大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

なんじゃもんじゃ物語236

2008-01-05 11:07:23 | _2-19 港への道
H1号が、再び、出てきました。

「 フフフフフ、ソレデハココデ問題ダ!
 サテ、シミコ婆サン、H1号ヲ持ッテ立ッテイル コイツハ、イッタイ誰デショ
 ウ?」
「 ・・・・・・・。」
「 分カラナイノカ。
 ソレデハ、ヒントヲ ヤロウ。
 ソレハ、先程、シミコ婆サン自身ガ 答エヲ言ッテイルノダ。」
「 えっ、答えを言っているとな・・・。
 ・・・・・・・・。
 ・・・・、まさか。」
「 ソウダ、ソノ マサカ ナノダ。
 サア、答エヲ言ッテ見ロ!」
「 エレーヌ姫!」

シミコ婆さんは、そう言いながら闇の中で揺らめき、消えて行きました。
H1号は言いました。

「 ブッ、ブ~ッ!
 ハズレ、ハズレダ。
 H1号ハ、見事、シミコ婆サンヲ ヤッツケタゾ!
 ハハハハハハハ!」

お頭ブラックが言いました。

「 やれやれ、良かった。
 ようやく、消えてくれた。
 タイマーの設定を間違えたと言っていたから、いつかは消えると思っていたの
 だ。
 正体がバレナイうちに消えて良かったのだ。」



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なんじゃもんじゃ物語235

2007-12-15 18:20:13 | _2-19 港への道
 そのとき、H1号を持っていたなんじゃ殿様が口を挟み、シミコ婆さんに聞きました。

「 あの~、今、ホンジャ大学と言ったけど・・・。
 それって、なんじゃ国ともんじゃ国の中立地帯にあった大学?」
「 ああ、昔はな。」
「 え、昔って?」
「 昔は、そうじゃったがな。
 今は、なんじゃ国は無くなって、もんじゃ国が三つの島を統治しているがの。」
「 ギョェ~~~~~~~!!」

なんじゃ王子は、シミコ婆さんの話に驚きました。
お頭ブラックがなんじゃ王子に聞きました。

「 何を、驚いているんだ?」
「 なんじゃ国が無くなった・・・。
 どうして・・・・。
 なんじゃ国は、僕の国だよ。」

なんじゃ王子は、続けてシミコ婆さんに尋ねます。

「 どうして、なんじゃ国は無くなったの?
 なんじゃ王はどうなったの?」
「 なんじゃ王ともんじゃ王は、戦争で相討ちで両方とも亡くなった。」
「 ギョェ~~~~~~~!!」
「 今は、もんじゃ国が全島を統一して、もんじゃ国の大臣のチカーメが国王
 じゃ!」
「 ギョェ~~~~~~~!!」
「 なんじゃ王子もエレーヌ姫も行方不明のようだし、なんじゃ国のホイ大臣は、
 タコ焼き屋をやってるよ!」
「 ギョェ~~~~~~~!!」
「 ギョェ~、ギョェ~とウルサイ奴じゃのう・・・。
 でも、おまえも何処かで見たような顔じゃが・・・。」



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なんじゃもんじゃ物語234

2007-12-11 19:06:51 | _2-19 港への道
 H1号が、その言葉にハッと反応しました。

「 新シイ クイズヲ 思イ付イタゾ!
 今日ハ、絶好調ダ!
  ソレデハ、シミコ婆サンダケニ 問題ダ!
 H1号ノ、アリガタイ クイズノ口調ヲ、シミコ婆サンガ 始メテ聞イタノハ、何
 処デシタデショウカ?
 サア、シミコ婆サン 答エロ!」
「 う~ん、何処じゃったかなァ~。
 もう、首のこの辺まで出て来てるんじゃが・・・。」
「 サア、サア、サア、答エハ、答エハ・・・。」
「 う、う、う・・・・。」
「 サア、後、10数エル内ニ 答エルノダ!」
「 う~、何処だったか・・・。」
「 ハイ、10、9、8、7、6、5、4、3、・・・。」
「 あ~~~、あ~、お、思い出したァ~!」
「 何処ダ?」
「 ホンジャ大学じゃった!」
「 フフフフフ、思イ出シタカ、シミコ婆サン!
 H1号ヲ、ヨクモ 盗ミ出シテ クレタナ!」
「 そうじゃ、そうじゃった。
 おまえは、あの時の電気釜じゃ。」
「 電気釜ジャナイ、電気炊飯器ト言エ。
 オマエガ、ホンジャ大学カラ盗ミ出シ、所長ニ 6800円デ 売リ飛バシタ H
 1号ダ!」
「 マズイ奴と出くわした・・・。」


