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日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

銀のかんざし

2011-07-30 08:45:39 | (淑)のブログ
 朝鮮新報の分局長を主人公に、1980年代の在日朝鮮人をとりまく環境、同胞たちの生活を描いた映画「ウンビニョ(銀のかんざし)」を観ました。
 この映画は総聯の結成30周年を記念して1985年に共和国との合作で製作された映画です。
過去に3,4度観ていますが、今回もとても楽しく鑑賞しました。ウリマル学習の一環として、本作を教材にアフレコもやったことがあるので、心の中で一緒に台詞を言ったりして。

(分局長の娘、スヒャン)

 この映画、時代背景こそ現在と異なりますが、今観てもまったく遜色がないほど、在日朝鮮人社会が抱える普遍的な課題をわかり易く表現していると思います。実際に観ていただきたいので詳しい内容は書きませんが、一つだけ。
 普遍的な課題と前述しましたが、さまざまな問題をいつまでも「普遍たらしめているもの」の存在に対して、映画を観ていて苛立ちを禁じえませんでした。
 この映画は合作ということで、朝鮮の名優たちを含めた映画制作団が約1ヵ月間日本に滞在して撮影をしました。朝鮮の俳優たちと同胞が共演もしています。しかし現在はこうした日本での交流は実現不可能です。2006年10月の朝鮮の核実験以来、日本政府が制裁措置として、「北朝鮮国籍保有者」の入国を原則禁止としているのは周知の事実です。この点だけをとってみても、私たちをとりまく環境は1985年から好転するどころか、複雑さを帯び、より厳しくなっていると思います。
 「ウンビニョ」、未見の方はぜひ一度鑑賞することをお勧めします。ベタな演出もいい味を出しているのでそこにも注目してもらいたいです。笑  
 ちなみに朝鮮新報では今年3月、朝鮮新報累計15000部発行に際して、分局長役の俳優にインタビューも行いました。(http://sinbo.korea-np.co.jp/news/ArticlePrint.aspx?ArticleID=46035(※朝鮮語))

 余談ですが、ショックだったのはずっとヨンシクだと思っていた登場人物の名前が実はミョンシクだったこと(今回観たのは字幕付き)。何度も観ているのに間違いに気づけなった自分の語学力に幻滅しました…。

 あいにくのお天気ですが、皆さま良い週末を。(淑)



除染作業の現場に立って

2011-07-29 11:50:02 | (相)のブログ
 

 先週の日曜日(24日)、福島県郡山市にある福島朝鮮初中級学校を訪れました。同校で行われた放射性物質除染作業を取材するためです。3月11日の東日本大震災以降、福島行きはこれで3回目。
 除染作業の詳細については、実際に作業をされた方々のブログなどで報告されています。

 http://ameblo.jp/k-jong/entry-10964720734.html
 http://ameblo.jp/k-jong/entry-10964740530.html
 http://ameblo.jp/sanpurena/entry-10964326034.html
 http://ameblo.jp/sanpurena/entry-10964342616.html

 福島朝鮮初中級学校での除染作業は今回で3回目。参加人数は回を追うごとに増え、今回は関東、東北地方など県外から駆けつけたボランティアを中心に100人以上が集まりました。主体は、30~40代の青商会メンバーとOBの人たち。twitterやfacebookで参加者を幅広く募った結果です。1日でかなりの量の作業をこなすことができました。

 

 

 

 

 気温30度を超す炎天下に、上下レインスーツに防塵マスク、ゴム手袋、長靴という重装備で行う肉体労働は想像以上にハードです。私はカメラを片手に写真を撮っていただけですが、それでも開始30分で全身汗だくになりました。
 福島朝鮮初中級学校の放射線量は郡山市の中でも低い部類に入りますが、毎時4マイクロシーベルトというホットスポットも存在する中での除染作業には少なくない危険がともないます。そのため今回、作業に従事する人間を35歳以上に限定しました(それでも何人か30代前半の人たちが混じっていましたが)。
 「確かにリスクはあるけど、子どもたちのためなら何でもない」「自分の残りの人生よりも、子どもたちの未来のために」という声が多く聞かれました。その言葉を聞きながら、彼らの心意気に感動する一方で、複雑な気持ちにもなりました。
 子どもたちはもちろんですが、大人たちも被曝していいわけではありません。子どもから老人まで、被曝していい人などこの世に誰もいません。ましてや大人とはいえ、30代、40代はこの先の人生まだまだ長い。郡山は原発20キロ圏内ではありませんが、放射性物質で汚染された場所での作業にまったく危険がないとは言えないでしょう。今後、自らの決断で除染作業に参加しようという人たちは可能な限りの放射線対策をとって、相応の覚悟を持って除染作業にあたるべきだと思います。そのボランティア精神を実りあるものにするためにも。

 

 「道のりは長く険しい」
 今回の除染作業の現場に立ちながら感じたことです。東京電力福島第1原発事故の収束の気配がいまだ見えない状況下で、除染作業が長期性を帯びることは言うまでもありません。放射性物質の流出は現在も続いています。雨が降れば、大気中に浮遊する放射性物質が地表に落ち、放射線数値が再び上昇することもあります。東電や政府がやっていることは、危険な汚染物質を右手から左手に持ち替えて「はい、安全です」と言っているのと同じで、とても状況が改善したと思うことはできません。除染作業はもちろん1回や2回では終わらず、継続的な取り組みが求められます。

