goo blog サービス終了のお知らせ 

日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

大阪府代表の大阪朝高ラグビー部、コザ高校との初戦を圧勝

2012-12-30 13:13:48 | (K)のブログ


 30日の今日、花園近鉄ラグビー場で大阪第2地区代表である大阪朝鮮高級学校ラグビー部の全国高校ラグビー大会初戦(朝高はBシードのため2回戦から出場)が行われました。対戦相手はコザ高校(沖縄代表)。

 コザ高校のことを事前に大阪朝高の呉英吉監督に聞くと、「非常に強いチーム。フォワード、バックス共によく走る。これまでの沖縄代表で最強ではないか」と語っていました。
 接戦になるかと思っていたのですが、結果から書くと45対3と圧勝でした。朝からの雨は試合開始と共に強くなり、雨中の対戦となりましたが、雨は朝高にとって有利に働いたようです。

 強力フォワードが自慢の今年の大阪朝高。雨の中、フォワードがボールをキープして確実に前進していきます。試合開始早々の2分、趙隆泰選手(8番、3年)がトライを決め先制点を奪ったのがまた大きく、終始朝高ペースで試合が進みました。フォワードがモールを作り、そのまま相手ゴールになだれ込んでのトライが何度もあって(写真は前半18分のトライのシーン)、「力でねじ伏せた」という感じでした。
 この試合、府予選の決勝と違って、10番のスタンドオフには2年生の金典弘選手が起用されました。彼のキックが陣地を大きく前進させる非常に大きな武器となっていました。
 また、相手をノートライに抑えたディフェンスも光っていました。点差が開いたことで、相手の攻撃が単調になり、ディフェンスがやりやすかったということもあったと、呉監督は振り返っていました。

 雨の中、大阪朝高生徒をはじめ同胞たちがたくさん会場に詰め掛けて応援していたのも印象的です。


 呉監督もキャプテンの金大地選手も、「プラン通りの試合ができた。練習通りのプレーができた」と満足の様子でした。朝高は昨年はまさかの初戦敗退で、約2年ぶりの勝利。呉監督はほっとした様子でした。
 大阪朝高は大阪府の代表として戦っています。『高校無償化」から除外され、大阪府・市の補助金をストップさせられているけれども、戦っている生徒たちは大阪府の代表です。金大地主将は、「優勝して、われわれの存在を示したい」と語っていました。どんどん勝ち進んでほしいものです。

 今年の日刊イオは、これで本当に最後です。1年間ご愛読ありがとうございました。1月1日にまた大阪朝高の試合の結果について、ここで報告いたします。(k)

今年最後の更新…

2012-12-28 09:28:55 | (相)のブログ
 今年最後のブログ更新。何を書こうか。1年間の自分の仕事を振り返ろうと思っていましたが、今週に入って他の編集部員たちも同じような文章を書いているので、やめようか。う~ん…。

 今年の自分の仕事を振り返ってみるといろいろありました。
 1月には東日本大震災から1年を迎えようとする東北の被災地(宮城、岩手、福島)の各地を訪ね歩きました。その後、5月から8月にかけては朝鮮民主主義人民共和国を訪れました。
 ほかにも、日本国内で訪れた場所は数多く。数えてみると、今年仕事で訪れたのは東は岩手から西は福岡まで全20都道府県。ただ、3ヵ月の朝鮮訪問が間に入ったので、昨年と比べると少ないはずです。
 行く先々で自分の考えを裏切る現実に多く出会いました。いい意味でも悪い意味でも。
 自らが想像していた姿、書こうとした内容と矛盾するような事実に出会った時、自分はどうしたのか。見たくない現実から目を背けたのか、それを掘り下げ文章に反映させたのか…。
 ジャーナリストの故斉藤茂男さんが言っていたように、取材とは「事実を発見することによって一種の自己変革を起こさせる性質のもの」であり、「記者は事実によって鍛えられるしかない」のでしょう。

 自分の仕事ぶりを思い返すと反省の言葉しか出てこないのですが、取材に協力していただいた方々には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
 私たちを取り巻く環境はさらに厳しさを増すでしょうが、決してくじけず希望を失わず、自分がやるべきことをやっていきたいと思います。来年も月刊「イオ」を、そしてブログ日刊「イオ」をよろしくお願いいたします。(相)

2013年も!

