京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

フリー句「相合傘」の巻

2022-05-30 07:49:20 | 俳句
フリー句「相合傘」の巻
相合傘に焦がれる娘に嫁姑の軋轢説くお父さん 巡紅
揺れ心地 無理に作った笑い顔      ひろあき
誰しも心に鬼や獣を飼っている      巡紅
泥の中より蓮華一輪純白に        ひろあき
何処にいても日は沈み昇る        巡紅
地のはてまで草原遊牧民の人生      ひろあき
シベリアの山火事放置プレイとは     巡紅
*ウクライナ侵攻でロシア軍が消火活動出来ず昨年の2倍の被害が出ている。
愛宕札貼った町屋は健在で        ひろあき
※幕末の動乱で燃えましたが、以後火に気を付けて健在な京町屋。平和と暮らしは密接ですね。
水田や街灯映す夜明け前         巡紅
棚田には億光年の星の海         ひろあき
引越しの日渡せなかったオルゴール    巡紅
※この句、ある大切なひととの別れを思い出し、疼きを覚えました(ひろあき)
穴があいた胸の影が長い         ひろあき
ばっさりと髪切った乙女の新体操     巡紅
定まった視線の中に見える意志      ひろあき
剣交え一歩も引かぬ騎士と騎士      巡紅
薔薇の戦争最後は結婚して終わる     ひろあき
※英国の故事より
この子も兵士にする紛争絶えぬ地域の村  巡紅
薄幸の名背負う星の輝いて       ひろあき
地雷の上を歩かされる名もなき子    巡紅
若葉から滴る雨は誰が涙        ひろあき
対岸の火ではないウクライナ      巡紅
パンドラの箱の希望を信じたし     ひろあき

青葉の安祥寺

2022-05-29 09:31:45 | 俳句
青葉の安祥寺
           金澤ひろあき
 若葉に染まった山科の疎水べり。雨も上がりました。
 小さな橋を渡ると、安祥寺があります。小さな門に入ると、森が広がります。森の中に観音堂が佇んでいます。この観音堂にも入れます。
 ここの観音様は十一面観音です。金銅仏のように輝いていますが、榧の木の仏だそうです。左手に壺をお持ちのきれいな仏様です。白山ゆかりの泰澄の作とか。観音様の左右を四天王が護っています。
 山中には竜王の社、地蔵堂、多宝塔の跡。多宝塔は、明治の頃、火事で失われたとか。美しい多宝塔だったようです。惜しい。
  静かな若葉の中、ゆっくり流れる時がありました。
  観音の古色青葉の安祥寺 ひろあき


薬師仏

2022-05-27 07:49:10 | 俳句
薬師仏
              金澤ひろあき
 最澄が彫られた薬師仏は素朴な感じがしました。
 といってもそれは比叡山根本中堂の秘仏で見ることができないのですが、写したものが京都の長源寺というお寺に伝わっているのです。その仏像に京都国立博物館でお目にかかりました。額が狭く、青年の顔立ちをしえいます。
 同じ薬師仏でも、神護寺のような力強い表現とは違います。
 日野法界寺の薬師仏も見ることができました。昔、法界寺の近くに住んでいて、阿弥陀如来は拝観したのですが、薬師仏は拝観できなかったので、感慨ひとしおです。
こちらの薬師仏も素朴で、少し淋しげなお顔です。像内に最澄自作の薬師仏を納めているそうです。
 平安時代は天然痘などの疫病が流行したそうなので、薬師仏に深い祈りがなされたのでしょうか。コロナ禍の現代にも・・・と思います。
 癒やす願い御手の小さな薬壺    ひろあき

若葉の仏生会

2022-05-26 07:49:58 | 俳句
若葉の仏生会
          金澤ひろあき
 ゴールデンウィークの五月八日。桂にある地蔵寺にお参りすると、誕生仏に甘茶かけの仏生会が。
 新暦の五月は旧暦の四月。若葉の中の仏生会です。
  尼寺の旧暦用い仏生会 ひろあき
  花御堂若葉の中のたたずまい