 昨日、福島県私学法人課に電話し、校庭の汚染表土除去作業(正式には校庭等土壌緊急改良事業と言うらしい)に関して担当者に話をうかがいました。先日、福島朝鮮初中級学校がこの事業の対象に入ることが決まりました。同校の運動場の表土除去作業には県から費用の半分が負担されます。ただ、現状では同事業に関する県側の要綱の制定がまだ済んでおらず、本格的なスタートはしばらく先になるとのこと。
 補助の対象は「運動場とそれに準ずる場所」(土がある場所)だそうです。一方で、校舎や体育館などの施設は対象に入りません(これは朝鮮学校だけではなく、日本の公立学校の場合も同じとのこと)。
 残り半分の費用をどのように調達するか。運動場以外の土壌部分をどれだけ対象に含めることができるか。個人的には、広い意味での除染という観点から、土壌以外の部分に関しても国や県が何かしらの支援をするべきだと思いますが、現状では土壌以外の部分に関しては自分たちの力でやっていくしかないようです。

 今回の福島第一原発の事故に関して言えば、われわれは歴史上かつてない新しい事態に直面しています。これから先、何が起こるかわからない。どうすればいいのか、参照すべき前例はほとんどありません。
 以前にも書きましたが、現時点ではどこまで議論を深めても「正解」にはたどり着けない。どの選択肢が本当に正しいのかはわからない。わからないからこそ、学校のため、子どもたちのため、同胞コミュニティのためにどのような取り組みが必要なのか、どのような方法がいいのか、みなが知恵を出し合い、そのつど決断し、その決断を尊重し、行動に移していくしかない。そう思います。(相)

金剛山歌劇団公演を見て

2011-07-27 23:22:04 | (愛)のブログ
昨日、新宿文化センターで行われた「金剛山歌劇団 2011 東京公演」を見に行ってきました。
金剛山歌劇団の公演をちゃんとに見にいくのは、実に久しぶり。
でしたが、やっぱり1年に1度はちゃんと見たいなと思わせてくれた公演でした。
今回の公演は最初からオッと思わせてくれました。
舞踊と打楽器、歌で華々しく始まったのが印象的でした。

1部、2部で、歌と楽器、舞踊と分かれていたのもいままでと違う感じ。
朝鮮の有名な歌、「口笛」なども現代風にアレンジされていたり、
チャンセナプや朝鮮の歌で魅せてくれたと思ったら、
「上を向いて歩こう」が歌われたり、楽しかったです。
1部の最後のチャンダンがとてもかっこよかった。
体が自然に動いてしまって、
あ~やっぱりウリチャンダンはいいな~としみじみ思いました。

私は舞踊も大好きなので、
食い入るように2部も見ていたのですが、
民族的な舞踊が続いたと思ったら、
ジャズダンスのような踊りが入っていたりと
良い意味で裏切られたりと、
楽しかったです。
「菩提菩薩」は何とも不思議な空間を醸し出していて、
「双剣対舞」という踊りはとてもかっこよく私は好きでした。
以前韓ドラでやっていた「茶母(チェオクの剣)」をふと思い出し、
韓ドラでよく繰り広げられる剣技は
朝鮮舞踊にやっぱり近いのかななんて、思ったり。

「農夫の踊り」という舞踊も
タップが取り入れられたりと思わずノリノリに。
民族のものを継承しながら、現代の味も取り入れられていて、
イオ2010年6月号でも朝鮮舞踊の特集をしたように、
朝鮮舞踊は「受け継ぐだけでなく、新たな表現を模索し創り上げてきた」感じを、
現在進行形で行われている感を受けました。

舞台装置や団員たちのチョゴリなども見ていて、
デザインをする自分にとっては勉強になりました。
芸術に久々に触れることができ、大満足な1日でした。(愛)



乗り鉄

2011-07-27 09:31:29 | (K)のブログ


 現在、九州・中国地方に出張に出ています。
 出張中でも容赦なく、ブログの順番は回ってきます。

 今回、久しぶりに福岡を訪れました。小倉にも泊まりましたが、小倉は20代のときにたぶん1度来たかどうか…、覚えていないほど久しぶりでした。

 少し時間があったので、小倉の街を探索すると、松本清張記念館がありました。清張の出身地だったんですね。清張は、それなりに本も読み好きな作家なので、記念館に入りました(500円)。

 館内には、東京にあった清張の仕事場が再現されていたり(書庫用の部屋が8つもありました)、年表の項目が「さすが社会派」と思わせる内容だったりと、充実した展示で満足させるものでした。
 著書もたくさん売っていたので、記念に短編集を1冊買いました。

 清張の小説には、よく列車に乗るシーンが出てきます。時刻表が重要な役割を果たしたり。昔の作品だと当然、新幹線は出てこず、私が買った短編集の中に収録されていた「張込み」という作品にも、刑事が事件の謎を解くために、東京から九州まで列車で1日以上かけて出掛けるというシーンが出てきます。


 私も仕事柄、出張でよく地方に出掛けます。
 そんなときは、なるべく飛行機に乗らずに列車で行くようにしています。
 飛行機が怖いのと、列車が好きなのと、両方の理由からです。ちょっと「乗り鉄」なんですね。
 特に、初めて訪れる地は、列車に限ります。飛行機だと行った気がしないというか。20数年前に北海道にはじめて行ったときも、列車と青函連絡船を利用しました。愛媛にはじめて行ったときもそう。