2012-12-27 09:00:42 | (瑛)のブログ
2012年も残すところ、あと5日。

年末に日本と韓国で行われた選挙の結果を受け、在日朝鮮人という自分自身の存在について考えをめぐらすことが増えました。

この3年間、4、5世が通う朝鮮高校は高校無償化からはじかれ続けてきましたが、明々白々なこの差別が、いま現在も「朝鮮学校は北朝鮮とつながりがあるから、血税は出さん」というヒステリックな感情とともにまかり通っているからです。

民主党政権は、「審査再開」を決めるも、朝鮮高校への無償化適用を最後の最後まで決めず、政権を投げ出し、そして昨日、自民党の第2次安倍内閣が発足しました。沖縄へのオスプレイ配備について「沖縄に民主主義はない」という言葉を残した方がいましたが、在日朝鮮人には法律もまともに適用されない、というのが正直な実感です。

朝鮮学校の教育内容は偏った形で報じられ、それが人々の見方をますます凝り固めてしまった。権力をにぎった政治家たちが、社会的に立場の弱い朝鮮学校の子どもや在日コリアンをバッシングする――といった「先進国」では考えられない事態がまかり通る日本。「わが子が誇りを持てる民族教育を」と、朝鮮高校生やその保護者が声を振り絞り、「一刻も早い審査結果を」と訴えた声もむなしく、2012年は終わりを告げようとしています。

在日朝鮮人の1世は、日本の植民地支配の結果、日本で暮らすようになり、植民地支配時に自分の名前と文化を奪われた悔しさから、異国での民族教育を始めました。どんなに貧しくても、それが人間の尊厳を取り戻すために必要だということを骨身にしみて感じていたのが私たちの1世でした。

しかし今、日本では他国を武力と暴力で踏みにじり、植民地化したその歴史を隠蔽する多くの政治家が国会議員に当選しています。歴史認識がすっぽり抜け落ちた人たちを前に、私たちは、この差別と不条理をどんな言葉で伝えればいいのでしょうか。朝鮮学校への差別は日本とともに、アメリカ、韓国(特に軍事政権時)もその片棒を担いできただけに、問題は複雑です。

対朝鮮制裁とセットで在日コリアンへの人権弾圧を重ねた安倍政権に強い警戒感を抱きつつ、それでもこの失われた10年の間、イオの誌面に原稿、写真、エールを送ってくださった皆さんを思い出します。

朝鮮高校の無償化排除から2年を越えた今年7月。

イオは「高校無償化をあきらめない」と題した特集を組みました。巻頭の座談会に登場いただいた元日本学校教師の森本さんは、ご自身の発言が詰まったイオを100冊近く、仲間たちに配ってくれました。今も各地の朝鮮学校を訪れ、ご自身の「目」で在日朝鮮人の民族教育を学んでおられます。

確かなつながりを手がかりに、在日コリアンの皆さんの暮らしが少しでもよくなり、日本の皆さんと楽しい交流を重ねられるよう、2013年も温かいニュースを届けていきたいと思っています。
2012年もブログをご愛読いただき、ありがとうございました。(瑛)

重い思いを胸に1年を振り返る

2012-12-26 09:00:00 | (K)のブログ
 振り返ってみると、昨年末の金正日総書記の逝去から、あっという間の1年でした。これだけ速く過ぎた1年はこれまでになかったと思います。それは年を重ねるごとに月日が経つのが速くなるということとは関係なく、いろんなことが起こってばたばたと1年が過ぎていったという感じです。

 総書記の逝去にともなう行事や特別号の編集に始まった今年でした。金日成主席生誕100周年の行事、2年前から引き続いての「高校無償化」制度からの朝鮮学校排除の問題、そこから波及した朝鮮学校への補助金支給停止の問題、7月の新しい在留管理制度のスタート、日本社会では3.11の大震災、原発事故のことが解決されぬまま落ち着かず、夏にはオリンピックと同時期に独島問題、尖閣諸島問題が浮上してあわただしく、日本社会は政治が安定しないまま右へと傾き、そのまま年末のアメリカ、日本、韓国での選挙へと突入して、そんな結果が待ち受けていました。
 100周年を前後して、自分が行きたい気持ちを抑えつつ、久しぶりにイオ編集部から平壌へ2人の部員をそれぞれ3ヶ月間派遣したことなど、編集部内部でもいろいろとありました。

 今年の最初のころのブログに、「今年は良い年になるような気がする」というようなことを書いたと思うのですが、まったく逆になり、変な楽観は良くないなと、いま反省とともに振り返っています。
 先週の韓国大統領選挙の後、その結果と相次ぐ労働者の自殺に、正直なところ非常に気持ちがふさがっています。「自殺をしなくても」と海を隔てた日本で思うこと自体が何か罪悪感を感じてしまう。

 地球や太陽など宇宙の動きにとって、1月1日が他の日と何の変わりもなく特別な日でも何でもありませんが、人間にとっては一応新しい年が始まる日で、気持ちを切り替えられるという利点があります。
 世の中が好転する要素があまりありませんが、新年には気持ちを切り替え、世の中が良くなるようにがんばろう、良い雑誌を作っていこう、自分がやれることをやるしかない、今はそういう思いでいます。
 みなさんも、良い年末、新年をお迎えください。


