京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

しめくくりのひととき

2020-03-31 11:38:44 | 俳句
しめくくりのひととき
          金澤 ひろあき
 今年度もまた職場を移ることになりました。年度のしめくくりで、3月に伏見稲荷神社へ、親しい友人とお詣りしてきました。
 去年の3月も来ましたが、去年と違い、コロナウイルスの流行で人が少なく、外国人がほとんどいません。ゆっくりと神様の田へ。稲荷様は穀物の神様なので、稲を作っているんですね。柏てんさんという人が書いた小説の中で、この田が出てくるので、以前から行ってみたかったのです。
 それからゆっくりと本殿、千本鳥居を歩きます。ここも人がまばら。四つ辻という見晴らしの良い所の茶店で一休み。年ですね。無理してはいけません。若い友人もつきあわせてしまいました。
  町を見晴らす 心臓の鈴の音リン     ひろあき 
 白菊社も、柏てんさんの小説に出てくるので、たちどまることしばし。一の峰を巡ります。人がいない鳥居の写真が撮れて驚きです。去年は、人が絶え間なく行き来していたので、そんな写真、不可能でしたが。でも、早くコロナウイルスの流行が終わって、再び平穏な日々になってほしいな。お山めぐりの願掛けで、そのことばかり考えていましたよ。
 山を下ったところに、大八嶋池という池があります。そこに面したお店で、二人で将来のことなどを話して・・・振り返る時間になりました。
  しめくくりのひととき 花を待ちますか  ひろあき

2020年3月 長岡天神句会作品

2020-03-30 08:39:52 | 俳句
2020年3月長岡天神句会作品

 今年の初め、まさかこんな事になろうとは、誰が予測したでしょうか。コロナウイルスの流行。高校野球やイベントの中止。オリンピックの延期。海外から人が来られなくなるなど。
 西山寮の皆さんとも二ヶ月、お会いしていません。長岡天神句会も、マスクをし、換気しながら、短縮して・・・でした。早く平穏な日々に戻って欲しいと願いながら。
 皆さんの作品です。
小鳥来て椿の花びらキスマーク   三村須美子
コロナ風邪学び舎静か烏が鳴く  岡畠さな子
亡き父の眼鏡置かれた冬銀河   野谷真治
ポリエステルみたいなこと言うな  葛城広光
梅の花主役はハ-イここよここ   金澤ひろあき
百日紅ツルッと風邪をはね返す  青島巡紅

長岡天神句会のお知らせ 
4月19日 日曜 午後2時より 長岡天神駅東口 喫茶アーバンで予定しておりますが、京都市・長岡京市に外出自粛が出た場合は中止します。

さんしょへのお便り 2020年3月

2020-03-28 13:08:15 | 俳句
口語自由律俳句誌「さんしょ」へのお便り
           金澤 ひろあき
 さんしょ161号ありがとうございます。
 3月からコロナウイルスの流行で大変なことになりましたね。御誌の
○マスクする余計なことを言わぬため   松下 日佐夫
のような、ちょっとゆとりのある「マスク」を詠めた頃がなつかしいです。まだ、私の方、マスク不足が続いています。早く普通の日常と笑いを取り戻したいですね。
○イチゴ狩り腹一杯が笑いです      石川 美津子
○笑いの神はキナコ餅          鈴木 和枝
 こんなふうに、穏やかに笑って過ごせる日々、平凡で何気ない日々が、とても大切なのですね。
○りんごからはじまるしりとりひなたぼこ 杉山 朝子
 この句も何気ない日々の楽しさ、大切さが確かに有ることを、感じさせてくれます。
○「久しぶり」と同級会 日没の早いこと 萩原 君代
 楽しい時間は、あっという間。さびしさも漂って・・・。でも「会える今」を味わいましょうよ。そんな心の中の声も感じます。
 俳句は何気ない日々の大切なものから、生まれてくるのですね。

西山寮詩会作品 2020年4月

2020-03-28 11:11:41 | 俳句
【西山寮詩会作品】 2020年4月
ビー玉ころころ春が大きくなっている  金澤ひろあき

大原野木間より水仙の香り受けて    中塚 節子
理想は高く受け心は常に低く優しく

鬼だぞ手のひら一ぱいのボール投げた全て命中 藤村 勝子
まいったか鬼さん こらしめた分だけ 福ももらったよ
大きな子供になって楽しんだよ 一年たったらまた会おうネ