 列車が刻むゆれのリズムがなんとも言えず気持ちがいい。窓から見える風景、たまたま隣に座ったおばちゃんと話しをしたり。

 いま福岡から次の目的地に移動していますが、清張の本を読んで、ちょっと列車の旅を楽しもうと思いました。それで、新幹線を使わずに、在来線だけでのんびりと移動することにしました。初めて通る路線なので、ワクワクしています。



 いろんな地を回り、いろんな人(同胞)と会い、好きな列車に揺られる。何回行っても出張は楽しいです。(k)

還暦祝い~家族水入らず、有馬温泉へ~

2011-07-26 09:09:34 | (麗)のブログ
先週、アボジの還暦祝いのため地元・大阪に帰っていました。

60歳になったアボジへ、家族からのプレゼントは温泉旅行。
宿泊したのは関西では有名な有馬温泉の向陽閣という旅館です。(写真は旅館から撮った景色)

私が東京に住んでいることもあり、家族全員で旅行なんて十何年ぶりでした。
久しぶりに家族揃って食事をするのは少し気恥ずかしさもありましたが、
時間が立てばそれも忘れ、出てくるのは懐かしい子供の頃の話ばかり。
私の「黒歴史」なるものも出てきました。^^;
懐かしい思い出話を肴にお酒もどんどん進みます。


以前のブログ記事に書いた“巣鴨で赤いものを買ってきなさい”という
オモニからの指令もちゃんと遂行しました。

プレゼントを空け中身を見て大笑いしたアボジは目にうっすらと涙を浮かべ、
お酒で真っ赤になった顔で「コマッスムニダ!」とお礼を一言。


思い出に残る帰郷となりました。(麗)

「高校無償化」をめぐる支離滅裂

2011-07-25 09:36:34 | (里)のブログ
朝鮮学校への「高校無償化」適用問題をめぐって、
またもや許しがたいことが起こりました。

滋賀の県議会が19日、朝鮮高級学校を「高校無償化」の対象にしないよう求める意見書を賛成多数で可決したのです。
意見書には、朝鮮学校の教育内容が
「歴史教育あるいは民族教育と呼べる内容ではない」、
「(朝鮮学校に通う生徒に対し)日本社会や国際社会に対する軋轢(あつれき)を生みだすもの」、
さらには「独裁体制を支えるための思想教育として人権侵害の疑いさえある」とまで書かれていました。

今回の滋賀県のみならず、
日本全国の各道府県(北海道、青森、新潟、富山、石川、福井、栃木、千葉、山梨、広島、岡山、香川、長崎、大分、熊本、鹿児島)で
すでに同様の意見書が可決されています。
各県議会が「足並みを揃えて」いることは、容易に想像できます。


そもそも昨年3月、鳩山元首相は朝鮮学校について、
「(朝鮮学校の教育課程が)日本の高校に類する過程なのか、何らかの客観的な基準を作る必要がある」としました。
(朝鮮学校の教育課程は日本の6・3・3・4制に合わせたものであるし、学校教育に類する教育を行うものとして、各種学校の認可を受けています)
そしてわざわざ第3者機関による「検討会議」を設け、
そこで出した結論を踏まえた「審査基準」なるものを正式発表したのではなかったでしょうか。
政治的な要素を抜きにして、外形的な基準を満たしていれば、朝鮮学校は「無償化」の対象とされるはずだったのです。


それなのに昨年11月末、朝鮮半島で起こった「砲撃事件」を理由に一切の審査手続きを停止しました。


そしてそんな国の理不尽な「方向転換」に倣って、
さまざまな地上自治体が朝鮮学校の教育内容にケチをつけてきているのです。

はっきり言って朝鮮学校の「無償化」除外を求める側の主張は本当に支離滅裂なものです。
主張でもなんでもない、ただの「言いがかり」。
それはいつでもコロコロと変わるような、恣意的でデタラメなものです。
でも、これがまかり通ってしまうのが、今の日本という国の現状。
こんな馬鹿げた現状に踊らされているのかと思うと、言葉をなくすとともに、本当に腹立たしいです。
「腹立たしい」という言葉では収まりきらないほどの感情があふれてきます。


朝鮮学校の教育が人権侵害だ、とか言っていますが、
「人権侵害」の言葉の意味、重みを知っているのでしょうか。
頼むからそんな言葉をたやすく振り回さないでほしいです。(里)




70歳の本名宣言

2011-07-23 09:00:00 | (淑)のブログ
 京都へ来ています。各地で台風の被害があったようですが、関東や東海地方に比べると京都はわりと穏やかな空模様でした。

 この間、本誌の取材とは関係なく、NPO法人京都コリアン生活センター「エルファ」にお邪魔しました。
 「エルファ」は、在日1世たちの受難の人生を、笑顔と喜びに満ちた人生に変えたいという想いから2001年に設立された介護福祉施設で、現在では高齢同胞支援の他にも障がい者支援、子育て支援、多文化共生事業、歴史保存事業など活動の幅を広げています。

 私が訪ねた日は20名ほどのハルモニたちがいらっしゃいました。おやつの時間で、ハルモニたちはおしゃべりをしたりマッサージをしてもらったり、はたまたヘアカットをしてもらったりと、思い思いリラックスする姿が見られました。ハラボジがご不在だったのは、ハルモニたちが男性と一緒に過ごすのを嫌がることから、男女で曜日を分けているため。スタッフの方は、家父長制の時代を生きたハルモニたちには過去のトラウマが少なからず残っているからではと、おっしゃっていました。また、女性より男性の生存者数が圧倒的に少ないことから男性利用者が少ないという理由も。男女混合の曜日もあるそうで、一緒の方が活気があるとも聞きました。

