落ちているところがあるし、2段備えになっている棚は 今にも外れ 抜け落ちそうだし、床下は雑然としてて  ゴミや土埃も溜まり放題 といった有様・・・・

で、「掃除するのは勿論なれど、今 修理をしておかないと 取り返しのつかないことになってしまいやしないか」、次いで「今年 オイラが当番になったということは、これをアンタが修理しんさいという神様のお告げなのではないだろうか。きっと そうに違いない」との想いが襲ってきた次第。

延べ10数回、通ったでしょうか。電動ドライバー/ ビス/ ハンマー/ ニッパー/  鋸/ 補修板など持ち、欠けていた 正面下部・側面・背面を板で塞ぎ、外れていた框を取り付け、崩れ落ち寸前だった棚板の再固定、および沈み防止の補強といった 応急修理を施しました。

次に本殿床下の 清掃・片付けに入ったのですが、ここで何と思いも掛けないことに、それはそれは見事な 龍の阿吽のお頭と 龍を彫り込んだ板材、そして鶴の彫り物が見付かったのです。もちろん埃まみれでありましたが。

オイラは思いました。「不思議なことがあるもんだ。来年は辰年だし、ここから出して欲しかったんだ。それでオイラにお呼びが掛かった、そういうことではないだろうか、そうに違いない」と。

ここまで作業を進めて参りますと、矛先は自ずと 本・脇殿内部に向かいます。詰まる所、ここの清掃こそが本丸ではないかと。で 本殿の扉を開けてみますと、泥棒に襲われた痕のように もう めちゃくちゃな状態。それのみか 白と黒が入り混じった大量の綿ボコリのようなゴミと土埃。もう呆然とするばかり。

それでも気を取り直し息を止め 清掃。塵取りに 3杯くらいはあったでしょうか。そして 入っていたモノをキチンと置き直し、横に建つ 脇殿へと。この中は比較的綺麗、御幣が 少しの土埃の中にお立ちでした。

室内を掃き清めまして、本殿床下に 落ち葉や土埃や朽ちた板材にまみれ埋もれていた 上記 龍頭一対と龍の彫られた板材、および鶴の彫り物を、こうしておけば 本殿と違い 容易に扉を開いて拝めるだろうとの魂胆から、御幣脇および前面に設置。

さらに 両殿とも 注連飾りを引っ掛ける鉄製鉤手が欠損しており 新品を取り付け。竹筒の花入れも一つ落ちていたので、取り付け具をリニューアルし再取付け。本殿屋根清掃用の長い竹ぼうきも新製するなど、精一杯のコトはやったぞ といった達成感のもと、新らしき年を迎えた次第。

以下は それらのことを指し示す写真でございます。

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実に立派な備前焼の狛犬なれど、オイラは石の台座に感服。辺りに大きな石は無いのですから。

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         迫力満点、素晴らしい阿吽の龍頭さま および 龍彫板

            清掃し設置し直した本殿内の様子...

 

氏子全世帯にて清掃後、次年度以降の注連縄飾りについて、次のような取決めをしています。 これで 注連縄作りの手間が、1 / 3 程度に軽減されます。

 本殿・脇殿・門柱・2体の狛犬 それぞれ 一対の左締め右締め縄を 施してきたが、今後は 左締めの注連縄 一本を、本殿・脇殿・門柱 に 施すものとする。

(注連縄は神域であることを指し示すためのものであり、通常一本の左締め縄でその役割は達成される。さらに狛犬は その神域を護るために在り、それ自体は神様に非ずとの認識による)

なお、提唱者はオイラでありますが、年を経るごと 氏子減少や老齢化が進み、縄の綯い手が著しく細ってしまっている状況では、早晩 採らなくてはならない方策ではありました。

 

 

 

 

 

 

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