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映画 告発のとき(2007) 反戦映画というテーマ以上に

2011年12月05日 | 映画(か行)
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 今となってはイラク戦争がブッシュ前大統領が再選を果たすための支持率アップのためにやったということがわかるが、あの時はその作戦が見事に的中し楽々とブッシュが再選した。しかし、世論の変化とは怖いものでイラク戦争がテロリストとの泥沼状態の戦いに変化してからは、ブッシュ大統領の支持率はボロボロで末期症状。そんな時には反戦論者の勢いは強まり、映画の世界においてもイラク戦争を批判した反戦映画が次々と作られる。そんな流れに乗って製作されたのが今回紹介する映画告発のときです。

 ストーリーはイラク戦争から帰って来た息子が、無断で軍隊から離れたと元軍人である父親が連絡を受ける。軍人であった自分の息子が無断で離隊などあり得ないと息子の所属していた基地に向かうが、息子が惨殺死体で見つかる最悪の結果に。地元の警察の女刑事の協力を得て、息子の殺害事件の真相に迫ろうとするが・・・

 反戦映画というと戦場における非人道的、過酷さをダイレクトに見せる作品が多いが、今回紹介する告発のときは戦場のシーンは回想で使われるだけでかなり少ない。だから激しい銃撃戦はほとんど無く、ダイナマイトの爆発シーンも無い。しかし、この映画を観た後に我々は戦争はダメなんだという当たり前の事を思い、主人公の元軍人であるコテコテの愛国者の変化していく心情に何とも言えないやるせない気分に襲われるのである
 事件の真相を知った時、60歳を超えた人間が今まで持っていた誇り、価値観、信念がもろくも音を立てていく様子が非常にショッキングであり、他人の秘密を知ろうと携帯電話をこっそり見てはいけないことがよくわかる映画

 ちなみに邦題はまるで裁判映画みたいで的外れ。原題はIn the Valley of Elah(エラの谷)。旧約聖書の有名なストーリーで、後に古代イスラエルの王となる少年ダビデが誰もが戦うことを恐れた巨人ゴリアテを退治した場所の事です。この話は映画の中でも語られます。
 全体的に暗い気分になってしまう映画ですが、この原題に込められた意味に少しだけ希望を見出せる告発のときを紹介します

告発のとき [DVD]
トミー・リー・ジョーンズ,シャーリーズ・セロン,スーザン・サランドン,ジェームズ・フランコ,ジョナサン・タッカー
ポニーキャニオン


 2004年、軍警察を定年退職し今はすっかり隠居生活をしていたハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の元に、イラク戦争から帰還し息子で軍人であるマイク(ジョナサン・タッカー)が軍から無断で抜け出し、行方不明になっていると連絡を受ける。
 軍人である自分の息子が軍から抜け出すことなどあり得ないと考えていたハンク(リー・ショーンズ)は一緒に行きたがる妻のジョアン(スーザン・サランドン)を自宅に残し、マイク(タッカー)が所属していた基地へ向かう。
 
 基地に到着したハンク(リー・ショーンズ)は、マイク(タッカー)と同じ部隊で活動し、一緒にイラクから帰ってきた彼の仲間たちと話すが彼らはマイク(タッカー)が、どこへ消えてしまったのか全く心当たりが無かった。軍警察や地元の警察にもマイク(タッカー)の捜索を願い出るが明らかに彼らもやる気がなかった。
 ハンク(リー・ショーンズ)はどうしたら良いか途方に暮れていたが、マイク(タッカー)の無残な姿になった死体が発見されたとの連絡をうける。

 ハンク(リー・ショーンズ)は地元の警察で女刑事のエミリー(シャーリーズ・セロン)の協力を得て、マイク(タッカー)が殺された真相を究明しようとするが・・・単なる犯人探しで終わらない展開は映画を観てください



 アメリカの国旗に表現されるハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の心情の変化、そして父親にもわからなかった息子の本当の姿とは後味の良い映画ではありませんが、エミリー(シャーリーズ・セロン)が女手一つで育てている息子デビッドの姿に、ほんの少しの希望の光が見られます。

 監督はラッセル・クロウ主演のスリー・デイズが公開中のポール・ハギス。人種偏見問題を描いた群集劇スタイルのクラッシュは傑作です。

 主演のトミー・リー・ジョーンズは日本ではCMの宇宙人役が有名ですが、実は大変な名優。ハリソン・フォードをとことん追いかける刑事を演じた逃亡者はお勧めです。他にはクリント・イーストウッド監督のスペース・カウボーイは並み居る老俳優たちの中でも1番おいしい役を演じていました。

 男性社会の中で奮闘する女刑事役のシャーリーズ・セロンは今回は見た目は地味に抑えているシングル・マザーを演じていますが、実はもの凄く美人。綺麗なお姉さんから醜悪な連続殺人鬼まで演じてしまう演技派でもあります。色々な名作に出演していますが、まだ無名に近かった時のラッセ・ハルストレム監督のサイダー・ハウスルールがお勧め。この映画を観るまでは、女性の裸は前から見るのが良いに決まっていると思っていましたが、実は女性の裸の後姿は神様が与えた芸術作品だと驚嘆しました。こんなことを書く俺はやっぱりアホです。
 他にニキ・カーロ監督の社会派作品スタンドアップ、そして運命って不思議だなあ〜と感じることができるあの日、欲望の大地でがお勧め。

 出番は少ないながらもスーザン・サランドンジョシュ・ブローリン等が出演しているなど、豪華キャストにも注目です。

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映画 今度は愛妻家(2010) 本当に素敵なタイトルです

2011年12月03日 | 映画(か行)
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 タイトルを見た瞬間に思わず手にとってしまった映画・・・では無く、知り合いの美人奥さんにお勧めして頂いた映画。ちなみに僕は独身男性なのだが、その美人奥さんはもしかして僕の事を遊び人の結婚している男性だと勘違いしていたのかもしれない。ちょっと気になるので今度出会った時に確認しておこう。しかしハッキリわかったことは美人奥さんの旦那さんは愛妻家であるのは間違いないということだ

 さて、結婚していない僕にとって女性から言われる最も恐ろしい台詞とは『あなたの子供を妊娠しました』。もし本当にそんなことを言われたら、俺はとりあえず謝る。しかし、結婚歴10年で、ほとんど仕事もせずに家でブラブラしている状態の夫にとって妻から『子供を作る気が無いのなら別れましょう』と言われたら、妻の方から言い出してくれるとは万々歳、これで自由に若い女の子を家に連れ込めるなんて喜んでしまいそうだが、果たして本当にそうだろうか

 ある日、突然奥さんが居なくなった時の旦那さんの悲哀が描かれた映画が今回紹介する今度は愛妻家です。それにしても最近は自分から進んで日本映画を観ることが無くなった。本当は日本映画だって面白い映画がたくさん製作されていると思うのだが、色々な媒体で日本映画は駄目だ、駄目だと宣伝されるから僕もついつい洗脳されて日本映画を観る気がなくなってしまう。今回のように美人奥さんからお勧めしてもらうぐらいしか日本映画を観る方法が無いものなのか

 しかし、今回紹介する今度は愛妻家はハリウッド映画や韓国映画、そしてヨーロッパ各国には撮れないような日本らしい映画。日本人はよく冗談のセンスが足りないと言われるが、この映画を観る限り、日本人の笑いのセンスは世界でもトップレベルである事を確信した。笑えて、感動できて、日本独自の死生観が描かれているという点でぜひお勧めしたい映画です。
 日本人の多くの旦那さんは陰で奥さんの悪口を叩いているが、本当は心の底ではみんな奥さんのことを愛していることがよく理解でき、更に薬師丸ひろ子ってこんなに可愛かったんだ!と気付ける今度は愛妻家を紹介します

今度は愛妻家【通常版】[DVD]
中谷まゆみ,伊藤ちひろ
アミューズソフトエンタテインメント


 かつては有名なカメラマンだった俊介(豊川悦治)は仕事も無く怠惰な生活を送っていた。妻のさくら(薬師丸ひろ子)が旅行へ行く間際に軽く言葉を交し合うが、以前とは違う微妙な空気が漂っていた。
 さくら(薬師丸ひろ子)が旅行へ出かけると、新人女優がオーディション用の写真の撮影のために家にやって来て、俊介(豊川悦治)と新人女優は2人きりになるが、彼は彼女を抱くことが出来なかった。

 さくら(薬師丸ひろ子)が旅行に出かけた後、俊介(豊川悦治)は楽しい独身生活を過ごせるはずだったのだが彼の心はどこか空虚な気分で覆われていた。それどころか、さくら(薬師丸ひろ子)からの連絡は無いしいつ帰ってくるのかもわからないことに次第に苛立ちが募ってくる。俊介(豊川悦治)の周りには彼の助手の誠(濱田岳)、そしてオカマの文太(石橋 蓮司)が居たが、彼らの存在も俊介(豊川悦治)の心を満たすことはできない。
 そしてついに、さくら(薬師丸ひろ子)が旅行から帰ってくるのだが・・・ちょっと驚く展開は映画を観てください



 ちょっと?なシーンも次第に理解できるミステリー映画ではなく、笑えて、感動できる映画です。この映画を観たら崩壊寸前のご夫婦も修復できるかもしれませんし、未来に向かって生きる気力が湧いてくるかもしれないです。

 しかし、トヨエツって本当に素晴らしい俳優ですね。シリアスな雰囲気も良いですが、ちょっとダメ男っぽい役がはまります。
 そして石橋 蓮司さんもオカマの役が本当に上手でした。本当に貴重な俳優さんです。
 そして薬師丸ひろ子さんはこの映画が公開された時は46歳だったとは思えないくらい可愛いかったです。46歳のアイドルが誕生したかと思うぐらいに感動しました。この映画の中でも歌うシーンを披露してくれますが、個人的にはセーラー服と機関銃か、せめてあなたを・もっと・知りたくてぐらいを昔のファンだった者としては聴きたかったです

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映画 黒い罠(1958) オーソン・ウェルズ監督作品です

