四方源太郎日記(京都府議会議員・綾部市選挙区)

これからの綾部のために、さらなる「挑戦」を!

北國新聞の北陸新幹線「米原ルート」に関する記事

2024年05月13日 | 論評・研究

13日㈪未明から警報級の大雨だと言われて心配していたが、綾部はさほどでもなかった。

 12時半から議員団会議があったので京都に行き、他の議員にも聞いてみたが、「降りましたが、そんなに大雨ではなかった」ということだった。

 

 先日の北國新聞からの取材が昨日、【日曜特番】として記事になったようだ。

※北國新聞2024年5月12日付:

https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1396801

 

 そういえば「北國新聞」と言えば、人類愛善会総本部理事などを務められた大本の幹部の三ツ野真三郎さんが専務取締役・主筆を務めておられた新聞社で、ずいぶん前に一度だけ三ツ野さんと綾部の大本神苑で出会った際に、そういう話を聞いたことを思い出した。

 

 先日来られた記者の話を聞くと、石川県では現行の「小浜ルート」ではなく、「米原ルート」を復活させようという動きが政界や経済界で起こってきているようだ。

 誤解されては困るが、私は特別に「米原ルート」推しではない「小浜ルート」は住民の反対、由良川源流である美山町の自然破壊、京都市の地下水問題、地元自治体の費用負担などの課題が大きく、実現が難しいと当初から考えていた。

 このままでは敦賀終点となり、北陸の皆さんの悲願が達成できないため、それなら元々滋賀県や関西広域連合が推していた「米原ルート」が現実的でないかと考えるようになって、昨年の府議選の際の京都新聞のアンケートにもそう答えた。

 もし「米原ルート」も難しいというのなら、別の「小浜ルート」、小浜~福知山~新大阪という京都市や美山町を通らないルートも再度検討すべきではないかと考えている。

 これはまさに山陰新幹線につながるルートであり、北近畿にとっては「受益」があるので、「負担」もできるルートだと思う。

 

 現行ルートに決まった時、地元民の素直な感想としては「これは難しいルートに入っていったなあ」というものだった。「国が費用負担して国の事業として進めていく」ということだったので京都府は口を出せずに見守るしかなかった「まあ、お手並み拝見」と思っていたら、案の定、入り口の美山町の住民の猛反対に遭い、環境アセスメントすら行われていない。

 意地になって進めようとしても、次から次へと難題が立ちふさがり、結局、敦賀止まりになってしまうと懸念する。

 

 石川県の加賀市、小松市、能美市、川北町の三市一町を「南加賀」地域と呼ぶが、この地域の小松市議会や加賀市長から「米原ルート」の推進を求める声が上がり始めているようだ。石川県議会や富山県議会の自民党の重鎮議員も声を上げておられるとのこと。

 南加賀地域衆議院選挙区は石川2区にあたり、現在は佐々木紀代議士の選挙区となっている。佐々木代議士と私は同時期に党本部と京都府連でそれぞれ青年局長を務めた。佐々木代議士は森喜朗元総理の後継者である。

 「舞鶴ルート」の陳情に東京に行っていた頃、行く先々で「整備新幹線は政治新幹線だから」と言われた。

 北國新聞の今回の記事は「狼煙」なのかもしれない。

 

 現行の小浜ルートに決定される直前、平成28年6月の府議会一般質問で、私がこのルートの自然破壊や地元自治体の負担に対する懸念を訴えていた質問を下記に掲載します。

 私の意見は当時から一貫しており、何も変わっていません。

 

【四方源太郎質問】

 次に、北陸新幹線の敦賀以西ルートについて質問します。

 ご存知のとおり、候補は3つに絞られ、滋賀県が推す米原ルート、JR西日本の小浜から直接京都駅に向かうルート、そして京都府が推す府北部を経由して京都駅に向かうというルート、この3本に調査費がつき、年内には与党のプロジェクトチームで結論が出されるのではないかと言われております。私はもちろん、京都府の推すルートを支持しております。

(中略)

 山田知事は、我々のそういった思いをしっかりと受けとめ、日本海側国土軸が必要だ、京都府にはしっかりとした南北軸が必要だとの従来からのご主張のとおり、「府北部ルート」を京都府の第一候補と定め、国に対してその優位性を強く主張していただいているところです。

