録画してあったNHKスペシャル「新・ドキュメント太平洋戦争1943 国家総力戦の真実」をみた。
アッツ島の全滅、降伏しろと叫ぶ米兵に対し疲労困憊で最後の突撃をする日本兵。死んだ日本兵が持っていた日記や遺書の内容が紹介される。生まれたばかりで父の顔を知らぬ娘にさようならと記されていた。
この時対峙した米兵は戦慄したという。アッツ島で戦い、まだ生きている98歳の米兵がいまでもショックを受けている。アメリカ人からすれば、降伏せずに死ぬのがわかっていても突撃してくる心理が心底理解できなかったのだろう。
銃後の日本ではアッツ島の全滅は「玉砕」と呼ばれ、守備隊の山崎隊長は一度も増援を要求しなかった、と美談として扱われた。
(降伏が許されず)死ぬのがわかっていても突撃する日本兵の空気はとてもよくわかる。で、今の私は以前よりも増して、これが異常だと感じられるようになった。
実際にその場にいたら絶対に無理だったろうが、一人でもそこで降伏を選ぶことができないだろうか、そんなことを考えました。程度はものすごく小さくとも日々似たような場面はあるから。
教訓めいたことを書くならば、左翼的に日本を卑下するでなく、逆に右翼的に過度に賛美するでもなく、世間の空気・世間体ドライブで私を滅し玉砕を美談としてしまう全体主義をこそ「おかしくね?自分を大切にしようぜ」と乗り越えていく姿勢をとりたいと思いました。あの敗戦は悲劇過ぎる。