ブラジルに世界各国から移民した人々は、色々な土地からやってきている。でも、特定の地区の出身者が、その国の代表的な移民史の一つを作っていることがある。例えば沖縄県出身の人がブラジルに多く移民してきた逸話があるように。
移民の出身地が、世界の観光地でも有名どころでもない土地のこともある。そんな場所でも、グーグルマップは垣間見ることができる。ストリートビューまでは見られない所も結構あるけれど、少なくても観光でおなじみの土地は割合見ることができる。
グーグルマップは、行ったところのない土地や日本の懐かしいところまで見ることができて、ほんと、若者が国外に出たくなくなった人が増えているというニュースの背景にある気持ちも分かるように思い始めた。
高いお金を払って危険を覚悟で短期間の外国旅行をするよりも、グーグルマップでも見て、その国の料理のレシピでも見ながらなんちゃって料理を手作りして、同じ文化を共有できる気の置けない仲間と家で食べながら、海外旅行したような気分になるのも一つの方法だと思う。その方が人間らしいアットホームな過ごし方にも思う。もちろん、平和で食べるのに困らないという社会背景が前提にあるからできることだけれど。
南米、西欧、東欧、東南アジア、アフリカなど、色々な国をグーグルマップで見たら、確かにそれぞれの特徴があるのは間違いないけれど、ブラジルに慣れてブラジルの色んなものを見ていると、どこの国の建物の雰囲気も、ブラジルのどこかで見たような、そんな気がしてきて、違和感を感じないようになっている自分がいた。ちょっとごてっとした西欧のデザインでも、雑然とした東南アジアの通りや南米各国の雰囲気でも、旧ソ連ののっぺんとした集合住宅でも、ブラジルのどこかでそのちょっと真似たような物を見た気がする。
世界各国の人の顔もそうかもしれない。ブラジルにいてから色んな国に行くと、そのような顔をブラジルでも見たような気がする…なんてことになりそうに思う。全く同じではないけれど、面影と言うものを感じられる顔にブラジルで既に出会ってしまうことに起因する。皆世界のどこかからやってきて、先住民や色んな人種や民族と混血してブラジル人になっているし、同じ民族同士の子どもでブラジル人の人もいる。
ブラジルの色んな混沌とした各種風景を基にすると、もっとも違和感を感じるようになるのが、一番体に染みついている日本の人工美の風景に思う。自分でも信じがたいけれど、きれいに整った感じがドイツのきれいな整った感じよりも、ブラジルの風景からだとやっぱりエキゾチック感は高い気がする。
「BENTOYA弁当屋」