逃げまくる鬼さん目掛けて投げたボール 前河 篤子
みんな外れたくやしかった・・・が
来年こそはと命をもらったよ
楽しい一時ありがとう

鬼さん山へ返せば春うらら       冨坂 慶
皆んなで花見もよし どこでも仲間と一緒なら

年を忘れてボールを投げたすべて命中  竹内 綾
心は子供に帰って 今日の日をありがとう

豆より大きなボール投げた       森 秀子
お尻に命中身震いしてお尻を「キュッ」としぼめた鬼さん
滑稽で可愛いかった皆んなで笑ったよ

「ウオッ」鬼が来た大きなボール投げた 中川 奈津江  
全命中痛かったかいごめん
ボールの数だけ福をもらったよ

水温む底より浮ぶ人面魚        中野 硯池
初天神野見宿称の紙幣買ふ
探梅の頂にゐるお土居かな
家よりも古き盆梅飾りけり
枯れると言ふ生き方もあり盆梅展

鴨泳ぎ川面に浮かび夫婦かな      野原 加代子
初詣孫らと歩き石段を
ほろ苦き恋の味なり蕗の薹
(アイヌの民話 新聞紙上 神の妹が人間界を荒らした罪で蕗の薹にされ、人々の平穏を祈るとの話)
紅梅のあたたかそうな雫かな

川添いに綿毛ふくらむ猫柳       西田 ナツエ
一〇〇才を目の前にして運動する
何事もうたに作れる俳句かな
皆さんの笑顔にひかれてデイーにする
朝起きて御先祖様にごあいさつ
一番に死んで亡くなれシンコロナ
計算の用紙と取り組む寝坊顔

立春のまばゆき縁側うっとりと     奥田 一枝
物忘れ冷たき両手頬に当て
背を伸ばし春陽が誘ふ歩む杖
逢うてまた言ひそびれし夕時雨
お日さまの光の匂ふ春キャベツ

米寿卒寿合わせて去年今年       能勢 忠三
三元号超えて正月旨い酒
二人の歩縄なう如き寄り添うて
暖冬で慌てん坊のチューリップ
睦み合う宿る生命に五月帯(イワタオビ)
         曾孫第五子 二十八日予定日祈安産
Dーサービスの日DEY三月号発刊その一行
もし此の世の中に・・・・・・・ことがなかったら
もし此の世の中に信じることがなかったら
 一日として安心してはいられない
もし此の世の中に思いやりがなかったら
 淋しくてとても生きてはいられない
もしも此の世の中に愛する心がなかったら
人間はだれもが孤独です
初夢は二月六日の木曜日
一杯を供えて父の傍らにいる
幾山河七転び八起きへこたれぬ
○底力駅伝駆ける都大路
京都優勝選手一丸中高生快力走
○底力ウッチャリかわす土俵際
底力逆手にとって投げとばす
春場所は目の前に
ひと山もふた山美山雪の花
 スキー場へ
土根生昭和生まれの底力
柚子放ち心も放ち仕舞風呂
生きてよかった風呂で大欠伸
あほやなあいわれてどこかあたたかい
カレンダーこの丸印何んだっけ
 ホれたホの字はホどよいけれど
 フられたフの字のフのわるさ
まだ柚シヌな古木しっかと花芽抱く


異動が決まってからのお便り

2020-03-26 15:08:38 | 俳句
異動が決まってからのお便り
         金澤 ひろあき
 異動が決まってから、皆さんにこんなお便りをしました。
拝啓
 コロナの流行で、重苦しい日が続いております。とはいえ、ふと気付くと、山桜が咲き、モクレンが花盛り。確実に春になっております。
 仕事のほうも再任用一年目が終了。4月からは乙訓高校へ。今の学校は僅か一年で異動はつらいのですが、乙訓は三十代から十年間過ごしたところで、懐かしいです。あの頃、家庭を持ち、自由律俳句に取り組み、童心を出しはじめて・・・また、スタート地点に戻った感じがします。
  うつむいた顔上げようよ青空にモクレン   ひろあき 
                                                  敬具
2020年3月               金澤ひろあき