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「転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿」笠井潔

2017年11月15日 10時25分20秒 | 読書
「転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿」笠井潔





タイトルはいかにもという感じの探偵小説,本格推理ものという雰囲気だが,中身はかなり趣が異なる.

むしろ社会派小説である.
戦後の学生運動家達が何を考え,何を目指していたかを,歴史上の革命といわれる様々な出来事とその登場人物との対比の中で解説した「革命史,思想史」にもなっている.

私の場合,小説中の歴史上の人物でわかるのはポリシェヴィキくらいで,あとは知らない人ばかり.
「勉強になります」とは言えるが,この面での興味を喚起されるまでは行かないかな.
革命にも政治にも興味ないし.
残念ながら.

飛鳥井探偵事務所に持ち込まれた依頼は,「テレビのニュースに映っていた国会前デモの群衆の中に,昔の知り合いがいた.しかし,連絡手段が全くないので,何とかその人物を突き止めてくれないか?」というもの.

気軽に引き受けた飛鳥井探偵だが,調べるほどに奇妙な事実が明らかになり,この調査は一体何のためなのか,依頼主は本当のことを言っているのか?が混乱してくる.
さあ,どうする?

ということで展開していきます.

まあ,面白いといえば面白いのだけど,訴求力というか,緊張感はいわゆるミステリーの高いレベルには達していないと思う.
東野圭吾や道尾秀介はもちろん,最近,佐藤究や宿野かほるという面白い作家を発見してしまったので,彼らと比較してしまうと,まあ,もういいかな.
という印象です.
まあ,勝手な感想だとは思うけど.ファンの方はご容赦ください.

ただ,革命史や政治に興味ある方には必読の書かもしれません.
念のため.

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