 イオ編集部の仕事納めは28日です。日刊イオも28日で終了し冬休みに入るため、今年の私の担当も今日のブログで最後です。しかし毎年のことですが、12月30日に初戦を迎える大阪朝高ラグビー部の全国大会の試合の模様を、このブログで報告したいと思います。大阪朝高が勝ち続ける間は更新します。ご期待ください。(k)

今年最後のプレゼント

2012-12-25 09:00:00 | (麗)のブログ
昨日、近所の商店街にあるケーキ屋とチキン屋にはかなりの人の行列が出来ていました。
世間がクリスマスで盛り上がっているなか、私はと言うと今日中に80人ほどの写真を準備しなければいけないため、
100均でその写真を収めるカードケースを買いあさっていました。笑

さて、そんなクリスマスとなんら関係ない買い物をした私ですが、
今月、料理の撮影に行った際に料理を作ってくださっているオモニに、嬉しいクリスマスプレゼントをいただきました。

なんと、いただいたのは巨大な靴下です。笑
まずこういった靴下を久しぶりに見たのと、まさかこの歳になっていただけるとは思ってもいませんでした。

中身はたくさんのお菓子が詰まっています。
昨日はこれまた料理の撮影でいただいたサムゲタンを食べてクリスマスを味わいました!笑
今日はこのお菓子を食べ、クリスマスで賑わう世間と歩幅を合わせるつもりで一夜を過ごしたいと思います。笑


2013年最後のブログが自虐的な内容ですみません。
今年は大阪朝高ラグビー部の応援や、地元の友達ともたくさん会えるので、
それを楽しみに残りの仕事をコツコツとこなしていきます。

皆様、2013年も何卒よろしくお願いいたします。(麗)

1年間の料理撮影を通じて

2012-12-24 09:05:25 | (愛)のブログ
あっという間に2012年が暮れていこうとしています。
あと約1週間で2013年、新しい年ですね。
振り返ってみるとこの1年、個人的にはいろいろと変化があった年で、仕事的にも
イオで様々な取材現場にいったりと結構忙しく過ごしたように思います。
一番印象に残っているのは、今年は久しぶりに連載の料理取材を1年間担当できたことです。

一時は連載の料理取材に同行していた時期もあったのですが、諸事情で半年くらいなどしか担当できなかったりで、あとは担当ではなかったので取材に出向くことはそれほどなく、
おいしそうな料理を撮った写真でしかお目にかかれませんでした。
なので、今年1年は久々に毎月見た目にも体にもおいしい料理を撮影できたばかりでなく、
試食でたっぷりと堪能できたのがうれしかったです。
連載を担当してくださった金さんの料理は本当に体にやさしい、おいしい味なので、
ぜひ実際に作ってみてください!
イオWEBマガジンでも一部紹介しております。http://www.io-web.net/tag/panchan-yakushokudougen/

しかし、料理写真というものは本当に難しいです。
機材などがそろっていればそれなりに撮れるというのですが、
そんなたいそうな機材もないので、自然光とレフ版を使っておいしそうにセッティングをしてあれこれ工夫をして、毎回何パターンか撮ります。
(なので、編集部の料理撮影は天気に大いに左右されることが。。。)

毎回撮ってきた写真をみては、時にはうまくいったと喜んだり、こんなところが駄目だったな~と反省したり。
それでも私が入社したときはまだポジフィルムで撮っていたので、
そのときよりは気分的には楽になりました。
フィルムカメラで「じゃあ料理撮影がんばってね!」と送り出されたときは、並々ならぬ緊張で、
きれいに写ってなかったらどうしよ~といてもたってもいられず、
フィルムを現像所に早く取りにいったりと毎回ドキドキものでしたので。

今回1年間料理撮影を担当して、ますますカメラ撮影の奥深さに気づきました。
それと同時に料理の腕もあがれればいいのですが、そこはもうちょっとがんばらねば。

先週(麗)さんもイオの撮影会について書いてましたが、
時々はこういった催しも定期的にやって、よりカメラの腕をあげたいものです。
個人的にも2013年はカメラをもって定期的に散歩にでも出向こうかと思っています。
(これは撮影会の後に実家で取ったネコの写真)


2012年度の私のブログ担当分は今日までですが、
2013年度もイオの誌面でも、反映できるよう
よりパワーアップしていこうと思っています!