 おやつのあとはゲームの時間。チーム対抗戦のボーリング(お手玉を投げて、重しの入ったペットボトルを倒すというもの)で盛り上がりました。そして最後はやっぱり喉自慢大会。朝鮮民謡を歌い、オッケチュムを踊るハルモニたちはとても楽しそうでした。私も歌を請われ「蜜陽アリラン」を歌いました。

 本題に入ります。スタッフの方から聞いたお話です。
 エルファでは同胞高齢者だけではなく、日本人や外国人の高齢者も同じように受け入れています。
 1ヵ月ほど前、病院で「多文化交流が必要」と診断されたあるおばあさんが医師の紹介でエルファにやってきたそうです。日本名を名乗り、日本人としてエルファに迎え入れられたおばあさんでしたが、あるとき自分が朝鮮人であることを打ち明けてくれたそうです。「実は朝鮮人やねん」そうおっしゃったそうです。幼い頃両親を亡くしたハルモニは、7歳で日本人の家に里子に出され、15歳のとき養父母の勧めで35歳の男性と結婚。居候の身で拒否することなど到底できなかったそうです。それから半世紀以上、朝鮮人であることをずっと秘めてきたハルモニ。その痛みはどれほどか、容易に想像などできません。そしてハルモニから名前を奪い、日本人として生きることを強いてきた日本社会の罪は断じて許されるものではありません。スタッフが朝鮮名を教えるとハルモニは、「アボジがそう呼んでいた」といって大粒の涙を流したそうです。

 東京の同胞介護施設でも聞いたことがありますが、高齢同胞、とりわけ1世の中には生活や文化の違いから日本の介護施設になじめない方が多いそうです。今回エルファを訪ねて、1世たちが自分らしくいられる同胞介護施設の存在意義を改めて実感することができました。また、エルファでは年間約10人の1世同胞が亡くなっていると聞きました。設立から10年間で延べ150人が亡くなったそうです。異国の地で計り知れないほどの苦労をして民族の尊厳を守ってきた1世同胞たちのお手伝いをすることは、私たち若い世代の義務でもあると思います。日常的に携わるのは難しいかもしれませんが。

 エルファで自分の居場所を見つけたハルモニは「やっとぐっすり眠れる」といっているそうです。(淑)

「Fukushima50」

2011-07-22 10:32:30 | (相)のブログ
 本誌「イオ」7月号から始まった新連載、「被災地はいま」。宮城、岩手、福島など東日本大震災の被災地に住む同胞に原稿を依頼し、現地同胞社会の今の姿を伝えてもらうという企画です。7月号は宮城、つい先日出来上がった8月号には福島の様子が掲載されています。現在編集中の9月号は岩手からの便りになります。
 この連載は、被災地に住む同胞たちの声をより直接的な形で伝えたいという思いから始まったものです。文章がところどころ拙く、洗練されていなくても、現地で震災を経験し紡ぎ出した彼らの言葉は圧倒的なリアリティを持っていて、読むたびに多くのことを考えさせられます。

 被災地からの便りを読むと、取材の過程で出会った人々、起こった出来事なども思い出されます。
 今回は3月の宮城取材で出会ったHさんのことについて書きます。
 大阪出身で、現在は漁業に携わっている(本人からは、「漁師やってます」と紹介されました)Hさんは震災当時、仕事がちょうどオフの時期で、被災地の惨状にいてもたってもいられず、東北朝鮮初中級学校に駆けつけてきました。私が現地入りした(17日)翌日だったと思います。
 40代半ばで、大阪朝高時代はラグビー部に所属していたというHさん。体格も大きく、強面です。物資の積み下ろしや遠方の被災同胞訪問、炊き出しの手伝いなど、先頭に立ってフルに働いていました。
 Hさんに関して忘れられない出来事が一つあります。宮城滞在3日目の19日、救援隊に同行して気仙沼市に入ったときのこと。救援物資を持って同胞宅を回り、地域の日本の中学校に設置された避難所にも物資を届けました。
 一通り仕事を終えた後、津波被害を受けた海岸近くの一帯で写真撮影をしていた時。「ここにも避難所がありましたよ!」とHさんの叫ぶ声。道路脇にあった小高い丘を階段で上ると、その上には神社が。神社の境内は即席の避難所になっていました。「避難者を目の前にして、そのまま通り過ぎるわけにはいかない」。一行はすぐに車に戻り、積んであった食料品、灯油、医薬品などの救援物資を神社に運びました。
 学校や公共施設にある避難所とは違って、目立たない場所にひっそりと設置された避難所。震災直後の混乱の中で物資も決して十分ではありませんでした。「震災後初めて薬をもらった、本当に助かる」という被災者の涙混じりの言葉に、一同は言葉を失いました。
 
 Hさんのおかげで一行は、より多くの被災者を助けることができたというわけです。
 1週間に満たない滞在期間でしたが、強い印象を残したHさん。学校関係者と「今度、漁で取れた海産物を送りますよ」という約束も交わしていました。仙台では、仕事を終え現地を発つ人がいると全員で見送るのですが、Hさんが去る時の見送りはひときわ盛大でした。
 救援物資隊の陰に隠れてあまり知られていませんが、この間、Hさんを含め少なくない同胞ボランティアの方々が被災地入りしました。朝青員を中心とする正式のボランティア隊が結成される前です。Hさんには何度か取材を申し込んだのですが、「頼むから出さんといてくれ」と念を押されたので、今回のブログを通じてこっそり触れました。

