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南の市民団体が朝鮮学校訪問、文科省への要請、「金曜行動」へ

2019-06-12 10:00:00 | (全)のブログ


 朝鮮学校差別の解決に取り組む南の「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」「全国教職員労働組合(全教組)」(「全北(全羅北道)キョレハナ」などのメンバーで構成された「朝鮮学校差別反対!高校無償化適用要求!金曜行動12次訪問団」(37人、以下、訪問団)が、6月6~9日にかけて来日し、都内各地の朝鮮学校を訪問。7日には参議院議員会館を訪れ、関係省庁に要請を行った後、「金曜行動」に参加しました。

 6日、成田空港に到着した訪問団は東京朝鮮第1初中級学校(荒川区)を訪問。同校児童・生徒らは、運動場で体操を、体育館で公演を披露し訪問団を歓迎しました。


 訪問団の南の市民たちは公演を観覧しながら、異国の地でのびのびと育つ朝鮮学校の子どもたちの姿にこらえきれず涙をこぼしていました。


 公演後は、訪問団のメンバーと生徒らが一つの円になり、互いに手をつなぎ、時には肩を組み、統一ソングをともに歌いました。

 
 訪問団は7日には、東京・永田町の参議院議員会館を訪れ、文科省、法務省、外務省の担当者らに要請を行い、朝鮮学校に対する差別を撤廃するよう求めました。


 安倍首相と文部科学大臣宛の要請書では、日本政府と文科省に対し、▼日本の憲法、国際人権規約、国際児童権利条約に背く朝鮮学校への差別的措置を撤回すること、▼国連社会権規約委員会などの勧告に従い、一日もはやく朝鮮学校生徒たちに差別無く「高校無償化」を適用し、教育補助金中止を促す通知を撤回すること、▼朝鮮学校の生徒たちの教育権を侵害する一切の行為を打ち切り、生徒たちを威嚇する「在特会」などの右翼団体に対して規制措置を取ること、▼過去の植民地支配に対する深い謝罪とともに在日同胞への差別政策を直ちに撤回し、朝・日関係の正常化を図ることを求めました。

 全国教職員労働組合(全教組)のチョン・キョンウォンさんは、「日本学校と外国人学校に『高校無償化』が適用されるなかで、朝鮮学校だけが除外されている現状を見ても本当に差別が無いといえるのか」と質問すると、文科省担当者は、「朝鮮学校が適用要件に満たなかったので無償化の対象外となった。決して差別ではない」と答えると、その人権意識の低さに支援者からは「話にならない」「良心があるのか」と怒りの声が飛び交いました。

 要請後、私も議員会館から虎ノ門の文科省前まで移動する訪問団のバスに同乗させてもらいました。移動時間に、市民たちは「金曜行動」で学生たちとともに歌うため、「声よ集まれ歌となれ」のメロディーと歌詞を懸命に覚えていく、その姿が印象的でした。


 雨が降りしきるなか、訪問団は文科省前で東京朝高生や朝鮮大学校学生、朝鮮学校のオモニら約130人とシュプレヒコールを叫びました。


 「金曜行動」後、訪問団は日比谷野外音楽堂で行われた集会とサウンドデモ「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を!」に参加。サウンドデモで訪問団は、「朝鮮学校差別反対」と書かれたカードを掲げ、日本市民らとともに日比谷から東京駅までを行進しました。



 
 京畿道で教員を務めるチェ・ムンソンさん(32)は、「朝鮮学校の子どもたちとウリマル(朝鮮語)で交流しながら、私たちは同じ民族であり、これからも共に歩んでいく存在だと改めて実感した」と子どもたちと触れ合った感想をのべながら、「教育者として韓国の子どもたちに、日本で差別とたたかいながら暮らす同じ民族の在日朝鮮人という同胞がいるということを教えていきたい」と思いを話しました。

 私は東京第1初中、文科省要請、「金曜行動」、集会とサウンドデモのみの同行となりましたが、朝鮮学校を訪問し、子どもたちと触れ合いながら未来への明るい希望を実感する訪問団のメンバーの表情や言葉に勇気をもらいました。出会いに恵まれ、充実感に満ちた取材期間でした。(全)
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