ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月12日(金)~5月14日(日)]

2017-05-17 14:51:18 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 再上映のドキュメンタリー「≒草間彌生~わたし大好き~」は<ぴあ面と向かって映画生活>等のサイトの評価は★0~1と★4~5の両極端に評価が分かれています。簡単に言えば監督は低評価で草間彌生さんは高評価。これは実際に観てみてナットク。たとえば草間さんが絵の題として書いた「生老病死」について「どういう意味ですか?」には内心で「えっ、知らないの!?」。これはまだ相当マシな部類で、「晩年にこんな作品を描けるなんてすごいですね」と面と向かって訊くとはなんと・・・(絶句)。しかし監督自身は→コチラの記事によると「気に入っているシーン」(!)とのこと(2度目の絶句)。

 横浜シネマリンで5月20日から朝鮮学校ボクシング部についてのドキュメンタリー「ウルボ ~泣き虫ボクシング部」を上映。ところが日を間違えて行って観たのが「まるでいつもの夜みたいに~高田渡 東京ラストライブ」。2005年3月27日のこぢんまりとした居酒屋でのライブなのですが、彼はなんとその20日後の4月16日56歳で急逝したのですね。私ヌルボと同世代で他人事とは思えません。(ハングルサークル仲間のお酒の好きなT兄(ヒョン)、アナタと誕生日同じですよ!) 高田渡については「自衛隊に入ろう」等の歌を通じて知っているだけでしたが、彼らフォーク歌手だけでなく、当時から知られていた人・知っている人たちのその後の人生もさまざまです。(・・・と、しばし感懐に耽るヌルボ。)
 ドキュメンタリー以外で観たのは「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。味わいはまさに純文学。観ていていろいろツラい映画でした。
    
「朝鮮日報」4月28日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「セールスマン」
  米文学包摂イラン映画 ★★★☆
 「エイリアン:コヴェナント」
  ウェルメイド? ハッタリ? ★★★
 「聲の形」
  少しのキズ、少しの成長 ★★★
 「道」
  両親に電話しましょう ★★☆
 「道」は韓国のドラマ。誠意に満ちた女性スネ(キム・ヘジャ)と恥ずかしがり屋の男性サンボム(ソン・ジェホ)。絶望の果てから人生を取り戻そうとするスミ(ホ・ジン)。たまたま1つの縁で結びついた彼らの人生の物語です。他の3作品は下の記事中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) マリアンヌとマーガレット(韓国)  9.58(69)
②(2) 劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(日本)  9.52(299)
③(3) 謝罪  9.52(119)
④(4) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.43(211)
⑤(6) ヒドゥン・フィギュアズ  9.36(2,804)
⑥(10) 劇場版 トボット ロボット軍団の襲撃(韓国)  9.31(134)
⑦(7) 黒執事 Book of the Atlantic(日本)  9.29(474)
⑧(5) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.29(429)
⑨(9) 再び、桜(韓国)  9.26(186)
⑩(-) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.25(1,538)

 今回の新登場はありません。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(-) セールスマン  8.20(5)
④(3) ムーンライト  7.83(6)
④(3) 夜に海岸で独り(韓国)  7.83(6)
⑥(5) マンチェスター・バイ・ザ・シー  7.75(8)
⑦(7) ジョン・ウィック チャプター2  7.67(3)
⑧(-) 聲の形(日本)  7.50(4)
⑨(9) 謝罪  7.33(3)
⑩(10) 怒り(日本)  7.25(4)