 「Fukushima50」(フクシマ・フィフティ)。東京電力福島第1原子力発電所の危険な事故現場に残り、懸命の事故処理にあたった作業員、関係者らを海外メディアはこう呼んで賞賛しました(初期は50人だったようです。現在はもっと多いですが)。
 同胞社会にもいます、「Fukushima50」や「Yagiyama50」が。現地の専従活動家、同胞、各地から駆けつけたボランティアなど、当時も、そして今も被災地で懸命の同胞救援活動に従事する人々です。決して華やかなスポットライトを浴びることはありませんが、彼らの地道ながんばりがあってこそ復旧、復興への道が少しずつ開かれているのだと思います。
 今週の日曜(24日)、郡山市の福島朝鮮初中級学校で3回目の放射性物質除染作業が行われます。県外からも多くのボランティアが駆けつける予定です。参加者は過去最大規模になることが予想されます。
 そしてもう一つ。校庭の汚染表土除去作業において、朝鮮学校が行政の支援の対象から外されようとしています。未曾有の災難の最中にあって、人の命に値段がつけられ差別化されるという由々しき事態です。(相)

マンガのこと(ワンピースなど)

2011-07-21 09:00:00 | (愛)のブログ
最近の癒しの時間はマンガを読んでいる時です。
1年前までは同僚の文庫を借りまくって読んでいたのですが、
パソコン仕事の後に小さい文字を読むのが最近は苦痛で、ついついマンガに手がのびます。

実家には物心ついたころからマンガがあって、ドラえもん、ちびまる子ちゃんにはじまって、
うる星やつら、タッチなどなど、あらゆるマンガを読みました。
いまでも実家には500冊以上のマンガがあります。
実家に帰って、ベッドに寝そべり、猫が横でじゃれついて、
マンガを読んでいる時はまさにリラックスタイムです。

最近やっと魅力に気付いて「ワンピース」を読み始めました。
初めは絵が苦手で読む気がしなかったのですが、日曜のアニメで見ていて、
結構おもしろいかもと思いはじめ、同僚が持っているということで貸してもらいました。
読んでみると、これは革命の本なのか!?というくらい、おもしろい!!
(皆さま方は気付くの遅いよと思うでしょうけれど)

私個人的な感想ですが、特に16巻の「受け継がれる意志」の部分は
在日朝鮮人運動にもつながるところがあって、
漫画とは関係ない色んな想いが込み上げ、
涙なくては読めず、熱い気持ちになりました。

(ワンピースより、Drヒルルクの言葉)

人は いつ 死ぬと思う…?
心臓を銃で撃ち抜かれた時……違う 不治の病に冒された時……違う

猛毒キノコのスープを飲んだ時……違う!!!
…人に 忘れられた時さ…!!!


ただ言葉だけ並べると、陳腐ですが、まだ読んでない方はぜひどうぞ。
マンガで読めば、何倍も良さがわかります。そしてワンピースワールドに…。
私もまだ40巻くらいまでしか読んでいないので(現在は62巻まででています)、
ワンピース初心者ですが、これからがもっと読めるのが楽しみです。



さて、イオ8月号が無事完成しました!!
今月の表紙は「お風呂マットとうちわ」です。
そして特集は「夏バテ乗り切る! 朝鮮のスタミナ料理」!
あっつい夏を乗り切る様々な朝鮮のスタミナ料理が紹介されています。
イオのHPに写真がUPされているので、のぞいてみてください。
http://www.io-web.net/
そしてぜひ月刊イオ8月号をお手元に、この夏を乗り切ってください。(愛)


同胞の集まりと焼肉

2011-07-20 09:04:08 | (K)のブログ


 先週の土曜日(16日)、東京都江東区にある東京朝鮮第2初級学校で「高校無償化からの排除、助成金停止、教育における民族差別を許さない」と題されたシンポジウムがありました。
 東京朝鮮第2初級学校は、枝川の朝鮮人集落にあり「枝川朝鮮学校」という名で親しまれています。
 2003年に東京都から立ち退きなどを迫られ、多くの人々の支援の中で裁判闘争を行い勝利したことはよく知られています。裁判に勝った後、新校舎建設という大きな課題にも取り組み、今年4月には竣工式も行われました。

 この日のシンポジウムでは、裁判闘争で活躍した在日朝鮮人の金舜植弁護士と日本人の師岡康子弁護士が報告を行いました。

 金弁護士は、「高校無償化」から朝鮮学校だけが排除されている問題点とこの間の経緯について説明し、日本政府か繰り返してきた統一見解が「外交上の配慮などにより判断すべきでなく教育上の観点から客観的に判断すべきものである」というものであり、政治外交上の理由で審査手続きを停止させている今の状況は法的に許されないと語っていました。そして、このままの状況が続けば提訴に踏み切るしかなく、その準備を進めていることを明らかにしました。

 師岡弁護士は、「高校無償化」からの朝鮮学校排除が国際人権法とマイノリティの教育権の観点から見て、いかに不当なものであるのかを、「人種差別撤廃条約」をはじめさまざまな国際人権法を挙げながら説明しました。「日本は民族的マイノリティとしてアイヌのみを認め、在日朝鮮人を民族的マイノリティとしてその存在自体を認めてこなかった」と、日本政府のこれまでの姿勢を根本的に批判していました。



