毎年この時期になるとセンター試験の韓国語が話題になり、本ブログの関係記事のアクセス数が増えます。
この件についての論議に対して、私ヌルボの理解及び意見(みたいなもの)は、ちょうど1年前の2012年1月20日の記事<センター試験の韓国語の難易度について - 難しいのか? 簡単なのか? これは難しいぞ・・・>に書きましたので、ソチラをご覧ください。
→コチラ
要点のみかいつまんで書くと、まず、試験の難易度については高校の「韓国語」の授業でゼロから学び始めた生徒にとっては問題が難しすぎます。
これは過去から現在までを通して見たうえでのこと。
とくに近年は初級レベルの基本問題は皆無といっていいでしょう。高校の3年間の学習だけで5割できれば立派だと思います。
※ちなみに私ヌルボ、恥を忍んで書くと、韓国語とのつきあいは約20年くらい。数年前になんとか上級レベルに手がとどきましたが、韓国語能力試験やハングル検定の最上級レベルはそれ向きの勉強をきっちりやってないので受けても受からないでしょう。しかし新聞や本はまあ読むことはできます。・・・というレベルでして、それでセンター試験に挑戦してみると正答率が8割を超えるかどうかといったところ。
したがって、いろんなブログや掲示板等で「ちょっと勉強したら190点」というようなことが軽く書かれているのを見ると、ホンマかいな!?と思ってしまいます。以前の記事にも書きましたが、調べてみたら韓国に留学していた人や、継続的にきちんと勉強を続けている人だったりするのですけど、その言葉を真に受けて、ゼロから始めて高得点をざそう!と思う人がいなければいいのですが・・・。(まさか、いませんよねー?)
そんな難しいのに平均点が高い理由は、受験者の大半が「純粋に高等学校で韓国語を学習した」者ではなく、韓国語母語話者や帰国子女もしくは民族学校で韓国語を習得した者だから。
したがって、いくら平均点が高いからといって問題をむずかしくしても、高校で初めて韓国語を始めた日本人受験生の点が下がるだけで、韓国語母語話者等の高得点はそんなに変わらず、差は開くばかりです。
ではどうすべきかというと、他の独・仏・中国語も含めて第二外国語にするとか、制度自体を考え直すべきでしょう。考え直した結果が今のままということもあるかも・・・。
「在日韓国人だけが得をしている」と主張している人も多いようですが、では親がフランス人(orドイツ・中国・アメリカ人等)の場合とどう違うのか、なぜ英語圏からの帰国子女の有利さは不公平と考えないのか等も考えて、説得力のある説明は必要でしょう。南米等スペイン語圏で育った高校生は多いようですが、自分がその立場だったら不公平だと思うでしょうね。なんで世界屈指のメジャー言語がないのか??
私ヌルボは、「在日韓国人の一部、英語圏やフランス、ドイツ、中国からの帰国子女、または家族がそれらの国の人はみんなセンター試験で得をしている」と思います。
しかし、それが不公平と言えるかどうかは疑問。日本人の子弟が韓国で修学能力試験(韓国版センター試験)の第二外国語で日本語を選択して受験すればできて当然で、それを非難されるいわれはないのでは?
それとどこか違うかなー?
※「在日韓国・朝鮮人の一部」と書いたのは、家庭で日常的に祖父母や韓国の親戚等の韓国語を聞いていたり、初級学校から民族学校で朝鮮語を学んでいる「一部」の在日の意味です。日本で生まれ育った4世ともなると韓国語を知らなくてもむろふつうで、上記のような環境で育つか、日本人の学習者同様に積極的に学ぼうという意志を持って努力した在日がセンター試験や各語学検定試験を受けるというわけです。
さて、上述のようなジレンマを抱えながら迎えた今回も、見たところ出題傾向にこれまでと基本的に大きな差異はありませんでした。
「苦心の作問」であることはうかがえますが、高校での授業の仕上げという意味では全然オーソドックスなものとは思えません。何とか平均点を下げようという意図が問題を歪めてしまっているようです。その例は次の記事で・・・。
[2013年1月24日の追記]
1月23日の中間発表によると、外国語の平均点は次の通りでした。
英語 120.76
ドイツ語 146.85
フランス語 151.96
中国語 163.26
韓国語 141.64
英語以外の4科目中韓国語がなんと最低点ということで、韓国語作問チームとしてはとりあえず「ほっとしている」かもしれません。しかしそれはあくまでも「とりあえず」の話で、それだけ問題が難化したということは、本記事でも記したように高校の授業で韓国語を始めた受験生には相当に厳しい問題だった、ということです。このことは言うまでもなく作問チームも承知のことです。
「韓国語が易しい」と思い込んであえて選択した日本人受験生がいたとしたら、残念な結果になっていたのでは? そういう人はもしかしたら少数ながらいたかな?