(中略)

 一方でJR西日本のルートになった場合、幾つか懸念を感じます。

 敦賀から小浜市を通り、直接京都駅へというのは、小浜市の南に位置する京都府域には「芦生の森」があり、ここは先ごろ、京都丹波高原国定公園として指定を受け、京都府もここを地域振興の中核として「森の京都」事業等を進めようとしている宝の山々がある場所であります。

 また、この「芦生の森」を水源として、南丹市美山町、そして京丹波町和知、綾部市、福知山市、舞鶴市を流れて、宮津市の由良海岸に注ぐのが、私たち中丹・南丹住民の命の川である由良川であります。私たちの命の源とでも言うべきところにトンネルを掘って新幹線を通すということに、大いなる危惧を覚えます。京都縦貫道の工事の際にも、掘られたトンネルによって水の流れが変わり、田んぼに水が入らなくなったという苦情がありました。

 トンネルを掘る際には、たくさんの土を運び出す必要があり、大きなダンプが毎日のように行き交う作業道もたくさん必要でしょう。国定公園に作業道が張り巡らされ、何年もの間、ダンプカーが走り回るという姿が、私には想像できません。

 「芦生の森」が国定公園化されるという話が出た数年前、自民党議員団で国定公園の先進地として、鹿児島県の屋久島を視察に行きました。私たち若手の6名の議員は実際に現地を見るということで屋久杉まで往復約22キロ、朝6時から夕方6時ごろまで山道を歩きながらガイドさんの説明を聞き、自然環境の保全と観光収入のバランスのとり方について勉強してきました。

 町役場でもお話を聞きましたが、観光客をふやそうというのではなく、自然保護のために、森に入る人数に制限をかけようという議論が地元で起こっているとのことであり、屋久島を貫くトンネルを掘ろうなどという発想など、もちろん全くありませんでした。

 JR西日本ルートに決まった場合には、国定公園や由良川の水源地は避けるよう要求しなければならないと思っております。これについて、知事はどのようにお考えでしょうか、ご見解をお聞かせください。

 また、地元負担の話ですが、JR西日本ルートだと、京都府にとっては駅のつくりようもない山の中を新幹線が走ることになると思われますが、それでも府はそこへの負担を求められるのでしょうか。

 私は、そんなところの負担は京都府がするべきでなく、その場合は山陰線(園部-綾部間)の複線化に府のお金を回していただきたいと思っています。

 

【建設交通部長の答弁】

(前略)小浜-京都ルートにつきましては、小浜と京都駅を単純に結んだ場合に四方議員ご指摘のとおり、京都丹波高原国定公園内の由良川の水源地域を通過する可能性がございまして、現在、その詳細なルート候補については、国において調査が行われているところでございます。

 地域の自然環境の保全については、国の調査において当然配慮されるべきものと考えておりまして、どのルートでも同じような環境の問題ということが出てくると思われますので、国にはしっかりと調査していただけるよう、申し入れていきたいと考えております。

 府としては半年後に取りまとめが予定されている調査結果が出れば、改めて必要な対応を求めてまいりたいと考えております。

 また、整備新幹線の建設費の負担についてでございますけれども、全国新幹線鉄道整備法という法律によりまして、国及び新幹線鉄道の存する都道府県が負担することとされておりまして、現行ルールでは、受益にかかわらず府域を通過する場合は負担を求められることとなっておりますけれども、途中駅もなくトンネルだけで通過する区間に対する負担は、大変厳しいものと考えているところでございます。

 本来、都道府県に負担を求める場合は、受益に応じた負担とすべきと考えており、関西広域連合でも検討すべきと考えてお願いしているところでございます。

 知事から2月17日の与党PTにおいて、そのことを主張し、どこにどういう受益が発生するかなど、国でしっかり調査していただくようお願いし、先日6月8日の政策提案でも、国家プロジェクトとしての重要性を踏まえた国と地方との負担のあり方の見直しを、国土交通大臣に要望したところでございます。

 今後、調査が実施され、国からルートや費用負担の案が示された段階におきましても、国に対し、必要な対応を求めてまいりたいと考えております。

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