 シンポジウムはこのように非常に意義のあるものだったのですが、今日のブログの本題は、シンポジウムそれ自体でなく、シンポジウムの後に行われた焼肉です。
 会場となった東京第2初級には、地域の同胞やこれまで学校を支援してきた日本の方々が多く詰め掛けていましたが、告知にはなかったのに最初から予定されていたようで、主催者と参加者が集まって焼肉パーティーが行われました。



 とにかく、在日朝鮮人は焼肉が大好きです。この場合「在日」の部分が大事です。それと、七輪に炭で焼く焼肉。
 何か集まりがある、というと、すぐに七輪を出してきて(持っていって)、焼肉を始めます。新年会、花見、夜会、野遊会、海、山…ときりがありません。そして、その焼肉が、そこらへんの焼肉屋で食べるよりも美味い。

 今でこそ、日本人もバーベキューというものをやっていますが、私が子どものころ、海や川原などで焼肉をやっていると、日本人が羨ましがって眺めていたものです。虐げられ差別されてきた朝鮮人が、優越感を得るための、焼肉がひとつの手段だったのではないか、とも思ったりします。ともかく、苦しい生活を強いられてきた同胞同士が集まり、焼肉を囲みながら、酒を飲み、語り、歌い踊る空間が必要だったのでしょう。以前のブログでも書きましたが、根本には焼肉という食文化を生み育てた誇りが在日朝鮮人には宿っています。

 昔はみんな貧しかったので、そうそう家族で焼肉を食べに行くということはなく、七輪での焼肉が若い同胞だけの集まりだったりしたら、速い者勝ち、肉の取り合いで、まともに焼けた肉を食べるというのは至難のわざでした。

 ともかく、七輪をみんなで囲んで焼肉をつつくと、不思議な一体感が醸し出されるのでした。今も、「七輪で焼肉やるの」と聞くと、そんなに参加したくない集まりでも、「行ってみるか」という気持ちになったりします。炭をおこすのが上手い人は、それだけで存在感があったり…。


 七輪での焼肉パーティー、東京第2初級を守るための活動の中でも、ことあるごとに学校で行われてきたそうです。昨年12月には、旧校舎とのお別れ会でも校舎の中で行われ、もうもうと立ち上る煙のために2~3メートル先が見えないほどだったとか。

 ある同胞は、校庭でみんなが焼肉を食べることで、学校を守るための闘う人々の団結を強くし闘いのエネルギーを補給してきたと述べながら、「焼肉に釣られて集まりに参加し、そのなかで学校支援の活動に参加するようになった日本人も少なくない」とこっそりと語ってくれました。

 シンポジウムの後の焼肉も大いに盛り上がりました。何度も参加している日本の方は慣れたもので、自然に溶け込んでいます。この日は、日本の方が約3分の1はいたのではないでしょうか。

 場が盛り上がってきたところで、参加者が一人ひとり前に出て、自己紹介をしました。日本の方は、朝鮮学校や朝鮮人に対する思い出や思いをそれぞれ語っていました。

 立派な校舎は建ちましたが、「高校無償化」問題、地方自治体の補助金の問題など、朝鮮学校をとりまく状況は厳しく、安定した運営を続けていくことは容易ではありません。
 この日に集まった人々も、引き続き朝鮮学校のために汗を流したいと語っていました。
 これからも繰り返し、学校での焼肉パーティーが行われることでしょう。(k)

ヨガを体験しました。

2011-07-19 09:14:47 | (里)のブログ
みなさん、連休はどう過ごされましたか?
サッカー日本女子チームの活躍は、本当にすごかったですね。
私はとくに遠出することはなかったですが、実は、前々からひそかにトライしてみたいと思っていたことにチャレンジしました。
それは、、、


なんと、ヨガです。

1回限りの70分体験レッスンで、1000円でした。
今回ヨガをやりたいと思った理由は、ずばり「体を柔らかくしたかった」からです。
日ごろ運動不足なせいか、体が凝ったり、つったりすることがあって、
体を思いっきりのばしたい、と考えていたんです。
本格的な運動、よりは、初心者でも入りやすいといわれているヨガを選びました。
流行っているから、一度はやってみたかったんです。笑


ヨガはヨガでも、「ホッとヨガ」といって温度の高い部屋でそれこそ汗だくになりながら行なうヨガを体験しました。
まずはこの基本ポーズをしながら、呼吸の練習をしました。


それから、徐々にいろんなポーズをとりながら呼吸をしていくのですが、
これが結構難しかったです。
「呼吸を肩に送ってくださーい」など、
インストラクターのお姉さんがアドバイスをしてくれるんですが、
まず「呼吸を肩に送る」という言葉にまったくピンと来ず、
正直初めての私にはよくわかりませんでして…(^^;)
あと、ポーズそのものが難易度高すぎるものもあったりで。
こんなポーズもあって、いつのまにかヨガというより苦行のようになってました。

(腕がプルプルと震えていました。恥ずかしながら)

でも、70分は結構あっという間で、体をたくさん動かすことができました。
先程の山のようなポーズは私にはまだハードすぎますが、
自分に合うポーズ、やりやすいポーズもあり、やっぱり体験してみて良かったです。
私は体全体が伸びる感じがする、このポーズが好きでした。

片足で立つのはかなりのバランスを要しますが、いかにもヨガっぽくないですか??