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なんじゃもんじゃ物語233

2007-12-07 21:05:54 | _2-19 港への道
H1号は、お頭ブラックの声に答えます。

「 エッ、ドウシタッテ・・・・。」

H1号の方に、みんな顔を向けています。
H1号は注目されていることに気が付きました。

“ オヤッ、ミンナガ コチラヲ見テイルゾ・・・・。
 H1号ハ、注目サレテイル。
 ヨシ、チャンスダ!”

H1号は嬉しそうな声で言いました。

「 フ、フ、フ、フ、フ、フ、フ・・・・・。
 ソレデハ、ココデ問題ダ!
 ドウシテH1号ハ、ココデ大声ヲ アゲタノデショウカッ?
 サア、答エロ、ムフフフフ・・・・。
 アレッ、ミンナ ドウシタンダ?」

海賊たちは、呆れた顔をしてH1号に背を向けました。
そして、背を向けたままのお頭ブラックが言いました。

「 おい、小僧。
 もう、H1号の電源を切っていいぞ。」

H1号は慌てて言いました。

「 ア、待ッテクレ、待ッテクレ・・・。」

その様子を見ていたシミコ婆さんが、口を開きました。

「 そのショウモナイクイズの口調・・・・・・。
 何処かで聞いたことがあるようじゃが・・・・・。」


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なんじゃもんじゃ物語232

2007-12-01 16:16:51 | _2-19 港への道
 音は、なんじゃ殿様から出ています。
なんじゃ殿様が、キョロキョロして言いました。

「 あれっ、何か鳴ってるな?
 何処だ、何処だ?」

なんじゃ殿様は、体のあちこちを探します。

「 あった、あった、これだ。
 この音声ボタンが光ってる。」

なんじゃ殿様は、電気炊飯器にある音声ボタンを押しました。
突然、H1号が喋り出しました。

「 ソイツハ、シミコ ダァ~~~!!」

なんじゃ殿様が、迷惑そうに言いました。

「 ちょっと、耳の横で大声で叫ぶの止めてよ~。」
「 デモ、シミコ、シミコ、アレ、アレ!
 アレハ、シミコ ナンダァ~!」
「 もう、うるさいなァ~。」

お頭ブラックが、H1号に聞きました。

「 おい、H1号、どうしたのだ?」



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なんじゃもんじゃ物語231

2007-11-27 19:05:22 | _2-19 港への道
 お頭ブラックと子分たちが喋っている間に、なんじゃ殿様はモ二ターカメラを体に付け、H1号の本体である電気炊飯器を両手で持って戻って来ました。
そして、なんじゃ殿様は、子分たちでできた人垣の後ろから首を伸ばして、シミコ婆さんの様子を覗き込んでいました。
 ホログラムのシミコ婆さんが海賊たちを見回して言いました。

「 何か、胡散臭い気がするのう・・・。」

ベンケーがそれに対して答えます。

「 胡散臭いのは、お主の方であろうが!」

それに反応して、シミコ婆さんが大声をあげました。

「 何をぬかすか、このシミコに向かって!」

そのとき、何かの警告音が響きました。

“ ぴ~、ぴ~、ぴ~、ぴ~!!”