来年度のイオともどもよろしくお願いします!!(愛)



金剛山歌劇団特別公演を観ながら

2012-12-22 09:00:00 | (淑)のブログ
 今週火曜日、新宿文化センターで行われた、2012年を送る金剛山歌劇団特別公演(主催=同公演実行委員会)を観覧しました。
 今回の公演は特別公演ということで、金剛山歌劇団が2012年度本公演で披露してきた舞踊ミュージカル・春香伝やアンサンブル公演ではなく、この日限りのプログラムで、歌劇団員らをはじめ、同歌劇団元団員ら、民族楽器重奏団、同胞器楽演奏家、同胞合唱団など、総勢200名が舞台に上がりました。

 公演では主に、1960~80年代に朝鮮で創作された名作や、同歌劇団が歌い在日同胞から愛されてきた往年の作品群が披露され、観客を喜ばせました。女声重唱「春の歌」「乙女の歌」、男声重唱「稲刈りの時に」「愛する我が祖国」、群舞「箕の舞」などです。

 同歌劇団の元団員で現在は劇団四季でご活躍されるキム・スンラさんがサプライズで舞台に上がり、歌を披露するという一幕も。キム・スンラさんといえば、伝聞でしか知りませんが、歌劇団在籍当時は熱烈な追っかけがいたほどの人気俳優だったそうですね。私の両親や親戚いわく、朝鮮でもたいへんな人気だったそうです。同歌劇団の公演は物心つく前から観ている(らしい)ので、幼い頃に私も観ているはずですが、あいにく覚えていません。公演では、「アリラン」のアカペラに始まり、最後は団員らとともに歌うなど全3曲も披露し大サービスしてくれました。

 クライマックスは同胞合唱団とともに飾られた、合唱と舞踊「青山里の豊年」「大同江の日の出」でした。
 公演には、私の友人・知人も多数参加していましたが、ご友人の応援に駆けつけた方々も多かったと思います。同歌劇団と元団員、同胞たちがともにつくりあげた舞台。タイトルのとおり、2012年を締めくくるに相応しい華やかな舞台でした。

 公演中、来年にはこの素晴らしい舞台を南の同胞たちも、また観られるといいなと思っていましたが、大統領選挙は残念な結果となってしまいました。
 僅差で与党候補に軍配が上がった大統領選でしたが、在外同胞の投票結果では、文候補が朴候補を13.9パーセント上回りました。この結果が意味するところは何でしょうか。新大統領には国内だけではなく、植民地支配、分断に因り全世界に離散する800万の在外同胞も含めた朝鮮民族全体を視野に入れ、近視眼的ではない舵取りをしてほしいと思います。
 
 さて、2012年の日刊イオの私の担当分は今回が最後です。
 今年も「イオ」を応援して下さったたくさんの方々に感謝申し上げるとともに、来年もどうぞよろしくお願いします。(淑)

朴正煕は二度死ぬ

2012-12-21 09:58:48 | (相)のブログ
 既報のように、19日に投開票が行われた韓国の第18代大統領選挙でセヌリ党の朴槿恵候補が勝利した。
 若年層に圧倒的な人気を誇る無所属の安哲秀氏が出馬を辞退し、事実上、保革の一騎打ちとなった今回の選挙は75.8%という高い投票率を記録し、大きな注目を集めた。朴候補は過半数の表を獲得(50%)し、終盤猛烈に追い上げた野党・民主統合党の文在寅候補を下した。
 選挙戦終盤、安氏が文候補への支持を訴え、投票日直前にはもう一人の野党候補・李正姫氏が辞退、そして当日は前回・前々回を大幅に上回る投票率だったにも関わらずの野党候補敗北。「投票率が高ければ保守系候補が負ける」、「ソウルで負けたら落選する」、「40代有権者の得票率で負けたら落選する」という歴代の大統領選でいわれてきたジンクスは破られた。一昨日、昨日と各メディアの報道を流し読んだだけでも、進歩陣営の受けた衝撃や落胆の大きさを垣間見ることができた。
 友人・知人、職場など自分の周辺でも文候補当選を望む声が圧倒的だった。その期待は、出口調査の結果が発表と同時に悲鳴となり、朴候補当選確実の報が流れると失望に変わった。

 保守政権「第2幕」のスタート。彼女の大統領就任が韓国の政治史で持つ意味とは何なのか。
 今回の選挙を通じて、韓国社会で朴正熙元大統領の影響がどれだけ色濃く残っているのかを実感した。もちろん、彼女が「独裁者・朴正熙の娘」だからだめだとは思っていないが、彼女の政治家としてのキャリアが父親と切っても切れない関係であることは間違いない。彼女は父親の後光をフルに活用して政治家になり、その負の遺産を清算することなくここまでのしあがった。彼女の歴史認識はいまだ父の枠組みの中に閉じ込められている。
 そんな朴槿恵氏の勝利は、韓国社会が「朴正熙独裁18年」に対して事実上の免罪符を与えたと自分では思っている。たとえ彼女に対する支持が「朴正熙の娘」に対する支持ではなく彼女自身の政治力に対するものだとしても、このような解釈は大きく変わらない。今回の選挙を通じて、「独裁者の娘」のようなレッテル貼りは進歩勢力が選挙で勝つための手段としてはほとんど効力を失ったことが証明された。それは、今後も変わらないと思う。
 ただ、朴槿恵氏が大統領になるからといって、かつての維新体制のような世界も復活するなどとは思っていないが。
 