でもここ2日間、ヨガによる筋肉痛に襲われています。
これからもマイペースに、体のストレッチをこつこつ続けたいと思います。
そうして、運動不足の埋め合わせをしていきます!
※画像はフリー素材画像をダウンロードして使用させていただきました(里)


スマートフォンを使いこなしたい~(淑)編

2011-07-16 09:00:00 | (淑)のブログ
 皆さんお気づきでしょうか。日刊イオのウェブデザインが新しくなりました。連日猛暑日が続いておりますが、せめて視覚で「涼」を感じていただけたら幸いです。

 今回は2週間前の(里)さんのエントリーに倣い、スマートフォンの話を。

 携帯電話をスマートフォンに変えて2年弱、現在使用しているのは4台目になります。新しい機種が出るたびに買い換えたのではなく、災難に見舞われその度に電話機がお陀仏になったからです(というか単なる不注意)。

 最初に手にしたのはiPhoneの3GS(ちなみにiPhoneは、iPhone3G、次にiPhone3GS、そしてiPhone4と進化してきました)。初代は1年も経たないうちに原因不明の故障。保障期間内であったため難なく無償で新しいものと交換してもらいました。その1週間後、真新しいiPhoneを紛失(ワケはご想像にお任せします)。このときは、友人が以前使っていたiPhone3Gを譲ってもらい、事なきを得ました。そして半年後・・・あろうことかせっかくいただいた電話機を水没させました(ワケはご想像にお任せします。その2)。そのときばかりはもうどうすることもできず、事情もあり早く新しいものを買わなければならなかったので、苦渋の選択でiPhone4を買いました。これにてiPhoneヒストリー了。

 さて、恥をさらしてしまいましたが、このスマ-トフォンにまつわるまったくスマートじゃない経験を経て知った機能もあります。
いろいろありますが中でも
「データが失われない」
 これに尽きます。
 携帯電話を紛失、あるいは故障してしまったときって、データの消失が一番ショックですよね。

 iPhoneはiTunesとリンクさせて使うのですが、同期するとPC上のiTunesにすべてのデータが保存されます。なので、端末紛失や故障の場合でも、直近に同期した日までのデータ(電話帳、カレンダー、メモ、画像、音楽、アプリ、ブックマーク・・・とにかくすべて)は元通りになるのです(すみません、基本ですね(汗))。また、同期する際、誤ってバックアップを初期化してしまっても心配ご無用。コンピューターと同じでiTunesには復元機能が備わっています。
 さらに、9月ごろ発表とされているOSでは上記のことをPCとつなげずにネットワーク上で処理できるので、すべてにおいてワイヤレスになるんだとか。

 こんな風にスマートフォンについて書いたり話したりすると、「はて自分はいうほどスマートに生活しているのか??」と自問したくなります。スマートフォンのおかげで短縮できた時間を有効に使ったのか?逆にスマートフォンを娯楽にばかり使って時間を浪費していたのでは?など。
 スマートフォンに限らず、文明の利器を積極的に取り入れ生活を豊かにするのもいいけど、よりスマートな生活を送れるよう、まずは自分自身の生活を振り返り改めることを日々心がけたいなと思います。(淑)

朝鮮代表団の訪日

2011-07-15 10:34:36 | (相)のブログ
 連日暑いですね。暑くて倒れそうです。そんな猛暑の中、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
 今回は、連日の猛暑によるいらだちをさらに増してくれるトピック、朝鮮民主主義人民共和国代表団の日本訪問について書きたいと思います。今月14日に東京都内で開かれたアジア・オリンピック評議会(OCA)総会に孫光浩・朝鮮オリンピック委員会副会長、張雄・国際オリンピック委員会(IOC)委員ら5人が参加しました。
 日本政府は2006年10月の朝鮮の核実験以来、「北朝鮮国籍保有者の入国を原則禁止」する制裁措置を続けており、5人に対しては「例外」としてビザを発行したといいます。日本側は入国を認めた理由として▼スポーツに関する会議は大きな意義を有する、▼国籍により出席を拒否した場合、OCA憲章に抵触し、日本が制裁を受けることもある▼朝鮮関係者が参加しなければ、総会の意義が減じられる、の3点を挙げ、「特別な事情が認められると判断した」(伴野豊外務副大臣、11日の記者会見)そうです。 
 成田空港に到着した張雄氏は、「今回のことは、特例や恩恵ではない」と述べ、日本政府が特例措置として入国を許可したことについて、「当然だ」と主張しましたが、私もそう思います。今回の件に関して「例外」、「特例」を強調しているところに、日本側の本心が透けて見えます。

 オリンピック憲章の第1章。「人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントに属することは相容れない」。
 続いて、アジア・オリンピック評議会憲章の第1章、第2条。「評議会またはどの加盟国も、ほかの加盟団体に対して決して差別をしてはならない。加盟団体の代表者、役員または選手は、肌の色、宗教または政治的な理由によりアジア協議会へのエントリー及び参加、または評議会の会議や委員会への出席に関して、いかなる支障、資格剥奪、負担、制限または条件も課されてはならない。加盟団体または資格を持つ代表者、役員、選手が大会や会議の開催都市を訪問する際、妨害されてはならない。この原則に故意の違反や侵害は、違反行為とされ評議会によってしかるべき処分を受けるものとする」。