[2014年1月24日の追記]
大学入試センターによる1月23日の中間発表によると、外国語の平均点は次の通りでした。
英語 121.63(受験者数244,100)
ドイツ語 150.54(受験者数 90)
フランス語 162.82(受験者数 102)
中国語 150.50(受験者数 296)
韓国語 145.32(受験者数 103)
昨年にづいて第3位の外国語に約5点の差をつけて最下位の平均点です。
これで明らかに平均点の数値をもって「韓国語は有利だ!」と言えなくなりましたね。むしろ難易度でいえば一番むずかしいのです。ただ、これまで指摘してきたように、韓国語の母語話者やハイレベルの韓国語教育を受けてきた受験生にとっては問題の難易度とは関係なく高得点はとれるでしょうね。他の外国語も同様ですが・・・。
ということで、問題は依然残りますが、それは韓国語の問題というよりもセンター試験の外国語のあり方自体の問題だと思います。
韓国語についていえば、むずかしくなりすぎたため、高校で初めて韓国語を授業で習い始めた受験生には、必死でがんばっても英語の平均の120点でさえ取るのがなかなか困難なレベルになってしまったという問題が平均点の件よりも大きな課題になったということ。
たぶん来年は発音や基本的とも思われない動詞の活用形の問題等々、今年よりは簡単になるのでは、と思います。
この件についての論議に対して、私ヌルボの理解及び意見(みたいなもの)は、ちょうど1年前の2012年1月20日の記事<センター試験の韓国語の難易度について - 難しいのか? 簡単なのか? これは難しいぞ・・・>に書きましたので、ソチラをご覧ください。
→コチラ
要点のみかいつまんで書くと、まず、試験の難易度については高校の「韓国語」の授業でゼロから学び始めた生徒にとっては問題が難しすぎます。
これは過去から現在までを通して見たうえでのこと。
とくに近年は初級レベルの基本問題は皆無といっていいでしょう。高校の3年間の学習だけで5割できれば立派だと思います。
※ちなみに私ヌルボ、恥を忍んで書くと、韓国語とのつきあいは約20年くらい。数年前になんとか上級レベルに手がとどきましたが、韓国語能力試験やハングル検定の最上級レベルはそれ向きの勉強をきっちりやってないので受けても受からないでしょう。しかし新聞や本はまあ読むことはできます。・・・というレベルでして、それでセンター試験に挑戦してみると正答率が8割を超えるかどうかといったところ。
したがって、いろんなブログや掲示板等で「ちょっと勉強したら190点」というようなことが軽く書かれているのを見ると、ホンマかいな!?と思ってしまいます。以前の記事にも書きましたが、調べてみたら韓国に留学していた人や、継続的にきちんと勉強を続けている人だったりするのですけど、その言葉を真に受けて、ゼロから始めて高得点をざそう!と思う人がいなければいいのですが・・・。(まさか、いませんよねー?)
