韓国語学習者の皆さん、先月(5月)発行された野間秀樹「ハングルの誕生」(平凡社新書)はオススメです。・・・っていうか、ぜひ読んで下さい!
以下、この本の内容をいろいろ紹介、
・・・と思ったのですが、今回は1つのテーマ、それも本論からはずれた1点に限定して記事にします。
本書中、次のような記述がありました。
朝鮮語でも日常的な基礎語彙は固有語だが、中には「山」のような基礎語彙なのに、「モイ」という固有語が失われ、「サン」という漢字語に取って代わられたものもある。」
えっ、「山(サン.산)」にもともと固有語があったの!? ・・・って、思い起こせば初級者の頃、「基本的な言葉なのに漢字語なのか~」とちょっと疑問は感じないでもなかったんですが、それっきりだったです。
で、「モイ」はどう綴るのかな、と思って電子辞書で「모이」をはじめ見当をつけて引いてみましたがそれらしい語は見あたらず。
ちょっと本気になって横浜市立図書館3Fにずらーっと並んでいる分厚い韓国語辞典を数冊あたってみましたが、「墓」というやや近いのはあったものの今ひとつ。半ばあきらめかかったところで何となく目に入ったのが「古語辞典」(教学社)。韓国語の古語辞典です。
やっぱり「모이」はなかったのですが、ふとひらめいて「뫼」を引いたら、ありましたよ、ふっふっふ! 「山の古めかしい語」で、「모」「메」という語も説明文中にありました。
あらためて電子辞書(「プライム韓日辞典」&「朝鮮語辞典」)に戻ると、「메」=「산(山)」の古めかしい表現、「뫼」=墓 とどちらにもありました。
「古語辞典」で、「뫼」の前後で何となく目に入ったのが「뫼아리」という見出し語。つまり「메아리(こだま)」です。
全3冊、分厚さでは一番の「標準国語大辞典」で「메아리」を引くと、説明文末尾に
<뫼아리 <뫼Δㅏ리 <묗+살+이
とあります。
묗も뫼と同じで山、살は調べたら肉以外に「もののけ、妖気」という意味もあるんですね。
すると「메아리」は語源的には「山の霊」といった意味になるわけですね、おそらく。
日本語のコダマも「木の霊(タマ)」だから、同じようなものです。
・・・と、ここまで一人ナットクして、ふと「山」の固有語があるからには「川(カン.강(江))」の固有語もあるはずだと思って、「古語辞典」の「뫼」の用例を見たら案の定ありましたね。
川の固有語は「내」です。
考えてみれば시내(小川)という言葉がありましたね。これはよーく考えればわかった、か、な? いや、「朝鮮語辞典」には*印のついている語だし、すぐわからないとダメでしたね。(恥)
しかし、韓国語の最上級レベルの皆さんとか、当の韓国人の皆さんはふつうにご存じなんですかねー?
以下、この本の内容をいろいろ紹介、
・・・と思ったのですが、今回は1つのテーマ、それも本論からはずれた1点に限定して記事にします。
本書中、次のような記述がありました。
朝鮮語でも日常的な基礎語彙は固有語だが、中には「山」のような基礎語彙なのに、「モイ」という固有語が失われ、「サン」という漢字語に取って代わられたものもある。」
えっ、「山(サン.산)」にもともと固有語があったの!? ・・・って、思い起こせば初級者の頃、「基本的な言葉なのに漢字語なのか~」とちょっと疑問は感じないでもなかったんですが、それっきりだったです。
で、「モイ」はどう綴るのかな、と思って電子辞書で「모이」をはじめ見当をつけて引いてみましたがそれらしい語は見あたらず。
ちょっと本気になって横浜市立図書館3Fにずらーっと並んでいる分厚い韓国語辞典を数冊あたってみましたが、「墓」というやや近いのはあったものの今ひとつ。半ばあきらめかかったところで何となく目に入ったのが「古語辞典」(教学社)。韓国語の古語辞典です。
やっぱり「모이」はなかったのですが、ふとひらめいて「뫼」を引いたら、ありましたよ、ふっふっふ! 「山の古めかしい語」で、「모」「메」という語も説明文中にありました。
あらためて電子辞書(「プライム韓日辞典」&「朝鮮語辞典」)に戻ると、「메」=「산(山)」の古めかしい表現、「뫼」=墓 とどちらにもありました。
「古語辞典」で、「뫼」の前後で何となく目に入ったのが「뫼아리」という見出し語。つまり「메아리(こだま)」です。
全3冊、分厚さでは一番の「標準国語大辞典」で「메아리」を引くと、説明文末尾に
<뫼아리 <뫼Δㅏ리 <묗+살+이
とあります。
묗も뫼と同じで山、살は調べたら肉以外に「もののけ、妖気」という意味もあるんですね。
すると「메아리」は語源的には「山の霊」といった意味になるわけですね、おそらく。
日本語のコダマも「木の霊(タマ)」だから、同じようなものです。
・・・と、ここまで一人ナットクして、ふと「山」の固有語があるからには「川(カン.강(江))」の固有語もあるはずだと思って、「古語辞典」の「뫼」の用例を見たら案の定ありましたね。
川の固有語は「내」です。
考えてみれば시내(小川)という言葉がありましたね。これはよーく考えればわかった、か、な? いや、「朝鮮語辞典」には*印のついている語だし、すぐわからないとダメでしたね。(恥)
しかし、韓国語の最上級レベルの皆さんとか、当の韓国人の皆さんはふつうにご存じなんですかねー?
それぞれの固有語…意識したことありませんでした。
おもしろいですね。
韓国語の古語辞典もおいてある図書館…素敵です。
うちの近所の図書館には韓国語の小説(原書)すらないんですよ!
韓国のある都市と姉妹都市関係にあるのに、そんなことで文化交流とか言えないでしょ…と常々思っています。
横浜市立図書館は全国的にもトップクラスの公立図書館で、わが家の近くとはホントにラッキーです。(実は図書館の近くだから、というのもここに居を定めた理由の1つ、ということです。)
以前11月18日の記事で韓国書の置いてある図書館等について記しました。まだでしたらご一読下さい。
→http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/dba1097ff22e98c682f6ff616bad1e4d
イノシシ(山ブタ)の멧돼지も山の뫼と同じ語源です。ソウルの地下鉄の駅である연신내も,延新川と言う意味で,내が固有語になっています。それより野間先生が新書を出したとは知りませんでした。早速読んでみたいと思っています。情報提供,ありがとうございます。
延新川という駅は知りませんでした。日本の地名で、昔の言葉(アイヌ語も含めて)が残っている例はいろいろありますが、韓国の場合もそうなんでしょうね。