2011年11月04日 | 映画(か行)
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 今回紹介する映画黒い罠オーソン・ウェルズ監督の作品です。ところでオーソン・ウェルズって誰?と思った人にはこの映画はお勧めとは言い難い。
 実はオーソン・ウェルズは映画史上の金字塔として名を残す市民ケーンを監督した人だ。市民ケーンってどんな映画?と思われた人には、はっきり言って黒い罠は観ない方が良い

 最も好かれている映画のベスト100みたいな企画があれば、だいたいベスト3位までに入ってくる名作である市民ケーン僕は当然市民ケーンは観たことはあるのだが、名作と言われる映画が必ずしも面白いとは限らないとだけ述べておこう。

 とりあえず市民ケーンの特徴として、パンフォーカス、構成、音楽の使い方等のような映像表現において高い評価がされている。
 しかし、一般的な映画ファンと呼ばれるような人々にとって、映像表現を楽しむために映画を観る人がどれだけいるのか?だいたい映画を観る目的として、とにかく感動した、とにかく笑えた、とにかくハラハラドキドキした、とにかく怖かった、他にはとにかくエロかったのような高揚感を得ることだろう。
 市民ケーンからは、そのような高揚感を得られるかどうかは大いに疑問だ

 しかし、市民ケーンを観たことがあり、またサスペンス映画の名作である第三の男のような演技者としてのオーソン・ウェルズを知っている人にとっては、かなり楽しめる映画が今回紹介する黒い罠
 市民ケーンを観て、そんな凄い映像技術のテクニックが使用されていたことに気付かなかったという人も、今回紹介する黒い罠は大いなる実験精神に溢れていることがハッキリわかる。そして今まで2,000本以上映画を観たことがあると言う人ならば、そう言えばこのシーンやストーリー展開は、どこかで見たことがあったようなと感じることが出来る。

 この映画自体は1958年の古い作品ではあるが、実はその後の映画製作に大きな影響を与え、オーソン・ウェルズが実は凄い天才であったことに気付く黒い罠を紹介します

黒い罠 [DVD]
オーソン・ウェルズ,チャールトン・ヘストン,ジャネット・リー
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン


 新婚旅行の途中で訪れたアメリカとメキシコの国境の町で、メキシコの麻薬捜査官であるヴァルガス(チャールトン・へストン)と新妻のスーザン(ジャネット・リー)は2人を通り過ぎた車の爆発事故に遭遇してしまう

 自分の職務に熱心なヴァルガス(へストン)は休暇中であったがスーザン(リー)を近くのホテルへ帰らし、爆発事故の捜査を始める。アメリカ側からクインラン警部(オーソン・ウェルズ)が遅れてやってくる。クインラン警部(ウェルズ)は体の太った老警部であり、片足が不自由であり杖を持っている。しかし、クインラン警部(ウェルズ)は事件については必ず犯人を挙げる男であり、その腕は警官仲間からも慕われている。

 爆発した車に乗っていた男女2人のうち男の方は、この町を牛耳る実業家のリネカー氏だった。メキシコ側で仕掛けられた爆弾が爆発したことからメキシコ側の事件として扱うヴァルガス(ヘストン)、アメリカ側で爆発したことからアメリカ側の事件として扱おうとするクインラン警部(ウェルズ)。2人はお互いに協力して捜査することになるが、クインラン警部(ウェルズ)の方はヴァルガス(ヘストン)に対し敵意むき出しで接する。

 先に帰されたスーザン(リー)だったが、途中でこの町の麻薬を扱っているマフィアの親分であるジョー・グランディ(エイキム・タミロフ)に捕まってしまう。
 ジョー(タミロフ)の兄は現在麻薬関係の事件に絡んでおりメキシコの刑務所に居るが、その担当捜査官がヴァルガス(ヘストン)であり、彼の妻であるスーザン(リー)を脅迫してヴァルガス(ヘストン)を兄の事件から手を引かそうとしていた。
 難とかスーザン(リー)はジョー(タミロフ)から解放されるが、せっかくの新婚旅行がヴァルガス(ヘストン)の仕事熱心さから思わぬ方向に進んでしまい・・・アメリカとメキシコの国境の町を舞台に様々な人々の野望の結末、そして爆弾を仕掛けた犯人は?ぜひ映画を観てください



 冒頭で爆弾を仕掛ける所から始まり、車が爆発するまでの3分を越えるシーンをワンカットで撮ってしまう有名な?長回し。この映画は長回しのシーンがよく取上げられるが、他にも面白いシーンが多く見られる。格闘シーンのカメラの切り替りのスタイルは今観ても斬新。そして真下から撮るような超ローアングル、録音のやり取り等。
 あまりにも実験的過ぎて、何が何だか判りづらい場面もあったりで、全くの予備知識無しで観ると非難の声が出そうだが、逆にちょっと映画の知識が豊富な人ならば、これぞオーソン・ウェルズと拍手したくなるだろう。
 しかし、僕は映画は字幕で観るのだが、こんな下手くそな字幕は初めてでした吹き替えで観た方が良いかもしれないです。

 ちなみに出演もしているが、監督は前述したようにオーソン・ウェルズ市民ケーンは前述した通りですが、将来は映画監督を目指す人は観るべき作品。それ以外の人は期待せずに観れば、名作映画は凄いと思えるかもしれないです。
 僕は監督としてよりも俳優のイメージが強烈。市民ケーン第三の男はもちろんですが、出番は少ないですがわが命尽きるともの演技も印象に残ります。

 実はキャスト陣が豪華です。
 主演は数々の名作に出演しているチャールトン・へストンベン・ハー十戒のような歴史的名作は超有名。そして猿の惑星にも主演でした。個人的には大いなる西部における粗野な牧童の役が印象的です。

 チャールトン・へストンの新妻を演じたジャネット・リーは、やはりヒッチコックのサイコが超有名。ちなみに娘さんがワンダとダイヤと優しい奴ら大逆転トゥルー・ライズなど有名作品に多く出演しているジェイミー・リー・カーティスです。

 そしてマレーネ・ディードリッヒが短いながらも出演しているのが見逃せないところ。この人の声はすぐにわかります。
 他にも脇役が個性的で、オーソン・ウェルズって俳優仲間から尊敬されていたんだということがわかります

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映画 記憶の棘(2004) 生まれかわり、信じられますか?

2011年08月26日 | 映画(か行)
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 『貴方の前世は・・・ゴキブリです』なんて言われたらショックだ。せめて人間ではなくても犬か猫ぐらいではあってほしいものだ実は自分の前世には興味が無いし、死んだ後の来世のことなど考えたこともない。とにかく現世を一生懸命に生きることで精一杯。しかし、このような輪廻転生のことを少しでも気にすると真面目に生きようと思うから不思議だ。

 このような輪廻転生のような考え方はヒンドゥー教や仏教の教えにもあるようにインドや日本の国においては存在するが、そのような考えを持たないキリスト教が広まっている西欧諸国やアメリカにおいては『私は〜の生まれ変わりです』なんて考え方はアメリカ人には想像すらできないと思っていたのだが、そのような生まれ変わりという概念をテーマにした作品が今回紹介する記憶の棘です。
 
 心の底から愛する夫が突然死んでしまい、それから10年後に見知らぬ10歳の子供から『僕はあなたの夫だった人の生まれ変わりです』なんて声を掛けられたら、真剣に輪廻転生という考え方を信じている人もビックリだろう。凄いナンパテクニックを持った子供が未亡人を誘惑するストーリー?と思いきや更に驚いたことに、この10歳の少年が未亡人しか知らないような話を知っているという設定なんだかホラーサスペンスの様相を呈してくるが、意外にも・・・というのが大まかなストーリー。

 サスペンス映画として見ると実は大したことが無いように思ったりするのだが、この映画の最大の見どころは最も信頼している者に裏切られた時の人間の脆さが描かれているところ。怒りの持って行き場の無い悲しみを感じることが出来る記憶の棘を紹介します

記憶の棘 オリジナル・バージョン [DVD]
ジョナサン・クレイザー
ハピネット・ピクチャーズ


 ショーンが講演している。その講演において彼は次のように話をする。『もし愛する妻のアナ(ニコール・キッドマン)が死んでしまい、自分の目の前に鳥がやってきて、私がアナですと語ってきたら』。そして更にショーンは次のように語る『私はその鳥をアナ(キッドマン)と信じてずっと鳥と暮らすだろう』。いかに妻のアナ(キッドマン)のことを愛しているかよくわかる。そして更にショーンは続ける『しかし、私は科学者だから生まれ変わりは信じない』と。
 講演の終了後にショーンは愛するアナ(キッドマン)の元にジョギングをして帰ろうとするのだが、途中で心臓麻痺を起こしてしまい帰らぬ人となってしまう。

 そして10年後、アナ(キッドマン)は新しい恋人のジョゼフ(ダニー・ヒューストン)からプロポーズされ、ようやく心の傷が癒えてきたアナ(キッドマン)は彼のプロポーズに応えて再婚することを決意する。ところが数日後、アナ(キッドマン)の前に突然見知らぬ少年(キャメロン・ブライト)が現われる。その少年(ブライト)はアナ(キッドマン)にジョゼフ(ヒューストン)との結婚を思い留まるように注意する。更にその少年(ブライト)は自分はショーンの生まれ変わりだと主張し始める。

 最初こそアナ(キッドマン)は少年(ブライト)の言葉を軽く受け止めていたのだが、少年(ブライト)の口からはアナ(キッドマン)とショーンの間にしか知ることのできない秘密を次々に語りだす。アナ(キッドマン)は次第にまだ10歳のこの少年(ブライト)のことを本当にショーンの生まれ変わりだと信じるようになっていくが・・・果たしてこの少年(ブライト)はショーンの生まれ変わりなのかは映画を観てください