 今週の新登場は③と⑧の2作品です。
 ③「セールスマン」はアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「別離」等で知られるイランのアスガー・ファルハディ監督の最新作で、昨年のカンヌ映画祭で脚本賞と主演男優賞を受賞した作品です。教師のエマッドと妻のラナは小さな劇団に所属している若夫婦で、演劇「セールスマンの死」を準備中。しかし思いがけないことで住む家を失ってしまい、劇団仲間が紹介してくれたアパートに移り住むことになります。ところが演劇の初日を迎えた夜、ひと足早く劇場から帰宅したラナが侵入者に襲われるという事件が起こり、夫婦の生活は一変します。精神的にもダメージを負ったラナは、「警察に行こう」というエマッドの説得を頑なに拒み続け、夫婦仲は険悪になっていきます。エマッドは、犯人は前の住人だった女性と関係がある人物だという確証をつかみ、自力で捜し出すことを決意するのですが・・・。韓国題は「세일즈맨」。日本公開は6月10日です。
 ⑧「聲の形」は日本でも評価の高かったアニメで、これは私ヌルボも観ました。韓国でもなかなか好評のようでけっこうなことです。韓国題「목소리의 형태(声の形態)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月12日(金)~5月14日(日) ★★★

         日本より5ヵ月早い公開 「エイリアン:コヴェナント」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・エイリアン:コヴェナント ・・・・・5/09・・・・・・・・・・・524,612 ・・・・・・・・・・・959,961・・・・・・・・・7,980 ・・・・・・・・・836
2(2)・・保安官(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・425,641・・・・・・・・・・2,206,578・・・・・・・・17,934 ・・・・・・・・・758
3(3)・・ザ・ボス・ベイビー・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・348,294・・・・・・・・・・1,922,034・・・・・・・・14,877 ・・・・・・・・・723
4(1)・・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・・5/03・・・・・325,792・・・・・・・・・・2,425,711・・・・・・・・20,944 ・・・・・・・・・734
        :リミックス
5(92)・・石造邸宅殺人事件(韓国)・・・5/09・・・・・・・・・・・150,323 ・・・・・・・・・・・291,929・・・・・・・・・2,370 ・・・・・・・・・539
6(15)・・聲の形(日本) ・・・・・・・・・・・・・・5/09・・・・・・・・・・・・94,592 ・・・・・・・・・・・202,626・・・・・・・・・1,606 ・・・・・・・・・466
7(新)・・キング・アーサー ・・・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・・46,918 ・・・・・・・・・・・・50,754 ・・・・・・・・・・447 ・・・・・・・・・256
8(4)・・王様の事件手帳(韓国) ・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・・35,061・・・・・・・・・・1,612,723・・・・・・・・12,511・・・・・・・・・429
9(5)・・ワイルド・スピード ICE BREAK・・4/12 ・・・・・・・・・17,368・・・・・・・・・・3,645,788・・・・・・・・29,925・・・・・・・・・178
10(7)・・スマーフ:失われた村・・・・・・・4/28・・・・・・・・・・・・13,628・・・・・・・・・・・・420,615・・・・・・・・・3,077 ・・・・・・・・・201
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先々週の1位「特別市民」は早々とベスト10外に消えました。「哭声」や「お嬢さん」レベルの韓国映画が待ち遠しいです。さしあたり5月17日正式公開のソル・ギョングとイム・シワン共演「不汗党:悪いやつらの世界」はどうかな? もっと先だとポン・ジュノ監督の新作の怪獣映画「オクジャ」が6月29日公開なのですが、この作品は6月28日から動画配信サービスNetflixで全世界同時配信されるそうで、日本もその中に入っています。韓国では劇場公開もありますが、日本ではないということで、問題にもなっているようです。私ヌルボはDVD化されてる作品でも映画館で観たいという旧世代人間なので「なんだかなー」です。
