ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『交渉人 真下正義』

2005-04-26 00:01:49 | 新作映画
------これって『踊る大捜査線』のスピンオフ企画だよね。
どうだった、これもヒットしそう?
「う~ん、分からないな。織田裕二はおろか、深津絵里も出てないからね」
------でも、映画のトーンは同じなんでしょ?監督も同じだし。
「そうなんだよね。結局は刑事アクション。
交渉人の話と言うから
サミュエル・L・ジャクソンVS.ケヴィン・スペイシー『交渉人』を期待していたら、
途中からエディ・マーフィの『ネゴシエーター』になっちゃった」

------どういうこと?
「うん。つまり交渉人である真下正義と犯人の頭脳の駆け引きに徹しきれず、
アクション・エンターテイメントになってしまったと言うことなんだ。
物語は地下鉄の実験車両を乗っ取った犯人が交渉の窓口に
真下を指名したところから始まる。
この犯人はネットで車両を遠隔操作。
ときはクリスマス・イヴ。
同時に自動運行システムも麻痺し、
乗客200万人が人質になると言うモノなんだ」

-----ほほう、オモシロそうじゃニャイの。
「ところが、どうもこのあたりのテンポがよろしくない。
地下鉄司令室に乗り込んだ真下ら交渉課準備室を
指令室長が快く受け入れてくれないのも型どおり。
しかも困ったことに、周囲のキャラクター設定が大げさ。
彼の相棒として地上で動き回る警視・木島がうるさすぎる。
その上、この木島はすべてカンで行動し、
最後には真下もカンに頼ってしまい、
知能と知能の駆け引きや心理戦ではなくなってゆく」

-----今日は少し、手厳しすぎニャい?
「でも犯人の真の目的が別にあることが分かってからは、
ある程度以上のレベルのサスペンスにはなっていたけどね。
もっともこういった緊迫刑事ドラマは日本のお手の物。そう珍しくはないかな。
ただ、犯人が出す謎に『ジャガーノート』『オデッサファイル』
『愛と哀しみのボレロ』といった映画を使うんだったら、
それらの映画に挑む意気込みを見せてほしかった。
『ジャガーノート』はそのクライマックスで、
爆弾魔が仕掛けた爆弾の爆破に繋がるのは
赤と青、2本の線のどちらかということをめぐり
犯人と爆弾のオーソリティとの間に息詰まるやり取りがある。
この映画では爆弾に数本の線が繋がっているけど、
それもカンだけでクリアーしてしまう。
あれもこれもと
詰め込みすぎてもったいない映画になってたね」

-----でも、夏前にクリスマス・イヴの映画ってニャンかすごくない?
「そうなんだよね。この勇気(?)は買いたいね」
(byえいwithフォーン)

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猫ニュー

※今日、鉄道の大事故が起きました。
この映画の公開延期もあるかも知れません。