ゲオルク・フィリップ・テレマン 通奏低音の練習 -歌いながら、弾きながら- | |
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シンフォニア |
リコーダーを吹く人はもちろんでしょうけど、バロック音楽を演奏する人たちにとってはG.Ph.テレマンはなじみ深い人だと思います。テレマン自身、リコーダーの名手だったこともあり、また、多作家で、作った曲は6000以上とも言われています。そのテレマンが書いた、通奏低音の勉強のために書かれたのが本書。
私はトラヴェルソを吹いていて、通奏低音となるチェンバロとかリュートとかが弾けないのですが、演奏する上で通奏低音についての知識はある程度必要と思われます。本書は楽典(といっても長調とか短調について、とか音程の数え方、といった基礎的なこと)を身に着けた初心者のための本なので、またバロック時代のその人の書かれた本なので、持っておいて損はない本だと思います。もちろん、チェンバロを始めたような人にはもっとおすすめされるでしょう。
歌に対する伴奏としての通奏低音の解決例集でもあるので、テレマンの歌曲集としての価値もあります。
器楽曲の作曲者としてのイメージが強いテレマンですが、歌曲についてもたくさん作っているので(カンタータとか)、テレマンの一面を知るにもいいかと。
ちょっとお高いかな、とは思いますが、それぞれの曲にはテレマン自身による注釈がつけられており、当時の楽典に対する考え方も触れることができるので、十分に価値はあるでしょう。