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大徳寺9(孤篷庵 総評)


写真左は孤篷庵(こほうあん)門前、右は今回の拝観からの推定見取り図。

2011年の非公開文化財特別拝観で9年ぶりに特別拝観がありました。

まず門前で拝観料800円を納め、石畳を歩き右の玄関に入ります。

玄関を入ると「本堂」です。
本堂南庭は平庭で、一見あっさりしていますが、左手の編笠門の前の檜に工夫があります。
地上の枝は刈り込まれ、地下の根の周囲は瓦で囲い檜が大きくならないように細工されています。
こうすることで枝に雪が積もると、牡丹の花のように見えるそうです。
この刈り込みを、「牡丹刈」といいます。

次に回り込んで、お待ちかねの京都3名席の1つ「忘筌席」です。
入ってすぐに目に付くのが、縁側の上半分に障子が張ってあり、で庭園が見えにくいのです。
しかしもちろんこれには理由があります。

忘筌席は西向きに窓があるため西日が射しこみます。まずはこれをカットするためです。
さらにここは小堀遠州にとっては自分の隠居所ですから、客人の都合は考慮していません。
つまり忘筌席の炉がある一番奥に座ると、そこからは庭園が十分に見える構造なのです。

また忘筌席の前庭には「露結」の手水鉢と、寄灯籠がこじんまりとあります。
寄灯籠は、複数の灯籠のよい部分を寄せ集めて1つにしたものだそうで、笠石は朝鮮、火袋は唐、竿石は天竺のものであるとも云われています。

襖絵は、狩野探幽の水墨画です。

さらに奥には書院の“直入軒”があるようでしたが、今回の拝観経路ではありませんでした。

何度でも行ってみたくなるところでした。

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