真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「隣のお姉さん 感じる肉体」(2004/製作:レジェンド・ピクチャーズ/監督:高原秀和/脚本:吉田由衣子/プロデューサー:江尻健司/撮影:小山田勝治/出演:佐々木日記・涼・本橋由香・柳之内たくま・佐藤幹雄・荒川仁彦・広世克則)。少し目を離してゐた隙に、佐々木日記はすつかりお姉さん(ユメカ)に似て来た。
 由貴(佐々木)が、部屋に彼氏(荒川)を招く。テーブルの上には、食べ切れない程の沢山の料理、やがて二人はセックスを始める。薄い壁を通して、隣室に住む光二(柳之内)はその模様に耳を傾ける。由貴は、部屋に上司(広世)や元カレ(佐藤)も招いてはセックスする、光二はそれも聞いてゐる。ある夜、由貴が元カレと歩いてゐると、そこに元カレの今カノ(本橋)が現れ、俄かに修羅場に。光二が、偶々そこに通りがかつて巻き込まれる。朝に夕に由貴と顔を合はせる光二はお隣に、すつかり声は洩れてしまつてゐることを伝へる。光二の部屋に、女(涼)がやつて来る、女は光二に惚れてゐた。が、光二はどうしても由貴のことが気になつた。セックスするものの、結局光二は女には付き合へないと告げる。今度は由貴が、隣室からその始終を聞いてゐた。由貴は彼氏からプロポーズされる。未だその気はない、といふかよく判らない由貴は戸惑ふ。光二は由貴に尋ねてみる、彼氏が居るのにどうして他の男とも寝るのかと。由貴は、彼氏のことは好きだ、元カレのことも好きだ、上司のことも好きだ。でも、彼氏のことも、元カレも上司も好きではない。結婚もしたいし子供も欲しくない訳ではないが、由貴には、好きだといふことがよく判らない。
 上司が、由貴に使はうとジョイトイを買つて来た。由貴は、途中で気分が乗らなくなり、上司を帰す。相変らず、由貴の部屋には元カレが転がり込んでゐる。特にすることもなく、腹も減つてゐないからとセックスする。由貴は、元カレとはもうセックスすることをやめようと思ふ。元カレを帰さうと玄関まで送り出しかけたところ、彼氏がケーキを買つて訪ねて来る。三人で話し合ふことを提案し、彼氏は由貴に別れを告げる。結局、何とはないままに由貴と光二とは付き合ふことになる。付き合ひ始める前に、由貴は殴らせて呉れ、と光二をグーで殴る。
 かういふ、何となくダラダラした物語がダラダラしたまま展開してダラダラしたまま終つて行く、その割には妙に高い緊張度を保つたまま最後まで見させてしまふ、不思議な一篇であつた。今岡信治の作品のやうな、とでもいへば少しは私がこのVシネに感じた肌触りも伝はるであらうか。一体誰が撮つたのだらうと思つてゐたら、驚くなかれ―驚いてゐるのは俺だけか―高原秀和であつた。
 高原秀和といへば、十八年ぶりのピンク復帰作「制服美少女 先生あたしを抱いて」(2004)では気負ひ余つたのかすつかり仕出かしてしまつたことも、個人的には記憶に新しい。少々調べてみたところ、「制服美少女~」の封切りと今作のリリースとは、殆ど同時期にある。ほぼ同時期に前後して撮つてゐた、と思つて概ね間違ひあるまい。脚本を他に迎へ、本篇ではなくしてVシネだといふことで肩の力を抜いて撮らせてみたならば、斯様に瑞々しいものが依然撮れる、とでもいつたところなのであらうか。さうであるならば、興味深い一作ともいへる。

 ただひとつだけ個人的に残念なのは、元カレの今カノ役の本橋由香。メガネで背が高く、個人的にはホームランコースのド真ん中であるのだが、残念ながら出番は夜の公園で痴話喧嘩を繰り広げる場面のみで、濡れ場は見られなかつた、見たかつたのに   >ストレートにも程がある


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