 未亡人であるアナを演じるのは今や演技派女優として開花した感のある大スター女優のニコール・キッドマン。トム・クルーズと離婚してから本当に演技が上手くなったと思う。それを裏付けるように単なる美貌を売り物にした作品だけでなく、めぐりあう時間たちドッグヴィルといった前衛的な作品にも出演するようになった。そして今作においては髪の毛をバッサリ切ってイメチェンを図り(それでも綺麗です)、気合いの入ったベッドシーンを見せてくれる。そして10歳の少年とのキスシーン、混浴シーンもあるなど女優魂が爆発している。

 そしてニコール・キッドマンをナンパする10歳の少年役がキャメロン・ブライトサンキュー・スモーキングでは、アーロン・エッカートの息子役を演じるなどまさに天才子役。今作の彼を見ると本当に天才子役だと思います。まだ10歳そこそこにしてニコール・キッドマンを目の前にしての冷静な演技は、僕には考えられないですね。

 しかし観終わった後の余韻がずっと残ります。新しい人生の一歩を踏み出すはずのアナ(ニコール・キッドマン)とこれからの人生を重い十字架を背負って生きていかないといけないはずの少年(キャメロン・ブライト)の今後の人生を比較して考えた時、さらに悲劇を感じます

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映画 ガープの世界(1982) お父さんなんか要らないです

2011年08月22日 | 映画(か行)
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 チョッと昔にある女の子から『わたし、旦那は要らないけれど子供がほしいの』なんて事を聞かされ、それは生活費が大変だろと思ったりしたのだがどうやら生活費なんて考えはアホらしいほどショボイ問題で、女性は男性が考えている以上に精神的にタフで強かだ
 今や下手すると男性よりも女性の方が給料が多かったりするし、芸能人同士の夫婦を比べても嫁さんの方が収入が多いようなカップルをたくさん見る。今や多くの男性が女性の社会進出によって、自分の立場が無くなるのではないかと恐れる時代になってしまったようだ。

 確かに最近は女性の権利を声高々に叫ぶフェミニズム論者がたくさん存在する。しかし、その多くが過剰なまでの負け犬根性的な考えしか言っていないと思う。例えば夫婦別姓、従軍慰安婦問題など。現在のフェミニズム的発言は全くの本来の意図からは逆効果であることに早く気付くべきだ。
 それに比べてこの映画に登場するお母さんは本当にたくましい。本当に自立した女性とはこういうものだということを理解するには、今回紹介するガープの世界はお勧めだ。

 確かに世界的なウーマン・リブ運動の背景が生んだ映画であるのは確かだけれど、女性の権利を主張しただけの作品でもない。だいたいこの映画に登場する主人公はガープと言う名前の男性であり、ガープのかなり変わった生い立ちから悲惨な結末までを描いた映画。そんなガープが母を始め、様々な背景を持った女性との出会いを通して成長していく父親の物語でもあるからだ。

 そんなガープの普通の人間では経験できない数奇な運命を描いたガープの世界を紹介します

ガープの世界 [DVD]
ジョン・アービング
ワーナー・ホーム・ビデオ


 戦争に従軍する看護婦として働いていたジェニー(グレン・クローズ)は子供を欲していたが単なる肉欲の塊としか思っていない男性との結婚生活は嫌がっていた。
 彼女は戦争により瀕死の状態で殆ど意識の無い軍曹が勃起していたのを目撃して、その上に跨って妊娠する。その妊娠して出来た男の子が後のガープ(ロビン・ウィリアムズ)である。
 
 次第に成長したガープ(ウィリアムズ)はやがてどうして自分には父親がいないのか不思議に思う。そして彼の興味は戦闘機、セックス、レスリングに向かってしまったように母親のジェニー(クローズ)の理想とは少し違った子供になったが、ガープ(ウィリアムズ)は彼女の愛をたくさん受けて育つ。

 高校生になったガープ(ウィリアムズ)はレスリング部に入る。ガープ(ウィリアムズ)はレスリング部のコーチの娘で、いつも本ばかり読んでいるヘレン(メアリー・ベス・ハート)と恋に落ちる。しかし、ガープ(ウィリアムズ)は休みを利用して帰って来た幼馴染みのクッシー(ジェニー・ライト)とこっそりセックスしていた所を、クッシー(ジェニー・ライト)の妹のプー(ベランダ・カーリン)に覗かれてしまい、プー(ベランダ・カーリン)の策略で、その場面をヘレン(ベス・ハート)に見られてしまう

 ジェニー(クローズ)とガープ(ウィリアムズ)はニューヨークへ向かう。ガープ(ウィリアムズ)は小説家を目指すが、ジェニー(クローズ)が街で見かけた娼婦に興味を持ってしまい、彼女は娼婦に取材をする。そのことを切っ掛けにジェニー(クローズ)が『性の容疑者』と言う本を出版すると大ヒット。やがてジェニー(クローズ)はフェミニストの間で一躍人気者になる。
 一方、ガープ(ウィリアムズ)の方はなかなか書いた本がヒットしなかった。

 やがてガープ(ウィリアムズ)はヘレン(ベス・ハート)と結婚し息子が2人生まれる。ガープ(ウィリアムズ)は家で小説を書き、ヘレン(ベス・ハート)は近くの大学で教鞭をとる。そしてジェニー(クローズ)は実家で男性から虐げられた女性のための施設を開く。
 ガープ(ウィリアムズ)はジェニー(クローズ)の施設兼実家に帰ると、元フットボールの選手で女性に性転換したロバータ(ジョン・リスゴー)と友達になり、そして12歳の時に強姦され、しかも喋れないように舌を切り取られたエレン(アマンダ・プラマー)と出会い、そして彼女の事件に抗議を示すために自ら舌を切った数人の女性たちと出会ったり・・・様々な人々との出会いを経験するガープ(ウィリアムズ)だったが、次々と理不尽なくらい彼に悲劇が襲ってくるが次々と人が死んでいく?いや、予測不可能なストーリー展開を楽しむためにぜひ映画を観てください



 冒頭の赤ん坊のシーンから印象的です。ここでは書き切れないほどビックリすることが起こり、そして悲惨な内容なのだが意外に観ている最中は暗い雰囲気になることも無く、逆に笑えるぐらいだ様々な困難に対して、この映画の主人公であるガープ(ロビン・ウィリアムズ)が親子、夫婦、友情等の絆で乗り越えていく姿に感動する。
 ちなみに監督は明日に向かって撃て!スティング等の名作を撮っているジョージ・ロイ・ヒル
 他の作品ではポール・ニューマン主演のハチャメチャなアイスホッケー軍団を描いたスラップ・ショットという映画も面白いです。

 主演のガープを演じるのがロビン・ウィリアムズ。この映画に登場していたときはまだ映画ファンには無名に近かったですが、今やすっかりベテランの大スターです。
 そしてガープの母親ジェニーを演じるのがグレン・クローズ危険な情事で世の既婚の男性を恐怖のどん底に叩き落としたストーカー女性のインパクトが強いですが、様々な役柄を演じる名女優にして現在もバリバリに活躍中です。
 そして様々な映画でバイプレイヤーとして印象的な演技を魅せるジョン・リスゴー。この映画でも女性に性転換した元フットボーラーというものすごく難しそうな役を演じていますが、彼ほどの名優ならどんな役でもこなせるのは他の映画(とくにレイジング・ケインクリフ・ハンガー)でも実証済みの演技派です。

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映画 刑事ジョン・ブック 目撃者(1985) 非暴力社会の村において

2011年08月10日 | 映画(か行)
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 かつてアメリカにおいて日本人留学生が訪問しようとした家を間違ってしまい、別の家を訪問してしまったら不法侵入者と間違われてしまい射殺されてしまう事件があった。この時多くの日本人が銃を所持できるアメリカ社会は”けしからん”と文句を言ってみたものの、我こそ正義を掲げる傲慢なアメリカ人は全く聞く耳を持たないようだ。
 ところが当たり前のように銃社会が成り立っているアメリカにおいて、平和を愛する日本人もビックリの非常に特異な村(集団)”アーミッシュ”があった
 
 このアーミッシュという共同団体のような集団は徹底した非暴力社会を掲げ、銃の所持など神の意思に反するとばかりに嫌っている。そして文明社会の恩恵を受ける事を嫌い、その生活様式はまさに近代社会以前のまま。人々は農業、酪農に従事し自給自足の生活。電気は無くて明かりはロウソクで、そして家には電話が無い。交通手段には車ではなく馬車。そして衣服はチョッとダサい民族衣装。
 日本を例に挙げると幕末の時代が現代においてまだ残っている感覚で、簡単に言うと文明の進歩が止まってしまったような生活をしているのがアーミッシュという集団か

 そんな非暴力を貫き、近代文明の力を借りずに生活しているアーミッシュの村に、銃を持った人間が車に乗り込んで来たら果たして・・・というストーリーが今回紹介する刑事ジョン・ブック 目撃者です
 偶然にも殺人現場を見てしまったアーミッシュの子供とその母親、そしてその家族を犯人の魔の手から守ろうとする刑事の交流が描かれた人間ドラマ。サスペンスタッチの面白さとアーミッシュの掟に苛立ちながらも彼らと交流しようとする刑事の葛藤の組み合わせが抜群に面白い刑事ジョン・ブック 目撃者を紹介します

刑事ジョン・ブック 目撃者 スペシャル・コレクターズ・エディ [DVD]
ハリソン・フォード,ケリー・マクギリス,ルーカス・ハース,ヴィゴ・モーテンセン,アレクサンダー・ゴドノフ
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 夫を亡くした未亡人のレイチェル(ケリー・マクギリス)は息子のサミュエル(ルーカス・ハース)を連れてペンシルベニア州アーミッシュの村から妹がいるボルチモアに電車で旅行へ行こうとする。
 しかし途中で降りた駅のトイレにおいてサミュエル(ハース)は殺人事件の現場を観てしまい、彼は黒人の犯人の顔もしっかっりと目撃していた。

 事件を担当する刑事のジョン・ブック(ハリソン・フォード)は嫌がるレイチェル(マクギリス)とサミュエル(ハース)の親子を強引に捜査に協力させる。
 なかなか犯人の手掛かりが掴めそうになかったが、警察署内において飾られたマクフィー刑事(ダニー・グローヴァー)の写真を見たサミュエル(ハース)はジョン・ブック(フォード)に・・・ここは名シーン

