倍音

倍音が多いほど、聴く人が記憶の断片をその倍音の中から共鳴させて味わうことができる、と言うようなことを内田樹さんがどこかで書いていた。

今出張中のビジネスホテルで、矢野顕子とレイハラカミのyanokami の音楽を聴いている。BOSEのサウンドリンクミニは優秀で、出張に合う。出張時のアイテムばかり最近は揃えていて、いかに出張時のホテルの机の上がスマートに整理されているかが勝負。

Yanokami の音楽は物理的にどうだか知らないが私の主観ではやたらと倍音成分が多い。これを聴いていると、やたらとどうでもいい瞬間や場面を思い出す。大学の時、授業もなく暇なので車で当てもなく走った時のこととか、新河岸川をマウンテンバイクで走った時のこととか、縁もゆかりもない埼玉の杉戸町あたりを用事もないのにぶらぶらしたりとか、人生の中で余白のような時間を思い出す。

東横インの部屋の壁には絵画があるんだと今気付いた。頭のネジを緩めるといろいろなものがはいってくる。

倍音が多い音楽を聴いてチューハイのんでネジを緩めている。あーもうすげーやることあるんだもの昼間。