大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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しづめばこ 4月11日 P282

2014-04-11 18:27:50 | C,しづめばこ
しづめばこ 4月11日 P282  、大峰正楓の小説部屋で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
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日々の恐怖 4月11日 ひょろっと細っこいヤツ

2014-04-11 18:26:53 | B,日々の恐怖



   日々の恐怖 4月11日 ひょろっと細っこいヤツ



 25年ほど前にじいさんが死んだ時も、20年ほど前にばあさんが死んだ時も、ばあさんと同じ頃死んだ伯父の時も、病院で最後を看取ることが出来たんだが、3回とも枕元に同じ少年を見た。
ひょろっと細っこいヤツ。
 顔は覚えてなかったが、何となく“同じヤツだな”と分かった。
3回とも、じいさんやばあさんが死んだと同時にふっと消えた。

“ 死神か・・・?”

と、そのとき思ったりしたが、空気を呼んで誰にも言わずにいた。
それに、死神というにはあまりに普通なTシャツにジーンズ、明るい表情、全くおどろおどろしくなく怖いとは思わなかった。

 それで、最近、うちの次男がどんどんその死神に似てきている。
中学に入った頃から背がにょきにょき伸び、その頃から何となく誰かに似てるとは思っていたが、先日じいさんの法事があり、亡くなったときの話をしてるうちにヤツのことを思い出した。
あれから1回も誰も近しい親族が亡くなっていないから、確かめようもないから余計、激似な気がしてしょうがない。
 次男は運動神経だけが取り得の極々普通の中学生だ。
見た目も普通なら成績も普通、バスケに熱中し、お調子者だが時々友達と喧嘩するぐらいでDQNでもなさそうだ。
 ただ、ひとつ変わったところがあるとすれば、年に2~3回予知夢を見る。
それが結構当たる。
だが、内容は実につまらん予知である。
 俺的に1番hitだったのは、

“ ワタルのちんちんがデカくなる。”

というヤツ。
ワタルは次男の友達だが、当時まだ幼稚園児だったため、

「 そりゃ無いだろ・・・!」

と言っていたのだが、そうでも無かった。
 3日ほど後、朝、ワタル母が慌てた様子で、

「 ワタルのちんちんが大変なことに!!」

と電話をして来た。
どうも寝グソをしたまま寝ていて菌にやられたらしい。
 車の免許を持っていないワタル母が、うちの嫁に助けを求めてきたのだ。
長男と次男を幼稚園に放り込んで、そのまま病院につきあった嫁が言うには、

「 尋常じゃないデカさに腫れあがってた!」

そうだ。
因みに、ワタルのちんちんは飲み薬ですぐ腫れが引いたそうな。
 死神と、何の役にも立たんしょうもない予知夢の関係はどうなんだろう?
そもそも、死神と次男の関係もあるのかどうか分からん。
無理やりこじつけるとすれば、俺のオヤジの兄貴が早くに亡くなってるのだが、その兄貴は次男とよく似ていたらしい。
 俺は写真でしか知らんが、確かにちょっと似ている。
俺にとっては伯父なのだから次男が似ていても不思議ではないし、両親や弟が死ぬ時に迎えに来たと思えばちょっといい話である。














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