京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

フリー句「トラクター」の巻

2020-09-30 07:59:25 | 俳句
フリー句「トラクター」の巻
トラクター入れぬ田んぼ彼岸花   ひろあき
寺の鐘腰を伸ばして耳澄ます    巡紅
配所にて去年の月を思い出して   ひろあき
朝市や露が涙に見える柿      巡紅
廃線の枕木重い枯れ芒       ひろあき
蕪の哭く祖霊横向くハロウィン   巡紅
畑仕事の合間に衣装作ったの    ひろあき
ダックアップルずぶ濡れの英雄   巡紅
老人が鉄人レースに参加して    ひろあき
その身体にダマスカスソード(錆びない剣)の異名つく 巡紅
宝探しゲームに名乗りあげている  ひろあき
水鏡に映る両親を見守る幼い魂たち 巡紅
散り出すともう止まらない桜花   ひろあき
五ヶ月遅れの三十九人のラインダンスの熱 巡紅
休演中ズームでシナリオ打ち合わせ ひろあき
閻魔大王は喉荒れや腰痛でお悩み  巡紅
湯治の湯ゆったりつかる退職後   ひろあき
ジジババだけずるいと孫の進撃   巡紅
売り尽くしセールでブランド品ゲット ひろあき
モールモールヒア、ボールを味方へ渡す 巡紅
初めてのヒーローインタビュー声震える新人 ひろあき
仲間と応援してくれた皆さんのお陰です、大きな拍手 巡紅

京都童心の会 20年9月 通信句会作品集

2020-09-29 08:07:22 | 俳句
京都童心の会 20年9月 通信句会 作品集

 次の中から 特選1句 並選15句を選び、番号を別紙選句用紙に記入の上、
金澤ひろあきまでお送りください。
 選評のある方は、各自用紙(自由)に記入の上、お送りください。
データ送信も可です。

1 夕立や上がって涼しとまでゆかず
2 今日も又うだる暑さと蝉しぐれ
3 お向かいの茶虎が見えず淋しいにゃん
4 暑熱ぐんぐん油蝉寂として声なし
5 蝉の口も封じてしまう暑さかな
6 今日も又朝から慌しピーポーと
7 また雨か人吉市に住む友と連絡とれず
8 すだく虫はじめて聴いたよ8二四
9 豆つぶの自信の猫背
10 二学期の始まり早き法師蝉
11 話そうか話すまいかと重い霧
12 ちゃっかりと猫になる
13 流れ星変なおじさんもういない
14 のびるのびるつるつるかぼちゃ
15 けどなあで会話打ち切る残暑かな
16 自分らしさって何だろうネ猫じゃらし
17 出会い頭残暑のマスク捨ててある
18 また一つ惜しまれつつも昭和の灯
19 女心変ロ長調秋の空
20 月見草山家住ひに水の音
21 汗しとど塩分とれと弁当屋
22 サンルーム窓辺にトマトの熟れにけり
23 留守番に脳トレ挑む地蔵盆
24 化野に羽休めゐる夏の蝶
25 大勢の六道参りとうせんぼ
26 新入りの提灯吊す地蔵盆
27 宿題を見てもろてゐる地蔵盆
28 芋水車架てて商ふ旬野菜
29 指先で押し出して剥く衣被
30 一鍬に早やも顔出す小芋かな
31 人気なき醒井宿や秋暑し
32 梅花藻の居醒の水の滔々と
33 梅花藻の白きは水の清きかな
34 唇を赤く染めあげかき氷
35 朝の雨軒先で聞く寺の鐘
36 雨止んでビルの谷間に寺の鐘
37 原爆忌髪抜けるのはお互い様
38 彼岸前将軍塚の蝉元気
39 走る父追う自転車髪なびく
40 羽畳み野良猫の餌鷺混ざる
41 風立ちぬ幼な子お既に一児ママ
42 畦道を歩けばバッタの花火かな
43 歩くより山から見たい天橋立
44 レンタカー二度バッテリー上がるとは
45 星降る雲の上ワルツ踊る
46 ミニスカートに噛み付いた眼が猫背で離す
47 昨日と同じというフレーズは二重の赤線
48 小銭出す眼鏡を外す零れる小銭
49 僕のパウリ効果、恋愛は壊れる
50 魂の奥底に眠る審判はアカンベーする 
51 何処が誰の陣地やら五色の彩雲
52 古代人の骨は彼らからのラブレター 
53 HEROはHとEROから出来ている
54 大人は皆レネゲード(簒奪者)子供の頃の領地を捨てた 
55 遠い空すき焼き食べる音がする
56 中国語初めて習う粟多い
57 動かない鉄で出来てる噴水や
58 小銭入れの中の銀河鉄道
59 氷壁で時計の針と向き合って
60 人形が汗をかいて玄米茶
61 体育館猿の足は三千本
62 お盆来る一人静かに向き合って
63 いつ迄か家族の絆切るコロナ
64 午前四時金星と三日月冴え返る
65 ウトウトとせみのコーラスストレッチ
66 炊飯のにおい流れきて朝のめざめ
67 夕暮れの雲それぞれに主張する
68 見いつけたおしろい花健在おままごと
69 けいとうのフリルはなやか夏陽浴び
70 おぼれたいコスモスの海安らぎを
71 オンライン学習子供いきいき進んでる
72 芋の葉の狭庭を揺らすひとところ
73 四世代生きて永らふ良夜かな
74 ショート行鞄の中に団扇秘め
75 庭石をひとり眺めつ今朝の秋
76 夏座敷わがリハビリの三百歩
77 涼風に思い出あの日の赤トンボ
78 夏水仙夏の終わりの白い花
79 日本中めまぐるしくて目がまわる
80 コロナ嵐総理変わって目がまわる
81 ビニール袋一枚5円に目がまわり
82 好き?きらい?病気で退陣かわいそう
83 生きるのもめまぐるしくて大あくび
84 ほろ酔いの言葉集める星月夜
85 秋分の口とがらせるカレーパン
86 バケツ化ける打水婆さん
87 炎天下しゃがむ痛めた腰
88 落ちていた風拾う化け猫
89 夕暮れに烏の親子帰り来ぬ
90 かぁと鳴き大木寝床姿消す
91 真夏日に川の流れに癒されて
92 素麺の白さに見とれ吹きこぼし
93 日中のギラギラ光この暑さ
94 夕暮れの暑さ凌ぎに氷水
95 暑い昼植木ぐったり水欲しい
96 伸びていく虹どこどこまでも
97 クマゼミの合奏コロナ退散を祈る
98 アサガオ三連オハヨウオハヨウオハヨウ
99 孫に習うスマホワークの妙技
100 クチナシの白薫り朝に歩く
101 コロナ悪夢を祓う冷たいコーヒー
102 総裁選アベノミクスの真価問う
103 野菜サラダ一緒に作ろうと孫の指
104 スマホ越し仔猫自慢げ孫10歳
105 風の中に秋を見つけて三歩前進
106 蚊の声の勢いづきし残暑かな
107 朝散歩涼しさ増さり歩も増さり
108 皮むぎを娘にまかせたる栗ごはん
109 ガードレールに巻きつからまり葛の花
110 くるみ落つ手の平絵本はじまりぬ
111 引き寄せる猫のぬくみや秋の朝
112 秋茗荷メガネ探しを今日もまた
113 いちじくやつまみ食べ頃明日やな
114 鐘一つ打って拝観秋彼岸
115 赤い羽根お金出し合い犬手術
116 秋の空首輪新し入院す