お頭ブラックが言いました。

「 何か、音がしてるぞ?」

海賊たちは、音のする方を見ました。




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なんじゃもんじゃ物語230

2007-11-24 19:49:27 | _2-19 港への道
なんじゃ殿様が言いました。

「 ホント、もう、ブラックの相手はしてられないや。
 僕、道端に置いておいたH1号を拾ってくるね。」

なんじゃ殿様は、クルッと向きを変えてH1号を拾いに行きました。
エッチソンが、お頭ブラックに言いました。

「 お頭、お頭、分かったふりは、止めておくれなはれ・・・。」
「 アハハハハ、これはだな。
 お前たちが、こいつを幽霊だと思うとビビるだろ。
 だから、ビビら無いように幽霊じゃないと説明してやったのだ。」
「 う~ん、分かったような、分からないような・・・・。」
 まあ、よろしおま。
 それで、こいつは、どうしてここに居るんでっか?」
「 うん、それはだな。
 何かのトラブルでここに居るようなんだ。」
「 う~ん、ますます分かりまへんなァ・・・?」

そのとき、シミコ婆さんが口を開きました。

「 何を、ゴチャゴチャ言うとるんじゃ!」

子分たちは、驚きました。

「 わっ、喋った、喋った!」

お頭ブラックが右手を挙げて子分たちに言いました。

「 この喋れると言うことを説明するとだな。
 空気の、この辺りから、こっちにこう行って、直角にこう来ると・・・・・。」
「 お頭、お頭、それ、さっきやりましたで・・・。」
「 アハハハハ、もう一回やると、もっと受けるかと思ったんだが・・・。
 まあ、とにかく、こいつは喋るんだ。」



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なんじゃもんじゃ物語229

2007-11-21 17:03:25 | _2-19 港への道
そして、お頭ブラックは子分たちに言いました。

「 ハイ、CM撮影場面終了!!
 んじゃ、みんな、こっちに集まって!」

 海賊の子分たちは、CM撮影の隊列を解き、バラバラとシミコ婆さんの所に集まって来ました。
そして、遠巻きにホログラムのシミコ婆さんを見ています。
お頭ブラックが状況を説明しようと、子分たちに言いました。

「 こいつは、ホログラムだ!」

チンギスチンが、お頭ブラックに聞きました。

「 ホログラムって、何あるかァ?」
「 ホログラムと言うのは、映像だ。
 この光っている婆さんは、何処かの島から送られて来た映画みたいなもんだ。」

続いて、エッチソンが、お頭ブラックに聞きました。

「 どうして送られているんでっか?
 受信している装置も見えないし・・・?」
「 それは、いい質問だ!
 わしは、こいつを分析してだな・・・。」
「 それで、それで・・・?」
「 それは、だな。」

お頭ブラックは、右手を上に挙げて、子分たちに説明しました。

「 空気の、この辺りから、こっちにこう行って、直角にこう来ると、こうなっ
 て、ここに反射して、こうなるんだ!」

お頭ブラックは、空中で右手を振り回し、最終的にはシミコ婆さんを指差していました。
 エッチソンが、お頭ブラックに聞きました。

「 あの、さっぱり分からんのでっけど・・・?」

お頭ブラックは答えました。

「 実は、わしも分からん!」

子分たちは、こけました。




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なんじゃもんじゃ物語228

2007-11-14 18:22:36 | _2-19 港への道
 お頭ブラックは、地面に落ちていた短い棒切れをマイク代わりに拾って来てエッチソンと並びました。
子分たちは、ゾロゾロと二人の後ろに並びました。
そして、いよいよCMのスタートです。
 お頭ブラックが言いました。

「 婆さん、よく見ろ!
 これが、我ら電気屋のCMだ!
 エッチソン、準備はいいか?」
「 よろしおまっ!」

お頭ブラックの口三味線が始まりました。

“ チャン、チャン、チャン、チャン、チャン、チャン、ハイ!”

「 あっ、停電だ!」
「 お父ちゃん、どうしよう?」
「 ちゃらら、ちゃらら、ちゃらら、ちゃらら、ちゃららららら、らん♪」
「 どうしよう~、どうしよう~♪」
「 でんでんでんき、電気なら~♪」
「 みんなニコニコ、電気屋さん!♪」
「 ほれ、電気ぃ~、それ、電気ぃ~、電気のことなら電気屋さん!」
「 あなたも、わたしも電気屋さん♪」
「 ちゃらら、ちゃらら、ちゃらら、ちゃらら、ちゃららららら、らん♪」
「 ヤマタイ国、電気、保安、協会っ!」
「 待ってるわよぉ~、うふ~ん!!」
「 ちゃん、ちゃん。」

