ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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東アジア文学にも着目! 韓国では李文烈(イ・ムニョル)がすごい!!

2009-09-06 22:55:45 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 近年の中国社会の大変貌は私ヌルボがいうまでもないことです。
 その社会と、そこで生きる人々を活写した小説がおもしろくないわけはありません。
 
 近年中国内でベストセラーになった張平「十面埋伏(上・下)」(2005.新風舎)や余華「兄弟(上・下)」(2008.文藝春秋)は日本でもほどなく刊行されましたが、これが純文学かと思われるほどのパワーあふれる娯楽大作で、どちらも一気読みしてしまいました。(内容紹介や感想等は他のサイトに全部おまかせ、ということで・・・。)

 ふつう日本で外国文学というと欧米文学がメインで、しばらく前からガルシア・マルケス等の南米の作家もそれなりに注目され、紹介されてきました。
では中国や韓国、台湾等の作家は、というとご近所のわりにはあまり知られていないし、読まれていないのではと思います。
 
 ヌルボがそれら東アジアの文学に関心を持つようになった一つの契機は「東アジアの現代文学」というサイトです。
 その中に「中国・台湾・韓国の文学」というページがあって、100作品を越える小説等を挙げて、簡潔な紹介を添えてランクアップしています。

 ヌルボはこれを読書選定の指針として、今までそれなりに(20冊くらいかな?)読んでみました。
 結論として、このリストは信頼がおけます。

 中国の鄭義「神樹」は、ヌルボがこの1990年以降に読んだ本の中でも最高といっていいほど読み応えのある小説でした。中国では、ノーベル賞に最も近いといわれる作家・莫言のいろいろな作品も、日本でもっともっと読まれていい作家でしょう。

 韓国の代表的作家・李文烈(イ・ムョル)の「皇帝のために」もスケールの大きい、すごいとしかいいようのない小説です。
 彼は、秀作映画「われらの歪んだ英雄」の原作者でもあります。小中学生向きの本もいろいろ書いていますが、中でも、「天の道」(ハヌルキル)は、極貧の家に生まれ育った青年が貧しいわけを訊ねに天への道を辿るという伝承物語風の寓意に満ちた読み物で、少年ならずとも引き込まれる作品だと思います。(未訳. 中級レベルの韓国語学習者の皆さんにはお薦めです。)

 これらの小説を読むと、昨今の日本の小説がどれもせせこましい、ちっぽけな世界しか描いていないな、との感想を持たざるをえません。

 娯楽小説では、今徳間文庫でたくさん出ている金庸の武侠小説がゼッタイお薦め!! このジャンルは日本ではあまり流行らないですが、どれも読み出したらやめられないおもしろさです。

 上記の他にも、ヌルボの知らない名作・傑作はた~くさんあるはず。各出版社の外国文学担当の皆さん、そこんとこヨロシク・・・・。

追記:お世話になったサイト「東アジアの現代文学」は2003年以降更新されていません。すごく残念です。

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