 今回の新登場は1・5・6・7位の4作品です。
 1位「エイリアン:コヴェナント」はリドリー・スコット監督自身があの1979年公開のSFスリラー「エイリアン」の原点を描いた作品。史上最大規模の植民地開拓義務を持って目的地に向かっていたカバーナント号は未知の惑星から来た信号を検出し、そこを探査することを決定します。ところがそこは希望が持てる新世界ではなく危険な世界でした。想像を超える脅威が明らかになり、クルーは命がけで脱出をはかるのですが・・・。韓国題は「에이리언: 커버넌트」。日本公開は9月15日です。なんで韓国より5ヵ月も遅いの? もう→公式サイトはあって予告編も見られるんですけどね。
 5位「石造邸宅殺人事件は韓国のスリラー。光復(解放)から間もない頃のソウル。巨大な石造邸宅で2人の男が向き合い、そして起こった6発の銃声・・・。発砲事件の通報を受けて警察が出動し、運転手チェ・スンマン(コ・ス)を殺害した容疑で資産家のナム・トジン(キム・ジュヒョク)を逮捕します。しかし現場に残されているは、死体を焼いた跡と血痕、そして切り落とされた指だけ。この謎に満ちた石造邸宅での殺人事件の審判が行われるのですが、事件のもみ消しをはかるユン・ヨンファン弁護士(ムン・ソングン)と有罪を立証しようとするソン・テソク検事(パク・ソンウン)の対決はいかに? え、これは緻密に計画され実行された事件だと!? 原題は「석조저택 살인사건」です。
 6位「聲の形」については上述しました。
 7位「キング・アーサー」は、よく知られた中世の騎士道物語のアーサー王伝説の最初の部分、つまり青年アーサーがキング・アーサーへと成長する過程を描いた米・英・豪合作のアクション。スラム街の青年アーサー(チャーリー・ハナム)は、王の息子でありながら両親を殺され、貧しく生きることを強いられてきました。ある時無双の力を持つ聖剣エクカリバーを手に入れた彼は、両親を殺したヴォーティガン(ジュード・ロウ)を倒し、イングランドの王になるため、仲間と共に立ち上がります。韓国題は「킹 아서:제왕의 검」。日本公開は6月17日です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・・・6,216 ・・・・・・・・・・・86,174 ・・・・・・・・・・・・644・・・・・・・・・・79
        ゆっくり平穏に(韓国)
2(新)・・セールスマン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/11 ・・・・・・・・・・・・2,999 ・・・・・・・・・・・・5,394・・・・・・・・・・・・・・46・・・・・・・・・・53
3(17)・・Cafe Waiting Love・・・・・・・・・・・・・5/11 ・・・・・・・・・・・・2,941・・・・・・・・・・・・・4,632・・・・・・・・・・・・・・39・・・・・・・・・107
4(7)・・ザ・シャック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/20 ・・・・・・・・・・・・2,878・・・・・・・・・・・・62,311 ・・・・・・・・・・・・476・・・・・・・・・・15
5(3)・・午後8時の訪問者 ・・・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・・・2,530・・・・・・・・・・・・18,803・・・・・・・・・・・・・153・・・・・・・・・・41

 今回新登場の作品は2・3・5位の3作品です。
 2位「セールスマン」については上述しました。
 3位「Cafe Waiting Love」(仮)は2004年の台湾の青春映画。佳作「あの頃、君を追いかけた」の原作者&監督の九把刀(ギデンズ・コー)の<恋愛小説3部作>の2作目「等一個人咖啡」の映画化作品で原題も同じ。ただ今回は自身の監督ではなく江金霜監督です。等一個人咖啡という店名のカフェを舞台に、アルバイトの女子学生、常連客の青年、女性店主等々の恋愛模様が描かれます。詳細は観た方によるブログ記事(→コチラ)参照ということにしますが、「あの頃、君を追いかけた」の好評にもかかわらずこの作品の日本公開がないのは残念。なお撮影場所として造られた等一個人咖啡は台北市木柵の景美にあって同じ店名で実際に営業をしているそうです。韓国題は「카페, 한 사람을 기다리다(カフェ、ひとりを待つ)」です。
 5位「午後8時の訪問者」は、日本ではすでに4月8日公開されています。韓国題は「언노운 걸(アンノウン・ガール)」です。
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