 ジョン・ブック(フォード)は今回の殺人事件の犯人はマクフィー刑事(グローヴァー)であることを上司のシェイファー本部長(ジョセフ・ソマー)に報告しに行くがジョン・ブック(フォード)は駐車場で突然現われたマクフィー刑事(グローヴァー)から撃たれてしまい重傷を負う

 ジョン・ブック(フォード)は重傷を負いながらも、妹の家に匿ったレイチェル(マクギリス)とサミュエル(ハース)を秘密裏に脱出させ自らの車の運転でアーミッシュの村に辿り付くが、ジョン・ブック(フォード)は意識を失ってしまう。
 ジョン・ブック(フォード)はレイチェル(マクギリス)の献身的な世話のおかげで傷も治り、しばらくの間このアーミッシュで隠れることにするが、ジョン・ブック(フォード)を追いかける魔の手が接近してきて・・・徹底的な非暴力社会の中でジョン・ブック(フォード)が迫り来る敵と如何に対決するかは映画を観てください



 徹底した非暴力による平和社会と銃社会の全く異なる文明の偶然の出会い『郷に入れば郷に従え』という有名な表現があります。歴史上において多くの民族が抹殺されている現実がありますが、自分の民族価値に誇りを持った上で、さらに自分たちと異なる民族に対しては尊敬の念を持って付き合わないといけないですね
 単なる撃ち合いの映画では楽しめないという人には、今回紹介した刑事ジョン・ブック 目撃者は考えさせるアクション映画としてお勧め出来ます

 ちなみに監督はピーター・ウィアー他には教師と生徒の魂の交流を描いたいまを生きる、フランス人とアメリカ人の男女が最初はいがみ合いながらも次第に心を通わせていくグリーン・カード、偽物の世界から現実へ踏み出そうとするトゥルーマン・ショーなど、アイデア抜群で大きく感動させる作品を撮る名監督です

 主演は大スターのハリソン・フォード特別達者な俳優だと思いませんが、その不器用さが逆にたくさんのファンを得ていると思います。そして主演女優のケリー・マクギリストップ・ガン告発の行方など1980年代に活躍した女優さんの中では最も綺麗な女優さんだったと個人的に心の底から思っています。
 この映画のハリソン・フォードケリー・マクギリスのラブシーンも見所です

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映画 勝手にしやがれ(1959) ストーリーは大したこと無いけれど

2011年06月01日 | 映画(か行)
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 最近のアクション映画の傾向として、ひたすらアクション重視の姿勢が見える。つまり内容はどうでも良くて、とにかく全体の8割の時間帯をアクションシーンで見せているのかと思うような感覚の映画。ついさっきまで建物の倉庫の中で銃撃戦を繰り広げていたのに、次のカットではいきなり空中で格闘をしているような展開。しかもその間の実際の時間はわずか5分露骨なまでのアクション重視、テンポ重視。
 しかし、実際は映画ファンの中にはとにかくアクションとエロのみを求めている人もいるので僕はそのような映画を否定する立場ではありません。
 
 そのような大胆な編集が行われる映画において影響を与えたのは、今回紹介する勝手にしやがれの功績が大きい?。登場人物が一言しゃべっている間に朝飯から着替えまで済ましてしまうようなジャンプカットは今では大した衝撃は受けないが、この映画が製作された当時は相当のインパクトがあったと思われる。
 そしてこの映画がそれ以外に革命的なのがジャン=ポール・ベルモント演じる青年の人間像。そこら中の女の子に声を掛けまくり、手当たり次第にスカートをめくり、そして何のためらいもなく犯罪を重ねつつ破滅に向かっていく姿は1960年代後半以降のハリウッド映画のアメリカニューシネマに相当影響を与えているのは間違いない。
 さらにこの映画を今観ても驚くのが明らかに即興演出だとわかるロケシーン例えばベルモント演じる青年が負傷してフラフラになりながら歩いているのを道端の人が次々振り返って見ているシーンなどはけっこう驚く。その人達は明らかに映画のために集められたエキストラでは無く、偶然その場に居合わせた人々だろう。

 ストーリーははっきり言って大したことが無いから、内容重視でこの映画を観ていたらつまらない映画。しかし既成概念に捕らわれたそれまでの映画製作の殻を突き抜け、古い道徳観に対して挑戦的な男女の行動、そして凝った映像表現などボンヤリ見ていたら意外に楽しめる勝手にしやがれを紹介します

勝手にしやがれ [DVD]
ジャン・ポール・ベルモンド,ジーン・セバーグ,ダニエル・ブーランジェ
アミューズ・ビデオ


 自動車泥棒の常習犯のミシェル(ジャン=ポール・ベルモント)は盗んだ車で走っていると、後ろから白バイの警官に追われてしまう。白バイを振り切ったかと思いきや車が故障。警官に捕まりそうになるがミシェル(ベルモント)は警官を射殺して逃亡する。

 パリに戻ったミシェル(ベルモント)は知り合いの女の子から金を盗み、街へ出るが2人組みの刑事に追われる。上手く刑事の追っ手を撒いたミシェル(ベルモント)は前の日にナンパしたアメリカから来たショートカットの似合う女子留学生のパトリシア(ジーン・セバーグ)に出会う。
 それ以来ミシェル(ベルモント)とパトリシア(セバーグ)は行動を共にする。

 パトリシア(セバーグ)は破天荒なミシェル(ベルモント)の行動に悩まされつつも彼に惹かれていく。刑事に追われているミシェル(ベルモント)は金を調達してパトリシア(セバーグ)を連れて外国へ逃亡しようとするが、パトリシア(セバーグ)は意外な行動に出てしまい・・・「最低だよ」誰が1番最低か確認するためにぜひ映画を観てください



 フランス映画のマンネリを打破しただけでなく、日本やハリウッド映画にも影響を与えたヌーヴェルバーグを代表する名作。しかし名作イコール面白いとならないのがこの映画の痛いところ実は僕はこの映画を観るのは3回目だけれど、本当につまらない映画だと思っていた。なかなか1回観ただけではその映画の良さがわからないもので、根気良く観ると流石は名作だと気付いた?

 監督は巨匠ジャン=リュック・ゴタール個人的には意味のわからない映画が多く、過大評価されている映画監督だと思っているのだが・・・
 代表作となれば今回紹介する勝手にしやがれ以外に、危狂いピエロのようなミュージカルタッチのような映画も評価が高い(僕には合わないが)。個人的には男性・女性と言う映画が彼のやりたいほうだいな所が面白く感じたけれど、お勧めかと聞かれればかなり微妙。
 今の若い人が観ても驚くような映画では無いですが、有名な作品なので機会があれば観てください

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映画 ゴーン・ベイビー・ゴーン(2007) 果たしてこの選択で良かったのか?

2011年05月18日 | 映画(か行)
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 ボーン・シリーズの大ヒット、クリント・イーストウッドやコーエン兄弟やマーティン・スコセッシなど巨匠的存在の監督作品に出るなど名実共に大スターとしての地位を築いた親友のマット・デイモンに比べて、その活躍度の比較では大きく遅れをとってしまった感の否めないベン・アフレック
 しかし、最近は監督・主演作のザ・タウンが非常に評判が良い。そんな彼の監督としての才能が改めて評価されてきているが、彼の初監督作品であるゴーン・ベイビー・ゴーンを観たら彼の将来は前途洋洋であることを確信した

 さて日本は言うまでもなく法治国家であり、日本人は法治国家の国に住んでいるいじょうは法律に従わなければいけない。自分自身は特に不都合なことに遭遇してしまったことは無いが、いつ何時法律によってある種のジレンマに陥る時が無いとは限らない。
 法律で決められているからと言って他人が困っているのを黙って見ているのが良いのか、いやいやこんな大事が起こっているんだから法律を少々逸脱しても困っている人を助けてあげようかと手を差しのべるのが良いのか。間違いなく後者の方が正解だと言いたいのだが、これがなかなか難しい問題で簡単に結論が出せない。

 見終わった後、果たしてあの主人公が選択した行いは正しかったのか?と考えさせられるのが今回紹介する映画ゴーン・ベイビー・ゴーンです。今や日本において子供の世話を放り出してしまうお母さんがたくさん居ますが、改めて親子、家族、命などを考えさせられるゴーン・ベイビー・ゴーンを紹介します

ゴーン・ベイビー・ゴーン [DVD]
ケイシー・アフレック,ミシェル・モナハン,モーガン・フリーマン,エド・ハリス,エイミー・ライアン
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント


 ボストンにおいてテレビではあるニュースが大きく流れている。へリーン(エイミー・ライアン)がまだ幼い娘のアマンダが行方不明になったことをテレビにて訴えている。
 ボストンにおいては少女誘拐事件が多発しており、ボストン市警はマスコミ、市民の批判を受けている。

 ボストンの片隅で探偵業を営んでいる恋人同士のパトリック(ケイシー・アフレック)とアンジー(ミシェル・モナハン)の元にへリーン(ライアン)の兄であるライオネル(タイタス・ウェイリヴァー)とその妻であるベアトリス(エイミー・マディガン)が訪れてきた。

 ボストン市警の捜査に行き詰まりを感じていたライオネル(ウェイリヴァー)とベアトリス(マディガン)は裏の世界に精通しているパトリック(アフレック)たちの元にアマンダの捜索願いにやって来たのだ。かねてからニュースで事件を知っていたパトリック(アフレック)とアンジー(モナハン)だったが、いつもは夜逃げを探していることを専門にしている2人に今回の少女誘拐事件を扱うのには及び腰で乗り気ではなかった。