 朴正熙は18年間の抑圧統治で犯した無数の弾圧と悪行にも関わらず、いまだ韓国では「生きる神話」だ。朴槿恵氏にはこれを機に、30数年前に肉体的な死を迎えた父に二度目の「死」を宣言する役目を果たしてもらいたい。長らく韓国社会を規定してきた彼の思想と実践に「死」を与えるという役目を。もし彼女がそれをできないとしたら、「墓掘り人」を務めるのは誰になるのか。(相)

ファンキー末吉さんと「平壌6月9日高等中学校軽音楽部」

2012-12-20 09:00:00 | (瑛)のブログ


今朝は新年号にインタビューで登場いただいたファンキー末吉さんの本を紹介します。

ファンキーさんは、皆さんご存知、「爆風スランプ」のドラマーで「runner」などのヒット曲が懐かしく思いだされますね。なんとファンキーさんは2006年から平壌・6月9日高等中学校の軽音楽部の女生徒たちにロックを教える!というユニークな交流を手がけられました。

11月末に出版された「平壌6月9日高等中学校軽音楽部」(集英社インターナショナル刊)には、6年にわたる交流が描かれています。「アネゴ」「ボンボン」「末っ子」「部長」などのニックネームで生徒たちを呼び、彼女たちに難解なギターの奏法を教え、国語の先生や生徒たちの詩にメロディーをつけ、平壌初のオリジナルロックを作りあげる――。と書くとカッコいいですが、最初は楽器の修理から手がけるといった地道な作業から始められたそうです。

ちまたには「北朝鮮本」が溢れ、本屋に行けばそれが山積みにされていますが、人間同士の交流を描いたものは圧倒的に少ないです。

ファンキーさんはお話の中で、「生徒たちは人間を色眼鏡で見てはいけないと教えてくれた」「好きな人にいつでも会える時代を作りたい。彼女たちがきっとそういう時代を作ってくれるはず」と笑顔で「ロック交流」に希望を託されていました。

ファンキーさんは中国での生活が20年になり、社会主義国を見るご自身の「目」を持っているだけ、「朝鮮の市民社会」を語るその言葉もとってもリアルでうなずけるものでした。

10代の女生徒たちと、音楽を作り上げるという密な時間を過ごしたファンキーさん、もう10年も朝鮮に行っていない私はとってもうらやましかったです。そして、生徒たちとの魂の交流が描かれたこの本、笑って泣けます。

ファンキーさんのブログhttp://www.funkyblog.jp/で「물음표(クエスチョンマーク)」などの歌も聴くことができますし、新年号で本のプレゼントも企画したので、インタビュー記事を探してみてくださいね。(瑛)

月刊イオ1月号と劇団態変の公演紹介

2012-12-19 09:00:00 | (K)のブログ


 (愛)さんのブログでも書いていましたが、17日の月曜日、2013年1月号の月刊イオが完成しました。

 特集は「3世、同胞社会を語る」。民族教育やビジネス、法律、科学、料理、スポーツ、医療、芸術の各分野で活躍する同胞3世に登場していただき、自分自身の役割とビジョンを語ってもらいました。

 特別企画は「朝鮮のスイーツ」。ペッソルギ、ファジョンなど8種類の朝鮮の伝統的なお菓子とそのレシピを紹介しています。お正月に向けて各家庭で作っていただきたいと思います。

 お勧めの記事は、ミュージシャンのファンキー末吉さんに平壌でのロックプロジェクトについて聞いたインタビュー「平壌で出会ったロックな笑顔」です。平壌の子どもたちとの交流の話は心温まります。ファンキー末吉さんが出した本「平壌6月9日高等中学校・軽音楽部」のプレゼント企画もあります。

 新しい連載もたくさんスタートしました。
 表紙の写真と連動した「EYES TO KOREAN」は、毎月いろんなプロカメラマンが同胞社会を写真で切り取る企画です。「交差点」という連載は、日本の中の様々なマイノリティーからの提言を伝えるものです。同胞たちがどのようにして権利を勝ち取ってきたのかを振り返る「同胞権利ヒストリー」、朝鮮がどのようにして日本の植民地になったのかという歴史をひも解く「朝鮮、その時」、世界各国に住む同胞たちが発信する「Koreans@world」などの連載が注目です。