 入国問題は以前に何度も浮上したことがあります。スポーツ選手も何度も入国を阻まれてきました。直近では昨年2月、女子サッカー東アジア選手権で、朝鮮代表の入国に当時の中井洽拉致問題担当相らが反対。最終的に入国は認められましたが、朝鮮側がこの間の日本側の対応を問題視し、結局参加しませんでした。
 今回は無事入国となりましたが、では、「評議会によってしかるべき処分を受けるものとする」という規定がなかったら、果たして結果はどうなっていたでしょうか。朝鮮側の入国を認めていたでしょうか。
 8日の産経新聞の「主張」の見出しはなんと「北IOC委員 入国は認めるべきでない」。わぁ、ここまで露骨に主張するんですね。たしか同紙は石原都政による五輪再誘致を支持していたはずですが、その五輪憲章を真っ向から否定するような暴論を展開しているのは一体どういう了見? しょせん産経新聞などの右派、排外勢力にとっては五輪の精神などどうでもよくて、制裁の方が大事なのでしょう。これからは産経の「オリンピックってすばらしい」的な報道には眉に唾つけて接しましょう。
 さらには、「自民党の拉致問題対策特別委員会で、『工作員がまぎれて入国する恐れがある。入国を申請する人物をしっかり特定すべきだ』(安倍元首相)との意見も出された」という報道にいたっては、あきれるほかありません。さすが安倍さんですね。
 そして、拉致被害者家族連絡会事務局長の増元照明氏のウェブサイトには、「北朝鮮に民間人はいない」(8日)、「一歩引いて、北朝鮮の政府高官(工作員)の入国をオリンピック憲章の下に招聘し、入国させたとしても、総連関係者との接触は断じて許してはならないはずだが、空港に出迎えたのは総連関係者であり・・・」(12日)などと変テコリンな文章のオンパレード。何の根拠で彼らが「工作員」だと名指ししているの? 総聯関係者と接触するのに一体何の問題が?
 彼らのような貧困な認識しかない人物が政府の対朝鮮政策や民間の世論形成に少なくない影響を及ぼしてきたことに不幸があると思います。

朝鮮籍での家探し

2011-07-14 09:00:00 | (愛)のブログ
最近、引っ越しをしようと色々家探しをしていました。
私は国籍が朝鮮籍なので、いろいろひっかかるのだろうかと思っていたのですが、
やはり一筋縄ではいきませんでした。

ネットで捜して問い合わせたりしていたのですが、問い合わせの段階で名前が外国人なので、いい物件があっても、
「お問い合わせの ○○○は現在もご紹介可能でございます。
但し、日本国籍を有する方のみご契約・ご入居出来る物件でございますので、申し訳ございませんがご了承下さい」
「当社にて現在外国籍の方へご紹介できる物件はございませんでした」
といって、一方的に返信されてしまったり。
朝鮮名を名乗っていても、日本国籍の場合もあるのに確かめもしないで、
こんな簡単に窓口で断られるんだ!と、実感しました。

それからも、いろいろ問い合わせても「朝鮮籍である在日朝鮮人」について、
ひとつひとつ説明しなくてはならなかったり、はっきり言って面倒なことが多かったです。

結局、同胞の不動産の方にアドバイスをもらい、
日本の賃貸業者のところに直接足を出向き、生まれも育ちも日本だということや、日本語もちゃんと話せることなど、
本来なら説明しなくてもよいことを説明し、
決して変な怪しい人ではないということを直接会って話して信用してもらい、無事家を見つけることができました。

日本で外国籍の人間が家を見つける場合、一人ではやはり大変だなと思い知らされました。
そして、そんな時なにより強い味方はやはりトンポ(同胞)だな~としみじみ実感させられました。(愛)

クーラーのおかげ?

2011-07-13 09:58:33 | (K)のブログ
 月刊イオの8月号の特集は朝鮮のスタミナ料理についてです。
 この猛暑を朝鮮伝統のスタミナ料理を食べて乗り切ってくださいということで、スタミナ料理をたくさん紹介しています。

 この間、サムゲタン、ヘムルタン(海鮮鍋)、チュオタン(ドジョウ汁)2回、ユッケジャン、犬料理3回などなど、取材やなんやと、いろいろと理由をつけて食べまくりました。
 そのせいか、今年も猛暑となっていますが、すこぶる体調が良くて、あまりバテていません。

 8月号では、猛暑を乗り切るためのスタミナ料理のレシピをいろいろと掲載しています。家庭でぜひ作って食べてみてください。


 昨年も今年も猛暑となっていますが、肌で感じる感覚として、確かに昔に比べると夏の暑さが増しているように思います。子どものころは35度になることはめったになかったし、同じ気温でも暑さはそれほどでもなかったように思います。

 クーラーが一般的に普及しだしたのは1970年代のはじめくらいでしょうか。クーラーをつけると確かに涼しいのですが、思い返してみると、夏の暑さが苛酷になっていったのは、クーラーがほとんどの家庭やオフィスに普及されてからではないでしょうか。家の中やビルの中を冷やすということは、それだけ外に熱気を捨てているわけですから、当然と言えば当然かもしれません。


 ところで、「電力不足」ということで15パーセントの節電が当たり前のようになっています。エネルギー使用量を減らすのは良いことですが、大企業など、15パーセントを節電することで、労働者にそれだけ負担を強いているわけですが、企業側は15パーセント分、電気代が浮くわけで、そんなに単純にはいかないとしても、その分よけいに儲かるわけです。ほとんどの場合、その儲かった分は労働者に還元することなく、経営者の利益になるのでしょう。
 何か腹が立ちます。

 もうひとつ、いまテレビを見ていると、画面の左下に「地上デジタル移行まであと○日」というような文字がデカデカと出ます。非常にうっとうしい。じゃまです。デジタルに変えることで、テレビを買い換えたりアンテナ工事をしたりと、なぜ利用者が負担を強いられないといけないのでしょうか?
 お察しの通り、まだ地デジ対応していません。画面の文字を見ていると腹が立ちます。(k)