 とりあえずパトリック(アフレック)とアンジー(モナハン)は行方不明になったアマンダの母であるヘリーン(ライアン)の家を訪れるが、彼らが目にしたのはヘリーン(ライアン)のアルコール、ドラッグに溺れている姿。しかもヘリーン(ライアン)は育児をすっかり放棄していて、アマンダの世話を叔父叔母であるライオネル(ウェイリヴァー)とベアトリス(マディガン)がしている状態だった。
 そんな状態を見て、さらにこの事件に対して気が乗らなかったアンジー(モナハン)だったが、人の良いパトリック(アフレック)は事件解決に乗り出すことを決意する。
 そして彼らはボストン市警の警部であるジャック(モーガン・フリーマン)の協力を得て、パトリック(アフレック)とアンジー(モナハン)は独自のコネクションをを駆使して闇社会から情報を得ようと捜査を開始する。

 そこでパトリック(アフレック)とアンジー(モナハン)はへリーン(ライアン)と彼女のボーイフレンドがドラッグの売人から大金を盗んだ情報を掴む。ヘリーン(ライアン)の娘のアマンダは大金を盗んだ代償として、誘拐されたのだという考えに到達する。
 パトリック(アフレック)とアンジー(モナハン)はジャック(フリーマン)の部下であるレミー刑事(エド・ハリス)と協力して、誘拐犯と接触してアマンダを取り返そうとするが、ボストンを支配する闇社会の現実と複雑さがパトリック(アフレック)の前に立ち塞がり・・・やがてこの事件の全貌が明らかにされた時、パトリック(アフレック)の取った行動は正しかったのか?ぜひ映画を観て確認してください



 全体の流れは少女誘拐事件に対するミステリー的な味わいと、ボストンを支配する裏社会の人間たちの凶悪犯的な人相のお陰でドキドキ感が楽しめる。所々で挿入されるドンデン返しの妙もあり内容的な暗さとは裏腹に飽きずに観ることができる。
 この映画の更なる妙味は登場人物たちのそれぞれの生き様がストーリー展開にうまく組み込まれていて、登場人物たちの行動に対してお前ら相当な悪だなと感じるが、そんな悪者の行動の中にも人生経験に裏打ちされた信念があるということを痛切に感じる。
 勧善懲悪なストーリーでは無いだけに後味がすっきりしないが、余韻がなかなか冷めないという点ではお勧めしたい映画だ。そしてモーガン・フリーマンエド・ハリスのような有名俳優がしっかりと脇を固めているのが見逃せません

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映画 疑惑の影(1943) 僕のまわりも疑惑だらけです

2011年04月16日 | 映画(か行)
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 今回紹介する疑惑の影アルフレッド・ヒッチコック監督の作品の中でも派手さは無く比較的地味な感じがする。この映画を観るのが2回目だけれど実は最初観た時は大して面白いと思わなかった。恐らく地味な印象がそのような感想を持つにいたったのだと思う。
 しかし、最初観た時よりも2回目に観た方が面白く感じる映画はたくさんあるし、観れば観るほど面白い映画は多々ある。だから1回観て意味のわからなかった映画は2回観ることをお勧めしたいね。確かに僕の場合2001年宇宙の旅は5回ぐらい観ているけれどどこが良いのか未だによくわからない映画だけれど、恐らく繰り返し観たら物凄く面白く感じるときがあるのだろう。

 さて、アルフレッド・ヒッチコック監督はよくサスペンス映画の神様と言われるが、巨匠と呼ばれる映画監督は引き出しは多い。ビリー・ワイルダー、ウィリアム・ワイラー等の巨匠達はサスペンス映画もロマンティック・コメディにおいても抜群の手腕を発揮する。そしてヒッチコック監督の凄さはサスペンス映画を一貫して撮り続けながらも、作品毎に印象をガラリと変えてくるところ。
 サイコのようなホラータッチ、北北西に進路を取れのようなスペクタクル性、ハリーの災難のようなとぼけたユーモア、のようなパニックもの等、芸域の広さは流石は名監督だ。

 そして今回紹介する疑惑の影はジワジワくる心理サスペンス。例えばあなたの周りになぜか自分にはものすごく優しい人が居ないだろうか?。ところがその人は実はものすご〜く腹黒い人だったと知ってしまうと

 今まで大好きだった人が実はとんでもない悪人だと知った時に、その可憐な少女に迫ってくる恐怖を描いた疑惑の影を紹介します

疑惑の影 [DVD] FRT-102
パトリシア・コリンジ/ヘンリー・トラヴァース/テレサ・ライト/マクドナルド・ケリー/ジョセフ・コットン
ファーストトレーディング


 アメリカ、カリフォルニア州のサンタ・ローザは静かでのどかな町。そこへ1人の男が列車から降りる。その男の名はチャーリー(ジョゼフ・コットン)。彼は警察から追われる身であり、身を隠すためにこのために姉の嫁ぎ先であるニュートン家にやって来た。
 
 ニュートン家の長女で叔父のチャーリー(コットン)と同じ名前の姪のチャーリー(テレサ・ライト)はあまりにも静かで、のどかなサンタ・ローザでの生活に飽き飽きしていた。彼女は金を持っていて、気前良く金を使う叔父のチャーリー(コットン)がサンタ・ローザに来ることを望んでいた。
 突然のチャーリー(コットン)の訪問にニュートン家は大喜び。姪のチャーリー(ライト)は願いが叶ったと大喜び、また姉も大好きな弟が来たことに喜んでいた。

 チャーリー(コットン)がニュートン家に来てから姪のチャーリー(ライト)にとって楽しい日が続いていたが、ある日政府の調査員という2人の男がニュートン家の家の写真を撮らせてくれとやって来る。姪のチャーリー(ライト)たちニュートン家の人々は快く家の写真を撮ってもらおうとするが、何故か叔父のチャーリー(コットン)は写真を撮ることに苛立ちを隠さなかった。叔父のチャーリー(コットン)の態度に姪のチャーリー(ライト)は不思議に感じる。

 政府の調査員の男の1人、ジャック(マクドナルド・ケリー)が姪のチャーリー(ライト)に近づいてくる。彼は彼女に叔父のチャーリー(コットン)がアメリカの東部で大金持ちの未亡人連続殺人犯の容疑者である事を伝え、そして自分自身は政府の調査員では無く、刑事である事を告白する。

 次第に姪のチャーリー(ライト)は叔父のチャーリー(コットン)に対して疑惑が生まれる。彼女は1人で叔父のチャーリー(コットン)の正体を調べるが、調べれば調べるほど疑惑が深まってしまい・・・叔父のチャーリー(コットン)の善人からの変化振りは映画を観てください



 平和なのどかな町に、ある日突然破壊者がやって来たような感じのストーリー。大好きな叔父さんが偶然にやって来たのは自分のお祈りが神様に通じたと本当に思っている可憐な少女が、次第に叔父さんの正体に気付いていくが、周りの人には迷惑が掛るから助けを求めることが出来ないというところがこの映画のポイント。

 自分の力だけで解決しようとするが、果たしてこんな可憐な少女がどうやって解決するのか観ている側はハラハラドキドキする仕掛けだ。
 そしてジョゼフ・コットン演じる叔父さんは最初こそ善人ぶっているが次第に本性を表していく様子がなかなか怖い。

 そして非常に脇役たちが個性的。ニュートン家のテレサ・ライト演じるチャーリーのまだ幼い弟と妹のしっかり者の役柄が笑えるし、父親とその友人の推理小説のアイデアを出し合うシーンは非常に意味深な雰囲気が漂っていて映画の中で推理劇を楽しませるヒッチコック流のユーモアを感じる。

 最後の結末はヒッチコックらしい手抜き?の決着の付け方で観ている誰もが納得できるだろうし、最初の方の列車の中でのヒッチコックの登場シーンは笑える

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映画 グリーン・ゾーン(2010) イラク戦争批判主張映画

2011年04月04日 | 映画(か行)
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 アカデミー作品賞を受賞したハート・ロッカー、ロバート・レッドフォードが監督した大いなる陰謀、社会派作品の名作クラッシュのポール・ハギス監督、トミー・リー・ジョーンズ主演の告発のとき等ここに来てイラク戦争に対する反戦映画的な作品が登場してきた。

 アメリカがイラク戦争に突入した大義名分が大量破壊兵器の撲滅だったが、今となっては世界中の誰もがイラクに大量破壊兵器が存在しなかったことは知っている。そして楽勝でイラクに侵攻し、簡単にサダム・フセインを見付け出したのは良いが、かんじんのイラク国内は治安が悪化してしまい、独裁政権が終わってもなかなか議会政治が機能しないという悪循環に陥ってしまっている。
 本当にイラク戦争は一体何のための戦争だったのだろうかと思う人はたくさんいるに違いない。1人の政治家の野望のためだけに死んでいったアメリカ兵達が可哀想で涙が出そうになる。
 当然戦争を仕掛けていったアメリカの人達からもイラク戦争を批判する人が出てくるわけだが、その結果が前述した反戦を唱えた映画がたくさん生まれてくるし、ハート・ロッカーにおいてはアカデミー作品賞まで受賞してしまうわけだ。

 しかし、ハート・ロッカーにしても他の前述した作品においても内容は暗く、地味、後味が悪いといった感は否めない。やっぱり映画を観るには社会派性を保ちながらもアクション的な娯楽性を求めたいという映画ファンはたくさんいるはず。そんな人にお勧めしたいのが今回紹介するグリーン・ゾーン

 グリーン・ゾーンでは完全にイラク戦争突入時の担当政権だった共和党及びブッシュ前大統領を大声で批判し、大量破壊兵器の撲滅は嘘だったことを声高々に叫んでいる。そんなメッセージ性を訴えながらも人気者のマット・デイモンを主演に起用し、リアルな戦場シーンを再現しているように非常に爆発、アクションが楽しめる娯楽映画として申し分ない。

 ちなみに監督はボーン・スプレマシーボーン・アルティメイタムのボーンシリーズで大ヒットをかっ飛ばしたポール・グリーングラス
 ボーンシリーズにおける主演はマット・デイモンだから、今回のグリーン・ゾーンで再びタッグを結成したということになる。