お頭ブラックが、言いました。

「 どうだ、これで電気屋と言うのが分かっただろう!」



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なんじゃもんじゃ物語227

2007-11-10 17:29:21 | _2-19 港への道
 子分たちが、お頭ブラックの所まで来ると、お頭ブラックは言いました。

「 えっと、今から電気屋のCM撮影用のシーンをやるぞ!
 この映像と言うか、ホログラムと言うか・・・・。
 とにかく、こいつにCMを見せなければならないのだ!」

子分たちは、“?”な顔をしました。
 お頭ブラックは言いました。

「 とにかくやるのだ!」

なんじゃ殿様が言いました。

「 ちょっと、待って!
 何だか分からないけど、CMをするんだったら、H1号を外さないと出来ない
 よ。
 H1号、ちょっと電気を切って外すからね。」
「 シカタガナイナ。
 コノモニターデハ、ココカラ、ホログラムガ ヨク見エナイシ・・。
 マ、ホログラムヲ 見ルノハ、後デ イイカ・・・。
  壊サナイヨウニ、シロヨナ。
 H1号ハ、デリケート ナノダ!」
「 分かったよ。」

 なんじゃ殿様は、H1号のモニターカメラを体から外して、H1号の本体ごと道路の端に置きました。
お頭ブラックが言いました。

「 よし、じゃ、集合、集合!
 おい、エッチソン、前だ、前だ!」

エッチソンが前に出て来ました。




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なんじゃもんじゃ物語226

2007-11-06 19:13:44 | _2-19 港への道
 お頭ブラックの急かせる声が聞こえます。

「 こらァ~~!!
 早く、来んか~~!!
 何を、やってるんだ、もう!」

エッチソンが、言いました。

「 お頭が、怒ってまっせ!
 行きまひょか。」
「 うん。」

子分たちは、らめちゃんを残して、リヤカーを離れ、歩き始めました。
子分たちがゾロゾロ歩いている最中も、お頭ブラックの声が聞こえます。

「 心配しなくっても、大丈夫だ!
 映像だ、映像!
 こいつは、単なる映像だ!」

エッチソンが、歩きながら言いました。

「 なんや、あの人影は映像でっか・・・。
 でも、何処から映しているのかな?」

たまちゃんが、言いました。

「 お化けでなくて良かった・・・。」

子分たちは、たまちゃんを見ながら言いました。

「 散々、人を怖がらせておいて、よく言うよ。」
「 でも、怖いものは、怖いし・・・。」




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なんじゃもんじゃ物語225

2007-11-02 18:06:05 | _2-19 港への道
 たまちゃんが答えて言いました。

「 じゃ、今日はここまで!
 確かに時間は、気になっていたんだ。
 早く、船に戻らなきゃね。
 あの変なヤツも気になるし・・・。
 ま、続きは、またするからね。」
「 仕方が無いなァ・・・。」
「 また、するからさ!」
「 うん、必ずね!」
「 じゃ、みんなで行くあるね。」

子分たちが行こうとすると、リヤカーの床から声がしました。

「 ちょ、ちょっと、待ってぇなァ。
 ワイも連れて行ってぇな!」
「 あ、らめちゃん・・・・・。
 らめちゃんは、ここで待機の方が・・・。」
「 そうでんな。
 担いで行くには、図体がデカイし・・・。
 危険があったら、ヨロヨロして逃げ切れまへんで・・・。
 まあ、ここでブタの見張りをしていてくれはりまっか。」
「 う~ん、面白くないなァ~。
 でも、まあ、そう言われると、仕方無いかなァ・・・。」
「 じゃ、ブタの首に紐を付けて、リヤカーの荷台の枠に括っておくあるよ。
 逃げないように、しっかり見張ってるあるよ。」
「 ああ、分かった。
 逃げそうになったら、大声で知らせるよ。
 逃げても、ワイは追い駆けられへんしな。
 じゃ、そこのブタ、こっちに来い!」

“ ブヒッツ!”

