京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

ひらがなまじりのあたたかさ

2016-05-02 08:19:09 | 日記
  ひらがなまじりのあたたかさ
           金澤 ひろあき
 雪が多い日々の中で、少し晴れ間が見える。そんな三月の春先に、青島さんのご好意で、滋賀県南部を巡ることができました。
 参加者は、内薗さんと三村さん。山科に集合。一番楽しみにしていた二神さんは、前日より体調が悪く欠席。残念です。
  元気者欠席通知冴え返る        ひろあき
 湖西の堅田から琵琶湖大橋を渡り湖南へ。今回は近江八幡が中心です。近江八幡は、信長が本能寺で死んだ後、豊臣秀次が安土の城下町を移して作った町だとか。秀次は後継者問題に巻き込まれ殺されますが、町は残り続けます。
 昔のお城の堀が、船便を発達させる運河に変わり、水運を使ってけっこう繁栄したようです。今は堀めぐりの観光舟が出ています。皆、早春の船旅を楽しみます。
  柳の芽安南シャムへ船着き場      ひろあき
 安南は今のベトナム。シャムはタイ。そこまで交易に行った商人もいたそうです。今はそのかわり元気な鴨が一羽、泳ぎまわっています。
  鴨元気八幡堀の船着き場        ひろあき
  うららかな会話陸から舟の客      同
 運河ぞいの道の所から、皆さん舟の客に向かって船着き場の場所をたずねて来ます。この後、乗るんでしょうね。春先の舟ですので、ちょっと寒い。体が冷えたところでお昼です。
 日牟礼(ひむれ)八幡神社近くの「たねや」という和風のお店に入ります。
  店番は近江古風のひな人形       ひろあき
 みそ味のうどんというのが変わっていました。前と後にしっかりとお菓子もついていて満足です。
 琵琶湖の風景を堪能したいので、長命寺に行くことにしました。「長命寺」、その名の通り、長生きの御利益があるのでしょうか。湖ぞいのものすごい山の中に建っております。上まで車で行けると聞いていたのですが、道は狭いし、車どうしがすれ違う時が大変。さらに駐車場から本堂まで、ちょっとした石段が待っていました。足の弱い内薗さんを、両脇から三村さんと青島さんが二人三脚のように支えて登らせて行きました。それでも内薗さん、独りで勝手に行こうとして、皆が目を離した隙に、一回すってんころりん。勝手に動いたらあぶないですよ。
  残雪やでかいしりもち押印す      ひろあき
 イヤ、大変な山登りでした。雪も少し残っていて、滋賀はさすがに寒いです。
 山から下りたら、滋賀の名族・佐々木源氏ゆかりの沙々貴神社へ。ここは境内全体が花のつく植物をたくさん植えていて、一つ一つに名札がついています。親切ですね。ろう梅の香りが風に乗って来ます。
  ろう梅とひらがなまじりのあたたかさ  ひろあき
 そこから佐々木氏ゆかりの観音寺城跡が大きく見えます。といっても、もう城はありません。神社の庭のあちこちに、まんさくの花が渋い色を見せています。 
  まんさくや敗れし者の城の跡      ひろあき
  まんさくの忘れがたみや城の跡     同
 観音寺城は信長によって破られ、佐々木氏の近江支配は終わりを告げます。
 帰り道も同じコースで、堅田の浮見堂に、しまる寸前にとびこみます。千体の阿弥陀様をまつる、湖の上に建つお堂です。芭蕉もこの地に来て遊んだことになっています。雨模様になって来て、湖上もなんとなくさみしい夕暮れ。
  帰るのをうながす鴨の声一つ      ひろあき

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