 しかし、ポール・グリーングラス監督の映像表現は僕みたいな中年以上のおっさんには非常に覚悟がいる。ボーン・スプレマシーでも見られるスピード感が溢れるカメラワークと言えば非常に格好良いが、実はあの映画における格闘のシーンはカメラが動きまくって何が何だかさっぱりわからなかった。
 しかし、予めグリーン・ゾーンを観る前にその事を知っていた僕は意外にこの激しい動きのするカメラワークがいけるじゃんと思ったりするのだから人間の頭の中なんかは本当にいい加減だなと思う。だから30歳以上の動体視力の落ちている人も充分に楽しめるグリーン・ゾーンを紹介します

グリーン・ゾーン 【ブルーレイ&DVDセット・2枚組】 [Blu-ray]
グレッグ・キニア,マット・デイモン,ブレンダン・グリーソン,エイミー・ライアン,ジェイソン・アイザックス
ジェネオン・ユニバーサル


 イラクの首都バクダットは既にアメリカを中心とする連合軍によって陥落していた。アメリカ軍のMET隊の隊長であるミラー(マット・デイモン)は大量破壊兵器を発見するという任務に就いていたが、なかなか大量破壊兵器を発見することが出来ずにイラついていた。ミラー(デイモン)は大量破壊兵器の発見場所を指示してくる情報源に対して不信を抱き、次第に誰が情報源なのか知りたくなる。

 ミラー(デイモン)は任務遂行中に英語を話せるイラク人のフレディと名乗る男と出会う。ミラー(デイモン)はフレディから近くの場所でイラク政府の高官たちが会議をしていたという情報を得る。ミラー(デイモン)は早速フレディからの情報を元にイラク政府の高官たちが会議をしている場所を襲撃。
 そこでミラー(デイモン)はフセインの最高幹部のアル・ラウィ将軍の部下であるザイードを捕まえ、さらにアル・ラウィ将軍の隠れ場所が記されている手帳を手に入れる。

 ミラー(デイモン)がサイードを尋問して大量破壊武器の存在する場所を吐かせようとするが、そこへアメリカ陸軍のブリックス少佐(ジェイソン・アイザックス)が現れ、強引にサイードを連れ去られる。

 ミラー(デイモン)は同じく大量破壊兵器の発見の作戦に疑問を持っている中東担当のCIAのブラウン(ブレンダン・グリーソン)と手を組み大量破壊兵器発見の情報源を探り出そうとするが、そこにはアメリカ国防総省の思惑、更にマスコミ関係、イラク国内事情など様々な問題がミラー(デイモン)の前に立ち塞がるが・・・ミラー(デイモン)がアル・ラウィ将軍の隠れ場所を探し出そうとし、さらにブリックス少佐(アイザックス)を中心とするアメリカ陸軍に追われるという、まさにボーンシリーズ並みのスリルある展開は映画を観てください




 軍隊は一致団結して戦っているが、官僚たちの自己利益のために様々な利権が絡むというスタイルはどうやら日本と同様で世界基準らしい。この映画で大量破壊兵器を見つけ出すという上からの命令を忠実に遂行しようとするマット・デイモンが哀れに見える。
 よくある戦争映画に見られる戦場の恐ろしさを描いた作品と言うだけでなく、その中味は政府、マスコミ、利権、イラク国内問題など意外に奥の深い内容。単なるノー天気なアクション映画は嫌いだという人にこそお勧めできる映画です

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映画 海角七号 君想う、国境の南(2008) 台湾に親しみを感じる映画、日本人なら必見でしょう

2011年03月30日 | 映画(か行)
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 東北地方太平洋沖地震が起きて日本人としてどん底な気分に陥ってしまっているが、世界中から日本を支援する動きがたくさん出ていて、本当に日本は世界中から好かれている国なんだと思う。そんな中で台湾では日本に対する義援金が40億円以上集まったようだ。台湾の人口や経済状況を考えると、40億円というのは相当な規模である。本当に台湾には感謝、感謝である。
 最近でこそ台湾の有名人や知識人をニュースやテレビで知ることがあるけれど、僕にとって有名な台湾人を初めて意識したのは、あのM字開脚で一世風靡してインリン・オブ・ジョイト。日本の野球界において台湾の人達が大活躍していたり、たくさんの歌手の人も活躍しているし、李登輝さんのようなリーダーシップを持った政治家も居るし、言論界においても黄文雄さんや金美麗さんのような知識人達が日本に居て大活躍している。
 それにしても今頃になってやっと優秀な台湾人の事を気付くようになったのか。台湾の最初のイメージがエロテロリストだったことは僕にとって大変不幸なことでもあるし、逆に大きく台湾のイメージが変った。

 台湾で有名な映画人といえば『トランスポーター』で一躍世界的に有名になったスー・チー、『ブロークバック・マウンテン』や『グリーン・ディスティニー』や『ラスト、コーション』などヒット作、問題作連発のアン・リー監督、そして『ミレニアム・マンボ』や『非情城市』のホウ・シャオシェン監督など、日本人よりも台湾出身の人の方が映画界においては世界的に活躍している人が多いかもしれない。

 そして今回紹介する台湾映画が海角七号 君想う、国境の南です。実はこの映画は台湾においてはあのタイタニックに次ぐ大ヒットを記録した映画ですが、内容はアクション映画ではなく、笑い、音楽、感動がたくさんの親日映画。絶対に今の中国や韓国ではヒットしない映画であり、どうしてこのような親日の映画が台湾でヒットしたのかという歴史的経緯を考えてみるという観点から日本人には必見の映画です。

 この映画は最初から最後まで笑いを意識されていますが、8割はすべり気味で笑えません(逆に2割近くは笑えるので最近の若手芸人のネタより凄いとは言えます)。しかし、南国らしいおおらかな台湾人の雰囲気、台湾の風景、そして台湾の人々は日本が大好きなんだということがわかります。

 そして戦後直後の日本人の敗戦によるショック、そして実は未だに日本人はあの敗戦から立ち直れずにいることのメッセージが伝わってくる海角七号 君想う、国境の南を紹介します

海角七号/君想う、国境の南 [DVD]
ファン・イーチェン,田中千絵,中孝介,レイチェル・リャン,シノ・リン
マクザム


 日本統治下の台湾に赴任していた日本人教師(中孝介)は日本名が友子である教え子と恋に落ちる。第二次世界大戦の敗戦により日本人教師(中孝介)は駆け落ちを約束していた友子をそのまま台湾に残し、自分は日本行きの船へ乗り込んだ。日本人教師(中孝介)は船の中で友子宛に自分の友子に対する想い、友子と離れなければいけない理由を手紙に書き綴る。
 
 舞台は60年後の台湾において、都会でミュージシャンとして成功を夢見ていたアガ(范逸臣)だったが、夢破れて故郷の恒春(台湾の最南端)に戻る。アガ(范逸臣)は母と暮らす愛人の町会議長の洪(馬如龍)の世話で郵便配達の仕事をしていたが、アガ(范逸臣)には毎日が退屈だった。

 そんな中で恒春では町おこしのイベントとして日本人歌手の中孝介のライブが企画されていた。ライブの前座のバンド募集にアガ(范逸臣)も参加し、彼はバンドの一員に選ばれるが他のメンバーとは顔見知りでもなく老若男女の素人の寄せ集めのメンバー。バンドのメンバーたちは日本人女性で北京語が話せるだけで監査役になってしまった友子(田中千絵)の指示の中イベントまで練習に明け暮れるが、バンドのメンバーたちには全くまとまりが無く、友子(田中千絵)もイライラするだけだった。

 ある日アガ(范逸臣)は宛先不明の郵便物の中身を見てしまう。しかし、日本語で書かれた手紙が入っていたのだがアガ(范逸臣)は全く内容がわからずそのまま自分の部屋にその郵便物を置いておく。その郵便物の宛先は海角七番地と書かれていたのだが、日本統治時代の住所であり、今では誰もその住所を知る者が居なかったのだ。

 ライブが近づくが成果が上がらず、次第にメンバーたち全員に焦りが生じて来る。特にアガ(范逸臣)と友子(田中千絵)の仲は険悪になってくる。果たして無事にライブを行えるのか、そしてアガ(范逸臣)が見てしまった手紙の内容とは?・・・台湾と日本の間の架け橋が時代、海を越えて繋がる感動のクライマックスは映画を観てください



 この映画で歌われる野ばらという曲は台湾において日本の統治時代を知っているお年寄りから若者まで歌える曲だそうです。台湾の世代、そして日本と台湾をつないでいる曲だと言ってもいいかもしれません。この映画を見ると台湾にはルカイ族という原住民が居ることを知り、客家(ハッカー)人が出てきたりで台湾が多民族であったことを改めて気付きます。

 そして戦後における日本と台湾の関係を改めて考えたりします。今やすっかり日本は台湾よりも中華人民共和国寄りの政策路線になってしまっています。過去の日本統治時代の台湾において日本人政府(軍)は悪しき行動があったかもしれません。しかし、現在の台湾の人々の日本に対する思いやりを考えると、あの時の日本人は台湾の人々に対して大きな貢献をしていたのも事実だと思います。
 今の日本人は台湾の人々に現在でも感謝されている八田 與一という人物を知っている人はどのぐらい居るのでしょうか?
 この映画を観るときっと台湾が好きになります

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映画 カジノ(1995) 平凡な男がしぶとく生き残る

2011年03月22日 | 映画(か行)
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 かつては賭博、ショウ、豪華ホテルなど世界ナンバーワンの娯楽都市であったラスベガスだが、下降線を描くアメリカ経済と同時にホテル建設ラッシュは鳴りを潜め、それどころか潰れるホテルもあるようだ。
 しかし、ラスベガスという言葉の響きは僕のような日本のバブル経済の恩恵を惜しくも受けなかった世代にとっても非常に心地の良い響きがするし、一生に一度はラスベガスで思う存分遊びたいものだ。

 1日中ネオンが光りっぱなしのラスベガスの華やかな表の顔とは別に、裏側では人間の欲望が渦巻いている。そんなラスベガスにおける人間模様を見事に描き出している映画が今回紹介するカジノだろう。

