京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

西山寮詩会作品 2019年2月

2019-01-31 14:36:05 | 日記
【西山寮詩会作品】 2019年2月
定年や一回地面に降りる凧   金澤 ひろあき

穂垣径つづく社や初御空    宮崎 清枝
ひょこりと庭に顔出す初雀
初鏡九十路の背筋正しけり
左手(ゆんで)書きだんだん歪むそぞろ寒
花の寺道ひとすじや菊日和

誤嚥することなく通る粥柱   中野 賢一
※「粥柱」とは、粥に入れる餅のこと
玉砂利を噛む車椅子初詣
介護士に励まされつつ初詣
去るものは追はず山茶花耐えるなく
法話聞くあいだにさめし大根焚
手造りのケーキのおやつクリスマス

 年末凡情          能勢 忠三
忙しい出番準備OK杵と臼 
できたなりっぱなきれい鏡餅
 人生航路
子供叱るな行く道や
老人笑うなきた道や

裸木や拳を冬空へ百日紅(さるすべり) 奥田 一枝
初雪ややみ夜に降りしか畑白し
来る年も友となりし日記帳
ねぐらへと急ぐ烏も歳の暮れ
金柑がどの枝にもなり金の鈴

元日を祝うが如き初日の出   西田 ナツエ
おばちゃんと呼んでくれた人はいま二階
淋しげに人の手を持つ枯ススキ

クワッドのフードを隠す白い息 樋口 聖記
さとふるでお礼を集めぼたん鍋

鰤大根孫らと食べし団欒や   野原 加代子
旅立ちて来世で会うて愛犬と

※前号訂正 仲江 実様と、綾部照正のお二方お名前に誤りがありました。お詫びの上、訂正します。

借り物

2019-01-30 13:41:33 | 日記
借り物
                   金澤 ひろあき
 人間ってすべて天地からの借り物で暮らしていますね。自分の物と思っていますが、全部天地から一時的に借りている物。時には借り換えや着替えもします。いつかは返さなければならないんですね。
 命も借り物の一つなんですね。ふっとこんなことを考えたりします。
  還暦の心の着替え春隣   ひろあき

龍女の恋

2019-01-29 08:59:38 | 日記
龍女の恋
                   金澤 ひろあき
 日本に『華厳経』を伝えた和尚さんの絵巻を読んだことがあります。唐の国で学んで、新羅に行ったのですが、そこで美女が和尚さんのことを好きになってしまったのです。
 しかし、和尚は戒律を守るため、彼女の愛を受け入れません。そこで美女は龍に化身シテ、和尚の帰国を守り、日本に着いてからは、華厳の守護者になったと言います。
 でもこのお話、深い恋愛のように思えます。
  体の中に海のとどろく恋話     ひろあき

フリー句自由連句「六十の春」の巻

2019-01-28 09:13:26 | 日記
【フリー句自由連句】
「六十の春」の巻   2019年1月 山科
六十の春を迎えてしまうとは               金澤ひろあき
割引は少し嬉しいけれど年感ず              青島巡紅
わずかな年金暮らしていけるか              ひろあき
創意工夫も老後の醍醐味です               巡紅
なごり雪私も青春あったなあ               ひろあき
道に迷ってばかりなんて特権だね             巡紅
あっけらかんとユーミンの歌               ひろあき
友情出演あちこちピアノ弾ける金澤さん          巡紅
アンコール曲菊次郎の夏                 ひろあき
個人の思い出がその人を越えるとき            巡紅
一回きりの再現不可能                  ひろあき
夏の夜三千人の一人だったトロンボーン          巡紅
求めて苦しいオネステイ                 ひろあき
失恋ソングは万国共通                  巡紅
ラストクリスマスでぼやいてる              ひろあき
カーペンターズなんてぼやきソングばっか         巡紅
古き良き80年代ありました               ひろあき
Wher were you in 1960s?てな映画も  巡紅
高度経済成長の夢                    ひろあき
どの時代も過ぎ去れば夢の跡               巡紅
70年万博会場草原に                  ひろあき
与那国の海底遺跡に日が当たる              巡紅
大きな地震で沈んだ大都市                ひろあき
五トンを持ち上げるクレーンで六百トンの巨石を重ねる   巡紅
ローマの神殿恋がたくさん                ひろあき
神と人との距離を遠のけたユダヤ人            巡紅
放浪の末たどる結末                   ひろあき
二億五千万年後一つの大陸になる頃人類は         巡紅
一つの言葉でうたう春風                 ひろあき
一つの国家になったときが侵略時             巡紅
バベルの塔に逆説のあり                 ひろあき
軌道エレベーターはどっちになるのかな          巡紅

紀ノ川を見おろす駅

2019-01-25 09:05:38 | 日記
紀ノ川を見おろす駅
     金澤 ひろあき
 JR和歌山線というと、紀ノ川ぞいを走っているというイメージがあります。確かに紀ノ川ぞいですが、けっこう川から離れている所が多いです。
 町や駅が川べりだと、洪水の時などが危険なので、離れた所にあるのでしょうか。
 ただ西笠田(にしかせだ)という駅は、紀ノ川に隣接する高い所にあり、紀ノ川の大パノラマです。
 冬枯れの時期なのに、かなりの水量があります。
  大河見おろし駅はひっそり   ひろあき