大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 11月30日 彼女に言われたこと 

2022-11-30 20:41:24 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 11月30日 彼女に言われたこと 





 同棲して数年経つんだが、最近夜中になると寝てる彼女が話しかけてくることがある。

「 起きてるんだろ?」
「 わかってんだぞ。」
「 おい返事しろよ、返事だけでいいぞ。」

みたいな感じで。
 声は間違いなく彼女なんだが、話し方が普段と違いすぎてはじめて聞いたときは驚いて返事出来ず、それからは、

” 気味の悪い寝言だな~。”

くらいの認識で毎日無視していた。
 ある日なんかの拍子で起きてる彼女にその話をしたところ、全く見に覚えがないとのことだった。
その日の夜中も話しかけてきたのだが、意識が落ちる直前くらいに今までで一番薄気味悪いことを言われた。

「 お前、なにこのこと、人に話してんだよ。」







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日々の恐怖 11月27日 病院関連話(13) しゃっくり

2022-11-27 09:11:10 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 11月27日 病院関連話(13) しゃっくり





 しゃっくりが一日続くと死ぬ、という迷信がある。
ある病室で、

「 隣のベッドのしゃっくりがうるさい。」

という苦情があった。
 ほとんどの時間同じ部屋で過ごしているわけだから、相手が気を悪くするんじゃないかと思ってなかなかそういう事を言う人は少ない。(性格にもよるけど)
何か循環器系の問題かと思って件の患者さんを見に行ったんだけど、別にしゃっくりなんかしてない。

「 とりあえず様子を見ますので、またひどいようならナースコールして下さい。」

って言ってとりあえず保留にした。
 夜の巡回の時にその部屋の前を通ったら確かに、

「 ヒック、ヒック。」

って聞こえたので、様子を見に入った。
 そしたらその声が聞こえてくるのは、苦情を出してきた患者さんのベッドだった。
そっとカーテンを開いて見てみると、その患者さんはうなされてる感じで寝汗をかいてるんだけど、別にしゃっくりはしていない。
それからしばらく様子を見ていたんだけど、しゃっくりの音はどこからも聞こえなかった。










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日々の恐怖 11月20日 病院関連話(12) ご遺体

2022-11-20 10:23:22 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 11月20日 病院関連話(12) ご遺体






「 前のホストとは違う話なんだけど。」

と、彼女は言う。
 看護師の給料なんてさして高いものではない。
けれど基本、家と職場の往復だけなんで貯まるいっぽう。
中にはネットでブランド品を買いあさったり、周りの顰蹙の目をものともせず長期休暇を取って海外旅行に行く強者もいるけど。
 先輩の1人が真面目な人で、次の師長候補くらいのベテランだった。
でも、ホストクラブに嵌った。
あるホストに入れあげて入れあげて、おそらく一千万以上はつぎ込んでたんじゃないかと。
 そのホストも図々しい奴で、先輩の家(一人暮らし)に入り浸って、そして病院にまで通っていた。
まあ肝臓が悪いのは分かるから内科に来てたんだと思う。
そこまではまあ良い。(良くないが)
そして、先輩を使って薬の横流しをさせていた。

 処方箋というものは先生以外絶対に作ってはいけない。(違法行為)
でも先生から事務局に渡る際に人手を渡る。
そこを利用して、処方箋の指示書をすり替えていたらしい。
民間では入手困難な薬を格安で入手し、ネットで売りさばいていたんだと。
 で、そのホストに入れ込んでいた(看護師ではない)別の女が、それを薄々気付いていて、ストーカーまがいの事をして証拠を掴み警察に通報した。
これは想像だけど、その証拠をちらつかせてホスト男を自分のところに呼び戻したかったんじゃないかな。
 でもイザコザして、結果的に男の手は後ろに回った。
そして簡単にゲロしてしまい、先輩まで警察のお世話になる羽目になった。
まあやっていた事は明らかな犯罪行為だけど。
男の方は前科もあって実刑。先輩は執行猶予だったけど、さすがに職場に居られず退職した。
 長かったけどここまでが前振り。
これは奇縁というのか、彼女(先輩の方ね)の看護師学校時代の友人がある病院に勤めていて、同窓会的な場所で久しぶりに会ったの。
その病院は警察から委託されて死体の検死とかもやってる病院で、最近お世話したご遺体の話を話していて、件のホスト男だとすぐに気づいたんだって。

「 あれはカマを掘られて抵抗して、リンチにあったんだね。
でも、あそこまで凄惨なのは見たことない。」

と友人。

「 たぶん先輩の恨みが何かを伝ってその場に届いたんだね。」

と彼女。
女の恨みは恐ろしい。









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日々の恐怖 11月17日 病院関連話(11) パジャマ

2022-11-17 15:40:54 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 11月17日 病院関連話(11) パジャマ






 入院患者が亡くなられた時、遺品はもちろん家族に引き取ってもらう。
て言うても、コップだの歯ブラシだのそういう日用品なので、

「 そっちで処分して下さい。」

と言われる事もままある。
 入院時の契約書にも、

” 私物を何カ月以上放置された場合~。”

みたいな一文があるので大抵は捨てる。(余計な作業だけど)
 ただ勿体ないのがパジャマ。
何着も持ち込んでるので、

” なんとかならんかなあ・・・。”

と捨てるたびに思う。


 あるご遺族、お葬式の事を済ませると、

「 後は全部捨てておいて下さい。」

それで、ダンボールに詰め込んでとりあえずそこに置いておいたんだけど、次の朝、病室に入ると布団がまるで人が寝ているように膨らんでいる。
 で、すぐに、

” ぺちゃ~っ。”

と平らになった。
 朝だし他の患者さんもいるので、

” 怖くなんかない!”