 ラスベガスを背景にした映画で思い出すのが、実在したマフィアであるベンジャミン・シーゲルの半生を描いたバクジーが挙げられるだろう。
 見渡す限り砂漠だった場所に先見の明をもって、ホテルを建設した男の野望、夢が描かれたラスベガス建設にまつわる映画。当時たった一人の男の野望が今やすっかり毎年?億ドルも落としていく場所になっていたとは当の本人も想像できなかっただろう。

 他にもマグノリアゼア・ウィル・ビー・ブラッドなどのポール・トーマス・アンダーソン監督のデビュー作であるハード・エイトも印象深い。大金の必要に迫られた若者が苦悩している時に謎の多そうな初老の人物からラスベガスに行くことを勧められ、しかもお金の儲け方も教えてもらい・・・なストーリーこの映画を観て以来、お金に困っている僕に的確なアドバイスをおくってくれる人が現れることを祈っています

 ちなみに監督は名匠マーティン・スコセッシ狂気に取り付かれた人間を描かせたら本当に凄い作品を撮る。僕が彼の監督作品で最も好きな映画はタクシードライバーこの映画には今のアメリカの様々な問題である暴力、麻薬、セックス、銃などが描かれていて、ロバート・デ・ニーロ演じるタクシーの運転手が次第に暴走していく姿が凄い。
 他にも売れないコメディアンが売れるために次第に犯罪に染まっていくキング・オブ・コメディ、実在したボクサーのジェイク・ラモッタの栄光と挫折を描いたレイジング・ブル、そして悪夢のような一日を描いたブラックコメディの傑作アフター・アワーズなどお勧め作品が目白押しの現代ハリウッドを代表する映画監督だ。
 そんなマーティン・スコセッシ監督が欲望に取り付かれた男女の姿を描いたカジノを紹介します

カジノ 【プレミアム・ベスト・コレクション\1800】 [DVD]
ジョー・ペシ,シャロン・ストーン,ロバート・デ・ニーロ,ジェームズ・ウッズ
UPJ/ジェネオン エンタテインメント


 1970年代のラスベガス。賭博の才能がピカイチの通称エースことサム(ロバート・デ・ニーロ)はカジノを仕切るマネージャーとして抜群の成功を収めていた。
 しかし、サム(デ・ニーロ)の経営の裏側にはマフィアの存在という黒いつながりがある。

 サム(デ・ニーロ)はある日、自分の店に客として遊んでいたジンジャー(シャロン・ストーン)に一目惚れ。
 2人の間には子供も産まれ、毎日を豪華に過ごしていた。
 まさにこの世の春を謳歌していたサム(デ・ニーロ)だったが、幼馴染みで短気な性格のニッキー(ジョー・ペシ)がラスベガスに引越ししてから歯車が狂ってきた。

 ニッキー(ペシ)の頼みもあり、サム(デ・ニーロ)は彼を店の用心棒として雇う。しかし、ニッキー(ペシ)の素行の悪さはラスベガス中でも評判になり、サム(デ・ニーロ)にも悪い風評が立ち始める。
 サム(デ・ニーロ)を更に悩まし始めたのがジンジャー(ストーン)に男の影が見え始めたこと。ジンジャー(ストーン)はかつての男友達でヒモのレスター(ジェームズ・ウッズ)とこっそり会っていた。
 サム(デ・ニーロ)とジンジャー(ストーン)の仲も冷め、家族崩壊寸前。そしてサム(デ・ニーロ)の店の収入がマフィアの資金となっていることがFBIや警察からも嗅ぎつかれてしまう。

 ジンジャー(ストーン)は酒、麻薬に溺れ、ニッキー(ペシ)はマフィアの親分から危険因子と見なされるようになり、サム(デ・ニーロ)にもカジノを経営するライセンスの問題から裁判沙汰に追い込まれ・・・果たして3人の運命は?是非映画を観てください





 博打において最も頼りしてしまうのは運だが、この映画を観ると運と言うのは本当に頼りにならないことがわかる。この映画の主人公のサム(デ・ニーロ)は運を否定して成功してきたのだが、やがて運に身を任せてから人生の転落が始まってしまった。
 よく俺はツキが無いなあとぼやいている人を見かけるが、その人は運に頼っている生き方が間違っている事に早く気付くべきだろう。

 だいたい人生に成功する人は実は運に頼った生き方をしていないことに気付く。一か八かの人生は格好良いように見えてしまうが、しぶとく生き残るのは実は平凡な人。この映画においてはなるべく運を使わないように案外平凡に生きてきたサム(デ・ニーロ)の生き方は人生の見本になったりするようです。
 3時間の長い映画ですがストーリーのテンポは良いし暴力的なシーンが笑えたりで退屈せずに観ることができる。そしてロバート・デ・ニーロジョー・ペシの名優2人の演技合戦も見どころです

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映画 悲しみが乾くまで(2008) スサンネ・ピア監督による再生のドラマ

2011年03月01日 | 映画(か行)
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 あんたが死ねば良かったのにもし僕がそんな事を言われたらショックで立ち直れないそんな僕みたいなデリケートな人や、色々な不幸やトラブルに巻き込まれた人にとってお勧めしたいのが今回紹介する悲しみが乾くまで
 つい1時間前ぐらいまで一緒に遊んでいた大好きな人が、いきなり交通事故に遭って亡くなりましたと聞かされると、ショックを通り越して・・・言葉に言い表せない悲しみに誰でも襲われるだろう。しかしいくらショックを受けても時間は逆戻りしてくれないし、あの幸せな日々が戻りますようにといくらお祈りしても戻ってくるわけがない。
 山あり、谷ありの人生に立ち向かう強さを今回紹介する悲しみが乾くまでは与えてくれる

 ちなみに監督は幸せの絶頂にいる恋人同士が、突如これ以上ない不幸のどん底に叩き落とされながらも最後は僅かな希望の光を見出せるしあわせな孤独、愛する夫がアフガン紛争で死亡したと聞かされ、今まで嫌っていた夫の弟の優しさに惹かれてしまうことによって引き起こされる家族の崩壊と再生を描いたある愛の風景、そして苦しい経営に悩まされているところに見知らぬ大金持ちから援助の話を持ちかけられ、吃驚の展開が待っているが家族、子供の事を考えさせられるアフター・ウェディング、そして先日のアカデミー外国賞に選ばれたイン・ア・ベター・ワールド(原題)の今、ノリノリの女性監督のスサンネ・ビア
 
 そして主演は21グラムトラフィックベニチオ・デル・トロチョコレートソード・フィッシュハル・ベリー。実力派の二大スター共演の悲しみが乾くまでを紹介します

悲しみが乾くまで スペシャル・エディション [DVD]
ハル・ベリー,ベニチオ・デル・トロ,デヴィッド・ドゥカブニー,アリソン・ローマン,オマーベンソン・ミラー
角川エンタテインメント


 オードリー(ハル・ベリー)は夫のブライアン(デヴィット・ドゥカヴニー)との間に息子と娘が居て、金銭的にも余裕があり幸せに暮らしていたが、ある日夫のブライアン(ドゥカヴニー)が他人の夫婦の喧嘩を止めに入った時に撃たれて死んでしまう
 
 夫のブライアン(ドゥカヴニー)の葬式の日にオードリー(ベリー)は、夫の友人であったジェリー(ベニチオ・デル・トロ)を葬式に呼ぶ。ジェリー(デル・トロ)はヘロインに溺れていてすっかり世間から見放されていてが、唯一ブライアン(ドゥカヴニー)だけがジェリー(デル・トロ)の親友だった。
 オードリー(ベリー)は葬式の日に娘と息子がジェリー(デル・トロ)と親しくしている姿を目にする。

 葬式から数日後、オードリー(ベリー)はブライアン(ドゥカヴニー)の突然すぎる死からのショックから立ち直れずにいたが、彼女はジェリー(デル・トロ)が娘と息子と親しくしていたことを思い出し、彼を自宅に呼ぶ。オードリー(ベリー)はジェリー(デル・トロ)に悲しみを紛らわすために一緒に暮らすことを提案する。
 オードリー(ベリー)とジェリー(デル・トロ)は一緒に住むことになり、ジェリー(デル・トロ)はヘロイン中毒から抜け出すために治療に励みオードリー(ベリー)も悲しみから次第に癒されてきた。



 しかし、ある日オードリー(ベリー)は自分の知らない娘と息子の秘密をジェリー(デル・トロ)が知っていた事に嫉妬してしまう。その嫉妬からオードリー(ベリー)はジェリー(デル・トロ)を家から追い出してしまい、ジェリー(デル・トロ)も再びヘロインに溺れいく

 ジェリー(デル・トロ)と同じヘロイン治療を受けていたケリー(アリソン・ローマン)はジェリー(デル・トロ)が最近ヘロイン治療に見えないことを不審に思い・・・必死で立ち直ろうとする人間の力強さは映画を観て確認してください



 最愛の旦那さんがいきなり死んでしまったことに対する苦しみから抜け出そうとするために、旦那の友人と一緒に暮らそうとする手段は説得力が無い感じもするが、ハル・ベリーが旦那さんの友人であるベニチオ・デル・トロに思わず投げ掛けるあんたが死ねば良かったと言う台詞を聞くと、実はどれだけ旦那さんの事を愛していたか痛いほどよくわかる。
 そしてヘロイン中毒でヘロヘロになってしまっているベニチオ・デル・トロも自分の唯一の親友だった奥さんと一緒に暮らすことの葛藤が画面から伝わってくるし、ヘロイン中毒の演技が抜群に上手い。
 そんな2人の不幸から必死で抜け出ようとする姿には非常に感動するし、またそんな2人を少なからずサポートする人間が現れたりして人間同士の絆を感じる事ができる。これからはどんなにつらい事があっても頑張ろうという気持ちになれる良い映画です

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映画 教授と美女(1941) 古典的なロマンティックコメディ

