日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

これぞ友情の輪!【平壌発17】

2017-08-26 09:46:09 | (理)のブログ

 前回に続き、白頭山偉人を讃える国際祭典を取材して印象的だったことを紹介します。

 祭典の最終日である8月17日には、参加者たちによる親善交流会が開催されました。会場となったのは平壌市の青春通りにあるバスケットボール競技館。
 別れを翌日に控え、親善と団結の気持ちをもっと強く共有しよう!との目的で、多彩な企画が準備されました。

 まずは朝鮮の芸術家たちによる公演(写真は朝鮮新報社平壌支局)。



 舞踊「옹헤야(オンヘヤ)」「탈춤(タルチュム=仮面の舞)」、男性独唱「남산의 푸른 소나무(ナムサネ プルン ソナム=南山の青い松)」「정일봉의 우뢰소리(チョンイルボンエ ウレソリ=正日峰の雷鳴)」、歌と舞踊「가리라 백두산으로(カリラ ペットゥサヌロ=行こう、白頭山へ)」などが披露されました。



 知っている歌をノリノリで口ずさんでいる人も。見ているこちらまで愉快な気持ちになります。

 続いて、チーム対抗のゲームが行われました。参加者たちを2チームに分け、5つの競技で勝敗を争います。チーム名は「친선(チンソン=親善)」と「단결(タンギョル=団結)」。朝鮮の、こういう分かりやすいところが私は好きです。



 競技ごとに、チームからメンバーが選出されます。国も年齢もさまざま。それでもすぐに打ち解け、力を合わせて競技に臨む姿がとても微笑ましかったです。




 競技中は、会場のどこを見ても笑顔&エキサイティング! カメラを通して、参加者たちの表情を間近で見ることができて嬉しかったです。




 さて、4つ目の競技が終わり、中間結果は2-2。最後の勝負は綱引きで決めることになりました。
 参加者たちを観察すると、心なしか少しピリピリしています。大のおとなたちが真剣になっている…! 期待が高まります。



 1回目は단결チーム(写真右)の勝ち。体力を回復するために、3分間の休憩が持たれると…。



 친선チームがすぐに作戦会議に入りました(笑)。


 
 ほ、本気…! 高齢の参加者がいるにもかかわらず全員本気です。
 もはやゲームという感覚が完全に失われています。

 始まった2回戦。



 作戦会議の成果か、친선チームがじりじりと綱を引っ張っていき、見事勝利しました。

 さあ決勝戦!とカメラを構え直すと、少しの間があってまさかのアナウンス。

 「량팀이 친선과 단결을 이룩하는데서 큰 힘을 발휘하였습니다. 따라서 이번 경기는 량팀이 이겼습니다!(両チームが、親善と団結を実現するために大きな力を発揮しました。よって、今回のゲームでは両チームが勝者です!)」



 一瞬、「それあり?」というような沈黙のあと、決着をつけたそうな様子を見せた人もいましたが、結果的には両チームとも納得して温かい拍手が上がりました。



 さすが平和を愛する国・朝鮮。最後まで趣旨に沿った進行を見せます。

 その後、参加者たちは用意された軽食を食べながら思い思いに談笑していました。ここでも大同江ビールは人気です。



 軽快な音楽が流れはじめると、旗を持った男女が登場しました。自然とそれを追う参加者たち。会場では、いつの間にか舞踏会が始まっていました。



 公演に出演した芸術家たちが、朝鮮式フォークダンスを教えています。見よう見まねで踊っているうちに、参加者たちの顔がどんどんほころんでいきました。




 最後はみんなで統一列車です。老若男女問わず、汗を流しながら目いっぱい会場を走り回りました。これぞ友情の輪!



 諸外国の人々はもちろん、通訳やスタッフとして参加した朝鮮人民たちが常に嬉しそうな表情で参加者たちを見つめているのも心に残りました。
 会場は、この数日間に築いた友情と連帯の気持ちを忘れずに、平和のための行動を続けていこうとの熱意に溢れていました。

 日本代表団の一員として参加した本田克己さん(62)は「15年ぶりに訪朝した。国際祝典と聞いてはいたが、世界各国からこんなに参加するとは思ってもみなかったから驚いている。同時に、このような取り組みをしているのが自分たちだけじゃないということを知り励まされた。本当に楽しい」と感想を話して下さったのですが、「励まされた」という言葉がとても印象的でした。

 弾けるような笑顔と充実した表情の参加者たちを見ながら、この期間に一番元気をもらったのは私自身じゃないかなと感じました。朝鮮が好きで、理解して支持してくれる人が、本当は世界中に散らばっているという事実を知り、いい意味でショックを受けました。
 普段は知る機会がなかっただけで、こんなに熱い人と人とのつながりがある。大切な場を経験させてもらってありがたいという気持ちと同時に、この雰囲気が少しでも多くの人に伝わってほしいと思いました。



 それぞれの国に帰った参加者たちが、朝鮮のポジティブな姿をいきいきと語ってくれることを願います。(理)
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