京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

中将棋、小将棋

2021-07-30 07:51:32 | 俳句
中将棋、小将棋
               金澤ひろあき
 島本町立歴史文化資料館で「水無瀬駒」を見ました。安土桃山時代から伝わる将棋の駒です。水無瀬神宮の宮司をつとめる水無瀬家に伝わる物です。
 水無瀬兼成という公家は字がうまく駒を作ったそうです。彼の書いた日記には天正十八から慶長七年まで作った駒の譲り先が書かれており、後陽成天皇、正親町上皇、豊臣秀次、徳川家康などが登場するそうです。
 今、私達がやっている将棋は「小将棋」と呼ばれていました。今の将棋と違う「中将棋」という盤も広く、駒数も多いものもあったようです。
 中将棋には「仲人」「銅将」「猛豹」「盲虎」「酔象」など、今の将棋には見られない駒があります。はじめて実物を見ました。
 定石も多かったのでしょうね。見ていると不思議な感じがしました。
  次の一手長考している暑さかな    ひろあき

桜井焼

2021-07-29 07:50:51 | 俳句
桜井焼
         金澤ひろあき
 一年前、大山崎から島本まで西国街道を歩いたことがありました。その時、コロナの影響で、JR島本駅前の歴史文化資料館が閉まっていました。
 JR沿いに住む方への用事を済ました後、再び島本まで足を伸ばしてみました。
 島本駅では、発着メロデイー「夜がくる」が流れています。昔、サントリーオールドのCMで使っていた曲で、懐かしいです。
 島本駅前が、昔の桜井宿です。『太平記』で楠木正成が死を覚悟して、息子の正行と別れた所とされています。駅前の公園に、楠公別れの像や石碑が建てられています。一番大きな石碑は、明治天皇御製の歌だそうです。
 実は島本町立歴史文化資料館の建物も、元は史跡桜井駅記念館として、昭和16年に建てられたものでした。
 さて、大正の頃まで、島本には「桜井焼」という陶器が焼かれていました。歴史文化資料館のメインの展示はそれです。「桜井焼」は「楠公焼」とも呼ばれ、楠公別れの故事にちなんだ歌や句、絵柄を描いています。西郷隆盛の漢詩を書いた花器もありました。だいたい灰秞風ですが、白い秞薬をかけているものもあります。どれも素朴な感じです。
 桜井焼は大正時代に廃業となり、今は作られていません。
 島本には水無瀬神宮があるので、後鳥羽院関係の展示があるかなと思って訪れたのですが、『太平記』の世界が広がっていました。
  炎暑とともに意外な遺跡あらわれる   ひろあき


フリー句「虫達の」の巻

2021-07-28 11:46:48 | 俳句
フリー句「虫達の」の巻
虫達のカレー売場か藪枯らし       巡紅
みんな来いよ今日は月夜の音楽祭     ひろあき
蟋蟀鈴虫松虫露虫螽斯轡虫馬追拍手喝采ないのが残念 巡紅
お笑いに転身元はアイドルで       ひろあき
ピエロ実はストリートピアニスト      巡紅
一億を越えるアクセスユーチューブ    ひろあき
百二十億年前になってもすごいメトシェラ(最長寿)星 巡紅
宇宙の手のひら人間の悩みちっぽけだ   ひろあき
僕は君に恋するがクローンの責任は持てないよ 巡紅
一目惚れ行方は誰もわからない      ひろあき
一つ星眼鏡外せば米印          巡紅
サンダル素足水着で入る海の家      ひろあき
餅つきウサギの顔(静かの海)を蹴ったのがアームストロング船長さ 巡紅
パンストもウーマンリブも同じ頃     ひろあき
男に負けない武器捌きで騎馬した遊牧民の少女戦士 巡紅
負け戦巴一場の花となる         ひろあき
(巴は木曽義仲の恋人。武芸の達人)
女性が栄えていれば国も栄えている   巡紅
 (クリントン大統領夫人の言)
繁栄にブレーキかけるウイルスの二年間 ひろあき
スポンサーあってのオリンピックの憂鬱 巡紅
アクリル板ごしに作戦会議する     ひろあき
開くからに見るからに祭典の閉じるからに 巡紅
(「咲くからに見るからに花のちるからに」鬼貫のパクリ)
ゼロの形した競技場観客もゼロ     ひろあき


さかさまよ!まさかさ(回文)

2021-07-27 08:06:42 | 俳句
さかさまよまさかさ(回文)
        金澤ひろあき
ぬいぐるみはミルク犬
え!仕事は永遠(とこしえ)
勝負は工夫よし
太鼓動いた
二階はいかに?
泣くな痛いぞ痛い泣くな
祝いよ今朝の酒よ祝い
※回文。亡くなった来空さんがよく作っていて、その影響で私も作るようになりました。うまくつながった時は、「やった!」という感じです。

フリー句「蝉時雨」の巻

2021-07-26 08:03:37 | 俳句
フリー句「蝉時雨」の巻
蝉時雨文句あるやつ出ておいで     ひろあき
皆昼寝夢の中では鬼ごっこ       巡紅
熱帯の木影に揺れるハンモック     ひろあき
奴隷に蜂蜜たっぷりぐっすりファラオ  巡紅
少年の面影残し即位する         ひろあき
月下美人匂わす王と王妃の日       巡紅
碑に千年の愛刻印し           ひろあき
毒蛇か服毒か論争続く美女の自殺     巡紅
吟遊詩人敗者の声のしみとおる      ひろあき
足の下の栄光と呼ばれる蟹座の隠れた人気 巡紅
陰陽師隠れた意味を言い当てる      ひろあき
銀河の中心にはブラックホールがある不条理 巡紅
暗がりから生まれ暗がりに帰る      ひろあき
眠りから覚めたらまた手をつなぎ歩き出す 巡紅
山頭火立ち寄っていた温泉町       ひろあき
墓参り後喫茶店探してマックの薄い珈琲  巡紅
口治しのビールはいかがと誘いあり    ひろあき
海水浴日焼けは勲章に成らず水疱     巡紅
風鈴を聞いてぼんやり骨休め       ひろあき
地球光一升瓶が足りないぞ        巡紅
気の会うひととの時間早く経ち      ひろあき
明日の力の糧となる良き眠り誘う     巡紅