 1月号の取材のために1週間ほど大阪に滞在しました。こういうことは珍しいのですが、1月号は大阪の話題が満載でちょっとした「大阪祭り」になっています。大阪朝鮮高級学校創立60周年行事、大阪朝高ラグビー部が全国大会出場を決めた大阪府予選決勝の模様、大阪朝鮮学校支援のためのモアコンサートとずらりと並んでいます。同胞のお店を紹介する新連載「私の三ツ星」も大阪・生野区の「ふくまさ」を紹介していますし、「ウリハッキョ元気計画」も南大阪初級学校が登場します。
 月刊イオ1月号、大阪の皆さんは特に楽しみにしていただきたいと思います。もちろん、その他の地方に住む皆さんも。

 今回の大阪での取材で特に印象に残ったのが、これも新連載なのですが、独自の活動で注目を浴びる同胞を紹介する「発信力」(隔月)の取材でした。大阪を拠点に活躍する劇団態変の金満里さんを紹介しています。
 3歳のときにポリオにかかり下半身がまったく動かなくなるなど重度の身体障害をおった金満里さんがどのようにして劇団を旗揚げするようになったのか、劇団を通して何を発信しているのか、いろいろとお話を伺いましたが、誌面では10分の1も書けませんでした。

 そういうわけで、ぜひ金満里さん、劇団態変の舞台を生で観てもらいたいと思います。金満里さんのソロ公演は久しぶりに東京で行われるので、私も楽しみにしています。(k)

 以下、金満里さん、劇団態変の公演予定です。

●金満里 ソロ公演「天にもぐり地にのぼる」
監修:大野慶人/作:金満里

公演日時:12月27日(木)19:30/28日(金)19:30/29日(土)16:00/30日(日)14:00
料金:前売3000円(当日3500円)、学生・シルバー2500円、障害者・介助者ペア5000円
会場:新宿タイニイアリス(東京都新宿区新宿2-13-6-B1)
予約・問合せ:イマージュ/劇団態変(tel/fax:06-6320-0344 
e-mail:taihen.japan@gmail.com)

●劇団態変 第58回公演「ミズスマシ」
作・演出:金満里/出演:菊地理恵、金満里、楠木哲郎、小泉ゆうすけ、上月陽平、下村雅哉、向井のぞみ

公演日時:2月14日(木)19:30/15日(金)19:30/16日(土)14:00と19:30/17日(日)14:00
料金:前売3500円(当日4000円)、学生2500円、シルバー3000円、障害者・介助者ペア6000円
会場:アイホール(兵庫県伊丹市伊丹2丁目4番1号)
予約・問合せ:イマージュ/劇団態変

「イオ撮影会2012~in柴又、浅草~」

2012-12-18 09:00:00 | (麗)のブログ
先週、イオ編集部のメンバーで、「葛飾柴又」「浅草」のコースで撮影会に行ってきました!
撮影会は、編集部の「写真の向上」を目的に、これまで三回行われています。ちなみに、私と(K)さんと(愛)さんはすべて参加しています。

今回の撮影会では、イオのメンバーが全員参加することができたので、とても賑やかで楽しかったです。
当日は、雲ひとつない快晴! まさに撮影日和でした。
寅さんの銅像が建つ「柴又駅」に集合、全員が揃ったところで、(K)さんによる「じゃあ、撮ろか!」の声でスタートしました。

各自、出発点となる寅さんの銅像を撮り、駅近くの帝釈天へと続く参道へ足を進めます。
参道の入り口付近には、2010年イオ2月号「おみせnavi」に掲載されたレトロ感漂う外観の駄菓子屋さん「ハイカラ横丁」が。


「男はつらいよ」シリーズの舞台となった「とらや」。残念ながらお店は閉まっていました。


美味しそうなせんべいが並びます。


寅さんの似顔集? 「柴又の顔」と書かれています。


奥に進むと帝釈天が。


ここから浅草へ場所を移します。
有名な雷門と仲見世通り。平日にも関わらず、多くの観光客で賑わっていました。
 

たくさんの可愛い提灯。


今回の撮影会はお昼ごはん抜きで臨んだので、仲見世通りで漂ういい匂いに腹の虫が鳴りっぱなしでしたが、
(愛)さんが買ってくれた人形焼でなんとか空腹をしのぎました。


今日の記事では、普段より多めに写真をアップしましたが、当日はより多くの写真を撮りました。
普段デスクワードなので、たまにはこういう一日もいいですね♪ 久しぶりにリフレッシュ出来ました。

最後に、柴又と浅草には私の大好きな犬がたくさん散歩していたのでアップします。
なかでも柴犬が多かったように思います。やはり、こういった人情あふれる町には和犬が似合いますね。癒されました。(麗)
 

