僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

「夜は空しい」 星降る街

2020年06月01日 | Wish
いつの間にか暖かくなり、初夏の彩が青空に満ちあふれています。
季節は変わり、一年で一番心が浮き立つころを迎えようとしています。

皆様いかがお過ごしですか。

お寺のバラも色とりどりの花を咲かせて、私の心に潤いを与えてくれます。
愛情を注げば答えてくれる。それはどの世界にも言えることです。

新型コロナが世の中に現れて、半年が過ぎようとしています。
未知のウィルスの流行により、世界中の人たちが我慢の毎日を送っています。

スポーツ、経済。そして文化、教育もすべてがズタズタになってしまいました。

我が家のナオキチ(息子)にも、その影響が襲ってきました。

勉学の世界に身を投じて、苦節十数年。
晴れて卒業の日を迎えました。

ようやく手にした社会人としてのスタートライン。
アパートも引き払い、新しい一歩を踏み出そうとした、瞬間。

新型コロナの流行に見舞われました。
会社からの最初の指令は、自宅待機でした。

家に届いたたくさんの資料。
せっせと机に向かう毎日が始まりました。

もうすぐコロナの流行は終息する。
ただそれだけを願う日々でした。

それなのに・・・。

自宅待機が延長になったナオキチ君。
失望の衝撃は計り知れないものでした。

連絡があった翌日には、新しい課題がどっさりと届きました。
「助けてくれ・・・・」

資料の前で呆然とするナオキチがかわいそうになりました。

わかっているけれど、ため息がでるよね。

「気が狂いそうだぁ」
家の中に閉じこもって六十日が過ぎようとしていました。

ストレスも限界に達して、とうとうテレビに話しかけるようになりました。
「何をブツブツ言っているの?」

深夜。
真っ暗な部屋で光が動く。
テレビの前に正座をするナオキチ。

その瞳には何が映っているの?
病んでいますよ。完全に。

頭の前髪を輪ゴムで結っているけれど、それって、髪の毛が痛まない?
はげますよ。僕みたいになりますよ。

頭が光り輝きますよ。それでもいいの?
日本の片隅。病める男の夜は空しい。

それでも、明日は必ずやってくる。
明けぬ夜などありえない。

耐えて忍んで、こつこつと。
新たな季節を迎えましょう。

「ファイト!」
初夏の陽射しはまぶしくて、元気なあなたを待っています。

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