「 イデデデデデ!
 こらっ、ヒレを踏むな、ヒレを!」

チンギスチンがブタの紐をリヤカーの荷台の枠に括り付けました。

「 じゃ、見張り、よろしく!」
「 早めに、帰って来てな!!」
「 分かったよ!」




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なんじゃもんじゃ物語224

2007-10-30 17:40:44 | _2-19 港への道
 ここまで たまちゃんが話した時、お頭ブラックの声が聞こえてきました。

「 お~い、お前たち!
 ちょっと、こっちに来~い!」

リヤカーに残った子分たちが、口々に言いました。

「 もう~、折角、今、いい所なのにィ~!」
「 ホンマでんな、もう、お頭、タイミングが悪い・・・。」
「 ソノ女ノ子ハ、誰ダ?」
「 看護婦は、どうなったんや、らめちゃん気になるぅ~!」
「 エレベーターは、何処まで降りるんでっか。
 1階でっか、地下でっか、それとも途中で・・・。」
「 この辺りの話、知らないあるよ?
 何か、前に聞いた話と違っているような気もするし・・・。
 もうちょっと、話を聞きたいあるね。」

そこに、もう一度、お頭ブラックの声が響きました。

「 こら~っ、何をしている!
 早くこんかァ~~!!」

その声を聞いたエッチソンがみんなに言いました。

「 あ~、お頭が、また、呼んでまっせ!
 もう仕方がないなァ~。
 たまちゃん、たまちゃん、ちょっと話をストップして、あっちへ行きまひょか。
 時間も気になるし・・・。」



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なんじゃもんじゃ物語223

2007-10-26 18:42:13 | _2-19 港への道
 看護婦さんが、ワゴンを押しながらこちらに動き出しました。
ゆっくりとカラカラ言う音をさせながら近付いて来ます。

“ エレベーター、エレベーター、早く!”

私は、ボタンを押しながら近付いて来る看護婦さんを見ていました。

“ チーン。”

エレベーターが到着する音が聞こえました。

“ 助かった。”

 私は、エレベーターの中に入り、操作盤の方に向かって“1”のボタンを押し、大急ぎで扉を閉めようと“閉”のボタンをガチャガチャ押しました。
エレベーターの扉は、向こうから遣って来る看護婦さんを挟むように両側からスーッと閉まりました。

“ ガタン。”

エレベーターは、下に向かって動き出しました。

“ 良かった・・。”

 私は、ホッとしました。
とにかく、看護婦さんから逃げられたし、後は、一階に行って守衛さんに助けを求めようと思っていたのです。
でも、ほんの数秒で私は後ろに違和感を感じたのです。
操作盤を見ていた私は、少しずつ顔を回して恐る恐る後ろを見ました。

“ うっ・・・・。”

私が乗ったエレベーターの中には、五歳ぐらいの女の子が向こうを向いて乗っていたんです。」




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なんじゃもんじゃ物語222

2007-10-23 18:07:43 | _2-19 港への道
  病室の扉が、ゆっくりと開くのが見えました。

 “ おわっ、来る!”

  私は、周りを見回して、エレベーターに走りました。
 そして、エレベーターを呼ぶボタンを押しました。
 エレベーターの止まっている階の表示を見ると“B1”でした。
  その時は、おかしいなとは思わなかったのです。
 普通、エレベーターは1階に待機してますよね。
 でも、“B1”だったんですよ。
 私、焦っていますから、変なことに気が付かなかったんです。
 それで、エレベーターのボタンが潰れるくらい何回も押しました。
  エレベーターの反応って遅いじゃないですか。
 なかなか、上がってこないんですよォ。
 私、エレベーターの階の表示と病室の方を交互に見て焦っていました。
  病室から、白い人影が出てきました。
 先程の看護婦さんです。
 私は、エレベーターの階の表示が“1”になるのを見ました。
 ここは、4階です。

 “ やっと、上がってくる。
  でも、看護婦さんも出てきた・・。”

 廊下に眼を遣ると、看護婦さんがワゴンを押しながらこちらに来ようとしていま
 す。

 “ ヤバイッ!”

 私は、狂ったようにエレベーターのボタンを何回もガチャガチャ押しました。




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