イオ2013年1月号完成など

2012-12-17 09:00:00 | (愛)のブログ
今日、イオ2013年度1月号が無事納品されました!!
今年の表紙は写真です。
去年まではイラストだったし、一昨年まではモノの写真だったので、
約3年ぶりの人物写真ということになります。

表紙の写真は新しい連載企画とも連動しているので、
ぜひお手にとって見ていただければと思います。
特集は「3世、同胞社会を語る」、特別企画は「朝鮮のスイーツ」、そして新連載も満載です!
どうぞ読んでご意見をお聞かせください。

さて、話かわって先週は慌ただしい1週間でした。
イオ1月号の校了日。
終わって、朝鮮人工衛星発射の延期のニュースが流れたと思ったら
次の日に見事打ち上げがあり、成功の報道。
そして、次の日にイオ編集部でカメラ撮影会の催しがあり、
忘年会で1年の労と人口衛星打ち上げを祝っての祝杯!
とまあ、濃密な1週間。

そして先週13日はふたご座流星群のピークでしたね。
私は私用があり、実家にて流星群を観察しました。
父と母も流星群すごいよ!という私の言葉に、ジャケットを着込んで観察。
母は4つ、父は16個もの流星をみるまで粘っていました。
冬空に星がきれいに映えて、何個もの流星をみることができました。
結構感動するもので、私は7つもの流星をみながら、心のなかで願い事を。。。
寒さに負けない感動を流れ星からもらいました。


そして、今日は金正日総書記逝去から1周忌をむかえる日です。
1年はあっという間ですね。
過ぎゆく1年をふりかえりつつ、新しい気持ちで新年をむかえられるよう
自分自身の中でもいろいろ総括したいと思います。(愛)




人工衛星と呼ぼう

2012-12-15 09:00:00 | (淑)のブログ


 既報のように12日、朝鮮民主主義人民共和国が人工衛星の軌道進入に成功しました。日本のメディアでは「人工衛星と称する事実上のミサイル」という長ったらしい「正式名称」が付けられていますが、(相)さんも書いていたとおり、私も衛星の打ち上げを成功させた朝鮮の科学者、技術者たちの努力と気概を称えたい。現在、世界の国々では衛星自体は50ヶ国以上が保有していますが、衛星を打ち上げる能力は10ヶ国しか保有していないそうです。単純にすごいことです。
 一昨日のイオ編集部の忘年会でも、花見のときの悔しい思い出(4月の人工衛星打ち上げと同じ日でした)を想起しつつ、喜びの祝杯を上げることができました。
 ですが、こうした出来事が起こった際に、朝鮮学校や子どもたち、在日朝鮮人に攻撃の矛先が向けられる現象が必ずついて回ります。手放しでは喜べない、私たちの置かれた状況です。喜びと反比例して、とくに小さな子どもたちへの不安は募ります。

 一方で4月と同じように、沖縄にはPAC3が配備されました。ニュースでは、人工衛星発射後「危険回避」のため沖縄の子どもたちが裸足で避難させられている映像が流れていたり、しきりに住民の不安の声を集めていました。選挙を控え、周到に演出された戦争ごっこを見ながら、6月に沖縄へ行ったときに、沖縄の方が話していた「沖縄の日常にはもっと危ないものがある」という言葉を思い出し、大いに鼻白んだ次第。4月のときもそうだったと聞いていますが、今回の衛星打ち上げの際も、危機管理情報を示す米軍基地の表示は、通常警戒レベルを指す「アルファ」のままだったそうです。
 先日、米軍はMV22オスプレイの「本格運用」を明らかにしました。「学校・病院など人口密集地上空の飛行を避ける」などとした日米合意無視の飛行が続いているにもかかわらず。またオスプレイパッドの建設が強行されている高江では、建設に反対する集落の人々が体を張って抵抗を続けています。
 オスプレイの沖縄配備を巡る時期、「本土」のテレビや新聞もこの問題を取り上げ、にわかに関心が寄せられたように思われました。しかし、相次いだ米軍による犯罪をセンセーショナルに騒ぎこそすれ、上記のような沖縄の住民らによる抵抗運動の様子をすくい上げるメディアは、ほとんどありません。何が「リアル」なのかを判断する材料すらも与えられない、人々の思考はますます貧弱化・画一化していくばかりです。
 とりあえず、「人工衛星と称する事実上のミサイル」なんていう舌がもつれそうな名称はやめて、「人工衛星」と正しい名前で呼ぶことから始めよう。(淑)

同胞3世の取材を通じて感じたこと

2012-12-14 09:37:36 | (相)のブログ
 来年1月号の編集作業も10日に無事終わり、「イオ」編集部では昨日、忘年会を催しました。今年1年を振り返るいろいろな話が出て、とても楽しかったのですが、毎年忘年会シーズンになると、「今年も終わりだなぁ」と感慨深い思いにとらわれます。