と布団をめくると、パジャマがちょうど寝返りをうったような形で横たわっていた。











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日々の恐怖 11月14日 病院関連話(10)  歯医者

2022-11-14 15:21:10 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 11月14日 病院関連話(10)  歯医者






 歯医者と医者は資格が別で、歯医者は歯以外の治療をしちゃだめなんだって。
でも歯医者競合区みたいなところがあって、ある歯医者が患者が少なくて内科診療をこっそりしてたそう。(明らかな違法行為)
でもわりと固定客(変な言い方だ)がついてた。
なんでかと言うと、歯医者は処方箋を出さずに自前で薬を出せるんで、お客にとっては手間が省けるのでありがたかったんだと。
 で、ここからが本編。
ある患者さんが急患で担ぎ込まれてきて、まあただの盲腸炎だったのですぐにオペを始めたんだけど、メスを入れたら患者さんが悲鳴をあげたの、麻酔はかけてたのに。
 後から分かった話なんだけどその患者さん、偏頭痛と不眠症を患っていて件の歯医者から薬を貰いまくってたんだって。
あとアルコール中毒。
どれも使用しすぎると耐性がついてしまって、身体が通常の薬では受け付けないような状態に進化(?)するんだそうな。
過剰に薬に依存するのはやめましょう。
あ、ちなみに手術がどうなったかは彼女は話してくれなかったけど。










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日々の恐怖 11月10日 病院関連話(9) 便所

2022-11-10 17:33:42 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 11月10日 病院関連話(9) 便所





 夜勤中のこと、入院病棟は便所がナースセンターから見える場所にあるんだけれど、患者さんが入って行った後ろ姿は見えたが、なかなか出てこない。

” ああ~、あれかな~~。”

とは思ったが、放置するのもあれなんで、仕方なく様子を見に行くとやはり誰もいない。
仕事を中断させられて腹が立ったので、便所の中で、

「 ウロウロするな、クソジジイ!」

と言ってやった。
朝まで特に問題なし。










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日々の恐怖 11月8日 病院関連話(8) 水虫

2022-11-08 09:59:42 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 11月8日 病院関連話(8) 水虫





 水虫とは関係ない話なんだけど、心療内科の友人から聞いた話です。
ある患者さん、足の中に虫がいて痒くてたまらないという。
それで、皮膚科を紹介する手もあったんだけど、別に処方箋を書くくらいは構わないので痒み止めの軟膏を処方してあげたらしい。
心療内科に来る人っていうのは思い込みで言い張るだけで、何か対処してあげれば安心して収まる事が多いらしいから。
でも、その患者さん、また来た、車椅子で。
足を見るとバッサリと裂けた傷口だらけ、

「 いくら探しても見つからない。」

って言って。












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日々の恐怖 11月5日 病院関連話(7) 患者さん

2022-11-05 12:59:09 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 11月5日 病院関連話(7) 患者さん





 同僚から、

「 あの患者さん変だよねえ・・・。」

という話を振られて、彼女自身そう思っていたので黙って頷いたそう。
 何が変かと言うと、6人部屋なのにその患者さんが窓際の片側に居るだけで、他は誰もいない。
つまり独占状態。
 そんなに寂れた病院ではないし、他の部屋は満室もある。
その患者さんは別に暴れたり喚いたりするわけではなく、ほとんどの時間カーテンを閉めて眠ってるだけ。
 ただ、巡回の時にちらっと見るとカーテンを開けて誰かとしゃべってたんだって。
何もない空間に向かって。
うろ覚えなんだけど、

「 悪かったねえ。
やっぱりあたしの方が死んだ方が良かったんじゃないか・・・。」

みたいな。









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日々の恐怖 11月2日 病院関連話(6) お見舞い

2022-11-02 11:37:21 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 11月2日 病院関連話(6) お見舞い





 40代くらいの入院患者さん、どうしても道路が見える窓際のベッドが良いとの希望で、部屋を調整してあげた。
それで、一日中窓から道路を見下ろしている。

「 お、スカジーじゃん、懐かしいなあ。」
「 ビートルかあ、好きな人は今もいるんだなあ。」

話を聞くと無類の車好きで、ミニカーも集めていて20年以上になるという。
 ある日雑務で病室に入ったら、

「 うおおおおおおおっ!!!」

びっくりして、

「 他の患者様もおられますので・・・・。」
「 あ、すいません。」

目を潤ませて、

「 でも、2000GTですよ、トヨタの・・・。
現役で走ってるのなんて見た事ない。」

見ると、確かにスポーツカーみたいな車が病室の下で少しアイドリングして走り去っていった。
 大声を出したのは2000GTの時くらいで、ほとんどおとなしく道路を見ているだけの手のかからない患者さんだったので好きにさせておいた。
時間が空いた時に一緒に道路を見ていると、消防車が病室の下で止まった。

「 え・・・?」

でも、すぐに走り去っていった。

「 やっぱ日野は渋いよね。」

今度はブルドーザーを乗せたでかいトラックが止まった。
で、すぐに走り去った。

「 コマツはやっぱ、かっちょいいよね~。
でも、高いんだよね。」

” 買う気かい!”

窓から見下ろすと、車はちょうどミニカーくらいの大きさに見える。

” ミニカーたち、お見舞いに来てたのかな・・・・。”









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