2011年02月13日 | 映画(か行)
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 ハリウッド映画において昔の方が恋愛映画という分野においては今よりも面白い映画が多かった。例えばスクープを見付けようと必死になっている新聞記者のしがない男と良いところのお嬢さんという身分違いな男女がいがみ合いながら段々恋愛に発展していくフランク・キャプラ監督の或る夜の出来事はその男女の出会いから粋な台詞がポンポン飛び出す道中からラストシーンに至るまで今観ても笑える。

 あの名作ローマの休日も実はストーリーは或る夜の出来事をパクっている感じもするが、歴史あるローマの遺産を取り入れたアイデア抜群の上質な笑える恋愛映画。
 他にもビリー・ワイルダー監督のアパートの鍵貸しますは出世のために自分のアパートを上司に愛人との逢引きのために貸し自らは公園のベンチで寝ているような情け無いサラリーマンが実は上司が逢引きしている相手が憧れていた自分の会社のエレベーターガールであったことを知ってから奮闘する様子が大笑いでき、ちょっぴり切なさをも感じさせるビリー・ワイルダーらしいテクニック満載な恋愛映画。
 昔のハリウッドの恋愛映画には笑えるし、機知に富んでいる作品が多くあった。特に本来なら出会うはずが無い男女が出会うくだりに抜群の面白さがある

 そんな昔のハリウッドの恋愛映画を充分に感じさせるのが今回紹介する教授と美女世間の事をよくわかっていない学者と、少しワケありのダンサーが出会うドタバタ恋愛模様が面白い。

 ちなみに監督はリオ・ブラボー赤い河のような豪快西部劇の名作を生み出した一方で、エディ・マフィーも吃驚なマシンガントークをケイリー・グラントがやってのける赤ちゃん教育ヒズ・ガール・フライデーのような笑えるコメディ映画も撮ってしまうハワード・ホークス
 映画史に残る名監督であり、僕もお気に入りの名監督です。

 この映画は監督も注目だけれど、脚本に参加しているビリー・ワイルダーの上手さが挙げられる。なかなかこの登場人物たちの風変わりな設定はハワード・ホークスよりもビリー・ワイルダーの色を感じさせる。
 それでは8人の教授たちや、ギャング団も入り乱れての恋愛映画教授と美女を紹介します

教授と美女 [DVD]
チャールズ・ブラケット,ビリー・ワイルダー
ジュネス企画


 歴史、環境、性などそれぞれが専門の8人の教授たちが百科事典編集のため、アパートの一室を事務所に寝泊りして何年にも渡って過ごしている。老人たちの教授の中で言語学を専門にしているまだ若い教授のポッツ(ゲイリー・クーパー)は長く老教授たちと過ごしすぎたために現在の流行の言葉がわからなくなっていた。
 ポッツ(クーパー)は現在の流行の言葉を調べるために街へ飛び出し、下町の言葉を色々と耳にするが意味がわからず、とりあえずメモに。

 ある日ポッツ(クーパー)は流行の言葉を調べるために入った酒場で、下町の言葉を喋り捲るダンサーのオシーラ(バーバラ・スタンウィック)を目にする。
 早速ポッツ(クーパー)はオシーラ(スタンウィック)を流行の言葉の意味を理解するために自分の寝泊りしているアパートに案内する。

 実はオシーラ(スタンウィック)の恋人はギャングで人殺しを犯しており、彼女は証人喚問に呼ばれていたのだが、ポッツ(クーパー)からアパートに案内されたことにより証人喚問を避けられると喜んでいたのだが、アパートに着てみると老人たちが多く居るのに驚き

 オシーラ(スタンウィック)は老人ばかり居るアパートにうんざりしていて早く出て行きたいと感じていたのだが、彼女にも予想外のことが起こってしまい・・・続きのドタバタは大笑いできますの観てください


 
 最初は教授達ののんびりとした散歩風景から始まるのが地味に面白いのだが、教授という社会的地位の高い人を世間知らずという皮肉的な描き方が良い色々なシーンで小道具を使った演出があるけれど、特に印象的なのがピカピカバーバラ・スタンウィックの衣装そしてモーテルの部屋番号の使い方は
 主役のゲイリー・クーパーは今さら説明も要らない大スターだけれど、バーバラ・スタンウィックは昔の女優ですが深夜の告白などの悪女の似合う人ですね

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映画 ゴッド・ファーザー(1972) ストーリー、俳優、監督、映像、音楽、全てが完璧

2011年01月31日 | 映画(か行)
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 僕が今まで観た最も大好きな映画が今回紹介するゴッド・ファーザーこの映画は何回観ても楽しい。この映画のどこが凄いかと言えば全てだ
 マフィアムービーとして強調されている面があるだけに、全編に渡ってバイオレンス度が高いのは確か。しかし、この映画の良さは人間ドラマとしての完成度の高さが挙げられる。
 栄枯盛衰、家族の結束、成長、イタリア移民の歴史、友情、裏切り、アクション、音楽、俳優の演技力など映画の面白さが全て描かれていると言っても決して大げさでは無い

 3時間半という長時間映画だけれど冒頭のつかみはオッケーだし、観る側に余韻を与えてくれるラストシーンも完璧。決して無駄にならない貴重な時間を費やす価値は充分だ
 マフィアと言えば一般市民を恐喝して恐喝して金を巻き上げるという怖いイメージがあるかもしれないが、この映画に登場してくるイタリアンマフィアのおじさん達は怖そうに見えて実は自分を慕ってくる人物に対しては、願いを叶えてあげるお人好し。
 特にこの映画のマーロン・ブランド演じるマフィアの親分は人殺しが大嫌いで、義理人情に篤い。この人物像はいかにも日本人好みに描かれている。

 僕がアメリカという国が多民族国家であることを本当に意識させてくれたのがゴッド・ファーザーだと思う。この映画を観るまではアメリカ人というのは白人と黒人という分け方しか考えつかなかったけれど、実はドイツ系アメリカ人、アイルランド系アメリカ人、ユダヤ系アメリカ人、イタリア系アメリカ人・・・などのように世界中の国や民族が集まった国であることを考えさせられたのがゴッド・ファーザー
 日本人にはアメリカの人種問題と言えば黒人関連を真っ先に思い浮かべるけれど、実際は白人同士にも差別問題がある。ちなみにゴッド・ファーザーにおいては白人たちの中で最も蔑視されたイタリア系アメリカ人
 虐げられたイタリア系アメリカ人たちが集団化してしまい、そして酷い扱いを受けてきた事に対する自衛のためにマフィアというものが成り立っていくのは、他人から観たら怖い存在であるマフィアだけれどイタリア系の移民たちにおいては実は非常に心強い存在であったのかもしれない。

 マフィアイコール残虐集団という固定観念から、他民族からの自衛集団という見方で観るとちょっぴり奥の深い映画であるゴッド・ファーザーを紹介します。

ゴッドファーザー PartI <デジタル・リストア版> [DVD]
マーロン・ブランド,アル・パチーノ,ジェームズ・カーン,ロバート・デュバル,ダイアン・キートン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 一大勢力を持っているコルレオーネ家において、ヴィトー(マーロン・ブランド)の娘であるコニー(タリア・シャイア)の結婚式が盛大に行われている。イタリア式で派手派手であり、コルレオーネ家の凄さがわかる。
 外で豪華な結婚式が行われている反面、屋敷内のカーテンが敷かれた暗い一室では、ヴィトー(ブランド)に願いごとを頼みにくる友人たちがひっきりなしに訪ねてくる。ヴィトー(ブランド)にとっては、本来は娘ソニー(シャイア)の晴れ舞台にも関わらず、自分を”ゴッド・ファーザー”と呼んでくる友人たちの頼みごとには、うっとおしい思いはありながらも快く聞き、友人たちの願い事を叶えてあげる

 そんなヴィトー(ブランド)を支えるのは、長男の短気な性格のソニー(ジェームズ・カーン)、気弱な性格のフレド(ジョン・カザール)、そして孤児だったがソニー(カーン)に連れて来られ、ヴィトー(ブランド)から息子同然に育てられたドイツ系アメリカ人であり、コルレオーネ家の相談役として頭の良いトム(ロバート・デュバル)。そしてヴィトー(ブランド)をドンとして慕う部下たち。

 コニー(シャイア)の結婚式に軍人であるヴィトー(ブランド)の三男であるマイケル(アル・パチーノ)が彼女であるケイ(ダイアン・キートン)を連れて戻ってきた。ケイ(キートン)はあまりにも豪華で、大スター歌手であるジョニーが来ていることに驚き、マイケル(パチーノ)にコルレオーネ家の事情を詳しく教えてもらう。

 マイケル(パチーノ)はケイ(キートン)にコルレオーネ家が非合法組織であり、行ってきた悪事の例を話す。しかし、マイケル(パチーノ)はそんなコルレオーネ一家に嫌気がさしており、自らは悪事に手を染めるようなことをしないとケイ(キートン)に誓う。

 そんなコルレオーネ家に他のファミリーから麻薬商売を持ちかけられる。ヴィトー(ブランド)は麻薬商売には懐疑的でこの申し出を断るが、ソニー(カーン)が麻薬商売に色気を出してしまったために・・・



 マイケル(パチーノ)とケイ(キートン)は2人っきりでデートをしていたが、父のヴィトー(ブランド)が襲撃されて、重体であることを知る。マイケル(パチーノ)はヴィトー(ブランド)が入院している病院に行くが、その事を切欠にマフィアの世界を嫌っていたマイケル(パチーノ)は否応無く、マフィアの世界に引きずり込まれ・・・家族の絆の重さを感じさせる展開は映画を観てください


 

 登場人物のそれぞれの人間像が非常に印象的な映画。前述したマフィアの親分であるマーロン・ブランドのキャラクターはもちろんのことだが、アル・パチーノの心優しい青年から、冷酷極まりない人物への変身振りは凄い。また息子、兄弟同然に育てられながらもロバート・デュバルの周りがイタリア系ばかりで、自分だけがドイツ系であることの孤独感はこの映画のストーリーに奥の深さを与える事に貢献している。
 家族の絆を守るために血で血を争う抗争、復讐劇は暴力的でありながら悲しく切ない気分になります。

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