篠原ユキオ氏の漫画展

2020-09-28 08:03:35 | 俳句
篠原ユキオ氏の漫画展
      金澤ひろあき
 漫画家の篠原ユキオ氏の個展が、京都市河原町三条のギャラリー北野で開催されています。
 コロナ自粛期間より、毎日世相を題材に描いた漫画を展示されています。
 9月27日には、遠く神奈川から野谷真治さんがお見えになったので、ご一緒しました。
 「自粛中の長い間、何をやっていたかでその人が決まる」という篠原氏の言葉が印象的でした。
  秋の虹かかっているほう友帰る ひろあき

彼岸花

2020-09-25 08:00:20 | 俳句
彼岸花
      金澤ひろあき
 夢の中で死んだ友人と会いました。その友人は、「食い逃げをして、迷惑をかけたなあ。僕の代わりにお店に払うてくれたお金を返すわ。」と言います。
 「昔のことやし、もうええよ。」と言ったのですが、友人はどうしても払うと言います。
 「いや、もうええよ。昔のことは怒っていないし。」というと、にっこり笑って、彼岸花がたくさん咲く道に消えて行きました。
 その朝、彼岸花が一斉に咲いているのを見ました。
 亡き友の笑顔のおもかげ彼岸花   ひろあき

フリー句「ちょろっと」の巻

2020-09-24 08:05:21 | 俳句
フリー句「ちょろっと」の巻
ちょろっと水入れ保温するご飯 巡紅
一品添える朝採り胡瓜     ひろあき
並の釘抜では抜けない京都タワー 巡紅
菊花賞大穴当てて豪遊し    ひろあき
満足すれば尻の穴小さいと夢枕 巡紅
乙姫を妻にはしたが望郷の念  ひろあき
お父さんと呼ぶ子らの故郷になる 巡紅
荒海の小島夕焼け日本一    ひろあき
君はどんなに高い山よりも高い 巡紅
ギネス挑戦番組お笑いタレントマジになる ひろあき
一生に一度の覚悟でフラれた男の背中 巡紅
炎の恋は互いに傷つく     ひろあき
片想いが生んだ大作「神曲」  巡紅
人生は一幕の劇という詩人   ひろあき
飛び出して他人に幕を引かせるな 巡紅
不老不死のプロジェクトに予算 ひろあき
千年生きて心を失わぬ女の心臓を喰らいたい 巡紅
かげろうの世を辞しやすき口退化して ひろあき
宇宙に一時存在するだけで無限の多様性 巡紅
パズルのピースみんなどこかに繋がるよ ひろあき
生物も物質も宇宙開白期には水素とヘリウム 巡紅
天高くぐんぐん上がっている気球 ひろあき

(ひろあき) ギルガメッシュプロジェクトという不老不死プロジェクトがあるそうですね。人間の欲望は、最後にはこれに向かうのかな。

(巡紅)そうなるのでしょうね。そういえば、ショーンコネリー主演の映画に「未来惑星ザナトス」というのがありましたね。