そんな難しいのに平均点が高い理由は、受験者の大半が「純粋に高等学校で韓国語を学習した」者ではなく、韓国語母語話者や帰国子女もしくは民族学校で韓国語を習得した者だから。
したがって、いくら平均点が高いからといって問題をむずかしくしても、高校で初めて韓国語を始めた日本人受験生の点が下がるだけで、韓国語母語話者等の高得点はそんなに変わらず、差は開くばかりです。
ではどうすべきかというと、他の独・仏・中国語も含めて第二外国語にするとか、制度自体を考え直すべきでしょう。考え直した結果が今のままということもあるかも・・・。
「在日韓国人だけが得をしている」と主張している人も多いようですが、では親がフランス人(orドイツ・中国・アメリカ人等)の場合とどう違うのか、なぜ英語圏からの帰国子女の有利さは不公平と考えないのか等も考えて、説得力のある説明は必要でしょう。南米等スペイン語圏で育った高校生は多いようですが、自分がその立場だったら不公平だと思うでしょうね。なんで世界屈指のメジャー言語がないのか??
私ヌルボは、「在日韓国人の一部、英語圏やフランス、ドイツ、中国からの帰国子女、または家族がそれらの国の人はみんなセンター試験で得をしている」と思います。
しかし、それが不公平と言えるかどうかは疑問。日本人の子弟が韓国で修学能力試験(韓国版センター試験)の第二外国語で日本語を選択して受験すればできて当然で、それを非難されるいわれはないのでは?
それとどこか違うかなー?
※「在日韓国・朝鮮人の一部」と書いたのは、家庭で日常的に祖父母や韓国の親戚等の韓国語を聞いていたり、初級学校から民族学校で朝鮮語を学んでいる「一部」の在日の意味です。日本で生まれ育った4世ともなると韓国語を知らなくてもむろふつうで、上記のような環境で育つか、日本人の学習者同様に積極的に学ぼうという意志を持って努力した在日がセンター試験や各語学検定試験を受けるというわけです。
さて、上述のようなジレンマを抱えながら迎えた今回も、見たところ出題傾向にこれまでと基本的に大きな差異はありませんでした。
「苦心の作問」であることはうかがえますが、高校での授業の仕上げという意味では全然オーソドックスなものとは思えません。何とか平均点を下げようという意図が問題を歪めてしまっているようです。その例は次の記事で・・・。
[2013年1月24日の追記]
1月23日の中間発表によると、外国語の平均点は次の通りでした。
英語 120.76
ドイツ語 146.85
フランス語 151.96
中国語 163.26
韓国語 141.64
英語以外の4科目中韓国語がなんと最低点ということで、韓国語作問チームとしてはとりあえず「ほっとしている」かもしれません。しかしそれはあくまでも「とりあえず」の話で、それだけ問題が難化したということは、本記事でも記したように高校の授業で韓国語を始めた受験生には相当に厳しい問題だった、ということです。このことは言うまでもなく作問チームも承知のことです。
「韓国語が易しい」と思い込んであえて選択した日本人受験生がいたとしたら、残念な結果になっていたのでは? そういう人はもしかしたら少数ながらいたかな?
[2014年1月24日の追記]
大学入試センターによる1月23日の中間発表によると、外国語の平均点は次の通りでした。
英語 121.63(受験者数244,100)
ドイツ語 150.54(受験者数 90)
フランス語 162.82(受験者数 102)
中国語 150.50(受験者数 296)
韓国語 145.32(受験者数 103)
昨年にづいて第3位の外国語に約5点の差をつけて最下位の平均点です。
これで明らかに平均点の数値をもって「韓国語は有利だ!」と言えなくなりましたね。むしろ難易度でいえば一番むずかしいのです。ただ、これまで指摘してきたように、韓国語の母語話者やハイレベルの韓国語教育を受けてきた受験生にとっては問題の難易度とは関係なく高得点はとれるでしょうね。他の外国語も同様ですが・・・。
ということで、問題は依然残りますが、それは韓国語の問題というよりもセンター試験の外国語のあり方自体の問題だと思います。
韓国語についていえば、むずかしくなりすぎたため、高校で初めて韓国語を授業で習い始めた受験生には、必死でがんばっても英語の平均の120点でさえ取るのがなかなか困難なレベルになってしまったという問題が平均点の件よりも大きな課題になったということ。
たぶん来年は発音や基本的とも思われない動詞の活用形の問題等々、今年よりは簡単になるのでは、と思います。
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