 さて、このたびの2013年1月号では「3世、同胞社会を語る」というタイトルの特集を組み、各分野で活躍する若い世代の人々を数多く誌面で取り上げました。
 私も企画の一部を担当したのですが、学ぶことが多い取材でした。私が取材したのは34歳から41歳までの男女3人。私と同世代で、企業経営、音楽などさまざまな分野で活動している人たちです。
 彼らに共通していたのは、自分のビジョンをしっかりと持って、常に未来を見据えて活動していること。そして、ポジティブで、決して内にこもらず目が広い世界を向いているということ(詳しい内容は1月号の「イオ」をご覧になってください)。
 そんな彼らの話を聞きながら、私も自分自身を振り返り、明日への活力を得ることができました。今は大変な時代で、われわれを取り巻く環境は苦しく、ともすれば狭い世界に閉じこもってしまいがちですが、こういう時こそ積極的に外に向けてアピールしていくべきだと感じました(もちろん、自らの足場はしっかりと固めつつ)。

 一昨日の12日、朝鮮民主主義人民共和国が人工衛星「光明星3号」を搭載した運搬ロケット「銀河3号」を打ち上げ、衛星の軌道進入に成功しました。決して恵まれているとは言いがたい環境の中でも衛星の打ち上げを成功させた朝鮮の科学者、技術者たちの努力に敬意を表しつつ、自分もがんばりたいと思います。(相)

朝鮮のスイーツ

2012-12-13 09:00:00 | (瑛)のブログ

 2013年の新年号では、ウリ料理研究家の安玉順さんの手引きを受け、「朝鮮のスイーツ」を紹介しました。朝鮮のスイーツといえば、読者の皆さんは何を連想されますか? 今流行りのパクピンス、ホットクでしょうか。

 朝鮮半島に伝わる伝統菓子は、お餅だけでも200種類以上を超えるといいます。1月号では、蒸して作るシルトク(ペクソルギ、写真)、こねて作るソンピョン、搗いて作るインジョルミ、ゆでで作るトクスダン、焼いて作るファジョン―といった5種類のお餅を、伝統菓子はタシク、カンジョン、ペスクを紹介しました。

 例えばお祝いの席を飾るシルトクですが、蒸し器を用意して、材料は米粉、グラニュー糖、塩、水のみ! もちろん、水かげんや蒸し加減が難しいところですが、安先生のそばで見ていると、「私にもできるかも?」という気持ち(錯覚?)が沸いてきました。そういえば中学のときにお菓子作りに一時熱中したこともありました…。

 今回、感動を覚えたのは朝鮮半島に伝わる伝統菓子の豊かさです。お餅ひとつをとっても、朝鮮では、もち米粉、うるち米粉はもちろん、それらを混ぜたり、アワやヒエなどの雑穀、カボチャやトウモロコシなど季節の野菜も素材にしたそうです。

 文献を読んでいくと、朝鮮時代から宮廷だけではなく、庶民たちもお菓子を楽しむようになったという記述もありました。お米を揚げて作るカンジョンというお菓子については、庶民の中で、米が跳ね上がる高さを競った遊びもあったといいます。おなじみのソンピョンは、チュソク(秋夕)だけでなく、陰暦2月1日のイルクンナル(일군날)にも食されたとか。この日、農民は小豆で作ったソンピョンを食べ、一年の農業の始まりといえるパッカリ(밭갈이:畑を耕すこと)に精を出したといいます。

 日本にも十五夜にはお団子、七五三では千歳飴…といった楽しみ方がありますが、朝鮮半島にも季節や行事ごとに美味しい料理やお菓子が登場します。いつの時代も、美味しいものは人々を楽しませてくれますよね。

  他にも、ソンピョンはソウルでは小さく作り(品よく、ということでしょうか)、そのほかの地方では大きく作るという話も興味深かったです。とにかく、お菓子の種類が多いのは、地方ごとに味わい方や楽しみ方が違ったからだと感じました。

  朝鮮のお菓子といえば、8年前、息子の백날맞이(生まれて100日のお祝い)のときにシオモニが差し入れてくれたシルトクの美味しさにビックリしたことがあります。そのシルトクとは、川崎桜本にある朝鮮惣菜屋「安本商店」のもので、小豆入りのシルトクは、できたてで温かく、甘さも絶妙でした。

  何でも買える時代ですが、手作り、作りたての美味しさにはかないませんよね。

 来週に刷り上る予定の新年号の「朝鮮のスイーツ」レシピで、クリスマスケーキならぬ、クリスマスシルトクはいかがでしょうか?(瑛)