京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

山茶花

2018-04-27 09:26:05 | 日記
山茶花
                   金澤 ひろあき
 ある大学の一棟を借りて、冬休みに補習講座をした。クリスマスでその大学も最後の授業日だった。最後の授業日なので、登校している大学生の数は少なかった。しかし、来ている学生は、今年最後の学校なので授業が終わっても校舎に残り、友人達と話をしている。
 時折、時雨れた。時雨の中に赤い山茶花がぽつぽつ咲いている。赤い色だが、山茶花はなぜだか淋しい。年の暮れのせいだろうか。あるいは病気のせいだろうか。
  山茶花のこんなさびしさ深い赤    ひろあき

年末の駅チカ

2018-04-26 19:02:16 | 日記
年末の駅チカ
                  金澤 ひろあき
 秋に入院して以降、すべてが遅れ気味だがしかたない。12月23日に、今年の記念号を何人かの人に送った。休みの日なので、近所の郵便局は開いていない。京都中央郵便局まで足をのばした。この時期、とても人が多いのはしかたない。そして、疲れた。
 京都駅の地下街、古都地下(チカ)で、何かショーをやっていた。FM京都ラジオのαステーションがやっている年末の番組だった。ジャグリングの芸人さんのトークと芸は面白い。その後、京都市立芸術大学の学生さんの、バイオリン、ビオラ、チェロのカルテットの曲を聴く。落ちついて音楽を聴くのは久し振りだ。疲れが少しとれたように感じた。
 その後、目薬をさす時間になったので、駅の広い待合室に行き、休息も兼ねて目薬をさした。
  名曲が時折目にもしみてくる     ひろあき
  履歴書に書いてないのさ放浪は

無用者

2018-04-25 18:44:25 | 日記
無用者
                  金澤 ひろあき
 若い頃、隠者や逸民という人達に憧れたことがあった。いわゆる世捨て人である。鴨長明や西行、兼好などの有名人もいるが、無名だが還俗し、妻子とともに畑を耕しつつ、念仏を唱え往生した聖などを好ましく思ったりした。自分の内面を充実されることに価値を感じたのだった。
 実際は世捨て人にはなれず、国の一隅で一生懸命生きることになった。世間の仕事に追われた。それでも時折、世間を離れ、ひとりになり、ホッとすることを楽しんだ。
 58歳の時、右目が見えなくなり入院した。生活に制限がかかった。仕事も減らさなければならなかった。できることがぐんと減った。世の中でめいっぱい活動することができなくなった。無用者に近くなった。世捨て人のように生きていかなければならなくなった。
 しかし、昔の偉大な世捨て人のように、住んでいる町を捨て、山に住んだりはできない。病を持つ身で、通院が必要だからである。それに加えて、体が弱っているので、修行したり、技芸を磨く力がない。
 もともと能もなかった身であるのに、精進もできなくなった。
 今いる町の一隅で、静かに暮らすだけのこと。これが現実で、現実を受け入れて生きていくしかない。宮沢賢治ではないが「デクノボー」になった。
 そんな時、ふと若い頃に読んだ『荘子』の言葉を思い出した。
 「小隠は山に隠れ、大隠は市に隠る。」という言葉だ。市とは町のこと。町に無用者として生きていくことへの、大いなる励ましを与えられたような気がする。
  なぐさめの文字書く遊び冬ごもり    ひろあき
ひなたぼこ詩を書く無力なデクノボー

神のおどり

2018-04-24 08:49:08 | 日記
神のおどり
                 金澤 ひろあき
 夢でガーネーシャ神が、もう一人別のものと踊っている夢をみた。音楽にあわせ、頭上で拍手し、とても楽しそうだった。寝る前に「オーム シャンテイ シャンテイ」と唱えたせいだろうか。「シャンテイ」とはサンスクリット語で「平安」の意味。ガーネーシャ神は像の頭をもつ神様で、愛嬌がある。インドや東南アジアで人気がある神様。
  ごきげんのダンスの夢の春きざす   ひろあき

義仲寺の牡丹

2018-04-23 09:14:12 | 日記
義仲寺の牡丹
                金澤 ひろあき
 4月22日、初夏のような暑さ。空は晴れ渡り、天のプレゼントのよう。
 今年初めて、大津市膳所の義仲寺の連句会へ行く。義仲寺は早くも大輪の牡丹。そして咲き始めのつつじがお迎え。
  久闊のかんばせ染めている牡丹   ひろあき
 本堂の横の和室に通された。ここに入るのは初めて。ここから眺める牡丹がまた鮮やか。令さん、夷音さん、荷葉さん、白甫さんなど、懐かしいメンバーと再会。
 6月は芭蕉の「海は晴れて比叡降り残す五月かな」を発句に歌仙スタート。後から天志さんも合流。句座にぎやかになる。
 この日、花の座で、
  のんびりと余生楽しむ花篝      ひろあき
という句を作ったが、これは願望。